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うてな湖に春から秋にかけて出現する泡(ぶくぶく)について紹介します。
写真1.うてな湖全景
貯水池などの閉鎖水域においては水質の悪化という問題が発生し、うてな湖においても水質保全設備により対策をしています。水質悪化のメカニズムとして温度躍層(※1)の形成から始まり、プランクトンの異常発生や栄養塩等の溶出、そして富栄養化や異臭の発生といった問題が起こります。うてな湖では水質保全のため、コンプレッサーで連続式空気揚水筒に空気を送り込み、貯水池全体を攪拌混合することにより温度躍層形成の防止、低層水の溶存酸素量を増加させ栄養塩類等の溶出を抑制しています。
(※1)温度躍層…海洋や湖沼内部で、水温が鉛直に急激に変化する層のこと。上層が外気によって暖められ、下層の冷たい水と対流が起こらないため水温差が発生する。
図2.水質悪化のメカニズム
図3.水質保全設備の模式図
連続式空気揚水筒とは、貯水池の上下対流が悪くなる時期(特に夏期)に、大規模な上下対流を発生させ貯水池全体を攪拌混合する装置です。これにより温度躍層形成の防止、藻類の異常発生を防ぎ、低層水の溶存酸素量を増加させ栄養塩等の溶出を抑制し水質保全を図ります。
写真2.連続式空気揚水筒
コンプレッサーとは「気体を圧縮して圧力を高め、連続的に送り出す装置」のことです。
写真3.コンプレッサー