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愛媛県果樹農業振興計画(案)の概要
第1 果樹農業の振興に関する方針
- 本県農業の基幹である果樹農業を持続的に発展させるため、「気候変動等栽培リスクへの対応、担い手の確保、生産基盤の強化、果実供給力の強化」に係る課題への対策を重点的に推進する。
- 振興目標は「変化に対応できる生産力と果実を消費者に届ける供給力の強化」とし、各産地が自らの特色を活かしながら、官民共創のもと、生産・流通・販売・消費の各関係者が幅広く連携して、チーム愛媛体制での取組を推進していく。
1 栽培リスクに負けない産地づくり
(1) 温暖化などの気候変動への対応
- 日焼け果や浮皮、裂果対策として遮光(熱)資材・植調剤の活用や用水・灌水施設の導入等の推進
- 気候変動に対応した栽培方法の検討・導入や影響が小さい品種への転換
(2) 鳥獣害や難防除病害虫等への対応
- 集落・関係機関が一体となって取り組む鳥獣類被害軽減に向けた「攻め」「守り」「地域体制づくり」の推進
- 難防除病害虫の防除技術の開発・導入や病害虫の予察による早期把握・対応等の推進
(3) スマート技術導入等の省力化・高品質化の推進
- ドローン防除・施肥やICTを活用した園地環境モニタリングなどスマート農業の実証・実装の推進
- 計画的な改植・新植、ハウス、灌水設備、果樹棚等の整備による生産基盤の強化
(4) 環境と調和した安全・安心な生産の推進
- みどり認定農業者の育成や愛媛県特別栽培農作物等認証制度(エコえひめ)等の普及
- グローバルGAP、県GAP等農業生産工程管理の導入の推進
(5) 新技術や優良品種等の開発・普及
- うんしゅうみかんや中晩柑類の品種開発
- 愛媛果試第48号の基本栽培技術や甘平の裂果軽減技術の早期確立
- 国内外での品種登録や商標登録による権利保護の推進
- 未利用かんきつ品種を米国で商業栽培するプロジェクトの推進
- キウイフルーツの品種開発や効率的な花粉生産技術の確立等の推進
- 温暖化対応やスマート農業、環境に配慮した施肥・防除等の技術開発・実証の推進
2 産地を支える担い手づくり
(1) 新規就農者の確保・育成
- JA等研修機関等での就農希望者の受入れや、就農サポート体制の拡充等を通じた、新規就農者の確保・育成の推進
- 就農希望者への園地・倉庫の流動化など、受入れ体制の強化
- 就農後の経営・技術のサポートを通じた、就農者の経営安定の促進
(2) 外部労働力の確保
- 産地間連携や宿泊施設整備等によるアルバイター受入れの促進や有償ボランティアの取組等の拡大
- サービス事業体やJA出資型法人、農作業受託組織、農福連携など多様な労働力確保の取組の推進
(3) 担い手への園地集積及び円滑な経営継承の推進
- 維持すべき園地の明確化の推進や、樹体と園地をセットにした担い手へ円滑に継承できる体制の構築
- 伐採及び廃園・植林等による条件不利地の放任園地化を防止する取組の検討
- 産地計画や地域計画に示された将来像の実現に向けた取組の推進
(4) 経営の多角化・法人化の推進と女性参画の促進
- 農業経営の法人化や経営者の労務管理能力の向上、優良な法人化の取組の他地区へ波及推進
- 集落営農法人の育成等の地域に応じた産地結束力の強化案の検討
- 女性農業者が活躍しやすい環境づくりなど、果樹農業への女性参画の促進
3 災害に強く作業しやすい園地づくり
(1) 被災園地の復興
- 被災園地の復旧を完了し、災害に強い園地の創造の推進
- 園地復旧後の施設整備や優良品種の導入等を通じた、被災前よりパワーアップした産地復興の推進
(2) 自然災害への対応強化
- 排水対策等の基盤整備や被害の予防・軽減のための施設整備の推進
- 農業共済や収入保険への加入の促進
(3) 次世代につなぐ生産基盤の整備
- 園地の緩傾斜化や水利施設等を整備した面的な園地整備による生産基盤強化の推進
