北海道南部から九州までの日本沿岸、朝鮮半島から東シナ海、台湾、中国沿岸にかけての東アジアに広く分布。産卵のため瀬戸内海に来遊し、秋以降外海に戻る回遊魚。細い体に鋭い歯を持ちイワシ等の魚を捕食する肉食魚で、全長1m以上に成長します。
愛媛県のサワラは、瀬戸内海を中心に主に「さわら流し網漁業」により漁獲されます。この漁業は、夕刻から夜間に、長さ1000mに及ぶカーテン状の網を潮流と直角に入れ、1~数時間潮流にまかせて流しながら、サワラが網に刺さるか、絡めてとるもので、漁期は春と秋です。1985年には1700トン超の漁獲量でしたが、1999年には130トンまで減少したため、愛媛県をはじめとする瀬戸内海各府県が連携して、2002年から資源管理や稚魚の放流等が行われた結果、2017年には700トンまで回復させることができました。現在も資源回復に向けた様々な取組みが続けられています。
サワラは、「鰆」の漢字のとおり、春に産卵のため外海から瀬戸内海に入り込む「春を告げる魚」とされ、愛媛県東予地方で珍重されます。身は柔らかく、癖のない上品な白い身で、刺身や炙りだけでなく、煮付け、西京焼き、天ぷら、ムニエルなど様々な調理法に合い、春のサワラでは、卵や白子も美味と言われています。秋から冬に獲れる「寒サワラ」は、脂のりが良く、マグロの中トロのような食感と旨味が特徴。見た目は白身ですが、サバ科の回遊魚で、成分的にもマグロに近い赤身魚なのです。
お問い合わせ