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住宅宿泊事業について
1 住宅宿泊事業とは
宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業であって、その日数が1年間で180日を超えないものです。
※また、人を宿泊させた日数は住宅宿泊事業者ごとではなく、届出住宅ごとに算定するため、住宅宿泊事業者の変更等があったとしても、上記期間において人を宿泊させた日数は通算します。
※180日超の営業を行う場合は、旅館業法に基づく許可を受ける必要があります。
※事業が開始できるのは、平成30年6月15日からです。それ以前に事業を行う場合は、届出住宅であっても旅館業法の許可が必要です。
事業概要 |
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名称 |
概要 |
手続き |
監督 |
住宅宿泊事業 |
旅館業法の許可を取得した営業者以外の者が、宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業であって、人を宿泊させる日数が1年間で180日を超えないもの |
都道府県知事への届出 |
都道府県知事 |
住宅宿泊管理業 |
住宅宿泊事業者から委託を受けて、報酬を得て、住宅宿泊事業に係る業務や、届出住宅の維持保全に関する業務を行う事業 |
国土交通大臣の登録 |
国土交通大臣 |
住宅宿泊仲介業 |
旅行業者以外の者が、報酬を得て、宿泊者又は住宅宿泊事業者のため、宿泊サービスについて代理して契約の締結等を行う事業 |
観光庁長官の登録(5年更新) |
観光庁長官 |
※法・政省令・ガイドライン等については観光庁HP(外部サイトへリンク)<外部リンク>をご参照ください。
※平成30年2月28日から、民泊制度ポータルサイトが開設されましたのでご確認ください。
(外部サイトへリンク)<外部リンク>
住宅宿泊事業法における「住宅」とは、次のいずれにも該当する家屋をいいます。
· 当該家屋内に台所、浴室、便所、洗面設備が設けられていること
· 次のいずれかに該当するものであって、事業の用に供されていないもの
1)現に人の生活の本拠として使用されている家屋
2)入居者の募集が行われている家屋
3)随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋
住宅宿泊事業には、家主居住型と家主不在型の2種類があります。届出住宅の居室の数が5を超えるときや、家主不在型の住宅宿泊事業を営む場合は、住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託しなければなりません。
宿泊サービス提供契約の締結の代理又は媒介を他人に委託するときは、住宅宿泊仲介業者又は旅行業者に委託しなければなりません。
2 住宅宿泊事業に対する愛媛県の考え方等
愛媛県は、宿泊客・地域住民双方の安心・安全の確保に配慮をしながら、法の趣旨を踏まえ適切な規制のもとで健全な民泊の普及、振興を図ります。
法施行に合わせ、直ちに本県独自の条例は制定しません。
※法施行後の状況等を踏まえ、制定の必要性が生じた場合は、その時点で検討することとしており、検討の結果、制定する可能性があります。
県内の住宅宿泊事業等関係行政事務は、保健所設置市である松山市の区域も含め、全て県において処理を行います。
※今後、法第68条の規定により松山市が事務処理を行うこととなった場合は、その時点でお知らせします。
3 住宅宿泊事業の届出
届出は、住宅の所在地を管轄する都道府県知事等に対して行います。愛媛県の届出窓口は観光スポーツ文化部観光交流局観光国際課で、連絡・相談先は下記のとおりです。
連絡先 |
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窓口 |
住所 |
連絡先 |
愛媛県観光スポーツ文化部観光交流局観光国際課 |
〒790-8570 松山市一番町四丁目4番地2 |
TEL:089-912-2491 |
東予地方局地域産業振興部商工観光課 |
〒793-8516 西条市喜多川796-1 |
TEL:0897-56-1300 E-mail:tou-syoko@pref.ehime.lg.jp |
東予地方局今治支局地域産業振興部商工観光室 |
〒794-8502 今治市旭町1丁目4番地9 |
TEL:0898-22-8598 E-mail:ima-syoko@pref.ehime.lg.jp |
中予地方局地域産業振興部商工観光課 |
〒790-8502 松山市北持田町132番地 |
