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研究報告No.27

ページID:0004427 更新日:2013年1月15日 印刷ページ表示

異常卵発生防止技術開発試験

1 ビタミン剤・カルシウム吸収促進剤の給与効果(第3報)

和田雄二 坂本恭一

鶏卵の、卵殻質の強化及び肉斑・血斑の出現率の低減を図る目的で、ビタミンA、D、K、カゼインホスホペプチド(CPP)、フラクトオリゴ糖(オリゴ糖)、真珠貝殻の6資材について、これらを組み合わせて使用し添加効果を検討した。これらの資材については、鶏種によって効果に差があることが報告されているものもあるが、今回の試験に使用したブラウン系の鶏種では、3年間の試験結果を総合的に評価しても、各資材ともに無添加区と比較してほとんど改善効果は認められず、飼養標準の要求量を十分満たすように配合されている市販飼料に上乗せする方法で使用しても、添加効果は期待できなかった。

異常卵発生防止技術開発試験

2 育成期のストレス緩和剤と低栄養大すう飼料給与の影響(第3報)

和田雄二 坂本恭一

当場産のロードアイランドレッド種を使用して、低タンパク質大すう用飼料の給与とレセルピンの使用による産卵期への影響について検討した。今年度は添加濃度を0.05%だけにして実施したが、結果は前年度の成績と同様にレセルピンの使用により飼料消費量の減少と、育成体重の小格化が図られたが、ワクチン接種や移動時の労力低減に繋がるほどの鎮静効果は認められなかった。また、成績としては、昨年と同様に隔日給与の方が飼料の節減効果は大きかった。さらに、その後の成鶏時体重の小格化、産卵性の向上には前年と同様、どちらの処理にも大きな効果は認められなかった。このことから、従来から実施されている隔日給与法は、大型鶏種には、大すう用飼料の節減から育成費用の低減に有効であり、成鶏時体重やその後の産卵性にほとんど影響は無く、良い技術であることが再確認された。

低タンパク質飼料給与体系開発試験-第1報-

坂本恭一 和田雄二

畜産における環境保全対策として排泄される鶏ふん中の窒素及びリンを削減する方法がいろいろと検討されているが、その一つとして低タンパク質飼料及びフィチン態リンの消化酵素フィターゼを用いる方法が注目されている。そこで、低タンパク低リン(CP15%、非フィチンリン0.20%)飼料を設計し、これにフィターゼを500単位添加して給与したところ、低タンパク飼料区(低リン区、フィターゼ添加区ともに)の産卵率は79.6%~82.1%、また1羽当たり産卵量も46.6~48.7個と対照区に比べて低かった。これは産卵初期の産卵率の急激な上昇時期と、夏季の暑熱が重なったことから、充分な栄養摂取ができなかったことが大きいと考えられた。一方、排泄された鶏ふん、鶏ふん中の窒素及びリンの量は対照区の45~60%と非常に高い低減効果が得られた。なお、今回の結果では、小型の飼料消費量の少ない鶏種における問題点が明らかとなったことから、これらの対策、及び飼料消費量の多い鶏種の反応を解明する必要がある。

低タンパク質飼料給与体系開発試験-第2報-

坂本恭一 和田雄二

畜産における環境保全対策として排泄される鶏ふん中の窒素及びリンを削減するため、低タンパク質飼料及びフィチン態リンの消化酵素フィターゼを用いたが、飼料消費量の少ない鶏種において、産卵初期及び夏季の暑熱時に産卵成績が劣る結果となった。そこで、夏季暑熱時に油脂を2%添加して給与し、その改善効果について検討した。飼料消費量の少ない鶏種の低タンパク質飼料区(フィターゼ添加区、油脂添加区区ともに)の産卵率は、80.5%及び76.5%、また1羽当たり産卵量も46.5g、44.6gと対照区に比べて低かった。一方、飼料消費量の比較的多い鶏種では、低タンパク質飼料でも産卵率84.9%、81.3%、1日当たり産卵量52.6g、49.5gとなり対照区と遜色ない成績が得られた。消化試験の結果では、フィターゼを添加するとリン及びカリウムの見かけの消化率が改善された。その結果フィターゼ区、リン排泄量は37~48%対照区よりも低減された。また、低タンパク飼料の利用により窒素排泄量も17~25%低減された。

