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2024年第36週から2024/2025シーズンの集計を開始しました。2024年第35週までの発生状況は「感染性胃腸炎の流行状況(2023/2024シーズン)」をご覧ください。
感染性胃腸炎は、細菌、ウイルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状とした感染症の総称です。夏の時期は、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、カンピロバクターなどの細菌が原因となっていることが多く、また秋から初春の時期は、ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスが主原因となって流行します。
新型コロナウイルス感染症流行後の2020/2021シーズンから2022/2023シーズンにかけては発生動向に変化がみられていましたが、2023/2024シーズンは新型コロナウイルス感染症流行前と同じく、年末年始を境とした2峰性のピークと、春から初夏にかけた緩やかなピークがみられました。
県内の感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第39週2.97人から第40週3.39人と増加しました。西条保健所、八幡浜保健所は他保健所に比べやや多い状況です。
秋から初春にかけてはノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスによる感染性胃腸炎が増加する傾向がありますので、次のポイントに注意し感染予防に努めましょう。
愛媛県 | 保健所 | ||||||||
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四国中央 | 西条 | 今治 | 松山市 | 中予 | 八幡浜 | 宇和島 | |||
定点当たり患者報告数 | 40週 | 3.39 | 3.67 | 5.33 | 1.00 | 3.80 | 3.00 | 4.75 | 1.25 |
39週 | 2.97 | 1.33 | 4.83 | 0.40 | 3.30 | 2.75 | 5.75 | 1.25 | |
38週 | 3.65 | 3.67 | 6.67 | 1.20 | 4.55 | 3.50 | 2.00 | 1.50 |
※報告がない場合は空欄となっています。
〇 新たに検出された病原体はありません。
感染性胃腸炎に関連する病原体は、通常、冬期は主にノロウイルス、サポウイルス、ロタウイルス等のウイルス性のものが中心で、夏期は細菌性を原因としたものが主となります。
上の図は、2019年以降の県内における感染性胃腸炎の定点当たり患者報告数(折れ線グラフ)および検出ウイルス・細菌(棒グラフ)の推移を示しています。
冬期に検出される病原体のほとんどはウイルス性であり、晩秋から春にかけてはノロウイルスやサポウイルス等が検出されています。一方、夏期はウイルス性病原体の検出数が減少し、カンピロバクターやサルモネラ属菌などの細菌性病原体の検出数が増加しています。