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伊方原発に関する知事メッセージ(令和3年)
日付 | 内容 |
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令和3年12月22日 | 訪問対話活動の結果報告について |
令和3年11月19日 | 連続トラブルや保安規定違反事案等重大事案を踏まえた伊方発電所3号機の運転再開に関する要請について |
令和3年10月21日 | 連続トラブル及び保安規定違反事案に係る伊方発電所の現地確認について |
令和3年9月10日 | 連続トラブル及び保安規定違反事案の対応状況等の報告について |
令和3年1月20日 | 訪問対話活動の結果報告について |
訪問対話活動の結果報告について
12月22日、四国電力から、本年10月に実施した訪問対話活動の結果報告がありましたので、お知らせします。
この訪問対話活動は、福島第一原子力発電所事故後、地元説明に真摯に取り組むよう求めた私からの要請を踏まえ、四国電力が伊方発電所から20km圏内に拡大して実施しているものであり、13回目となります。
[添付資料:訪問対話活動の実施結果[PDFファイル/1.79MB]]
今回は、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染防止の観点から、従来の対話説明は取りやめましたが、「連続トラブルへの対応」、「保安規定違反事案への対応」および「使用済燃料乾式貯蔵施設の概要」などについて分かりやすくまとめたリーフレットを圏内約27,000戸へ配布するとともに、これらに関する動画を地元ケーブルテレビやホームページで放映・公開し、専用はがきや電話で意見等を募集したとのことです。
その結果、住民の方々からは、「職員を厳しく指導し安全確認に努めてほしい」、「原子力は不安なので、早く自然エネルギーに転換してほしい」などの要望や、「緊急事態に備えて宿直している社員が無断外出するなどあってはならないことだ」、「信頼は日々の積み上げでしか回復できないので社員の頑張りに期待している」、「四国の電力事情等を考えると、四国に一つは原発が必要と思う」といった意見が89件寄せられたことから、個別に回答を行うなど、丁寧に対応したとの報告を受けました。
[添付資料:説明資料(リーフレット)[PDFファイル/5.31MB]]
県としては、四国電力に対し、引き続き、職員一人一人が緊張感を持って安全確保に最優先で取り組むとともに、情報公開の徹底と訪問対話活動の継続的な実施により、県民の信頼回復に努めるよう改めて要請いたしましたので、ご報告申し上げます。
令和3年12月22日
愛媛県知事 中村 時広
連続トラブルや保安規定違反事案等重大事案を踏まえた伊方発電所3号機の運転再開に関する要請について
11月19日、四国電力の長井社長と面会し、昨年1月の連続トラブルおよび本年7月の保安規定違反に係る四国電力の対応について「伊方原発環境安全管理委員会の意見」、「伊方町の判断」、「県議会の議論」を踏まえ、咀嚼した結果、その内容を妥当と判断し、3号機の運転再開については、要請事項の遵守を条件に了承する旨を伝えましたので、ご報告いたします。
伊方発電所で昨年1月に発生した連続トラブルについては、県民の信頼を著しく低下させる事案であり、県としても信頼回復に努めるよう要請していた中、本年7月、重大事故等対応要員が宿直中に無断外出するという保安規定違反が発覚し、県民の信頼を更に失墜させたことは、大変遺憾であり、県としては、これらの問題に対して、経営トップも含め、四国電力全体としての十分な取り組みが確認できるまでは、法律上は問題ないとしても、手放しで伊方3号機の運転再開を認めることはできないという厳しい姿勢で臨んでまいりました。
その後、連続トラブルに係る再発防止策や県からの要請事項に対する取り組み、そして保安規定違反の再発防止策について、伊方原発環境安全管理委員会において専門的な立場から幅広く審議いただき、「四国電力の取り組みは妥当である」旨の報告を受けるとともに、伊方町からは、11月5日に町長から運転再開を認めるとの立地町としての判断をいただきました。
