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知事に寄せられた提言(4年5月)
令和4年5月の主な提言
- パーク&ライドについて
- 待機児童について
- 東温市北野田周辺の野犬について
- 県内でのイベント開催について
- 介護支援専門員に係る法定研修について
- 燃料電池車と水素ステーションについて
- 高速バスの停留所設置について
- ボランティア活動の支援について
- 電力の安定供給を確保する方策について
- 絵図・絵巻デジタルアーカイブについて
1 パーク&ライドについて
提言
県内の公共交通機関を利用する上での最大の問題点は、いわゆるパークアンドライドとは全く無縁である事です。例えば、他県では半ば公然と行われている駅やバス停近くの施設駐車場に車やバイクを停めての利用を県内で行うと、当該施設に無断、目的外に駐車したとして警告を受けたり、最悪の場合、レッカー移動や法的対応されたりするのが現状です。だからといって正規の方法を利用しようとすると、完全予約制を始めとする厳しい条件付きです。駅併設の駐車場も月極契約制がほとんどです。そこで、JR主要駅近傍に時間貸しの駐車場を整備するなどして、パークアンドライドしやすい環境づくりをしていただきたいです。JRや中長距離バスの利用者が少ない事はこの方法で改善が見込めます。
回答
パーク&ライドにつきましては、公共交通機関の利便性を向上させるほか、自家用車から公共交通への乗り換えにより、環境負荷の低減にもつながり、渋滞等の交通公害を軽減するという観点から、官民を挙げて取組みを進めていくことが重要と認識しております。
そのため、平成24年に策定した愛媛県地域公共交通活性化指針において、公共交通機関への利用移行や、利用者の利便性向上を図るため、交通事業者等が、鉄道ターミナルや高速乗合バス停留所等における駐車場や駐輪場の整備を推進することを明記しており、現在では県内でも、鉄道主要駅や高速バス停留所において、予約不要で駐車場を利用できるサービスが実施されているところです。
今後とも、国や市町とも緊密に連携し、その利便性をPRするなど、パーク&ライドの拡充・普及が進むよう、環境整備に取り組んで参りたいと考えておりますので、どうぞ御理解のほどよろしくお願いいたします。
2 待機児童について
提言
どこの保育園もまず先生が足りずに入ることが出来なくなっており、隣の伊予市にも当たってみたのですが伊予市は待機児童はいないと言う事ですが基本的には市外の人は難しいと断られました。愛媛県として市町村によって待機児童があるとことないところの差がかなり激しいと思います。子供を育てやすい環境作りといいながらこんなにも、困っているのに助けてもらえないのですか?仕事もこのままだとやめなくてはいけなくなります。
回答
次代を担う子どもを安心して産み育てられる社会の実現には、家庭や職場、地域、行政がそれぞれ責任と役割を担いながら、多様化するライフスタイルや地域の実情に応じた取組みを展開していくことが重要であります。
御案内のとおり、保育の決定に関しては市町が実施主体となっており、お話のお住いの市町以外の保育施設利用については、各市町が実情に応じて判断したうえで実施しているところです。
つきましては、御家族がお仕事を続けられるよう、お住いの市町保育等担当窓口に改めてどのような保育サービスがあり活用できるのか、早期に御相談いただきますようお願いします。
なお、県では、各市町の保育の充実を図るため、市町の計画を踏まえた保育施設の改修による定員の増加や幼稚園から認定こども園への移行促進を支援しているほか、保育士を目指す学生や再就職を希望する潜在保育士等への支援など保育人材の確保に取り組んでいるところです。
今後とも、県民の皆様の子育て支援に向け、積極的に取組みを推進してまいりたいと考えておりますので、どうぞ御理解を賜りますようお願いいたします。
3 東温市北野田周辺の野犬について
提言
日々、スポーツバイクで重信川周囲の自転車専用道を走行しています。自転車専用道を東から西方向へ自転車走行中に河川敷の雑木林にたむろしていた野犬が吠え始め5~6匹が河川敷から自転車専用道に駆け上がり私を追いかけてきました。この付近の野犬対策については、過去の知事への提言でも指摘され対策を取られている事も承知していますが、現実に身の危険を感じた者として、早急に対応して頂きたいと思います。愛媛県は自転車行政に力を入れておられますが、その安全であるべき自転車走行が野犬に脅かされ、いつどこの茂みから野犬が飛び出してくるかわからない状況に置かれていることを認識して頂きたいと思います。重信川周辺は緑地が多く健康維持の目的で多くの方が利用されています。大きな事故が発生する前に関係機関と協議し対策して頂きたいと思います。
