異常時通報連絡の公表文(様式1-2)
伊方発電所から通報連絡のあった異常について(令和6年8月分)
令和6年9月10日
原子力安全対策推進監
電話番号089-912-2352
1_令和6年8月に、安全協定に基づき四国電力株式会社から県へ通報連絡があった異常は次のとおりですので、お知らせします。
通報連絡の概要
県の公表区分 |
A |
異常事項 |
作業員の負傷(3号機)<外部リンク>
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発生年月日 |
令和6年8月1日 |
概要 |
伊方発電所3号機の2次系機器の点検作業において、作業員1名が腰の痛みを訴えた。
- 負傷の程度:腰の痛みを訴えた
- 意識の有無:有
- 計画外被ばくの有無:無
- 汚染の有無:無
- 作業の状況:2次系機器の点検作業において、腰の痛みを訴えた。
このため、当該作業員は、協力会社社有車にて病院に搬送することとし、病院で診察を受けた結果、「腰痛症」と診断され、帰宅した。
その後、当該作業員が所属する協力会社より、引き続き安静療養を継続するとの連絡があり、8月5日で4日以上の休業となった。 |
管理区域該当 |
外 |
国への報告 |
労働安全衛生法については未定 |
備考 |
公表済 |
通報連絡の概要
県の公表区分 |
B |
異常事項 |
1次冷却材ポンプ3C封水注入系統配管フランジ部からの水漏れ(3号機)<外部リンク>
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発生年月日 |
令和6年8月1日 |
概要 |
伊方発電所3号機は定期検査中のところ、原子炉格納容器2階に水たまりがあることを運転員が確認した。
現地を確認したところ、水たまりについては、1次冷却材ポンプ3C点検のために開放した封水注入系統配管フランジからの漏水であることを確認した。
また、当該配管フランジより漏水が継続していたため、当該配管フランジに閉止蓋を取り付け、漏水は停止している。
水たまりは、原子炉格納容器内の1次冷却材ポンプ3C付近に留まっており、外部への漏えいはなく、全量ふき取りを行った。
なお、漏水量は約14リットルで、分析の結果、放射能量は約2.7×10^5ベクレルと推定した。
今後、詳細を調査する。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
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管理区域該当 |
内 |
国への報告 |
× |
備考 |
公表済 |
通報連絡の概要
県の公表区分 |
C |
異常事項 |
原子炉コントロールセンタ3Aのケーブル接続端子の焦げ跡(3号機)<外部リンク>
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発生年月日 |
令和6年8月5日 |
概要 |
伊方発電所3号機は定期検査中のところ、原子炉補助建屋1階にある原子炉コントロールセンタ3Aの解線されたケーブルの接続端子に焦げがあることを保修員が確認したことから、消防署へ連絡した。
その後、消防署が現場にて火災ではないことを確認した。
調査の結果、原子炉コントロールセンタ3Aは停電中であり、点検のため解線していたケーブルの下流側にある海水ピット回転バースクリーン3Aを運転するために、仮設電源である海水淡水化装置コントロールセンタ3Aのスイッチを「入」としたが、その後、誤って海水ピット回転バースクリーン3A用スイッチを「入」としたことにより、解線していたケーブルに電流が流れ、接続端子が焦げたものと推定した。現在、各スイッチは「切」としている。
その後、焦げていた接続端子を取り替え、ケーブル等の健全性確認を行い、通常状態に復旧した。
今後、詳細を調査する。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
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管理区域該当 |
外 |
国への報告 |
× |
備考 |
今回公表 |
通報連絡の概要
県の公表区分 |
C |
異常事項 |
火災感知器の誤作動(3号機)<外部リンク> |
発生年月日 |
令和6年8月6日 |
概要 |
伊方発電所3号機は定期検査中のところ、伊方発電所3号機特重建屋において火災の発生を示す信号が発信したことから、消防署へ連絡した。
当直員が現地確認を行い、炎や発煙等がないことを確認した。
また、消防署が現場にて火災ではないことを確認した。
その後、火災の発生を示す信号が発信した火災感知器の取替えを行い、火災発生を示す信号の再発信がないことから、当該火災感知器の誤作動と判断し、通常状態に復旧した。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
