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平成29年度試験研究成果一覧(林業研究センター)

ページID:0008476 更新日:2018年10月15日 印刷ページ表示

【平成29年度成果】

分野 A:森林管理・経営研究、B:木質資源加工利用研究

 

平成29年度試験研究成果

予算事項名/試験研究課題名

実施

年度

分野

目的・概要

主な成果

資料

林業試験研究費 種子の検定と発芽試験 S35~ A 優良な種苗の供給を確保するため、スギ、ヒノキ、アカマツの発芽試験等を行う。  2017年度に採種したスギ・ヒノキの発芽試験を行った。新居浜採種園産、川内ミニチュア採種園産ヒノキの発芽率が非常に低く、カメムシの加害に遭ったと思われる。スギでは、川内ミニチュア採種園産の種子が、2016年に続いて発芽率が高く、新居浜産では低くなった。新居浜採種園は土地がやせており地形上施肥も困難なことから、種子が充実していない可能性がある。  
園外花粉率低減試験 H29~33 A 人工林皆伐後の再造林を担う、初期生長に優れたスギやヒノキの苗木“エリートツリー”の普及を進めるため、生産された種子の園外花粉の混入率を調査し、簡易ビニールハウスや簡易防風垣等の低コストな資材や方法で園外花粉率の低減を図る方法を検討する。  川内ミニチュア採種園に2014年春植栽した母樹にに対して、前年冬期に断幹・施肥を行い、夏期に2回ジベレリンを散布して花芽誘導を行った。併せて、冬期に簡易ビニールハウス・防風垣試験区の設置を行った。

 

県産クヌギの材質特性の評価及び乾燥技術の開発 H27~29 B 大径化が進んでいるクヌギの有効利用を図るため、硬さを生かしたフローリング製品等の加工・乾燥技術を開発する  歩留まりの向上と乾燥時間の短縮を目指し、製材寸法を厚さ20mm、幅乱尺とした。製材歩留まりは49%と前回(厚さ25mm、幅100mm)に比べて16ポイント向上した。さらに、天然乾燥85日(12~2月)、人工乾燥(乾球温度45~70℃、乾湿球温度差5~25℃)11日、または、天然乾燥108日(12~3月)、人工乾燥(乾球温度50~65℃、乾湿球温度差5~25℃)9日で、材の損傷もほぼなく目標含水率8%に仕上げることができた。
 家具材への利用を目指して行った60mm厚板の乾燥は、天然乾燥9か月、人工乾燥(乾球温度45~80℃、乾湿球温度差5~28℃)19日で平均含水率12%にとどまり、内部割れの発生が認められた。入手可能な原木の寸法と、乾燥の困難さから、60mm厚板の製品化はクヌギには不向きであると考えられる。

クヌギ板材利用技術の開発(第2報)[PDFファイル/610KB]

クヌギ板材利用技術の開発(第3報)[PDFファイル/582KB]

