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自然環境の概要

 愛媛県は四国北西部の東経132°0´〜133°41´、北緯32°53´〜34°18´の間に位置し、面積は5,678.51㎢である。海岸線の総延長は1,633㎞、全国で第5位、海上には越智諸島、忽那諸島など大小200余りの島々が点在している。海域は佐田岬半島により単調で遠浅(東、中予)の瀬戸内海とリアス式海岸で黒潮の影響を受ける宇和海に隔てられている。
 陸域は銅山川、中山川、重信川、佐田岬半島から九州に続く中央構造線が走り、その北側は石鎚断層崖と呼ばれる急崖が、山麓には扇状地や平野が分布し瀬戸内海へと続く。構造線の南側は複雑な山地となり、西日本最高峰の石鎚山(標高1,982m)を中心に東赤石山、西赤石山、笹ヶ峰、瓶ヶ森、岩黒山、堂ヶ森、皿ヶ嶺へと続いている。県西部には出石山、南部には鬼ヶ城山、篠山等から成る山地が広がる。
 本県における平地と山地の割合は約3:7で、大部分を山地が占めている。県土の約7割が森林に覆われているが、その内の人工林率は約64%と全国平均(約43%)より高い。一級河川は吉野川水系、仁淀川水系、重信川水系、渡川(四万十川)水系及び肱川水系の5水系で745河川の総延長は約1,944km、二級河川は408河川の約1,246kmである。それらを合計すると1,153河川の3,190kmに及び、河川総延長では全国で第9位となっている。
 自然の基盤となる地質は、中央構造線により、アジア大陸側(内帯)と太平洋側(外帯)に区分される。内帯には越智諸島から高縄半島にかけて領家花崗岩類・領家変成岩類(ホルンフェルス)が、四国中央市から大洲市長浜町青島まで中央構造線の北側に沿って、和泉層群が帯状に分布する。外帯には県の東端から佐田岬半島先端までの四国脊梁山脈の基盤を構成する三波川変成岩類・御荷鉾緑色岩類と、石鎚山系・久万盆地の石鎚山第三系、その南側の秩父累帯と黒瀬川構造体の諸岩類が東西方向の帯状に分布する。さらに、秩父累帯の南側には四万十帯と、これに陥入した高月山花崗岩類が分布する。これらの古期岩類を覆って海岸平野や山間盆地には砂礫層を主とする第四系(更新(洪積)統・完新(沖積)統)が分布する。
 大野ヶ原から天狗高原をへて鳥形山(高知県)まで東西約25kmのカルスト台地には羅漢穴をはじめ鍾乳洞が点在し、石灰岩地帯に特有の生態系が見られる。
 本県の気候は瀬戸内海側では、中国山地、四国山地、近畿、九州に囲まれているため、降水量は比較的少なく(松山市年平均(1981-2010)降水量 1,314.9㎜)相対的に乾燥し、風も穏やかで比較的温暖である(松山市年平均(1981-2010)気温 16.5℃)。宇和海側では降水量、気温とも瀬戸内に比べやや高く、冬の北西の季節風は、関門海峡を吹き抜けてくるため強くなり、降雪を伴うこともある。四国山地では降水量は多い(石鎚山成就社で約2,700㎜)が、気温は低く冬季に積雪が見られる。

執筆者:石川和男

図2-1 地域区分図        ※ 図をクリックすると拡大表示します。

地域区分図

図2-2 地質図

地質図

図2-3 主な山地と河川

主な山地と河川