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肱川水系山鳥坂ダム建設事業

ページID:0008002 更新日:2018年1月12日 印刷ページ表示

手続状況

終了

対象事業の区分

ダム新築事業

事業名称

肱川水系山鳥坂ダム建設事業

事業規模

貯水面積76ヘクタール

事業実施区域

大洲市

関係地域

大洲市、西予市

事業者

国土交通省四国地方整備局

公告・縦覧日

  • 方法書公告・縦覧 平成17年8月23日~8月22日
  • 準備書公告・縦覧 平成18年12月8日~平成19年1月15日
  • 評価書公告・縦覧 平成20年4月18日~平成20年5月17日

知事意見

方法書

愛媛県は、国土交通省四国地方整備局肱川水系山鳥坂ダム建設事業の環境影響評価方法書について、環境影響評価法第10条第1項の規定に基づき、平成18年1月27日付けで、知事意見を提出した。

愛媛県知事意見

平成17年8月1日付けで送付のあった標記環境影響評価方法書について、環境影響評価法(平成9年法律第81号)第10条第1項の規定に基づき、別紙のとおり意見を提出します。

環境影響評価の実施に当たっては、本意見を十分に勘案されますよう願います。

別紙

1 全般的事項

(1)環境影響評価の実施中に、現時点で想定していない環境への影響を及ぼす要因が判明したときや新たな知見が得られた場合には、必要に応じ選定されている項目及び手法の見直しを行うとともに、追加調査を実施すること。

2 対象事業の目的及び内容

 (1)方法書では、目的として記載されている洪水調節及び正常流量の確保の説明が十分になされていないが、準備書においては、当該ダムの建設によってどれだけの治水効果があるのか、また現状の河川流量がダム供用後にどのように変化し、正常流量が確保されるのかなどに ついて、具体的に住民にわかりやすく記載すること。
 (2)工事の実施に伴う粉じんや騒音・振動等の影響については、工事期間及び工程から粉じん等の発生が最大となる時期を想定し、予測・評価する必要があることから、準備書においては、予測の前提となった工事期間及び工程を明らかにすること。

3 大気質

 (1)工事の実施に伴う粉じん等の影響については、建設機械の稼働だけでなく、工事用の資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に伴い発生する粉じん等についても予測・評価すること。
 (2)工事の実施に伴う粉じん等及び騒音・振動の影響について、対象事業実施区域から約500mの範囲内の区域のみに予測地点を設けているが、工事用車両のほとんどは国道197号線及び鹿野川大橋を通過する。このため、国道197号線沿線や鹿野川地区の中心集落においても、粉じん等及び騒音・振動の影響を受けることから、学校や住居の存在等を勘案し、影響を的確に把握できる地点を、予測地点として追加すること。その際、工事用資材等の搬出入ルートや交通量等を明らかにすること。

4 水質

 (1)河川整備計画において、山鳥坂ダムを含む3ダムの統合管理を行い、正常流量を確保するとしていることから、その具体的な内容を明らかにしたうえで、ダム供用後の水質予測を行うこと。
 (2)ダム供用後の水質については、鉛直二次元モデル等を用い予測することとしているが、予測モデルは現実との誤差を伴うものであることから、既存ダムの事例調査の結果や最新の科学的知見等を踏まえ、適宜補正するなど、予測精度の向上を図るとともに、予測対象時期であるダムの供用が定常状態となる時期についても、適切に設定すること。そのうえで、準備書では、予測精度が確認できるよう、検証に用いた既存ダムの諸元や周辺環境の状況及び現況再現性の検証結果などを具体的に示すこと。

5 地形及び地質

 (1)ダム予定地周辺には、方法書で明示されている国土交通省所管以外の地すべり防止区域が存在するとともに、過去の調査においてもダム湛水に伴う崩壊・地すべり危険箇所の存在が指摘されている。このため、事業の具体化に当たっては、地盤環境への影響に配慮した計画とするとともに、地形・地質は地域の動植物や生態系の存続基盤となっていることから、これらの保全の観点からも「土地の安定性」を環境影響評価項目として追加すること。その際、事業者自らが実施している既往のボーリング調査等の結果を、明らかにされたいこと。
 (2)土壌図、地形分類図及び表層地質図については、環境影響評価の基盤となる情報であることから、準備書においては、出典を明確にしたうえで、詳細がわかるよう正確な図面を作成するとともに、凡例を再整理すること。