それに加えて、11月18日には、県民の代表である愛媛県議会での議論の結果について報告を受けたところであり、議論の中では、「四国電力の対応は適切」、「運転を再開するのであれば安全性の向上に努めること」などのさまざまな意見があったと聞いています。また、私自身も10月15日に発電所に赴き、それぞれのトラブルや保安規定違反に係る再発防止策の実施状況に加え、特定重大事故等対処施設の設置状況や電源に係るアディショナルな対策について、時間をかけて一つ一つ丁寧に説明を受け、自らの目で直接見ることで、四国電力が、県からの要請事項等を真摯に受け止め、発電所全体として再発防止策に取り組むとともに、安全対策の強化を行っていることを確認しました。
一連の事案に対する四国電力の取り組み状況について、「伊方原発環境安全管理委員会の意見」、「伊方町の判断」、「県議会の議論」、そして現地確認の結果を踏まえ、総合的に検討した結果、四国電力の対応は妥当と判断し、本日、私から長井社長に対し、伊方3号機の運転再開を了承する旨を伝えるとともに、県としての要請書を手交し、3号機の運転を再開するに当たっては、長期間停止した後であることにも留意して、伊方発電所の安全確保に万全を期すよう、緊張感を継続してしっかりと取り組むことを強く求めました。
なお、了承に当たっての要請内容は次のとおりです。
1 福島第一原子力発電所事故の教訓を決して忘れることなく、安全最優先の取り組みを行うとともに、二度と要員の無断外出のような事案を発生させないよう、経営トップから協力会社社員一人一人に至るまで、原子力事業者としての責任や使命を自覚するよう改めて徹底すること
2 再発防止策の確実な実施はもとより、これまで以上に安全性向上に努め、技術力の維持・向上や安全文化の醸成に取り組むこと。また、再発防止策や安全文化の醸成活動の実施状況について、県民に対してより一層丁寧に説明し、県民の信頼の回復に努めること
3 かねてより要請している「えひめ方式」の通報連絡体制の徹底について、「えひめ方式」が信頼関係の根幹であることを再認識し、遺漏なく実施すること
【添付資料:要請文書[PDFファイル/101KB]】
四国電力には、本日が「ゴール」ではなく、安全運転の継続と県民の信頼回復に向けた「スタート」であることを肝に銘じ、気を引き締めて対応してもらいたいと考えています。
県では、本日要請した内容について、四国電力の取り組み状況を注視するとともに、必要と思われることは、しっかりと対応を求めていくなど、今後とも、伊方発電所の安全確保に全力で取り組んでまいります。
令和3年11月19日
愛媛県知事 中村 時広
連続トラブル及び保安規定違反事案に係る伊方発電所の現地確認について
10月15日、伊方発電所において、昨年1月に発生した連続トラブルの再発防止策と県要請事項への取り組み状況、本年7月に発覚した元社員の宿直中の無断外出による保安規定違反事案の再発防止策、特定重大事故等対処施設等の安全対策設備の設置状況などについて、現地確認を行いましたので、ご報告いたします。
このうち、連続トラブルの再発防止策と県要請事項への取り組み状況については、所内電源の一時的喪失事象の対応などを確認しました。特に電源については、福島第一原発事故の後、県としてアディショナルな対策を求め、亀浦変電所からの送電線の設置を実現させた経緯があります。例え本事象のように、発電所外からの電源を失ったとしても、今回確認した自主設置の非常用ガスタービン発電機を含め、幾重ものバックアップ対策が取られていること、そして、そもそも同じ事象を発生させないことが重要でありますが、再発防止策として、設備上の問題を電波および音の探査により、事前に確認できる仕組みが導入されていることなどを確認しました。
また、保安規定違反の再発防止策については、社員の意識啓発を四国電力社長が責任を持って行うとともに、GPS付きスマートフォンによるチェック体制の強化など、システムとして、同様の事案を防止できる対策がなされていることを確認しました。
このほか、特定重大事故等対処施設について、現場で実物を確認しましたが、念のためのバックアップ設備や速やかに対応できる体制が構築されており、これまで以上に安全対策が進められていると感じました。