回答
御指摘のありました東温市北野田周辺の野犬については、これまで県保健所と東温市が危害防止の観点から捕獲を行っておりますが、野犬は、十分な餌があると、捕獲箱による捕獲が困難となるばかりか、捕獲できなかった野犬が繁殖し、捕獲と繁殖が繰り返されます。
このことから、県と東温市では、無責任な餌やりを防止するために、周辺に無責任な餌やり禁止の看板を複数設置するほか、餌やりを行う者を発見した場合には、中止するよう指導しているところですが、今後はさらに県民の皆様が、自転車道や公園を安心して利用していただけるように、看板の増設、パトロールや捕獲の強化を図るとともに、県ホームページや市広報誌等による啓発活動も充実させるなど、県と市が連携して対策に取り組んでまいりますので、御理解をお願いいたします。
4 県内でのイベント開催について
提言
ももいろクローバーZさんの来春のライブ開催地募集。地域復興等、の意味合いが込められており、今年のライブ開催地、福島での様子を調べていただくとわかると思うのですがファンが地域でお土産や街の食堂等、利用するため経済効果が見られます!また、ライブとなるとゴミ問題があると思いますが、ほとんどゴミが落ちてない!と毎度言われるほどファンも、ももいろクローバーZの運営の方も徹底しておりますので是非とも検討して頂けたらと思います。
回答
地方自治体を対象に、地域と一緒にイベントを盛り上げて、地域活性化に御協力いただけるとのことで、大変心強い企画であり、県内での開催が実現すれば経済効果も高いと考えますが、会場選定や受け入れ体制の整備等を考慮すると、応募する実施主体としては、基礎自治体である市町が適当と考え、県内市町等へ情報共有させていただきます。
なお、県内で開催を希望する市町があった場合には、同イベントが成功するよう、県としても当該市町と連携を図り、地域活性化や観光振興につなげて参りたいと考えております。
5 介護支援専門員に係る法定研修について
提言
私がいただいている資格更新申請に係る費用軽減の御検討いただきたくお願い申し上げます。資格名称【介護支援専門員・通称ケアマネジャー】です。更新研修は、5年に1度です。今回の研修で四国中央市より、持田町の福祉会館まで何度か通いました。私は、もう少し年取ってから、この資格で役に立ちたいと考えて資格維持しております。ケアマネージャーの資格維持に関して、極力費用のかかりにくい活動域や研鑽の場をご案内いただき、県民の皆様のお力添えをお願いできれば幸いです。
回答
介護支援専門員に係る法定研修は、実施機関である社会福祉法人愛媛県社会福祉協議会において、国の定めるガイドラインに基づき研修を実施していただいているところです。
介護支援専門員は、ケアマネジメントにおいて中核的な役割を担っており、住み慣れた地域で医療・介護・生活支援等が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築に向けて、より多くの機関と連携したケアマネジメントの実践が期待される中、国では平成28年度にガイドラインを見直し、研修時間を増やしたため、御負担も増していることと思います。法定研修においては、新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、一部講義にeラーニングを導入するなど、受講者の方に配慮し、必要に応じて研修企画の実施方法等を検討しておりますので、御理解を賜りますようよろしくお願いいたします。
なお、資格維持のため「更新研修」を受講されたとのことですが、当面、介護支援専門員として働く予定がないようであれば、一旦、介護支援専門員証の有効期間は切れるものの、介護支援専門員としての登録は残るため、介護支援専門員として実際に働く前に「再研修」を修了することで、再び介護支援専門員証の交付が可能となりますので、御自身の将来設計にあった研修の受講も御検討ください。
6 燃料電池車と水素ステーションについて
提言