6 動物

 (1)かつてのクマタカの営巣木周辺地域においては、マツクイムシ等の影響より、アカマツの枯死などが見られることから、集水区域外に移動している現在のクマタカの営巣木についても、同様の状況となり、営巣地の移動も想定される。このため、引き続きクマタカのモニタリング調査を実施するとともに、営巣適地における営巣可能木の状態を十分把握すること。そのうえで、クマタカは一定の傾斜地に生育している針葉樹のうち大径木を営巣木として選択するため、今後の生息環境を十分把握できるよう、植生図と地形図とを重ね合わせることなどにより、将来の森林環境の状況変化について、解析を行ったうえで、予測・評価すること。
 (2)当該地域の生態系に与える影響を把握するためには、生物多様性の見地から、上位性の重要な種以外についても、現況を十分把握したうえで、対応していくことが求められる。これまでの哺乳類相調査では、当該地域に生息の可能性のあるジネズミ、ハツカネズミ、ドブネズミが確認されていないことから、引き続き精度を高めた調査の実施を検討すること。このほか、タヌキについては、当該地域で広く生息し、個体数が多く、捕獲が比較的容易な種であると考えられるため、テレメトリー調査等により、行動圏や移動ルートなどの把握に努めること。
 (3)カワネズミについては、現在四国では確実な生息情報はないが、過去において、カラ岩谷遺跡の地層から骨が確認されており、県内では最も生息の可能性が高い地域と推定されることから、当該種に注目した調査の実施を検討すること。
 (4)コウモリ類については、その多くが愛媛県レッドデータブックで情報不足の種となっており、慎重な調査対応が必要であることから、引き続き、繁殖活動に配慮しつつ、かすみ網法による捕獲調査を行うとともに、当該地域における越冬場所の調査や洞窟調査を実施すること。
 (5)当該地域の環境は、リス科の種の生息に適したものと考えられ、特にモモンガ及びニホンリスについては、生息状況を十分考慮したうえで、工事を実施する必要があることから、当該種に注目した調査を充実・実施すること。その際、生息地の水没や付替え道路の建設等による生息環境の分断の可能性があることから、当該種の巣木・行動圏・移動ルート等を十分把握すること。

7 植物

 (1)現地調査で確認されている重要な植物種の一部に、同定ミスと考えられるものがあるため、再検討すること。また、一部には、地点情報が不明であり、確認位置が把握されていない重要な種があるが、移動ができない植物については生育位置、生育量などの情報が不明の場合、予測・評価が不可能である。このため、各年度の調査資料を精査するとともに、最新の重要な種の詳細が把握できるよう、必要に応じ再調査や追加調査を実施し、適切な予測・評価を行うこと。
 (2)現地調査で確認されているクロモジ、ヒメクロモジ、ミヤコイバラ、クロムヨウランについては、重要な種としてあげられていないが、愛媛県では未記録種(県内分布が知られていない種)であり、県レッドデータブックの絶滅危惧種に相当する極めて貴重な種である。このため、地点情報を把握したうえで、重要な種として予測・評価すること。ただし、これらの種については、同定ミスの可能性も考えられるため、十分な確認を行うこと。
 (3)重要な種として現地調査で確認されているニッケイ及びシモツケについては、植栽からの逸出の可能性があることから、予測・評価に当たっては留意すること。
 (4)現存植生図については、植物のみならず生態系等の環境影響評価にも活用できる重要なデータベースであり、当該地域の森林環境を的確に把握したうえで、作成する必要がある。このため、次の点に留意し、より精度の高い現存植生図を作成すること。

  • 群落組成表によると、常緑広葉樹林のツブラジイ群落の中に、ツブラジイ、アラカシが優占する林があり、落葉広葉樹林のクヌギ-コナラ群落の中にも、コナラ、ナラガシワ、クヌギが優占する林が存在することから、各々優占種での区分を検討すること。
  • クヌギ-コナラ群落の中にクヌギが優占する林があるとしているが、愛媛県においては、クヌギが優占する二次林は少ないものと考えられることから、十分確認すること。
  • スギ・ヒノキ植林を一つの植生と捉えているが、それぞれ植生環境が異なるため、区分しての図化を検討すること。

