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認知症高齢者グループホームの紹介:Dグループホーム
Dグループホーム
~なじみの暮らしの喜怒哀楽を共有して~
「こんにちは、世話になりに来たで」と50メートルの坂を老人車でおりて来るMさんは、週1回程度Dグループホームに遊びに来ます。
この地区の婦人会の時からの友人が暮らしているからです。
グループホームでは、世間話や思い出話など、別のユニットの知人とも話をしてから帰ります。
Mさんが来られた時は、昔話に花が咲いて大爆笑。自分では動こうとされなかった利用者さんが、お茶を出したり、進んで見送りをされたりと思わぬ行動に出ます。こんな光景を見ていると家と変わらないその人らしい生活が窺えます。
グループホームに入居されても、これまでどおりMさんと利用者さんとの関係が保たれるように支援していきたいと思い、四季折々の行事にMさんをお誘いしています。
夏は、ベランダを活用して、夕涼み会、花火、そうめん流し等、秋は、地域ボランティアによる大正琴、詩吟、芋ほり、冬はクリスマス会などの楽しい行事に参加され、別の友人も来られるようになり、一層笑顔が増えています。
それまで、Mさんは独居で家に閉じこもって生活されていました。グループホームに行くようになり、「楽しみが増えました。ここが出来て良かった。」とMさんのケアマネージャーさんより報告がありました。
このような高齢者のためにグループホームから何か出来る支援をと考え、近所の独居高齢者宅のゴミ出しや灯油缶の開け閉めなどのお手伝いに、少しでも地域へ貢献したいとの思いで取り組んでいます。
また、利用者にとっては、馴染みの暮らしの継続が重要であるため、環境に左右されないで安心して暮らせるようにと工夫の毎日です。
施設に入居すると、世間や家族から見放された様な孤独感を味わうケースが多く見受けられますが、Dグループホームでは、地域と密着した暮らしが継続できるように、公民館、学校、保育所などと連携して支援に取り組んでいます。
例えば、利用者の散歩道の中間あたりに、休憩できるベンチをグループホームが設置しました。すると近所の方が散歩の途中で休んで利用者と世間話をしたり、神社への通り道でもあるのでいろんな方が活用してくれています。
地域の協力という点では、地域の運動会へ見学に行った際、利用者のためにテントを用意してくれ、一番いい席で見学させていただき、宝拾いに参加すれば、地域の方が手を貸してくれるシーンもあり嬉しく思います。
また、今年より初めて、保育所の園児たちが市のバスに乗ってホームを訪問し踊りを披露、ホーム側からも寸劇を披露して交流を図り、癒しのひと時となりました。
本人の不安を取り除くことは、家族の協力なしでは難しいと思います。
家族の絆は深く傍にいなくても強いのです。
どんなに私たちが深く関わっても擬似家族なのです。家族の面会は、最高の微笑みを見せてくれます。
Dグループホームでは、日常生活を記載した「たより」を家族に1ヶ月に1回のぺースで発行し、近況を報告させて頂き、特に県外の方には好評のようです。音信不通の方には、グループホームより電話し、本人の思いを伝えられるように支援しております。
また、開かれたグループホームであるため、施設内の様子を地区の方にもご覧いただいています。
以上のように、Dグループホームでは、利用者の思いや職員の気付きを活かした取り組みを継続するとともに、なじみの暮らしの喜怒哀楽を利用者とスタッフが共有して、その人の歴史を積み重ねて行きたと思っています。
(注)写真と本文とは関係がありません。
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