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イワマセンボンゴケ

Scopelophila ligulata【 セン類:センボンゴケ科 】
愛媛県カテゴリー
絶滅危惧1類(CR+EN)
環境省カテゴリー
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種の特徴 茎は直立して密生し、高さ2〜5㎝、径が数10㎝〜1m近くの大きな塊となる。塊の色は鮮緑色から黒褐色と変化がある。葉は幅広い舌形で、長さ1.5〜3㎜、先端は円く、葉縁に鋸歯はない。葉細胞は六角形で、表面に細かい肥厚がある。胞子のうはきわめて稀で、本県からは知られていない。
分 布 県内:新居浜市旧別子銅山、西条市旧千原銅山、小田深山。 県外:本州(関東地方以西)、四国、九州;中国大陸、ヒマラヤ、インドネシア、北アメリカ、南アメリカ、アフリカ。
生息状況
選定理由
銅や鉄など重金属イオンを含有する鉱水あるいは温泉水などの浸出する岩上や地上に群生し、「銅コケ」(copper mosses)といわれる。本県では、温泉に生育する例はなく、中央構造線に沿う結晶片岩地帯に分布している。「銅コケ」は生態学的にも生理学的にもきわめて興味深いコケである。本県では、銅山の廃坑により、鉱水の浸出が止まり、危機的な状況にある。2013年の調査では、旧千原銅山の廃石上にあった大群落が、道路建設の廃土に覆われて大部分が消滅した。小田深山では鉱山に関係のない結晶片岩上に群生しており、全国的に見ても貴重な例である。
特記事項 越智一男氏によって新居浜市東平で採集され、桜井久一博士によって新種Merceya mollissima Sakuraiとして発表されたものは、本種の異名である。
地方名 ---
撮影者:---執筆者: 関 太郎
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