林業躍進プロジェクト推進事業費 広葉樹林化技術の適地評価基準開発 H28〜32 A 更新未了地増加の懸念に対応して、皆伐跡地での天然更新の可否要件等を実証し、人工林皆伐前に広葉樹天然更新を予測することを目標とするほか、林床有機物層の搔き起こしによる更新木増加を検証する。  常緑広葉樹林が隣接するヒノキ人工林の皆伐直後と1成長期後の林分において、更新木の樹種、サイズ、本数を調査した。その結果、皆伐前の林内に前生稚樹として更新していた常緑広葉樹が皆伐時に伐採された後、萌芽更新していた。それに加え、先駆樹種が天然下種更新していた。しかし、いずれも林分全体ではなく、部分的な更新であったことから、常緑広葉樹林に隣接していた箇所では、前生稚樹による萌芽更新が期待できるが、それ以外では、伐採後の先駆樹種による天然下種更新を期待するのみであると推測された。
 土壌表層の有機物層をはぎ取り、広葉樹稚樹の発生を促すかき起こし効果については、皆伐林分と間伐林分に調査地を設置、検証中である。
常緑広葉樹林が隣接するヒノキ人工林皆伐1年後の広葉樹稚樹数と樹種[PDFファイル/381KB]
森林計画樹立費 森林資源モニタリング調査 H27~31 A 地域森林計画における森林の整備に係る基本的な事項を定めるのに必要な客観的資料を得るため、スギ・ヒノキ林分収穫表の修正調査、天然更新完了基準の現地適合性調査を実施する。  スギ・ヒノキ林分収穫表の修正調査については、今治市、砥部町、久万高原町、大洲市の10林分において成長量調査を実施した。天然更新完了基準の現地適合性調査については、四国中央市、新居浜市、久万高原町、宇和島市、鬼北町、愛南町の15箇所に調査地を設けて調査した。天然更新完了基準については、これまでの成果をもとに対象樹種の見直しを行った。  
県産CLT普及促進事業費 CLTや梁桁生産における原木強度選別の優位性調査 H29 B CLTや梁桁製材品を生産するうえで、強度不足の製品の発生が生産コスト削減の課題となっている。このため、原木段階で強度選別することにより、強度性能に適した製品に加工する生産システムを検証し、効率的なシステムの構築を目指す。  簡易型の非破壊原木強度検査器(株式会社ATA製,HG-2020)を使用して末口直径16cm及び18~22cmのはい積みされたスギ原木約1000本について強度を測定し、その後県内の製材業者において通常使用しているグレーディングマシンを用いて乾燥処理した製材品の強度を測定した。その結果、末口直径に関わらず原木強度等級区分は約70%が製材品にしても等級の変化なし又は1等級上がる結果となり、原木段階における強度選別によって比較的高い割合で、求める製材品の等級を手に入れられる可能性が示唆された。 原木強度選別の優位性[PDFファイル/311KB]
造林費 スギエリートツリーによる低コスト造林モデル林実証試験 H26~35 A 県有林において、エリートツリー大苗を用いて実用林分を造成し、初期成長を調査、下刈省力化に対する効果を検証する。  県下5箇所の試験地のうち、3箇所がエリートツリーの植栽地である。植栽後1~3成長期を経過しているが、各試験地とも第1成長期の樹高および樹高成長量では、エリートツリーと愛媛育種混合苗の間に差は出なかった。第2成長期以降の樹高では、エリートツリーで有意に高くなり、初期成長での有利性が確認できた。  
優良種苗確保事業 育苗効率化実証事業 H29~31 A 再造林低コスト化の切り札として期待されるコンテナ苗の育苗効率化、高品質化を図るため、セルトレイに播種したプラグ苗をコンテナに移植する方法を検討する。  スギ種子を28年3月にコンテナに直接播種したものと、セルトレイに播種し、同年5月および6月にプラグ幼苗を移植したものについて、苗長の継続調査を毎月初めに行った。29年4月以降急速に伸長し、苗長(中央値)は6月初旬にはそれぞれ、33.7cm、34.3cm、31.6cmに達し、7月初旬では38.9cm、40.0cm、36.8cmとなった。6月移植は他よりやや劣る傾向があったが、3~5月の直接播種区との間以外には統計的有意差は認められなかった。  
鳥獣害防止対策事業費 ヒノキ人工林のニホンジカ被害の防除に関する調査研究 H26~29 A ニホンジカによる食害防除資材の効果検証および植生とニホンジカの生息状況の関係について調査を行う。  食害防除資材で被覆された苗木や成木樹皮に被害は無かった。苗木については、主軸の湾曲が各資材(円筒状資材、網状資材、袋状資材)で認められ、主軸が資材外部へ突出する事例が網状資材で確認された。

 

広域連携型農林水産研究開発事業費 気候変動に適応した花粉発生源対策スギの作出技術開発 H28~32 A 地球温暖化に対応して、高温や乾燥条件に耐性があり、成長に優れた花粉発生源対策スギ品種を開発するため、国研を中核に大学、県の共同研究として実施する。当県は現地実証を分担する。 松山市食場町の県有林内において面積0.33haを皆伐し、植栽準備の地拵え作業並びに獣害防護柵(ニホンジカ、ノウサギの食害防止)を設置し、品種検定素材であるスギ苗(国研育種センターが育苗)を植栽(計861本)した。  
スギ雄花着花特性検査技術高度化試験 H29~33 A 幼木へのジベレリン処理による雄花着花量から、成木の自然状態での雄花着花量を推定できる手法を確立し、これにより現在20年以上を要している少花粉スギの育種期間を大幅に短縮する技術を開発する。国研を中核に、都県の共同研究として実施する。 12年生スギ県精英樹6系統に対して4段階のジベレリン濃度で処理を行った。5ppmでも雄花を付けた系統もあったが、多くは10ppmから雄花を付けた。2年生と27年生のスギさし木苗3系統について、100ppmのジベレリン処理を行ったところ、2年生、27年生ともに100ppmで雄花を付けたが、着花指数は2年生で低くなった。着花指数と雄花量は、国研が取りまとめている。すべての調査で、場所別の変動が多く、複数年の調査が必要だと思われた。  
ヒノキCLT強度性能評価研究 H29 B ヒノキCLTの普及促進を図るため、これまで未検証であった面外曲げ、面内曲げ、面外せん断について、強度データを収集する。国研を中核として県、法人、大学が参画する共同研究の一部である。 全層ヒノキのCLTについて、面外曲げ強さ及び面内曲げ強さ、面外せん断強さに対する直交層ラミナの幅の影響を検証するため、同ラミナの幅が75mm、105mm、124mmの3種のCLTの試験を行った。試験の結果、面外せん断ではラミナ幅が広い方がせん断強さが高くなり、せん断強さに直交層ラミナの幅が影響していることを確認した。面外曲げ及び面内曲げ強さはラミナ幅による顕著な差はなかった。また、いずれの試験体もJASの基準の強さを超えた。 ヒノキCLTの面外曲げ及び面内曲げ、面外せん断強さおける、直交層ラミナ幅の影響について[PDFファイル/343KB]
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