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更新日:2023年6月2日
令和4年第36週から2022/2023シーズンの集計を開始しました。令和4年第35週までの発生状況は「感染性胃腸炎の流行状況(2021/2022シーズン)」をご覧ください。
感染性胃腸炎は、細菌、ウイルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状とした感染症の総称です。夏の時期は、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、カンピロバクターなどの細菌が原因となっていることが多く、また、秋から冬の時期は、ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスが主原因となって流行します。
本疾患は、新型コロナウイルス感染症流行前には患者が冬期に集中しており、年末年始を境に2峰性のピークを示していました。新型コロナウイルス感染症流行後の2020/2021シーズンは年末年始にピークがみられず、4~5月に報告数が増加しました。2021/2022シーズンは冬期に報告数が増加しましたが、明確なピークを示すことなく推移しました。
県内の感染性胃腸炎の定点当たり報告数は、第20週8.84人から第21週7.92人と減少しました。地域別にみると依然として西条保健所でやや多い状況です。
これから細菌が増えやすい高温多湿の季節を迎えますので、次のポイントに注意し感染予防に努めましょう。
(1)調理、食事の前などこまめに液体せっけんと流水での手洗いを励行する。
(2)生や加熱不十分な食肉の喫食は避け、十分に加熱調理する(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)。
(3)食肉や魚介類は他の食品と調理器具や容器を分けて調理、保管する(二次汚染の防止)。
(4)食肉や魚介類を取り扱った調理器具等は洗浄・消毒する。
(5)食肉や魚介類を取り扱った後は十分に手を洗ってから他の食品を取り扱う。
(6)調理した食品は長時間室温で放置せず、早めに食べるようにする。
区分 | 愛媛県 | 保健所別(各保健所の管轄市町) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
四国中央 | 西条 | 今治 | 松山市 | 中予 | 八幡浜 | 宇和島 | |||
定点当たり患者報告数 |
21週 |
7.92 |
2.33 |
13.33 |
8.60 |
9.09 |
3.75 |
3.75 |
8.25 |
20週 |
8.84 |
7.67 |
13.50 |
8.20 |
11.18 |
3.50 |
4.75 |
6.50 |
|
19週 |
7.43 |
5.67 |
17.17 |
4.80 |
6.64 |
5.25 |
4.50 |
4.75 |
報告がない場合は空欄となっています。
〇 新たに検出された病原体はありません。
感染性胃腸炎に関連する病原体は、通常、冬期は主にノロウイルス、サポウイルス、ロタウイルス等のウイルス性のものが中心で、夏期は細菌性を原因としたものが主となります。
上の図は、2018年以降の県内における感染性胃腸炎の定点当たり患者報告数(折れ線グラフ)および検出ウイルス・細菌(棒グラフ)の推移を示しています。
冬期に検出される病原体のほとんどはウイルス性であり、2018年の推移をみると晩秋から年末にかけてみられる第1の流行時期にはノロウイルスが、1月から4月にかけてはロタウイルスが多く検出され、2つのピークがそれぞれ別のウイルスによるものであることがわかります。一方、夏期はウイルス性病原体の検出数が減少し、カンピロバクターや下痢原性大腸菌などの細菌性病原体の検出数が増加しています。
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