はじめまして。ぼくは去年の夏休みの自由研究で、未来の車について調べました。クリーンなエネルギーで走る燃料電池車は、すごいなと思いました。愛媛には、燃料電池車は、トヨタに1台あるだけです。この前の休みの日、徳島県庁で水素じゅうてん装置(SHS)とMIRAIを見学させてもらいました。実際にMIRAIへ、水素をじゅうてんする様子も見せてもらいました。徳島には水素じゅうてん施設が3つ、移動式水素ステーションが2つあるそうです。愛媛県にも水素ステーションを作っていく、というニュースを、数年前に見ましたが、それはいつになりますか?はやく、ぼくの住む街でも、環境にやさしい燃料電池車がたくさん走れるようになってほしいです。
回答
こんにちは。知事への提言メールをいただき、ありがとうございます。
さて、燃料電池車と水素ステーションに関するお問い合わせについて、お答えします。
愛媛県では、地球温暖化の原因である二酸化炭素などの温室効果ガスを減らすため、様々な取組みを進めています。
その一つとして、走行中に発生するのは水だけという、環境にやさしい燃料電池車を広めていくため、昨年度、法人等の事業者が水素ステーションをつくるのに必要な費用の一部を補助する制度を作り、今年度も募集をしているところです。
水素ステーションを作るには、多くの費用がかかるため、簡単ではありませんが、できるだけ早く県内初の水素ステーションが実現するように、引き続き、事業者の皆さんに積極的な活用を呼びかけていきたいと思います。
7 高速バスの停留所設置について
提言
高速バスの停留所が新居浜にない事がとても不便で残念です。一番近い川之江で高速バスを降りてから新居浜まで、だいぶ時間がかかり、毎回どうにかならないものかと思っています。新居浜や西条から、徳島の大学に進学する学生さんも多いようなので、私と同じ意見のひとはおそらく他にも多くいるはずです。新居浜インター辺りは、田舎ですし、小さな停留所を作るくらいの土地はあると思います。新居浜をよくするためにも、学生さんさん達の為にもどうか考えて頂きたいです。
回答
今回の御提案について、高速バスを運行する事業者にお伝えしたところ、新しい停留所の設置については、利用見込みや採算性に加え、運行の長時間化に伴う利便性の低下や、乗降前後の円滑な乗継といった課題について十分に検討を行った上で決定しているものでありますが、そういった条件を勘案したところ、現時点では新居浜市に設置する予定はないとのことでした。
しかしながら、都市間の輸送を担う高速バスは、首都圏や関西圏などニーズの高いエリアと各地を結ぶ広域交通として重要な地域公共交通であり、一層の利便性向上が求められることから、平成24年に策定した「愛媛県地域公共交通活性化指針」では、高速バスの利用者を増やすため、東予や南予地域からの発着・経由路線の設定や乗継に向けた検討を進めるなど、運行する交通事業者を中心に市町等の関係者は、路線や運行本数の増加や乗降場所の追加などの充実策を図っていくこととしております。
県としては、交通事業者と地元市町と連携し、今後も利便性向上に向けた取組みを進めて参りたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
8 ボランティア活動の支援について
提言
松山市とも連携し、今年度「若い世代によるSDG'sまちづくり事業」を展開します。(愛媛県の「えひめチャレンジ支援事業」との共同基金だそうです。)地域の活性化というのは難しい課題だと思いますが、地域で何かをしようとしたとき、必ずそこに住む人々の理解は必要だと思うんです。そのため、私たちも自治会や組織との連携を大切に活動をし、多数の学生が関わっています。実際に学生と地域の方々が交流する取り組みは実施してきたところです。ただ、学生は4年間で大体の人は卒業してしまいます。また、今年の基金も「単年度予算」と松山市から聞かされた時は、なぜ持続可能な取り組みに単年度予算?と思ってしまいました。地域と同じようにこうした取り組みに関心がある学生が減少することに加え、活動資金も完全に保証されていない不安定な状況で活動をしています。こうした状況下でボランティア活動を行う学生の支援を県として考えていただけないでしょうか。ボランティア団体は大抵が「任意団体」です。「任意団体」は法人格がないため、多くの企業や大学からは疎遠される傾向にあります。そうした中で、人員確保の面で何か有効な対応がありましたら、教えていただきたいです。
回答
はじめに、愛媛の将来を担う多数の学生が地域づくり、まちづくりに興味を持って活動されていることについて、大変心強く思います。
