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県議会の活動

第362回(平成31年2月)定例会

提出議案【議員提出の部】

平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興等に関する意見書

 平成30年7月豪雨により、本県では、災害関連死を含め32人の尊い命が失われるとともに、河川の氾濫や土砂災害などにより、県民生活や経済活動の基盤となるあらゆるインフラに甚大な被害が発生した。

 現在、被災者への支援及び復旧・復興に全力で取り組んでいるが、復旧・復興を迅速に進めるためには、より一層の支援が不可欠である。また、今後、災害を防ぐ対策を抜本的に見直し、被害を最小限に抑えていく取組が急がれる。

 よって、国におかれては、より実効性の高い被災者支援、復旧・復興対策及び防災対策を推進していくために、次の事項について措置されるよう強く要望する。

1 被災者救護と生活再建支援について

(1)被災者の福祉的サポートや心のケアについての被災者の救援に係る取組の継続的な実施に対する必要な措置を取ること。

(2)被災者の生活再建に向けて、住宅被害に対する財政的支援を講じるとともに、仮設住宅の供与期間満了時には、被災者が自立した生活が送れるような体制づくりを行うこと。

(3)自治体が災害公営住宅の建設を検討した際には、補助制度により十分な財政措置を講じること。

2 治山対策について

(1)森林法や土砂災害防止法など、関係法令に規定されている各施策の強化を図るとともに、山崩れ、がけ崩れ等の斜面崩壊の発生要因となる地質研究も含めて詳細な調査を行い、その対策を講じること。

(2)山地災害の復旧のため継続的な治山事業予算の確保を行うとともに、被害の大きかった地域への治山激甚災害対策特別緊急事業について、計画通りの予算配分を行うこと。

3 土砂・治水対策について

(1)今回の豪雨により、大雨の度に土砂災害の恐怖を感じながらの生活を余儀なくされており、二次被害防止や県民生活の安定を図るため、総合的な土砂・治水対策に関する予算の拡充を行うこと。

(2)今回の洪水被害について速やかに調査検証を行い、肱川流域の河川整備をより一層推進し、恒久的な治水対策を講じること。また、洪水で土砂流木等が堆積し河床が上昇しており、更なる災害の危険が高まっていることから、河川の治水機能の早期回復と機能向上を図り、人命を最優先とした治水対策を国、県、市ができる体制づくりを早急に行うこと。

4 内水対策について

 今後、無堤地区の堤防整備や暫定堤防の嵩上げなどが完了した後は、内水の被害が懸念される。肱川水系は474もの支流があり、内水対策を必要とする箇所も多く存在することから、排水機場等の整備や排水ポンプ車の配備等について、計画的な実施を検討すること。

5 河床掘削と河道内立竹木伐採について

 度重なる出水による河床の変化や堤防整備が進むことにより、肱川本流の水位が上昇することが懸念されることから、河床掘削と流下能力を阻害する河道内立竹木の伐採を積極的、計画的かつ継続的に実施すること。

6 民間活力を導入した河川堆積土砂の撤去について

 河道の流下能力の向上を目的とする河床掘削に要する事業費が河川改修事業費を圧迫する恐れがあることから、本県が東予地域の河川で実施している民活河床掘削推進事業などの取組を肱川水系においても推進すること。

7 詳細な堤防点検について

 岡山県倉敷市真備町では、堤防決壊により約1,200ヘクタールが浸水した。本県においても、パイピング現象が発生するなど、堤防からの漏水、堤防法崩れや護岸崩壊などの被害が発生していることから、堤防の重点的な点検を行うなど、より詳細な堤防点検を行うこと。

8 ダム対策について

(1)ダム操作規則等の見直しについては、野村ダム・鹿野川ダムの操作に関わる情報提供等に関する検証等の場において行われた技術的な考察の結果に基づいた効果的なダム操作規則に見直すこと。また、見直し時には、流域住民への説明会を開催するなど広く周知を図ること。