8 生態系

 (1)過去の調査で集水域にクマタカの営巣地が確認されており、当該地域はクマタカの生息に適した環境が潜在的に存在しているものと考えられることから、引き続きモニタリングを行うとともに、今後の調査結果に応じ、上位性・注目種としての選定を検討すること。その際、営巣地の有無のみならず、クマタカの飛翔の範囲や頻度、ハンティングの状況などを総合的に踏まえ、検討を行うこと。
 (2)地域の生態系の上位性・注目種として位置付けられているオオタカ及びサシバについては、クマタカ同様、営巣木としてアカマツを選択するケースが多く、「6動物(1)」記載のとおり、アカマツの枯死等の問題も考えられることから、事業実施等に伴い森林環境が今後どのように変化していくかということを十分踏まえたうえで、予測・評価すること。
 (3)上位性・注目種として、当該地域の哺乳類が想定されていないが、キツネについては、仮に外来亜種であっても、現時点では当該地域に定着し、生態系の上位に位置しているものと考えられることから、上位性・注目種としての選定を検討すること。

9 景観

(1)豊かな自然環境の中に新たに巨大な構築物が出現することとなるため、主要な眺望点からの景観のみならず、地域の身の回りの景観への影響についても、検討すること。

10 文化財

 (1)当該事業実施区域は、周知の埋蔵文化財包蔵地「カラ岩谷遺跡」「敷水洞遺跡」「堀城跡」「家老屋敷」に該当しており、同区域内における工事内容等によっては、文化財保護法に基づく届出等が必要となることから、県教育委員会と事前に協議すること。
 (2)国指定天然記念物ヤマネの生息地に該当することも考えられるため、聞き取り調査を充実するとともに、現地調査における巣箱を増加させるなど、十分な調査を行ったうえで、適切な措置を講ずること。
 (3)このほか、ダム建設予定地周辺には、県や市の指定文化財が存在していることから、これらへの影響を考慮し、十分な調査を行ったうえで、適切な措置を講ずること。

11 環境影響評価準備書の作成に向けて

 (1)準備書の作成に当たっては、最新の科学的知見を取り入れるとともに、既存ダムのデータや対策を検証したうえで、予測・評価を行い、必要な環境保全措置を検討すること。
 (2)準備書については、住民等にわかりやすい内容とすることはもとより、膨大な頁数となることが想定されるため、必要に応じ資料・データを別冊にするなど、編集方法にも意を用いること。
 (3)住民等から動物や生態系などについて、多くの意見が寄せられているが、より科学的な議論ができるよう、わかりやすい形で環境影響評価制度の趣旨や動植物の生態等の情報提供に努めるとともに、可能な限り調査結果を開示するなど、住民等に十分説明する機会を設けること。

12 その他

(1)ダムの建設によって、新たな湖水面が出現することから、ダムの存在が、周辺地域の特徴的な気象現象である「肱川あらし」など微気象へ及ぼす影響について、鹿野川ダム完成前後の状況を地元から聞き取り調査するなど、可能な限りの調査を行い、検討されたいこと。また、山鳥坂ダム完成前後の年間の霧発生日数等を把握し、微気象への影響を検証されたいこと。

準備書

平成18年11月22日付けで送付のあった標記環境影響評価準備書について、環境影響評価法(平成9年法律第81号)第20条第1項の規定に基づき、別紙のとおり意見を提出します。

別紙

1 全般的事項

 (1)ダム建設工事には長期間を要することから、今後新たに発見される知見や最新技術の導入などにより、事業実施に伴う環境への影響をできる限り回避・低減するよう努めること。
 (2)環境影響評価書においては、事業実施に伴い新たに出現する環境により形成され得る生態系等について、できる限り明らかにすることを目的に、過去のダム建設の事例を記載しておくこと。
 (3)工事中及び供用後において、出水現象に依存すると考えられる生態系を維持するため、ダム下流の水質や土砂の移動、魚類、河畔の植生などについても、影響が認められる場合には、必要に応じて適切な措置を講じること。

2 対象事業の目的及び内容

 (1)環境影響評価方法書作成時と比べて建設発生土処理場予定地の一部をとりやめていることから、環境影響評価書では、とりやめた場所及びその場所をとりやめることとした環境保全の観点からの理由を明らかにすること。
 (2)建設発生土処理場跡地等の利用については、人と自然との触れ合いの活動の場を設ける等地域住民の意見も踏まえて決定すること。また、その場合においては、植林を行う等により建設発生土処理場跡地等からの濁水を防止すること。