TEL:089-909-8760 E-mail:chu-syoko@pref.ehime.lg.jp |
南予地方局八幡浜支局地域産業振興部商工観光室 |
〒796-0048 八幡浜市北浜1丁目3番37号 |
TEL:0894-22-4111 E-mail:yaw-syoko@pref.ehime.lg.jp |
南予地方局地域産業振興部商工観光課 |
〒798-8511 宇和島市天神町7番1号 |
TEL:0895-28-6146 E-mail:nan-syoko@pref.ehime.lg.jp |
届出は、事業を開始しようとする日の前日までに、原則として国の民泊制度運営システムを利用して行います。
※国民泊制度運営システムのアドレスについては、別途お知らせします。
※電子署名に必要なマイナンバーカードを所有していない場合は、民泊システムに届出事項を入力・帳票印刷のうえ、届出書に押印し、添付書類(原本)とともに届出することも可能です。
最寄りの地方局(支局)に届出していただいても構いませんが、その際も受理は本庁(観光国際課)で行います。
届出を受理した住宅宿泊事業者の「届出番号、届出年月日、届出住宅所在市町名(及び住宅宿泊管理業者に管理業務を委託している場合は、その管理業者名及び登録番号)」を公表します。
届出書の記載事項、添付書類は次のとおりです。
(記載事項)
- 商号、名称又は氏名及び住所
- 法人である場合においては、その役員の氏名
- 未成年である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所
- 住宅の所在地
- 営業所又は事務所を設ける場合においては、その名称及び所在地
- 住宅宿泊管理業務の委託をする場合においては、その相手方である住宅宿泊管理業者の商号、名称等
- その他国土交通省令・厚生労働省令で定める事項
※詳細は国施行規則第4条第3項、ガイドライン11P以降を参照
(添付書類)
(1)届出者が法人の場合
イ 定款または寄付行為
ロ 登記事項証明書
ハ 役員が、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村の長の証明書
二 住宅の登記事項証明書
ホ 住宅が「入居者の募集が行われている家屋」の場合は、入居者の募集の広告その他の当該住宅において入居者の募集が行われていることを証する書類
ヘ 住宅が「随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋」の場合は、当該住宅が随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されていることを証する書類
ト 次に掲げる事項を明示した住宅の図面
- 台所、浴室、便所及び洗面設備の位置
- 住宅の間取り及び出入口
- 各階の別
- 居室、宿泊室及び宿泊者の使用に供する部分のそれぞれの床面積
- 安全措置の実施内容
チ 届出者が賃借人である場合においては、賃貸人が住宅宿泊事業の用に供することを目的とした賃借物の転貸を承諾したことを証する書面
リ 届出者が転借人である場合においては、賃貸人及び転貸人が住宅宿泊事業の用に供することを目的とした転借物の転貸を承諾したことを証する書面
ヌ 住宅がある建物が二以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるものである場合においては、専有部分の用途に関する規約の写し
ル ヌの場合において、規約に住宅宿泊事業を営むことについての定めがない場合は、管理組合に届出住宅において住宅宿泊事業を営むことを禁止する意思がないことを確認したことを証する書類
ヲ 住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託する場合においては、法第34条の規定により交付された「管理受託契約締結時の書面」の写し
ワ 届出者が欠格事由に該当しないことを誓約する書面
※上記のほか、消防法令適合通知を添付する必要あり
(2)届出者が個人の場合
イ 届出者が、破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村の長の証明書
ロ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人が法人である場合においては、その法定代理人の登記事項証明書
ハ 届出者が欠格事由に該当しないことを誓約する書面
二 住宅の登記事項証明書
ホ 住宅が「入居者の募集が行われている家屋」の場合は、入居者の募集の広告その他の当該住宅において入居者の募集が行われていることを証する書類
