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知事に寄せられた提言(5年2月)
令和5年2月の主な提言
1 関空-松山空港便の運航再開について
提言
コロナ禍の影響なのか、関空ー四国間のLCC航空便がなくなり2年になろうとしています。伊丹から松山空港便はありますが、アクセスが良いのは断然関空です。是非ともpeach航空を再誘致頂きたいです。
回答
御意見いただきましたとおり、関西空港と松山空港間は、令和2年3月までLCCであるピーチ・アビエーションが就航していましたが、高速バスなど、航空路線以外の交通機関との競合が厳しいことなどから、現在運休しております。
県におきましては、関空-松山空港便の運休以降、運航再開を望む皆様からの声を添えて航空会社への働きかけなどを続けているところですが、コロナ禍を乗り切るため、搭乗者を多く確保できる路線から再開するとの返答をいただいています。
運航再開には、同便を利用したいとの多くの声が重要と考えており、県においても、この機運が醸成されるよう活動を続けてまいりますので、今後とも、御協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
2 県立高校の再編に伴う通学費の無償化について
提言
県立高校に限らず、学校の再編は避けられないと思っております。一方で田舎に行けば行くほど学びの選択肢が限られ、選択肢を広げようとすると交通費や家賃等、金銭的負担が多くなり、現在でも学びの格差が生じていると感じています。さらに田舎ほど交通網が充実しておらず、選択の余地がないと感じています。これは愛媛県に限らず、全国的な問題であると考えております。そこで、中村知事のリーダーシップで全国を巻き込んで通学費無償化を進めていただけないでしょうか。高校再編と交通インフラはセットであり、高校は遠くなったが交通が便利になると高校生のみならず、周辺住民にもメリットが生まれます。小中学校においても統廃合が検討されており、通学に関する検討が必要不可欠だと思います。是非、全国を巻き込んで交通インフラ再整備と通学費無償化を実現へと導いていただけたらと思います。
回答
御提言に関しまして、県立高校の再編を所管する県教育委員会に確認しましたところ、
「学校再編等により遠距離通学を余儀なくされ、通学費等の負担が増大する場合の支援については、現在、全国都道府県教育長協議会等を通して、国に対し、地域の実情に応じた財政支援等を講じるよう要望しているところです。
全国の状況を見ますと、統合等により県が時限的に通学費を補助したり、複数の学校が利用する総合寮を設置したりするなどの事例はありますが、再編前から遠距離の学校を選択して通学している生徒とのバランスが難しいことなどから、少数にとどまるのが実情です。
なお、県教育委員会では、現在『県立学校振興計画』の策定を進めており、計画の柱の一つに『進学指導の充実』を掲げ、遠くの進学校に通わなくても近くの県立高校でしっかり勉強し、第1希望の学校に進学できる体制の構築を目指すこととしています。」
とのことでした。
また、公共交通を取り巻く環境は、人口減少等によって今後ますます厳しくなることが予想されることから、県では、全国に先駆けて県全域での地域公共交通網形成計画を策定し、地域自らが望ましい交通網を実現するため広域的な観点から取り組んでおり、今後も、市町や交通事業者など関係者と連携し、通勤・通学の利便性も考慮した「まちづくり」と一体となった公共交通ネットワークの構築に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
3 四国新幹線の基本計画路線等について
提言
四国新幹線の開業が楽しみです。しかし、四国新幹線は東温市あたりを経由し、今治市を経由しないルートが想定されているため、伊予北条駅や今治駅、壬生川駅から四国新幹線の駅にどのように接続するかが課題となります。特に、愛媛県内の市町別での推計人口が2番目に多い今治市の住民の四国新幹線への円滑なアクセスの確保は重要です。伊予北条駅や今治駅、壬生川駅の四国新幹線との接続方法は、在来線の線路の幅を変更してフル規格新幹線と直通できるようにするミニ新幹線方式(秋田新幹線や山形新幹線で採用)と、同一ホームで階段を使わずに在来線特急車両と新幹線車両を短距離・短時間で乗り換え可能にする対面乗り換え方式(新潟駅での在来線特急と上越新幹線の乗り換えで採用)の二つがあります。どちらも、伊予北条駅や今治駅、壬生川駅からの新幹線接続駅を伊予西条駅とし、伊予西条駅以東の四国新幹線がフル規格新幹線で通っている上、伊予西条駅と松山駅の間の新幹線も東温市経由のフル規格で通ることを前提とします。ミニ新幹線併用方式については、乗り換えが不要になるメリットはありますが、松山-今治-西条の区間の予讃線の線路改造中のバスによる代行運転が長期間必要となるという課題もあり、改軌後は現在の貨物列車が通れなくなり、予讃線の通勤列車は線路の幅の都合で分断されるという問題もあります。また、直流電化区間を走るミニ新幹線の実績がないため、該当する区間の電化方式を直流から交流に変更しないといけない可能性もあります。対面乗り換え方式であれば、乗り換えは必要ではあるものの、改軌工事や電化方式変更は不要で、通勤列車も分断せず、貨物列車もそのまま通行でき、乗換駅やその周囲の改築(高架化など)さえすれば伊予北条・今治・壬生川方面からの四国新幹線への接続が便利になります。また、今使用している8000系や8600系もそのまま新幹線連絡特急として活用できます。上の二つを考えてみた結果、四国新幹線の建設の際、伊予北条、今治、壬生川の地域の四国新幹線の利便性確保の対策は伊予西条駅での対面乗り換え方式がいいと思います。四国新幹線の建設が決まったら、松山-今治-伊予西条の特急は伊予北条、今治、壬生川の地域の人の対面乗り換えによる新幹線連絡特急として残して、四国新幹線と在来線の連携の強化を図ってください。
回答
新幹線の基本計画路線は、昭和48年に四国新幹線・四国横断新幹線を含む12路線3,500kmが指定されて以来、50年もの間、手つかずのままとなっております。令和12年度末には北海道新幹線が延伸するなど、整備新幹線が進捗する中、「次こそは四国の番」という期待を胸に、本県では、県内市町や関係団体、四国各県と連携して、整備計画への格上げに向けた法定調査の実施に向けて、国等に強く要望しているところです。
御意見いただいたとおり、四国の新幹線は、在来線と有機的に連携し、速く・使いやすい公共交通ネットワークの骨格として機能する必要がありますが、その詳細なルートや在来線との接続方式については、国が整備計画に格上げする際に、地域の意向を反映するように県としても働きかけることとしておりますので、どうか御理解いただきますようお願い申し上げます。