- 高品質対策を講じた上での作業性に優れる水田の樹園地化の推進
- 担い手への園地集積の推進
(4) 園内道・モノレールの効率配置の推進
- 園内道・モノレールの効率的な配置や階段畑の段数削減等を通じた急傾斜地の生産性向上の推進
4 国内外のニーズに応えた儲かる愛媛ブランドづくり
(1) うんしゅうみかん・いよかんの生産量維持
- 改植・新植による面積減少の抑制や園地の若返りの推進
- 用水・灌水施設の導入や適切な肥培管理による単収向上の推進
(2) 「紅コレクション」の生産拡大とブランド力の強化
- 紅まどんなの施設導入や甘平の裂果対策、紅プリンセスの安定生産による「紅コレクション」の生産拡大
- 「紅コレクション」の積極的なPRによる愛媛ブランドの強化及び生産者所得の向上の推進
(3) かんきつ周年供給体制の維持
- 愛媛ブランドの特色である多彩なかんきつ品種の生産量確保による周年供給体制の維持
- 出荷時期の延長等による有利販売に向けた長期鮮度保持技術の積極的な導入の推進
- 有望品種の組み合わせやハウス等の導入による儲かる果樹農業の実践農家の育成
(4)「柑橘王国えひめ」の販売力の強化
- 周年供給体制の強みを生かした「柑橘王国えひめ」のブランド強化の推進
- 「紅コレクション」を核とした「柑橘王国えひめ」の知名度向上や販売力強化の推進
- 本県主力かんきつであるうんしゅうみかんのプロモーション強化
- 関係団体一体となった新たな販路開拓や県内外での販促等の推進
(5) 落葉果樹産地の再構築
- キウイフルーツの生産量全国一位の堅持に向けたかいよう病の防除対策の徹底、抵抗性品種への転換、健全花粉の安定供給体制の確立等の推進
- かき、くり、ぶどう、うめ等の産地の振興に向けた、改植や必要な施設の整備、高品質安定生産技術の普及等の推進
(6) 多様な販売体制の構築と消費拡大に向けた食習慣の推進
- SNSやウェブサイトによる情報発信や消費者ニーズに対応した多様な販売体制の整備
- 大学との連携や社員食堂への果実提供、加工品開発など、若者や働く世代への果実消費の促進
- 学校給食、収穫体験等を通じた果実への理解や関心を醸成する食育の推進
(7) 農林水産業を成長産業にするための輸出促進
- 品質の高さを強みとしたマーケットの拡大と市場ニーズに対応した重点的かつ戦略的な活動の推進
- 現地の基準に適合した生産・防除技術の確立と長期輸送に対応した鮮度保持・輸送技術の向上
- 産地及び関係機関等が一体となった輸出体制の構築
第2 栽培面積その他果実の生産の目標
第1の方針を基本に生産誘導を図ることとし、目標年度である令和12年度の生産量と栽培面積の目標を設定
第3 その区域の自然的経済的条件に応ずる近代的な果樹園経営の指標
1 栽培に適する自然的条件
適地適作による高品質果実の安定生産を推進するため、栽培に適した気象条件の基準を設定
2 近代的な果樹園経営の指標
(1)目標とすべき10アール当たりの生産量、労働時間及び栽培方式
より生産性の高い果樹園経営を実現するため、目標とすべき単収、労働時間等を設定
(2)効率的かつ安定的な果樹園経営の経営類型
主たる従事者の年間労働時間、1経営体当たりの所得の目標を設定し、経営指標を設定
第4 生産基盤の整備に関する事項
作業の効率化や省力化を図るため、基盤整備を推進することとし、令和12年度までの目標整備率を設定
第5 果実の集荷、貯蔵又は販売の共同化その他果実の流通の合理化に関する事項
1 消費者に確実に届ける流通体制づくり
(1) 広域選果体制を踏まえた高機能集出荷貯蔵施設の再編・整備
- 集出荷経費の節減や販売力の強化を念頭においた、産地間連携を含めた既存施設の統廃合等による再編の検討
- AI等を活用した選果システム導入等による庭先選別の簡素化や集出荷施設の省人化の推進
- パレット出荷システムの導入による荷役時間の短縮の推進
- 落葉果樹の集出荷貯蔵施設における消費者ニーズに対応した機能向上整備の検討