3 騒音、振動

工事に伴う騒音・振動について、工事実施区域境界における基準値を集落で満足するので影響は小さいとしていることについて、環境影響評価書で、その評価の妥当性を明らかにするとともに、工事が長期間継続されることも考慮して、できる限り周辺環境への影響を低減するよう努めること。なお、鹿野川地区中心部等環境の保全についての配慮が特に必要な施設や住居等が存在する地域においても、現況を踏まえできる限り影響を低減するよう努めること。

4 水質

 (1)工事に伴う水の濁りについては、ダムサイト表層土よりも粒径が大きい原石山地質からの濁水で予測・評価しているが、ダムサイト表層土からの濁水で評価しても現在の沈砂池の規模が妥当か検討すること。
 (2)ダム供用後の水質については、類似ダム等から予測条件を設定していること、また流況等に影響されるものでもあることから、環境監視を実施し、その結果を踏まえて選択取水設備の効果的な運用方法の確定に努めるとともに、必要に応じて適切な対策をとること。

5 地形・地質

対象事業実施区域及びその周辺の区域は地すべり防止区域に指定されていないとあるが、菟野尾地区には地すべり防止区域に指定されている区域があるため、環境影響評価書で修正するとともに、事業実施に当たっては、土地の安定性を確保するため十分な調査に基づき適切な対策をとること。

6 動植物

 (1)環境影響評価準備書では、中型哺乳類の行動範囲から設定した調査範囲を基にして改変の程度を求めていることから、環境影響評価書においては、その「改変の程度」が意味するところを説明するとともに、調査結果に対する専門家の意見など評価に至った根拠についてもできる限り付記しておくこと。
 (2)サシバ等改変区域近傍に営巣地が存在する種については、工事の時期や方法を工夫すること。なお、営巣地は判明していないものの、改変区域近傍で生息が確認された重要な鳥類についても十分配慮した計画とすること。
 (3)マヤランは、事業実施区域内で1個体しか確認されておらず、ムヨウラン属の一種については同定ができていないことから、追加調査を実施し、その結果を環境影響評価書に記載しておくこと。特に、マヤランについては、移植が困難と考えられ、県内でも明確な生育地がないことから、移植ではなく、生育環境の保護に努めること。また、この旨環境影響評価書に記載しておくこと。
 (4)クロモジ、ヒメクロモジ、ミヤコイバラ、クロムヨウラン、マメダオシ、ハルノタムラソウ、ヒロハノハネガヤについては、他の近似種の同定ミスの可能性もある。特に、クロモジ、ヒメクロモジ、ミヤコイバラ、クロムヨウランの4種については、愛媛県未記録種であり、環境影響評価書に記載するに当たっては、同定する根拠がない旨付記しておくこと。
 (5)環境保全措置として移植を行う動植物については、事前に十分な調査を実施するとともに専門家等の意見を聴いたうえで移植方法、場所及び時期等を決定すること。なお、移植後は、適切に監視を行うとともに、その結果に基づき必要な措置を講じること。

7 生態系

 (1)調査区域内で新たに確認されたクマタカのつがいについては、専門家等の意見を聴きながら調査を継続し、環境影響評価書にその結果を反映させるとともに、調査結果を踏まえ、生態系の上位性・注目種としての評価を検討すること。
 (2)過去の調査で事業実施区域周辺にクマタカの営巣地が確認されており、当該地域はクマタカの生息に適した環境が潜在的に存在しているものと考えられることから、引続きモニタリングを行うとともに、調査結果に応じた適切な対応をとること。
 (3)付替道路等の設計に当たっては、ロードキルや道路の側溝による動物への影響をできる限り低減できるよう配慮すること。
 (4)法面等の緑化に使用する種については、その種が冬季の草食動物のエサとなる等、当該地域の生態系に影響を与える可能性にも配慮して選定すること。なお、その場合においては、工事に伴い除去する低木等の利用も検討すること。

8 景観

ダム周辺の景観については、周辺の施設や建物の形状等の工夫などにより、周囲の自然地形に馴染んだ風景となるよう配慮するとともに、貯水池の流木やゴミの撤去等適切な管理に配慮すること。

9 廃棄物等

伐採木については、発生量16,100立方メートルに対し、再生利用量を200立方メートルしか見込んでいないが、木材チップ等需要のある再生利用品があることから、できる限り再資源化に努めること。

10 その他

 (1)環境影響評価書の作成に当たっては、環境影響評価準備書に対する住民意見に対し、事業者の見解で示された資料を添付するなどにより、より分かりやすい図書の作成に努めること。
 (2)事業の実施に当たっては、地域住民からの環境に関する要望に対して適切に対応すること。

備考

 

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