1. HOME
  2. 淡水魚類
  3. ヒナイシドジョウ

ヒナイシドジョウ

Cobitis shikokuensis Suzawa, 2006 【 コイ目 ドジョウ科 】
愛媛県カテゴリー
絶滅危惧1B類(EN)
環境省カテゴリー
絶滅危惧1B類(EN)
ヒナイシドジョウ 画像
種の特徴 全長7㎝。日本産シマドジョウ属で最小。雌の方が大きくなる。典型的なドジョウ体型だが、尾鰭基部に肉質の隆起があり、尾柄が太い。雄の胸鰭は先端がとがるが、雌では丸い。白地に暗褐色の縦帯、点列が並ぶ。
分 布 県内:重信川、肱川、岩松川など中・南予の6水系。 県外:仁淀川、四万十川など高知県の5水系(愛媛県側で一部重複)。
生息状況
選定理由
山間部を中心に、河川によっては中・下流域にも生息するが、泉を含む止水域には見られない。目詰まりのない礫床を好み、産卵や仔稚魚期の生育、越冬を河床内部で行うため、河川への細粒土砂の流入・堆積は致命的である。現存個体群の水系内分布は不連続な場合が多く、個体群間の交流も限られている。そのため、各個体群の局所絶滅が分布域の縮小に直結する可能性が高い。すでに、県内の数カ所で生息が確認できなくなっており、特に岩松川水系の個体群は危機的状況にあると考えられる。礫底の間隙に潜って生活するため、地元住民にも知られていない場合が多く、既知の分布域外においても生息の可能性を留意すべきである。他方、発見すれば採集は容易であり、乱獲による個体数の激減も懸念される。
特記事項 水産庁による危急種。2006年に中国・九州地方のイシドジョウから別種記載された。IUCNのレッドリストではイシドジョウとあわせてCobitis takatsuensisとして準絶滅危惧(NT)に指定されている。生息水系間で斑紋に変異が見られ、Ⅰ〜Ⅲ型に類型化されており、水系間では遺伝子組成も異なる。種内の多様性保全の観点から、これら個体群は水系ごとに区別して保護すべきである。
地方名 ---
撮影者:清水孝昭 執筆者: 川西亮太・清水孝昭
分類別一覧ページへ