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管理区域該当 |
外 |
国への報告 |
× |
備考 |
今回公表 |
通報連絡の概要
県の公表区分 |
A |
異常事項 |
作業員の体調不良(3号機)<外部リンク> |
発生年月日 |
令和6年8月17日 |
概要 |
伊方発電所で定期検査作業に、8月16日に従事していた作業員より、体調不良のため病院を受診するとの連絡があった。
- 意識の有無:有
- 計画外被ばくの有無:無
- 汚染の有無:無
その後、当該作業員は病院にて診察を受け、8月21日に「急性腎不全、脱水症」と診断され、4日以上の休業となった。
なお、現在は体調が回復し、出社している。
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管理区域該当 |
内 |
国への報告 |
労働安全衛生法については未定 |
備考 |
公表済 |
通報連絡の概要
県の公表区分 |
C |
異常事項 |
自動火災報知設備の不具合(共用)<外部リンク> |
発生年月日 |
令和6年8月19日 |
概要 |
旧塵埃焼却炉建屋において火災の発生を示す信号が発信したことから、消防署へ連絡した。
また、初期消火班が現地確認を行い、炎や発煙等がないことを確認し、消防署が現場にて火災ではないことを確認した。
原因調査のため、当該建屋の自動火災報知設備(火災感知器及び火災受信機盤等)の確認作業を実施したところ、当該建屋の火災を示す信号が停止し、その後、火災を示す信号の再発信がないことを確認した。
なお、当該建屋は倉庫として使用しており、消防法上、火災を監視する必要がない施設だが、自動火災報知設備を自主的に設置していた。今後、当該建屋は使用しないこととし、自動火災報知設備についても使用を停止することとする。
また、当該建屋の火災の発生を防止するため、立入制限措置を行い、8月21日、電気の供給を停止し、当該建屋に保管している物品については、搬出した。
今後、詳細を調査する。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
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管理区域該当 |
外 |
国への報告 |
× |
備考 |
今回公表 |
2_外部への放射能漏れや周辺環境放射線への影響はありませんでした。
原因と対策の報告の公表文
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について
令和6年9月10日
原子力安全対策推進監
電話番号089-912-2352
1_四国電力株式会社から、伊方発電所で令和6年7月に発生した2件の設備の異常に係る原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
原因と対策
県の公表区分 |
C |
異常事項 |
総合排水処理装置の砂ろ過器空気排出弁からの水漏れ(3号機)<外部リンク>
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発生年月日 |
令和6年7月9日
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原因 |
排水を一時的に貯留する沈殿池から砂ろ過器に通水する過程で、砂ろ過器の空気を排出する自動排気弁(以下「当該弁」という。)の大空気孔側のフロート弁体案内内面及びフロート弁体外面に経年使用により付着した汚れがフロート弁体の上下動を阻害し、フロート弁体が途中で引っ掛かったことで大空気孔弁座を閉止できず、系統水の漏えいに至ったと推定した。
(参考)事象の概要
伊方発電所3号機は通常運転中のところ、3号機の総合排水処理装置建屋の地下階に広範囲にわたり水がたまっていることを作業員が確認した。
保修員が現場を確認し、たまっていた水は総合排水処理装置建屋及びその周辺の区画に留まっており、発電所外への流出や継続的な漏えいがないことを確認した。
調査の結果、沈殿池から総合排水処理装置の砂ろ過器への水の移送時に、当該弁から漏えいしたものであることを確認した。
その後、当該弁を取り替え、装置を運転して当該弁からの漏えいがないことを確認し、通常状態に復旧した。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。
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対策 |
- 当該弁について、経年使用による外面腐食も進行していることから取り替えることとし、入手性や保守性を踏まえ、双口空気弁と同等の機能を有する急速空気弁へ取り替えた。
