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文化財の魅力
文化財ってなんだろう?
みなさんは「文化財」と聞いて、どんなものを思い浮かべますか?お城?仏像?それともお祭り?
「文化財とは○○である!」と、ひと言でまとめるのは実は非常に難しいのです。
文化財の種類はさまざまで、建造物や美術工芸品といった「モノ」だけでなく、お祭りやお祭りに使う道具、遺跡や渓谷、さらには動植物まで…
ここでは紹介しきれませんが、他にもいろんなジャンルの文化財があります。
愛媛県にも、このような文化財がたくさんあります。みなさんが身近に見ている風景の中にも、実は文化財が潜んでいることがあるかもしれません。
有名な文化財から、まだあまり知られていないけど実はとても貴重な文化財まで。
この記事では、そんなえひめの文化財(たから)の魅力を、ぐぐっと深掘りしていきます!
日本に誇る、えひめの文化財
愛媛県には全国的にも貴重な文化財も数多く所在しています。
みんなが知っているものから意外なものまで、ここでは愛媛を代表する文化財を厳選して紹介します!
松山城(国指定重要文化財、国指定史跡)
加藤嘉明によって築城された近世城郭で、天守は現存12天守のひとつとして全国的にも貴重な存在です。
天守を含め江戸時代の建築21棟がすべて重要文化財に指定されており、全国の城郭の中でも姫路城に次いで多い棟数となっています。
石垣の積み方や敵の侵入を防ぐ工夫など、じっくり見ると「なるほど!」がいっぱいあります!

(左)松山城天守(本丸広場南東から)
(右)松山城本壇(全景)
絹本著色豊臣秀吉像(国指定重要文化財)
現存する数少ない豊臣秀吉の肖像画のうちもっとも大きく、かつ優れた作品として教科書などにもよく紹介されている肖像画です。
秀吉は慶長3年(1598)に没しますが、この絵は翌年に描かれたものです。宇和島伊達文化保存会の所蔵品です。

絹本著色豊臣秀吉像(国指定重要文化財)
大山祇神社の武具類、本殿・拝殿等(国宝・重要文化財)
瀬戸内海のほぼ中央、海上交通の要所である今治市の大三島に所在する大山祇神社は、古くから武士たちの信仰を集めた神社。
名だたる武士から奉納された武具類は、その多くが国宝や重要文化財に指定されています。
特に日本における国宝・重要文化財の甲冑のうち、約4割がここに所在しています。このほか、神社の本殿・拝殿も重要文化財で、境内のクスノキ群は国指定天然記念物です。
大山祇神社本殿(国指定重要文化財)
太山寺本堂、二王門(国宝・重要文化財)
四国霊場第52番札所である太山寺本堂は、嘉元3年(1305)に建てられました。
本堂は中世仏堂として国内最大級のものであり、蟇股(かえるまた)は鎌倉時代末期の特徴を持ち、日本建築史上極めて重要な建物です。
境内の入口に所在する二王門も、本堂と同じく鎌倉時代末期の建物として重要文化財に指定されています。

(左)太山寺本堂(国宝)
(右)本堂正面の蟇股。華奢なフォルムが鎌倉時代の特徴をよく示す。
あなたのそばにも?身近な文化財
これまで愛媛の誇る代表的な文化財について紹介してきましたが、実は文化財とは特別な場所にあるものだけじゃなくて、みなさんの身近なところにも必ずあるものなのです。
🌟身近な文化財は、地域の人々の記憶やくらしと深く結びついています。
石造物
道の端っこにぽつんと立っている石の祠や道しるべ。実は江戸時代から残っているものも多く、旅人の安全を願ったり、村の境界を示していたものなどさまざまです。
石造物は、地域の人たちが大切に守ってきた静かな歴史の証です。愛媛県ではお遍路さんの道しるべである、遍路道標が見られるのが特徴です。

愛媛県最古の貞享2年(1685)の遍路道標(松山市)
古い町並み
県内には古い町並みが各地に残っています。国の重要伝統的建造物群保存地区である、内子町八日市護国地区では、明治時代に木蝋(もくろう)製造で栄えた当時を伝える家々が建ち並んでいます。
八日市護国地区以外にも、県内には歴史的な町並みが残されています。

内子町八日市護国伝統的建造物群保存地区(国選定)
斜面を活かした段畑
愛媛県の中山間地域では、山を切り開いて傾斜地を段畑や棚田として利用している風景が多くみられます。
国の重要文化的景観である西予市の狩浜の段畑では、湾内で真珠やタイの養殖場が、山では柑橘の段畑が見られるなど、いかにも南予らしい風景を見ることができます。
西予市宇和海狩浜の段畑と農漁村景観(国選定)
地元の祭り
地域ごとに伝わる盆踊りや神楽(かぐら)、獅子舞なども、立派な文化財。「昔からやってるから当たり前」と思っていたものも、実は何百年も続いている貴重な伝統行事なのです。
例えば「牛鬼」や「鹿踊り」と呼ばれる踊りは、南予地域で多く見られますが、地域によって顔や踊り方が微妙に異なっています。

