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腸管出血性大腸菌(O157)感染症が多発しています!

ページID:0006704 更新日:2023年1月5日 印刷ページ表示

(平成20年7月25日更新)

県内各地でO157による腸管出血性大腸菌感染症が多発しています。

この感染症は経口感染で、菌で汚染された飲食物を摂取することで感染する場合や、患者から排出された菌が手などに付着してヒトからヒトへ感染する場合があります。食品を扱う際には十分に手洗いをするとともに、レバーなど食肉はよく加熱し生食は控えましょう。特に子供や高齢者は抵抗力が弱いので、生肉や加熱不十分な食肉を食べないよう気をつけてください。なお下痢、腹痛、血便等の症状がある場合は自己判断せず、早めに医療機関を受診してください。

愛媛県内の腸管出血性大腸菌感染症の発生状況

図腸管出血性大腸菌感染症届出数推移(血清型別)

例年、細菌が繁殖しやすい初夏から秋にかけて届出が多くなりますが、平成20年は4月の1ヶ月間に11例の届出がありました。その後も県内各地からの届出が続き、これまでに17例の届出がありました。

下に平成20年に届出のあった感染者の内訳を示しました。

感染者の発生地区は、今治市、新居浜市、松山市、内子町、鬼北町、宇和島市と県内各地に拡がっています。推定感染経路は約60%が経口感染で、うち数例は生レバーなどの喫食が原因の可能性があります。感染者の年齢区分は10歳未満が約26%を占めています。

図:感染者発生地図推定感染経路図:感染者年齢区分

腸管出血性大腸菌感染症とは

平成8年、岡山県や大阪府堺市において、O157の大規模な集団発生が起こり注目されました。その後、大規模な集団発生の報告は減少しましたが、患者及び無症状病原体保有者の報告数は平成16年以降漸増傾向が続いており、平成19年の患者及び無症状病原体保有者数は全国で 4,586人(速報値)でした(病原微生物検出情報(IASR)Vol.28 No.5、感染症発生動向調査週報(IDWR)第9巻第52号)。

原因菌

腸管に出血を起こさせる毒素(ベロ毒素)を出すタイプの大腸菌(腸管出血性大腸菌)。

O157やO26、O111などがよく知られています。

症状

多くの場合、激しい腹痛を伴う水様性下痢で発症し、軽度の発熱や吐き気、風邪様症状もみられることがあります。血便が見られることもあり重症例では鮮血を多量に排出します。子供や高齢者では溶血性尿毒症症候群(HUS)といわれる急性腎不全や脳症(けいれんや意識障害)など重症な合併症を起こすことがあります。

感染経路

腸管出血性大腸菌で汚染された飲食物を摂取することによって感染する場合、患者から排出された菌が手などに付着してヒトからヒトへ感染する場合、あるいは動物との接触によって感染する場合などがあります。

O157の遺伝子型別検査はパルスフィールド・ゲル電気泳動法(PFGE)を用いて実施されています。患者便および原因食品から分離された株の遺伝子型を検査することで、広域的な汚染拡大が明らかになった例もあります(病原微生物検出情報 Vol.28 No.5)。

感染予防

  • 大腸菌は熱には弱いため、食品は十分に加熱しましょう。(75℃、1分以上の加熱で死滅します。)生野菜などは流水で十分に洗い、調理後の食品はなるべく早く食べきるようにしましょう。
  • 特に子供や高齢者は抵抗力が弱いので、生肉や加熱不十分な食肉を食べないよう、気をつけましょう。
  • まな板や包丁など調理器具は、使用の都度、家庭用漂白剤や熱湯をかけて消毒するよう心がけましょう。
  • 調理前や食事の前、トイレ使用後、オムツ交換後などには、ていねいな手洗いとアルコールなどによる消毒を心がけましょう。手洗いはせっけんを使用し、すすぎは流水で十分行ってください。(→手洗いの方法
  • 下痢をしている方は、プールや公衆浴場の使用は控えてください。

<参考> 腸管出血性大腸菌感染症に関するホームページ

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