- 砂ろ過器自動排気弁については、不具合が確認された場合に分解点検を実施することとしていたが、当面の間、年1回の簡易点検として、弁外部からの目視点検及びカバーを取り外して確認できる範囲の内部の目視点検を行うとともに、3年に1回分解点検又は取替えを計画する。
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原因と対策
県の公表区分 |
B |
異常事項 |
資材保管庫におけるコンセントの焦げ跡(3号機)<外部リンク>
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発生年月日 |
令和6年7月26日
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原因 |
コンセントプラグの金属部分が変形し、コンセントへの差込み状態が浅い状況下で、本事象発生前に聴診棒の持出し又は返却を行った際に、不安定な保管状態であった聴診棒1本が転倒し、コンセントプラグの充電部に接触することで、地絡に至ったものと推定した。
また、コンセント付近に聴診棒やごみ箱を置いていることに対する運転員の問題意識が低かったことに加えて、当直管理者の現場観察が十分ではなかったことから、地絡のリスクを予見することができなかった
(参考)事象の概要
伊方発電所3号機は第17回定期事業者検査中のところ、現場の運転員が、原子炉補助建屋2階の発電課資材保管庫に入室した際、コンセント付近からバチバチと音がしていることを確認した。
周囲の状況を確認したところ、コンセントに挿入されていた懐中電灯充電箱のコンセントプラグが抜けかかっており、コンセントプラグの充電部に聴診棒が接触したことでバチバチと音が発生していた。
そのため、コンセントの電源元である電源スイッチを切とし、電源系統から切り離した。
その後、資材保管庫内のコンセントが焦げていることを運転員が確認したため、八幡浜地区施設事務組合消防本部へ連絡し、消防本部の立ち入りの結果、火災ではないと判断された。
なお、火災感知器は作動しておらず、炎や発煙も確認していない。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。
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対策 |
- 発電所従業員及び構内協力会社作業員を対象とした安全教育に「作業用電源の取扱い」の項目を追加し、コンセント周辺の環境整備やコンセントプラグの確実な差込みを含む作業用電源の取扱い方法に関する定期的な教育を行うとともに、本事象をヒューマンファクター教訓シートに整理し周知する。
- 聴診棒専用の保管容器を配備し、使用後は保管容器に返却することを運転員に周知した。
- 資材保管庫内の整理・整頓を継続的に実施するとともに、当直管理者による現場確認(60回程度/年)により、整理・整頓状況が維持されていることを確認する。また、当直管理者は、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)に着目した現場観察を実践し、自ら安全に対する感度を高めるとともに、運転員の安全に対する意識の醸成を図る。
- 伊方発電所長より、発電所従業員及び構内協力会社作業員に対して、今回の事象を踏まえての注意喚起、及びコンセント付近への可燃物等保管ルールと整理・整頓・清掃の徹底について周知した。(7月29日実施)
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以下8件については、現在、四国電力株式会社において調査中であり、「伊方原子力発電所異常時通報連絡公表要領」に基づき、原因と対策の報告書を受理後、来月以降に公表します。
- 伊方3号機 非常用ガスタービン発電機燃料油貯油槽Aの配管フランジ部からの油漏れ(令和5年7月27日発生)
- 伊方2号機 燃料取替用水タンクポンプ出口ライン弁からのほう酸水の漏えい(令和6年3月14日発生)
- 伊方発電所 雑固体焼却設備の排ガスブロアの不具合(令和6年4月17日発生)
- 伊方3号機 原子炉補機冷却水冷却器海水出口弁の不具合(令和6年6月24日発生)
- 伊方3号機 原子炉補助建屋における消火設備の動作(セメント固化装置混練機の不具合)(令和6年6月27日発生)
- 伊方3号機 1次冷却材ポンプ3C封水注入系統配管フランジ部からの水漏れ(令和6年8月1日発生)
- 伊方3号機 原子炉コントロールセンタ3Aのケーブル接続端子の焦げ跡(令和6年8月5日発生)
- 伊方発電所 自動火災報知設備の不具合(令和6年8月19日発生)
2_県としては、伊方発電所に職員を派遣し、対策が適切に実施されていることを確認しています。