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カジカ中卵型

Cottus sp.【 スズキ目 カジカ科 】
愛媛県カテゴリー
絶滅危惧1A類(CR)
環境省カテゴリー
絶滅危惧1B類(EN)
カジカ中卵型 画像
種の特徴 全長15㎝。頭部は縦扁し、鰓蓋に一対の棘をもつ。腹鰭は左右に分離する。鱗はなく、体は暗褐色で背部から体側にかけて2本の暗色帯があるが、環境や生理状態によって変異する。12〜2月に産卵後、孵化仔魚は海へ降り、3月以降河川に遡上する。
分 布 県内:肱川(絶滅)、加茂川、中山川ほか西条市の数河川。 県外:北海道北部と南九州を除く日本海および瀬戸内海斜面流入河川。
生息状況
選定理由
肱川では1972年以降記録が途絶え、絶滅したと考えられている。加茂川では現在も再生産が確認されているが、成魚の生息範囲は感潮域より上流約3〜4㎞の範囲と極めて狭い。加茂川周辺河川の個体群は、加茂川からの個体補給によって維持されていると思われる。冷たく清浄な水を好むこと、間隙の大きい礫間を産卵床に利用すること、海と川を往復する生活史をとること、ハゼ科魚類に比べて遡上能力が低いことなどから、水質汚染、河床の目詰まり、河口域の環境悪化、回遊経路の阻害などが個体群の存続に影響を与える。現存する生息河川いずれにおいても、河川横断工作物による流下・遡上の阻害、瀬切れによる回遊経路の分断が生じている可能性があり、堰の構造の見直し、仔魚の流下時期、着底魚の遡上時期における表流水の適切な維持管理などが求められる。
特記事項 カジカ種群としてカジカ大卵型(河川陸封性)が香川県、カジカ小卵型(両側回遊性)が徳島県と高知県に分布するが、高知県ではすでに絶滅したと考えられている。
地方名 どんこ・いしなりどんこ・けんたごり
撮影者:清水孝昭執筆者: 清水孝昭・田頭亮臣
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