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ナショナルスタンダードの観点を踏まえた子育て支援策を求める意見書
第393回(令和7年9月)定例会
提出議案【議員提出の部】
ナショナルスタンダードの観点を踏まえた子育て支援策を求める意見書
地方創生の取組が本格化したこの10年、全国の地方自治体では、自らの創意工夫による地域の特性を生かした取組が展開され、地域の賑わいづくりや交流人口の増加など一定の成果を上げてきた。しかし同時に、我が国では急速に少子高齢化が進み、本県においても、昨年の出生数は戦後最少となったほか、コロナ禍で縮小傾向にあった転出超過が拡大に転じるなど、地方創生の実感は未だに得られておらず、その実現に向けて、今まさに正念場を迎えている。
本県を含む我が国の津々浦々で、真の地方創生を実現するためには、地方自治体が地域独自の資源を活かしながら、将来の成長につながる取組を自ら立案し実行する政策立案型行政を行うために力を割けるよう国が体制を整えることは急務である。しかしながら、子育て政策などにおいて、財源の潤沢な一部の自治体が際限のないサービス拡充を行うことで、全国の自治体間に無用な競争を生み、その他の地方自治体が本来為すべき前向きな地方創生の取組の足かせとなっている。
こうした状況の中、国においては、本年6月に閣議決定された「地方創生2.0基本構想」に明記されたとおり、国の責任で、ナショナルスタンダードの観点を踏まえた全国的な子育て支援策の在り方について、財源も含めた議論を着実に進める必要がある。特に、未来を生きる子どもたち、更には、これから生まれてくる子どもたちが、全国どこでも安心して過ごし、成長していける環境を国の責任で築いていくことは、政府としての使命である。
よって、国の責任において、高校生以下の医療費や、給食費、妊婦健診、出産費用などの子育て支援策について、ナショナルスタンダードの観点から地域間格差の是正に取り組むことを強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年10月6日
愛媛県議会議長 福羅 浩一
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
内閣府特命担当大臣
(こども政策 少子化対策)
新しい地方経済・生活環境創生担当大臣
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