(左)亥の子行事(松山市土手内)
(右)五つ鹿踊り(西予市明浜町狩浜)
文化財の見かた入門
「でも文化財って、難しくて分からない。どうやって見ればいいの?」
そんなあなたに、文化財を楽しめるちょっとしたコツを伝授します!
🌟文化財はまず現地へ行って「見る」のが一番楽しい!でも、事前にその文化財について知識があると、もっとおもしろく感じるようになります!
建物を見るとき
社寺建築では、渦や彫刻に注目!一般的に、古い時代の建物はデザインがシンプルで、時代が新しくなるにつれて派手になっていく傾向があります。
(左)古い時代の絵様(虹梁に描かれた渦)の線は細く、シンプルな形
(右)江戸時代後期になると、線が太くなり、渦から若葉が生えるようになる
和風住宅の内部にある座敷は、基本的にお客様をおもてなしするための格の高い空間です。一見質素に見えても、実は使っている木材が高級だったり、継ぎ目のない大きな板を使ったりと、豪華なつくりになっていることが多いです。
大洲市の臥龍山荘臥龍院(国指定重要文化財)の座敷
仏像を見るとき
まずは仏像全体のプロポーションに注目!
平安時代後期の仏像は、一般的に丸みのある穏やかな作風が特徴で、体のボリューム感も控えめです。
足の甲がぽっちゃりしているのも平安時代の仏像の特徴です。
また、鎌倉時代の仏像は、運慶や快慶などの「慶派」に代表される、筋骨隆々で、肉体表現を写実的に表現する作風が一般的です。
仏像の目に水晶を嵌める「玉眼」の技法も特徴的といえます。

(左)太山寺不動明王坐像(県指定有形文化財)
平安時代後期の仏像で、忿怒相を見せているが、どことなく穏やかな印象を受ける
(右)石手寺金剛力士立像(国指定重要文化財)
鎌倉時代中期の仏像で、身体や顔の彫りが立体的である
祭り・行事を見るとき
愛媛県の秋祭りは東予・中予・南予の各地域でそれぞれ内容が大きく異なります。例えば、東予では派手な太鼓台が出てきますが、中予は神輿が主体で、南予だと牛鬼や鹿の子踊り、神輿などが町中を練り歩く行事が多いです。地元の人に話を聞くと、お祭りの歴史や裏話が聞けるのでおすすめです。

(左)勝岡八幡神社一体走り(松山市勝岡町)
(右)五つ鹿踊り(西予市明浜町狩浜)
未来へつなぐ、えひめの文化財
文化財は、ただ“古いもの”というだけではありません。
今を生きる私たちが、未来へ継承していかなければならない「過去と未来をつなぐタイムカプセル」なのです。
守る人たちの努力
建造物や美術工芸品等の有形文化財は、何もしなくても経年劣化によって少しずつ傷んでいきます。そんな中、所有者や専門家などの関係者によって、現在まで守り伝えられてきたものです。
例えば、道後温泉本館の修理では、再利用できるものは再利用していたり、新しく取り替えるものについても古いものと同じく手作業で新調することにこだわったりしています。
道後温泉本館(国指定重要文化財)修理工事の様子
学ぶ・伝える・つなげる
学校での郷土学習や、地域のガイドによる案内、子ども向けの体験イベントなど、文化財を「知ってもらう」取組みも広がっています。
最近では、デジタル技術を使ってVRで文化財を体験できるプロジェクトも多くなっています。
当課では、令和7年11月29日に「文化財フェア2025」を開催し、いろんな文化財を体験してもらえる機会を作りました。
本サイトでも、個別の文化財を紹介しているほか、クイズや3Dモデルを公開するなどしていますので、ぜひご覧ください。
文化財フェア2025の様子
(左)今治市延喜獅子舞の演舞
(右)伊予絣の体験コーナー
あなたにもできること
文化財を未来へつなぐのに、特別な資格はいりません。
「見に行く」「写真を撮る」「SNSで紹介する」「家族や友達に話す」――それだけでも、文化財を未来へつなぐ立派な“担い手”なのです!
文化財保護課では、公式インスタグラム(えひめのたから【公式】(@ehime_no_takara)<外部リンク>)を通じて県内の文化財の魅力を発信しています。
フォロー&いいねをして、ぜひチェックしてみてください。


文化財は過去と未来をつなぐタイムカプセル
文化財は、昔の人たちが「これを残したい」と願ってくれたもの。 それを今、私たちが「大切にしたい」と思うことで、未来へとつながっていきます。
愛媛県には、まだまだ知られていない文化財がたくさんあります。 あなたの町にある神社、古い地域のお祭り、特色ある食文化など・・・それも、かけがえのない文化財。
さあ、今日からちょっとだけ目線を変えて、身のまわりを見てみませんか? きっと、あなたのすぐそばにも、未来へつなぐ“えひめの文化財(たから)”が眠っているはずです🌱


