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発刊にあたって

 愛媛県は、西日本最高峰の石鎚山を中心に連なる山々や多島美を誇る瀬戸内海、変化に富んだ宇和海のリアス式海岸など、自然豊かな県土を有しており、そこには、多くの野生動植物が生息・生育し、多様な生態系を構成しています。
 私たちは、この豊かな自然環境と多様な生きものたちから、様々な恵みを受け、古くから農業や林業、漁業などを営みながら、文化や伝統などを育み、自然と調和した里山などの地域を形成してきました。
 しかしながら、この本県が誇る豊かな自然と生物の多様性は、開発や里山の荒廃、自然植生の食害、外来種による生態系のかく乱などの影響により、危機に直面しており、保全に向けた取組みが急務となっています。
 このような中、県では、平成23年度から、『100年先も 生きものみんな やさしい愛顔』を目指すべき将来像として掲げた「生物多様性えひめ戦略」に基づき、絶滅のおそれのある野生動植物についての情報を収集し、保全対策の資料とするため、絶滅の危険度を評価したレッドリストの改訂作業を進めて参りました。
 本書は、レッドリストに記載された各々の種の特徴や分布状況、生息・生育状況などを取りまとめたものであり、県におきましても、今後、これらの最新の情報を活用し、県内の野生動植物の生息・生育環境や自然生態系の保全・再生に向けて、県民の皆様と共に一層努めて参ります。
 また、この度発行したレッドデータブックが、多くの県民の皆様に活用され、各地域での活動の一助となりますことを願っております。
 終わりに、本書の編纂にあたり、多大の御尽力を賜りました愛媛県レッドデータブック改訂委員会並びに各分科会はじめ、関係者の皆様に厚くお礼を申し上げます。

平成26年10月
愛 媛 県