(2)野村ダムについては、南予用水事業への利水容量を見直し、洪水調節容量をさらに確保することで、治水安全度を向上させること。また、雨量予測の精度向上に努め、ダムへの流入量を早期に把握すること。さらに、放流量による水位別の浸水想定マップを策定して、住民へ早急に情報発信を行うこと。浸水想定に基づく危険箇所では、注意喚起を行う看板の設置や警報所の整備、出水状況のライブカメラの増設など、危険を早期の段階で察知することができるような措置を行うこと。加えて、国、県、市の連携による避難訓練を企画実施するとともに、緊急時にあっては地域住民に対し、より効果的な情報提供・警報が行えるよう体制を整えること。

9 インフラについて

(1)地域の基幹道路である国道・県道については、災害時において早期復旧ができる体制づくりを行うとともに、防災・減災対策を推進すること。また、災害時に孤立化のおそれのある集落に対しては、迂回路をはじめとする孤立化防止対策に取り組むこと。特に、今回被害を受けた箇所については、より防災性を高めた復旧を行うこと。

(2)ライフラインについては、水道施設の整備に関する補助制度の拡充により、自治体で非常時への備えを進められるよう対策を講じ、安定給水が継続できる環境づくりを目指すこと。

(3)情報基盤施設については、修繕経費や代替施設の建設、迂回ルートにかかる整備補助を拡充すること。また、移動電源車を多数配備し、不測の事態に備えること。

10 産業について

農林水産業の復旧・復興支援については、採択要件の緩和や事務手続きの簡素化など、早期復旧に向けた特段の措置を講じること。また、被災者が事業を再開できるよう、経営体育成支援事業、農業生産振興事業、漁業生産支援など各種支援策の予算を十分に確保するとともに、補助制度にあっては補助率の嵩上げや複数年にわたる実施を可能とするなど、再建に向けた支援制度の拡充を図ること。

11 被災園地の復旧について

(1)多くの柑橘園地では、スプリンクラー・モノレール等の農業用施設が多数損壊している。また、崩落を免れた園地も必要な栽培管理が行えず、適切な管理や収穫・出荷が行えないことが懸念されることから、早急な復旧に向けた支援を行うこと。

(2)果樹経営支援対策事業(自然災害対応)について、長い年月がかかると見込まれる被災園地の復旧に合わせて、改植等支援が受けられるよう支援を継続するとともに、被災していない園地が再編復旧に伴い改植を余儀なくされた場合も、同様の支援措置を講じること。

(3)被災農業者向け経営体育成支援事業について、被災園地の復旧等に伴い事業実施年度が繰り延べされる場合も、確実に事業が実施できるよう特段の措置を講じること。

12 海域への流出・漂流ゴミ対策について

 ダムの放流等も含めた河川の増水により大量の草木や一般ゴミ等が海域に流出し、広範囲にわたり滞留・漂流しており、漁業活動に大きな支障となっていることから、国土交通省の海面清掃兼油回収船の派遣や回収船の建造を行うこと。

13 被災した児童生徒への支援について

 被災した児童生徒が安全・安心な生活を送れるよう、子どもたちへの心のケアを継続して行うとともに、学習支援、学用品費などの就学援助、学校施設の修復や通学路の整備など様々な支援を行うこと。

14 財政措置について

 被害を受けた自治体では、苦しい財政事情の中、財政調整基金や災害対策基金などを取り崩すといった緊急財政措置で急場をしのいでおり、復旧・復興及び防災・減災対策への財政支援等については、地域の実情に応じた財政需要に確実に対応すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成31年3月13日

 愛媛県議会

提出先

 衆議院議長

 参議院議長

 内閣総理大臣

 財務大臣

 総務大臣

 文部科学大臣

 厚生労働大臣

 農林水産大臣

 国土交通大臣

 内閣官房長官

 国土強靭化担当大臣

 内閣府特命担当大臣(防災)

 

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