ヘ 住宅が「随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋」の場合は、当該住宅が随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されていることを証する書類
ト 次に掲げる事項を明示した住宅の図面
- 台所、浴室、便所及び洗面設備の位置
- 住宅の間取り及び出入口
- 各階の別
- 居室、宿泊室及び宿泊者の使用に供する部分のそれぞれの床面積
- 安全措置の実施内容
チ 届出者が賃借人である場合においては、賃貸人が住宅宿泊事業の用に供することを目的とした賃借物の転貸を承諾したことを証する書面
リ 届出者が転借人である場合においては、賃貸人及び転貸人が住宅宿泊事業の用に供することを目的とした転借物の転貸を承諾したことを証する書面
ヌ 住宅がある建物が二以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるものである場合においては、専有部分の用途に関する規約の写し
ル ヌの場合において、規約に住宅宿泊事業を営むことについての定めがない場合は、管理組合に届出住宅において住宅宿泊事業を営むことを禁止する意思がないことを確認したことを証する書類
ヲ 住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託する場合においては、法第34条の規定により交付された「管理受託契約締結時の書面」の写し
※上記のほか、消防法令適合通知を添付する必要あり
届出内容・添付書類に不備がなく届出が受理された場合、県から届出者に対し届出番号を通知します。(届出番号の通知を受け標識を掲示した後、事業開始が可能)
※希望があれば、届出番号を付した標識を県から交付します。
届出事項に変更があった場合は、その日から30日以内に届け出なければなりません。ただし、届出事項のうち、住宅宿泊管理業務の委託をする事業者を変更しようとするときは、あらかじめ届け出る必要があります。
欠格事由等に該当することとなった場合は、その日から30日以内に届け出が必要です。
住宅宿泊事業を営む場合は、届出前に関係他法令に抵触しないよう、事業者自らが確認することが必要です。
法令 |
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法令等 |
内容 |
問い合わせ先 |
消防法 |
住宅宿泊事業の届出前に、消防法令適合通知の交付を受け、届出時に提出することが必要 |
各消防本部 |
食品衛生法 |
届出住宅において食事を提供する場合は、住宅宿泊事業の開始前に、食品衛生法に基づく営業許可の手続きが必要 |
各保健所 ※松山市内は松山市保健所 |
建築基準法 |
届出住宅が建築基準法に抵触していないことを確認するため、検査済証の交付を受けていること等について、住宅宿泊事業の開始前に確認が必要 ※詳細は下記を参照 |
愛媛県建築住宅課 〒790-0004 松山市大街道3丁目1番地1 いよてつ会館ビル5階 |
都市計画法 |
届出住宅が市街化調整区域にある場合は、都市計画法に抵触することがないよう、住宅宿泊事業の開始前に事前確認が必要 市街化調整区域以外の区域についても、面積要件により開発許可申請が必要な場合あり |
【市街化調整区域】 (伊予市・東温市・松前町・砥部町) 愛媛県都市計画課 中予地方局建築指導課 (松山市) 松山市建築指導課(開発許可担当) (今治市) 今治市都市政策課 【市街化調整区域以外の区域】 問い合わせ先は 愛媛県都市計画課
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※各保健所
※松山市保健所(外部サイトへリンク)<外部リンク>
届出に関して次の措置を実施するよう努めてください。
- 周辺住民に対して、住宅宿泊事業を営む旨の事前説明を行うこと
- 事業を取り巻くリスクを勘案し、適切な保険に加入すること(火災保険、第三者に対する賠償責任保険等)
4 住宅宿泊事業の実施
※以下の内容は概要を整理・記載したものであるため、届出前に、必ず法・施行規則・ガイドライン等の内容を熟読してください。
※下記(1)~(6)の内容は、住宅宿泊管理業務を委託する場合においては、委託内容に基づき住宅宿泊管理業者が対応することとなります。
(1)宿泊者の衛生の確保
各居室の床面積に応じた宿泊者数の制限、定期的な清掃等、宿泊者の衛生の確保を図るために必要な措置を講じなければなりません。
<必要な措置について>
- 居室の宿泊者1人当たりの床面積を3.3平方メートル以上確保すること
- 届出住宅について、定期的に清掃、換気等を行うこと
(2)宿泊者の安全の確保
非常用照明器具の設置、避難経路の表示等、火災等の災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置を講じなければなりません。
