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TPP大筋合意に対する万全の国内対策を求める意見書

ページID:0013471 更新日:2023年11月14日 印刷ページ表示

第344回(平成27年12月)定例会

提出議案【議員提出の部】

TPP大筋合意に対する万全の国内対策を求める意見書

 本年10月5日、日米など12か国が大筋合意に達した環太平洋経済連携協定(TPP)については、これまで秘密保持契約を理由に国民に十分な情報が開示されてこなかったが、国会決議で聖域とされた米、牛肉・豚肉、乳製品等重要5品目の輸入枠拡大や関税大幅引下げなど、農林水産業分野で我が国が大きく譲歩している合意内容が明らかになり、農業団体や生産者などから不満や懸念の声が上がっている。

 本県農業の重要品目「かんきつ」についても、競合関係にあるオレンジなど輸入果実の関税が撤廃されることになり、生産現場で不安が広がっている。

 我が国農林水産業は、既に離農や後継者不足などにより生産基盤の縮小に歯止めがかからず、生産コストの高止まりなどにより経営が厳しさを増している中、TPPの発効により米国等大輸出国との更なる厳しい競争を余儀なくされることとなり、このままでは生産者の意欲が大きく減退し、新たに参入する若い世代の希望をも失わせかねない危機的な状況となっている。

 このような中、政府においては、総理大臣を本部長とするTPP総合対策本部及び農林水産大臣を本部長とする農林水産省TPP対策本部を設置し、11月25日、「総合的なTPP関連政策大綱」を決定したところであるが、重要5品目の経営安定対策については一定の具体策が示されたものの、特に本県農業の重要品目である「かんきつ」を含めた、農林水産業の体質強化対策などについては、目標が掲げられるにとどまり、具体策は今後検討とされていることから、生産現場に蔓延しつつある生産者の不安を一日も早く払しょくし、国内農林水産業者が希望を持って生産に取り組めるよう、万全の国内対策を講じる必要がある。

 よって、国においては、TPPが地方の農林水産業に与える影響を精査した上で、今回の大筋合意の内容を丁寧に説明するとともに、次の事項について全力で取り組むよう強く要望する。

 

  1. 米及び乳製品の特別輸入枠の設定や牛肉・豚肉等の大幅な関税削減がなされ、さらに園芸品目や鶏卵、鶏肉等も段階的に関税が撤廃されることから、国内農業に与える打撃は大きく、将来にわたって再生産が可能となるよう、品目別の経営安定対策など万全の国内対策を講じること。
  2. 本県農業の重要品目「かんきつ」については、地域農業や関連産業の振興に大きな役割を果たしており、今後も地域における生産が安定して継続できるよう、生食用果実の価格安定など万全の対策を講じること。
  3. 畜産・酪農の生産基盤の維持・拡大、果樹の改植・新稙や園地の整備・集積、新規就農者など担い手の育成、農地の集積や施設整備など、農林水産業の収益力向上と競争力強化のための対策に全力で取り組むこと。
  4. 地理的表示保護制度の運用など知的財産の保護・活用、景観を含めた農村社会の機能発揮強化のための日本型直接支払など地域政策の拡充、国産農林水産物の輸出拡大、6次産業化や農商工連携の促進など、新たな分野に挑戦する国産農林水産物の付加価値創出対策を推進すること。
  5. 原料・原産地表示や機能性表示による消費者への情報開示の促進、適正価格での流通の確保、学校への和食給食の導入や地産地消の促進など、地域や消費者の信頼に応える国産農林水産物の需要拡大対策を推進すること。
  6. 農家が安心して農業を営んでいくためには農業共済制度が農家経営のセーフティネットとしての役割を十分に果たすことが重要であることから、農業共済制度の充実・強化に努めるとともに、農家負担の軽減及び農業共済事業・組織の円滑な運営に必要な財政支援を行うこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年12月11日
 愛媛県議会
提出先
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 農林水産大臣
 内閣官房長官
 内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

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