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選択的夫婦別姓制度の早期導入を求める意見書
第392回(令和7年6月)定例会
提出議案【議員提出の部】
選択的夫婦別姓制度の早期導入を求める意見書
日本弁護士連合会の選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書では、氏名が、「人が個人として尊重される基礎であり、その個人の人格の象徴であって、人格権の一内容を構成する」(最高裁1988年2月16日第三小法廷判決)ものであることに鑑みれば、事実上の不利益ととどまるものではなく、その意に反して、「氏名の変更を強制されない自由」も、人格権の重要な一内容として憲法第13条によって保障されるというべきである。としている。
1996年法制審議会が選択的夫婦別姓制度の導入を内容とする「民法の一部を改正する法律案要綱」を法務大臣に答申してから30年近く、十分な議論は行われてこなかった。
現在、我が国では、結婚によって女性の95%が改姓する中、女性の社会進出が進み、家族のあり方も多様化していることを背景に、若者世代を中心に、夫婦が希望すれば、結婚後もそれぞれの姓を称することを認める選択的夫婦別姓制度の導入を求める声が高まっている。各種世論調査においても賛成の意見が多くなっている。このような国民の声を受け、与野党を超え、選択的夫婦別姓制度の実現に向けた動きが活発化している。一方、旧姓の通称使用の拡大によって、不利益を回避できるという意見もあるが、個人の尊重を定める憲法13条における「氏名の変更を強制されない自由」を保障しうるものではない。
さて、2024年3月経済同友会が、選択的夫婦別姓制度の早期実現に向けた要望を公表、同年6月日本経済団体連合会は、夫婦別姓を認めない今の制度は、企業にとってもビジネス上のリスクになり得るなどとし、政府に選択的夫婦別姓制度の導入を早期に行うよう提言した。今や日本経済にも影響が及んでいる。同年10月国連女性差別撤廃委員会は我が国に夫婦同姓の強制を廃止するよう、異例の4度目の勧告を行った。国際社会からの厳しい目が向けられている。
よって、国においては、夫婦同姓の強制を定める民法第750条を改正し、選択的夫婦別姓制度を速やかに導入することを強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年7月2日
愛媛県議会議長 福羅 浩一
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣
内閣府特命大臣(男女共同参画)
女性活躍担当大臣
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