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シロウオ

Leucopsarion petersii Hilgendorf, 1880 【 スズキ目 ハゼ科 】
愛媛県カテゴリー
絶滅危惧2類(VU)
環境省カテゴリー
準絶滅危惧(NT)
シロウオ画像
種の特徴 全長約5㎝。体形は細長く、第1背鰭を欠く。生時の体はややあめ色を帯びた白色半透明で、背骨、浮袋、卵巣などの諸器官が外部から容易に観察できる。波の穏やかな沿岸浅所で生活し、群れで底近くを遊泳する。早春に海から遡上し、汽水域上端付近の砂礫底に巣穴を掘って産卵する。雄は巣内に留まり、孵化時まで卵を保護する。卵は約2週間で孵化し、仔魚はただちに海へ降る。寿命は1年で、雌は産卵後、雄は卵保護後に死亡する。
分 布 県内:県内各地の河口感潮域。 県外:北海道の函館湾、青森県〜九州;朝鮮半島、東沙群島。
生息状況
選定理由
県内では毎年1月下旬から4月頃、親魚が河川に遡上する。遡上時期は宇和海側で早く、瀬戸内海側で遅い。宇和島市津島町および三浦湾流入河川、来村川、大三島町除川では、遡上群を巻き網や四つ手網等で捕獲する漁がおこなわれている。本種の繁殖には下流域まで良好な水質、底質の保たれた自然度の高い河川環境が必要であり、県内の多くの生息河川では家庭排水や工場排水などによる水質悪化、ダム建設による水量の減少、河川改修などに伴う底質悪化がみられ、産卵場周辺の河川環境が悪化している。
特記事項 水産庁では減少種・減少傾向に指定されている。近年の遺伝子解析により、対馬暖流沿岸域に生息する日本海型と黒潮沿岸域に生息する太平洋型の2つの系統が報告された。
地方名 しらうお
撮影者:清水孝昭執筆者: 水野晃秀
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