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カビゴケ

Leptolejeunea elliptica【 タイ類:クサリゴケ科 】
愛媛県カテゴリー
絶滅危惧1類(CR+EN)
環境省カテゴリー
準絶滅危惧(NT)
カビゴケ画像
種の特徴 茎は横に這い、長さ5〜10㎜、生きている葉の上や樹枝に密着し、鮮緑色、枯れると黒変する。葉は2形あり、茎の背側に背片、腹側に腹葉がつく。背片はゆがんだ楕円形で、長さ0.3〜0.4㎜、先端はやや尖り、重ならずに茎の両側に並んでつき、立ち上がる傾向がある。背片の一部が腹側に折れ曲がり、腹片となる。腹葉は裂片の幅が1細胞しかない。背片には油体の詰まった大きな細胞が点在し、ハッカに似た香りを発する。このような特徴は本種以外になく、きわめて特異である。
分 布 県内:松山市湯山、砥部町仙波ヶ嶽、大洲市山鳥坂、小藪渓谷、桂川渓谷、西予市観音水、成川渓谷、滑床、宇和島市薬師谷、横吹渓谷。 県外:本州(福島県以南)、四国、九州、琉球列島;東南アジア。
生息状況
選定理由
空中湿度の高い渓谷で、ヤブツバキなど常緑広葉樹やシダ類の生きている葉の上に生育する熱帯系のタイ類。本県の中南部には比較的広く分布しているが、いずれも森林伐採・道路・ダム建設などの危険性にさらされている。現地で容易に認識できるので、環境指標種として優れている。
特記事項 カビゴケの発する香気成分は、広島大学の林修一教授・松尾昭彦博士らによってエチルアニソールであることが判明した。この物質は抗カビ・抗菌作用があり、生きている葉の上という特殊な環境でカビゴケが生育するのに役立っているのであろう。
地方名 ---
撮影者:関 太郎執筆者: 関 太郎
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