※届出住宅の建て方や規模等に応じた安全措置の適用については表1のとおり
※避難経路の表示にあたっては、市町の火災予防条例により規制される地域もあることから当該条例の規制内容を確認し、規定された事項を表示に盛り込む必要あり
(3)外国人観光客である宿泊者の快適性及び利便性の確保について
設備の使用方法に関する外国語を用いた案内や、移動のための交通手段に関する外国語を用いた情報提供等、外国人観光客である宿泊者の快適性及び利便性の確保を図るために必要な措置を講じなければなりません。
- 実施にあたっては必要な事項が記載された書面を居室に備え付けることによるほか、タブレット端末への表示等により、宿泊者が届出住宅に宿泊している間必要に応じて閲覧できる方法によることが望ましい。
- 特に、災害時等の通報連絡先においては、緊急時にすみやかに確認することが可能なものを備え付けておくものとする。
- 法第7条の「外国語」とは、宿泊予約の時点で日本語以外の言語として提示したものとする。(当該時点において外国人宿泊者が日本語を指定した場合は、外国語で案内等を行う必要はない。)
(4)宿泊者名簿の備付け
宿泊者名簿を備え、宿泊者の氏名・住所・職業・宿泊日・国籍・旅券番号を記載し、県から要求があったときは提出しなければなりません。
※作成の日から3年間保存する必要あり
※国籍・旅券番号は、宿泊者が日本国内に住所を有しない外国人の場合に記載が必要
1) 本人確認の方法等について
- 「宿泊者名簿の正確な記載を確保するための措置」として宿泊行為の開始までに、宿泊者それぞれについて本人確認を行う必要がある。
- 上記の措置は、対面又は対面と同等の手段として以下のいずれも満たすICT(情報通 信技術)を活用した方法等により行われる必要がある。
A 宿泊者の顔及び旅券が画像により鮮明に確認できること。
B 当該画像が住宅宿泊事業者や住宅宿泊管理業者の営業所等、届出住宅内又は届出住宅の近傍から発信されていることが確認できること。なお、当該方法の例としては、届出住宅等に備え付けたテレビ電話やタブレット端末等による方法が考えられる。
- 本人確認の際の警察への協力等については、警察庁から各都道府県等に対し、住宅宿泊事業者・住宅宿泊管理業者へ周知、指導の徹底を要請しているところであり、住宅宿泊事業者等はこれに従って本人確認を行う必要がある。
※日本国内に住所を有しない外国人宿泊者に関しては、宿泊者名簿の国籍及び旅券番号欄への記載を徹底し、旅券の呈示を求めるとともに、旅券の写しを宿泊者名簿とともに保存すること。
※宿泊者が旅券の呈示を拒否する場合は、当該措置が国の指導によるものであることを説明して呈示を求め、さらに拒否する場合には、当該宿泊者は旅券不携帯の可能性があるものとして、最寄りの警察署に連絡する等適切な対応を行うこと。
※警察官からその職務上宿泊者名簿の閲覧請求があった場合には、捜査関係事項照会書の交付の有無に関わらず、当該職務の目的に必要な範囲で協力すること。
2)宿泊者名簿等について
- 宿泊者名簿には宿泊者全員を記載する必要があり、代表者のみの記載は認められない。また、宿泊契約(宿泊グループ)ごとに宿泊者が分かるように記載することとする。
※宿泊者名簿の推奨様式は別途定める。
3)その他留意事項について
- 長期滞在者には定期的な清掃等の際に、チェックイン時に本人確認を行っていない者が届出住宅に宿泊するようなことがないよう、不審な者が滞在していないか、滞在者が所在不明になっていないか等について確認することが望ましい。特に宿泊契約が7日以上の場合には、定期的な面会等により上記の確認を行う必要がある。
(5)周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明
1)必要な事項の説明方法について
- 必要な事項が記載された書面を居室に備え付けることによるほか、タブレット端末での表示等により、宿泊者が届出住宅に宿泊している間に必要に応じて説明事項を確認できるようにするためのものである。
- 書面等の備付けにあたっては、宿泊者の目につきやすい場所に掲示する等により、宿泊者の注意喚起を図る上で効果的な方法で行う必要がある。
- 当該説明が確実になされるよう、居室内に電話を備え付けること等により、事前説明に応じない宿泊者に対し注意喚起できるようにする必要がある。
2)騒音の防止のために配慮すべき事項について
- 大声での会話を控えること、深夜に窓を閉めること、バルコニー等屋外での宴会を開かないこと、届出住宅内は楽器を使用しないこと等が想定されるが、住宅宿泊事業者は、届出住宅及びその周辺地域の生活環境に応じ適切な内容を説明することが必要である。
