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スナヤツメ種群の一種

Lenthenteron sp 【 ヤツメウナギ科 】
愛媛県カテゴリー
絶滅(EX)
環境省カテゴリー
絶滅危惧2類(VU)
スナヤツメ種群の一種 画像
種の特徴 全長15㎝。体は細長く、口は吸盤状で、眼の後に7対の鰓孔が並ぶ。幼生はアンモシーテスと呼ばれ、目がなく、底質中で有機物を食べる。数年かけて成体になり、春に砂礫底にすり鉢状の巣を作って集団で産卵し、死亡する。
分 布 県内:松山市、松前町、西条市。 県外:九州北部〜北海道;朝鮮半島。
生息状況
選定理由
松山平野にはかつて広く分布していたと考えられるほか、西条市氷見(新兵衛地区)から約60年前に採集された標本による記録がある。松山平野では1960年代より農薬散布や水路の改修などにより減少し、1962年に南高井町大門川の個体群が松山市の天然記念物に指定されたが、保全のための施策がとられることはなく、1978年を最後に確実な記録は途絶えている。本種の生息には、湧水池など冷水環境で落葉や泥が堆積した場所と、流れの緩やかな砂礫底が連続していることが必要不可欠であり、水路や泉の改修、生活排水の流入によって生息可能な地点は急激に失われている。過去の生息地は現在、本種の生息に適しているとはいえない環境条件であることと、過去に記録のある場所を中心に近年詳細な調査がなされたが、全く発見されないことなどから、県下ではすでに絶滅したと判断した。
特記事項 外観から区別困難で、遺伝的に識別される2種(北方種と南方種)を含む。県下の集団がいずれかは不明なため、スナヤツメ種群の一種として扱った。
地方名 やつめ
撮影者:佐藤陽一(成体) 水野信彦(変態途中) 高橋弘明(幼生)執筆者: 清水孝昭
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