ダチョウの飼養技術開発試験

高橋敏方

  1. ダチョウの人工孵化試験成績
  2. 育成時の環境設定が発育に及ぼす影響
  3. グリット投与が発育に及ぼす影響(第1報)

国内より購入したダチョウの種卵39個を用いて人工孵化を実施した結果、有精卵23個(59%)、対受精孵化羽数13羽(56.5%)であり、購入先及び購入時期によって成績にバラツキがあった。孵卵中の温度は約36.2℃、湿度は約25%に設定した。外国から輸入した初生雛35羽で育成試験を実施した結果では、環境条件試験で改良型電気ブルーダーとヒートマットの併用で育成率が向上した。また生後1ヶ月齢からグリットを給与すると、飼料摂取量が増加する等成績が向上した。

コクシジウムワクチンとハーブがブロイラーの発育に及ぼす影響

大北栄人 今井士郎

コクシジウムワクチンを使用した抗菌性飼料添加物を含まない飼料(以下無薬飼料という。)による飼育の可能性を検討するとともに、ハーブ(オレガノ、ケイヒ)を飼料に添加し、無薬飼料による飼育でみられる増体不良の改善について検討した。その結果、有薬飼料と比べ増体重、飼料要求率で若干劣るが、育成率など他の項目についてほぼ同様の成績が得られ、コクシジウムワクチンを使用した無薬飼料による飼育が可能であった。また、ハーブ(オレガノ、ケイヒ)を飼料に添加することで増体重、飼料要求率が改善された。

強制換羽方法の違いが産卵成績、卵質及び経営に及ぼす影響

坂本恭一 和田雄二

近年の低卵価により採卵養鶏農家では、強制換羽が盛んに行われているが、その方法及び効果の程は明らかでない。そこで今回、強制換羽方法の違い(常法:断餌及び絶水、制限:常法+制限給与)がその後の生産性及び経済性に及ぼす影響について4鶏種(マリア、ソニア、ボバンスホワイト、コーラル)を用いて検討した。その結果、強制換羽後の100週齢まででは、1羽当たり産卵量で0.6(ボバンス)~4.3(コーラル)g常法区が優れていた。114週齢まででは、0(ボバンス)~2..1(コーラル)gと差は小さくなるものの同様の傾向にあった。また、規格外卵(二黄卵、奇形卵、破卵)の発生率は、100週齢までで0.5(マリア)~3.4(コーラル)%、114週齢までで0.4(マリア)~4.1(ソニア)%制限区が少なく、廃棄卵(全壊卵、無殻卵、小卵)の割合も同様の傾向にあった。67~100週齢のマリア及びソニアではL規格の卵が40.9~48.8%と最も多く、M及びL規格卵の割合は63.7%~67.7%であった。平均卵価は144.1円~146.8円となり、粗利益は939~1,015円であった。制限区と常法区を比べると平均価格は制限区が高いものの、HD産卵量が1.6~2.6g少なかったことから粗利益は若干少ない結果となった。一方、ボバンス及びコーラルではM規格が6.2(コーラル常法区)~18.0(ボバンス常法区)%、L規格が22.2(コーラル常法区)~42.4%(ボバンス制限区)、M+L規格が28.4(コーラル常法区)~57.6(ボバンス制限区)%となった。これは、常法区のコーラルでLL規格及びLLL規格が合わせて69%となるなど非常に多かったためであった。従って、平均卵価は134.6円~144.6円、粗利益は866円から942円となった。67~114週齢の結果も同様であった。強制換羽後の72、80、92、100、102週齢のハウユニットは、いずれの週齢においても制限区と常法区との間に差はほとんどみられず、強制換羽方法の違いが及ぼす影響は少なかった。

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