3)ごみの処理に関し配慮すべき事項について
- 住宅宿泊事業に起因して発生したごみの取扱いは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に従い、事業活動に伴って生じた廃棄物(事業系一般廃棄物)として住宅宿泊事業者が責任をもって処理しなければならない。特に家主不在型については、届出住宅のある市町の指示に従い、委託する住宅宿泊管理業者を通じて適切に処理すること。
- 宿泊者のごみによる届出住宅の周辺地域における生活環境への悪影響を防止するため、住宅宿泊事業者は、宿泊者に対し、宿泊者が届出住宅内で排出したごみについて、当該市町における廃棄物の分別方法等に沿って、住宅宿泊事業者の指定した方法により捨てるべきであること等を説明あるいは明示する必要がある。
4)火災の防止のために配慮すべき事項について
- ガスコンロの使用のための元栓の開閉方法及びその際の注意事項、初期消火のための消火器の使用方法、避難経路、通報措置等が想定されるが、住宅宿泊事業者は、届出住宅及びその周辺地域の生活環境に応じ適切な内容を説明する必要がある。
5)その他配慮すべき事項について
- 性風俗サービスを届出住宅内で利用しないことなど、過去の苦情内容を踏まえ、届出住宅の利用にあたって特に注意すべき事項のこと。なお、苦情が多発しているにもかかわらず何ら対応を講じない場合には、業務改善命令等の対象となる。
(6)周辺地域の住民からの苦情等への対応
1)苦情等への対応について
- 深夜早朝を問わず、常時、応対又は電話により対応する必要がある。
- 宿泊者が滞在していない間も、苦情及び問合せについては対応する必要がある。
- 誠実に対応することが必要であり、例えば、回答を一時的に保留する場合であっても、相手方に回答期日を明示した上で後日回答する等の配慮が必要である。
- 滞在中の宿泊者の行為により苦情が発生している場合において、当該宿泊者に対して注意等を行っても改善がなされないような場合には、現場に急行して退室を求める等、必要な対応を講じることとする。また、住宅宿泊管理業務の委託を受けた住宅宿泊管理業者が退室を求める場合には、宿泊契約の解除の権限を予め委託者から得ておくことが望ましい。
- 苦情及び問合せが、緊急の対応を要する場合には、必要に応じて、警察署、消防署、医療機関等の然るべき機関に連絡したのち、自らも現場に急行して対応することが必要である。
(7)住宅宿泊管理業務の委託
1)委託について
- 住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託する場合は、一の住宅宿泊管理業者に委託しなくてはならず、複数の者に分割して委託することや、住宅宿泊管理業務の一部を住宅宿泊事業者が自ら行うことは認めない。ただし、住宅宿泊管理業務の委託を受けた住宅宿泊管理業者が、他の者に住宅宿泊管理業務を一部に限り再委託することは差し支えない。
- 届出住宅の維持保全に係る業務については、住宅宿泊管理業務の定義の解釈を踏まえた上で、管理受託契約において対象範囲を明確に定める必要がある。
- 「住宅宿泊事業者が当該届出住宅から発生する騒音その他の事業による生活環境の悪化を認識することができないことが明らかであるとき」とは、住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用する住宅と届出住宅が同一の共同住宅内にある場合や同一の敷地内にある場合等であっても、敷地が広範であるためそれぞれの住戸の距離が著しく離れている場合その他の自己の生活の本拠にいながら届出住宅で発生する騒音等を認識できないことが明らかである場合が該当する。
※苦情についてはすみやかに対応する必要があるため、苦情があってから概ね30分以内に現地に赴くことができる事業者に委託をしてください。
2)住宅宿泊管理業者への通知について
- 委託する場合においては、住宅宿泊事業者は委託しようとする住宅宿泊管理業者に対し、予め、届出書及び添付書類の内容を通知する必要がある。この際に通知する内容は、当該委託による届出事項の変更を反映する必要はなく当該委託以前の内容を通知することで足りる。通知の方法は、電磁的な手段によることも差し支えない。
3)一時的な不在に関する考え方について
- 「日常生活を営む上で通常行われる行為」とは、生活必需品の購入等を想定したものであり、業務等により継続的に長時間不在とするものは該当しない。
- 「日常生活を営む上で通常行われる行為に要する時間」とは、届出住宅が所在する地域の事情等を勘案する必要があるため、一概に定めることは適当ではないが、原則1時間とする。ただし、生活必需品を購入するための最寄り店舗の位置や交通手段の状況等により当該行為が長時間にわたることが想定される場合には、2時間程度までの範囲とする。