(2) 出荷規格や輸送の合理化への取組推進
- 関係者の相互理解のもとでの出荷規格の見直しの推進
- 複数産地や品目を組み合わせた混載・共同輸送や鉄道・船舶へのシフトの検討
2 果実の用途別出荷量の見通し
- 令和5年度生産量215,243トン
- 令和5年産出荷量計196,697トン、うち生食用175,936トン、うち加工20,409トン、うち輸出172トン
- 令和12年度生産量209,900トン
- 令和12年度出荷量計191,600トン、うち生食用168,891トン、うち加工22,358トン、うち輸出351トン
3 選果施設の整備
- 光センサー選果機の令和6年度選果機数20ヶ所、年間処理量74,977トン、1ヶ所当たり処理量3,749トン
- 光センサー選果機の令和12年度選果機数10ヶ所、年間処理量101,430トン、1ヶ所当たり処理量10,143トン
- カラーセンサー選果機の令和6年度選果機数5ヶ所、年間処理量2,159トン、1ヶ所当たり処理量432トン
- カラーセンサー選果機の令和12年度選果機数5ヶ所、年間処理量2,800トン、1ヶ所当たり処理量560トン
- プレート選果機の令和6年度選果機数2ヶ所、年間処理量888トン、1ヶ所当たり処理量444トン
- プレート選果機の令和12年度選果機数2ヶ所、年間処理量1,150トン、1ヶ所当たり処理量575トン
- 重量選果機の令和6年度選果機数11ヶ所、年間処理量3,998トン、1ヶ所当たり処理量363トン
- 重量選果機の令和12年度選果機数9ヶ所、年間処理量4,810トン、1ヶ所当たり処理量534トン
- ドラム選果機の令和6年度選果機数8ヶ所、年間処理量1,814トン、1ヶ所当たり処理量227トン
- ドラム選果機の令和12年度選果機数7ヶ所、年間処理量2,300トン、1ヶ所当たり処理量329トン
- 令和6年度小計、選果機数46ヶ所、年間処理量83,836トン、1ヶ所当たり処理量1,823トン
- 令和12年度小計、選果機数33ヶ所、年間処理量112,490トン、1ヶ所当たり処理量3,409トン
第6 果実の加工の合理化に関する事項
1 消費者ニーズに即した新たな加工需要の創出
- 栄養バランスや機能性等の観点を踏まえ、健康志向に見合った新商品の開発
- ストレート果汁等の高品質製品の生産拡大やカットフルーツ・スイーツなど多様な加工需要への対応強化
- 6次産業化に必要な加工施設等の整備を推進
2 加工原料用果実の安定供給
- 加工用品種の導入や労働生産性の高い栽培体系への転換による加工用果樹産地の育成強化
- 加工等の関連産業等との連携を促すことによる加工原料用果実の安定生産・供給の推進
3 かんきつ果汁工場等の合理化
- 省資源化や自動化設備の導入等による製造コストの低減の推進
- 搾汁量に見合った生産規模への合理化等の検討
- 少量多品種化する加工用果実を積極的に受け入れる体制の整備
4 果汁の生産計画
-
果汁の製品製造数量(1/5濃縮換算)、令和5年度664トン、令和12年度1054トン
5 果汁用原料果実の供給計画
- 令和5年産、小計7,033トン、うち自県産6,184トン、他県産849トン、自県率88%
- 令和12年産、小計11,620トン、うち自県産10,600トン、他県産1,020トン、自県率91%
第7 その他必要な事項
1 広域濃密生産団地形成に関する方針
(1) 広域濃密生産団地形成に関する基本的方針
- えひめ農林水産業振興プラン2026を踏まえた、特色ある果樹生産の促進
(2) 広域濃密生産団地の概要
- 団地名、関係市町名及び産地協議会名の記載
2 政令指定果樹以外の新たな樹種の探索と導入検討
- 生産者の所得確保のため、政令指定果樹以外の新規樹種を探索し、導入を推進
お問い合わせ
愛媛県 農林水産部 農業振興局 農産園芸課 果樹係
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