さて、予算に関する御質問につきまして、地方自治体の予算は、地方自治法の規定により、4月から翌年3月まで1年単位で執行することとされており、議会の予算の議決をいただいて、単年度ごとに決定するのが原則ですが、これは一つの取組みを1年限りでやめなければならないという意味ではなく、お問合せの「えひめの未来チャレンジ支援事業」も、平成20年度から継続して実施されております。
ただし、同事業は、地域の持続的発展を図るため、他の市町のモデルとなるような先導性・戦略性のある市町等の取組みを県として支援するもので、主にスタートアップ時点の取組みを後押しする趣旨から、採択に当たっては、原則単年度限りの補助としております。
次に、ボランティア活動の支援につきましては、愛媛県では、ボランティア総合相談窓口を設置するとともに、ボランティア関連情報の提供等を行う「愛媛ボランティアネット<外部リンク>」の運営等により、県内のボランティア活動の活性化を図っております。愛媛ボランティアネットのトップページには、民間の助成情報等を掲載しておりますので、御参考になさってください。
9 電力の安定供給を確保する方策について
提言
電力自由化に伴い、既存の発電所が停止しています。しかしながら、数値化は出来ていませんが新電力会社の撤退が目立つ状況です。現状、既存の発電所を直ぐに動かすことは困難と考えており、今年の夏、冬の電力不足を懸念しております。方策を具体化し県として何らかの対策を準備して頂きたいと考えています。例えば伊方原発3号機に県の指示により特別安全面対策室を設け万が一の電力不足に備えて準備しておくことも一つの方法かと思います。新電力会社を県としてサポートし事業撤退を思いとどまるように説得する必要性も感じています。電力不足によるブラックアウトを未然に防ぐためにもご検討の程よろしくお願い申し上げます。
回答
電力の安定供給を確保する方策について、貴重な御提言をいただき、ありがとうございます。
まず、国が発表している電力の需給見込みは、地域間の連系線の活用(例:四国電力から関西電力への送電等)を前提としており、全国規模で対策を講じるべき問題であることから、国において対策が議論されており、発電所の補修点検時期の調整や追加供給力の公募などにより、電力の安定供給を確保する取組みを進めています。
また、県においても、再生可能エネルギーによって作られた電力を有効活用できるようにするために、蓄電池等の設置に対する補助を市町と連携して行うなど、電力の安定供給に資する事業に取り組んでいます。
電力不足によるブラックアウトの発生は、県民生活や企業活動に多大な影響を及ぼすことから、県は、国や四国電力などの関係機関と連携・情報共有を行い、ブラックアウトの発生防止に向けて取り組んで参ります。
10 絵図・絵巻デジタルアーカイブについて
提言
江戸時代に幕府へ提出するために作成された「伊予国国絵図」が見つかったとの旨の報道を聞いて、大変関心があり、愛媛県のホームページで可能でありましたら、皆様が閲覧できるように掲載していただけたらと思います。我が愛する県、愛媛県(伊予国)の古代から現代までの通史をホームページに教科書的な感じで、図版や写真と解説文を掲載していただけると嬉しく思います。
回答
今年度より修復することとなりました「正保伊予国絵図」は、約2年間の修復を終えた後、高精細のデジタル撮影を実施し、愛媛県歴史文化博物館HP内の「絵図・絵巻デジタルアーカイブ」において公開する予定です。現在、当デジタルアーカイブでは、愛媛県歴史文化博物館が所蔵する117点の絵図・絵巻を閲覧することが可能となっております。
また、愛媛県の歴史に関しましては、愛媛県生涯学習センターHP内の「えひめの記憶」において、愛媛県史や市町村誌(史)などの内容を検索できるようになっておりますので、合わせて御利用ください。
他には、文化庁のポータルサイト「文化遺産オンライン」にも、愛媛県歴史文化博物館が所蔵する多数の貴重な史料を掲載しております。各史料には、学芸員の解説も記載されておりますので、ぜひ御覧いただき、御活用いただけると幸いです。
今後も、地域の貴重な歴史資料を保存し次世代に継承するとともに、愛媛の歴史文化に関する情報発信と利用者サービスの向上に努めて参りますので、御理解と御協力をお願いいたします。
愛媛県歴史文化博物館<外部リンク>
絵図・絵巻デジタルアーカイブ<外部リンク>
愛媛県生涯学習センター<外部リンク>(「えひめの記憶」)
文化遺産オンライン<外部リンク>