- 住宅宿泊事業者は届出住宅を一時的に不在にする場合においても、宿泊者の安全の確保に努めることとする。
- 「不在」とは、住宅宿泊事業者が届出住宅を不在にすることをいい、住宅宿泊事業者ではない他者が届出住宅に居たとしても、住宅宿泊事業者自身が不在としている場合は「不在」として取り扱われることとなる。
(8)標識の掲示
1)標識の掲示に関する考え方について
- 標識は、届出住宅の門扉、玄関(建物の正面の入り口)等の、概ね地上1.2 メートル以上1.8 メートル以下(表札等を掲げる門扉の高さから玄関ドアの標準寸法2 メートルの高さ以内)で、公衆が認識しやすい位置に掲示することが望ましい。
- 標識の掲示に当たっては、ラミネート加工等の風雨に耐性のあるもので作成又は加工を施すことが望ましい。
- 共同住宅の場合にあっては、個別の住戸に加え、共用エントランス、集合ポストその他の公衆が認識しやすい箇所へ簡素な標識を掲示することが望ましい。
- 分譲マンションの場合は、標識の掲示場所等の取扱いについて、予め管理組合と相談することが望ましい。
- 戸建て住宅の場合にあっても、届出住宅の門の扉、玄関等への掲示によるだけでは、公衆にとって見やすいものとならない場合には、簡素な標識を掲示することが望ましい。
※簡素な標識とは、例えば、標識の一部分を、集合ポスト等の掲示が可能なスペースに合わせて掲示するといった方法が考えられる。
(9)都道府県知事等への定期報告
定期報告は届出住宅毎に、毎年偶数月に、それぞれの月の前2月における宿泊者数・延べ宿泊者数、国籍別の宿泊者数の内訳を、報告しなければなりません。
1)定期報告の方法について
- 定期報告は、民泊制度運営システムを利用して行うことを原則とする。
2)届出事項の内容について
- 「届出住宅に人を宿泊させた日数」とは、法・施行規則の規定に基づき算定された日数のことをいう。
- 「宿泊者数」とは、実際に届出住宅に宿泊した宿泊者の総数をいう。
- 「延べ宿泊者数」とは、実際に届出住宅に宿泊した宿泊者について、1日宿泊するごとに1人と算定した数値の合計をいう。例えば、宿泊者1人が3日宿泊した場合は3人となる。
- 「国籍別の宿泊者数の内訳」とは、「宿泊者数」の国籍別の内訳をいう。
3)住宅宿泊管理業者から住宅宿泊事業者への報告について
- 住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託する場合には、宿泊者名簿の記載等を住宅宿泊管理業者が行うことから、当該報告に必要な宿泊者に関する情報を住宅宿泊管理業者が補完的に把握することが想定される。このため、住宅宿泊事業者が確実かつ正確な報告を行うため、必要に応じ、住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者が締結する管理受託契約において定期的な情報提供について取り決めることが望ましい。
5 監督
都道府県知事による監督に係る規定は次のとおりです。
○住宅宿泊事業法(抜粋)
(業務改善命令)
第十五条 都道府県知事は、住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、住宅宿泊事業者に対し、業務の方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(業務停止命令等)
第十六条 都道府県知事は、住宅宿泊事業者がその営む住宅宿泊事業に関し法令又は前条の規定による命令に違反したときは、一年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
2 都道府県知事は、住宅宿泊事業者がその営む住宅宿泊事業に関し法令又は前条若しくは前項の規定による命令に違反した場合であって、他の方法により監督の目的を達成することができないときは、住宅宿泊事業の廃止を命ずることができる。
3 都道府県知事は、前二項の規定による命令をしたときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を住宅宿泊事業者に通知しなければならない。
(報告徴収及び立入検査)
第十七条 都道府県知事は、住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、住宅宿泊事業者に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員に、届出住宅その他の施設に立ち入り、その業務の状況若しくは設備、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。