四国電力には、原子力発電所を運転する上で、協力会社の社員も含めた伊方発電所に関係する一人一人まで、より一層の使命感、緊張感を持ち続けるとともに、引き続き信頼関係の根幹である「えひめ方式」による通報連絡体制の徹底に努めてもらいたいと思います。
今回の現地確認により、四国電力が県の要請に対して一つ一つ丁寧に対応していることが私の目で確認できましたが、保安規定違反の再発防止策については、今後、伊方原発環境安全管理委員会の審議がなされることから、その結果や伊方町の動向も踏まえ、県として、伊方3号機の運転再開について判断したいと考えています。
令和3年10月21日
愛媛県知事 中村 時広
連続トラブル及び保安規定違反事案の対応状況等の報告について
9月10日、四国電力長井社長から、連続トラブル及び保安規定違反事案の対応状況について報告がありました。
令和2年1月に伊方発電所で発生した連続トラブルについては、同年8月に四国電力長井社長と面会し、再発防止策及び定期検査の再開を了承しましたが、その際には、「更なる安全性向上に向けた詳細調査の実施」や「県民の信頼回復」等の7項目を要請させていただき、四国電力は、この連続トラブルにより大きく低下した県民の信頼回復等に取り組むとともに、県としても伊方原発環境安全管理委員会等において四国電力の対応状況を確認していたところです。
今回、四国電力長井社長からは、私からの要請を踏まえ、現在も根本原因の研究や恒常的な対策などを行うとともに、継続して取り組む事項もしっかりと実施していることの説明を受けました。
また、県の原子力安全専門部会や伊方原発環境安全管理委員会では、四国電力の取組状況は、速やかに実施すべき項目への対応は完了しており、安全文化の醸成などについても継続的に取り組んでいると認められると取りまとめられました。
一方、本年7月に宿直中の元社員が発電所を無断外出したという保安規定違反事案については、「えひめ方式」による通報連絡は速やかに行われたものの、県民の不信感を著しく増大させたことは大変遺憾であり、県としては事態を重く受け止め、事案発覚後直ちに、再発防止策の検討などを要請しました。
四国電力長井社長からは、本日保安規定違反事案について、コンプライアンス意識の徹底や要員の所在確認等の再発防止策を取りまとめたとの報告を受けましたが、私からは、協力会社の社員も含めた伊方発電所に関係する一人一人まで、原子力発電所を運転する責任と使命を自覚するよう徹底することを申し上げました。
[添付資料:連続発生したトラブルの対応状況と保安規定違反への対応状況について[PDFファイル/110KB]]
今後、その報告内容を県の原子力安全専門部会において、専門的な観点から確認いただき、安全上必要と思われることがあれば、追加で対応を要請したいと考えています。
なお、伊方3号機の運転再開について、以前四国電力として公表されたスケジュールは前提とせず、連続トラブルや保安規定違反への対応状況も含めて、四国電力の一つひとつの取組をしっかりと確認した上で、判断したいと考えています。
県では、保安規定違反事案に関する四国電力の報告について、県の原子力安全専門部会等で厳しく審議・確認していくとともに、引き続き、知事メッセージ等を通じ、広く皆さまに対して、丁寧な説明や情報提供に努めてまいります。
令和3年9月10日
愛媛県知事 中村 時広
訪問対話活動の結果報告について
1月20日、四国電力から、昨年10月に実施した訪問対話活動の結果報告がありましたので、お知らせします。
この訪問対話活動は、福島第一原子力発電所事故後、地元説明に真摯に取り組むよう求めた私からの要請を踏まえ、四国電力が伊方発電所から20km圏内に拡大して実施しているものであり、12回目となります。
[添付資料:訪問対話活動の実施結果[PDFファイル/98KB]]
今回は、新型コロナウイルス感染防止の観点から、従来の対話説明は取りやめましたが、「使用済燃料乾式貯蔵施設の概要」、「連続トラブルへの対応」および「新型コロナウイルス感染防止対策」について分かりやすくまとめたリーフレットを圏内約27,000戸へ配布するとともに、これらに関する動画を地元ケーブルテレビやホームページで放映・公開し、専用はがきや電子メールで意見等を募集したとのことです。
その結果、住民の方々からは、「今後も住民に対する情報公開に努めてほしい」、「緊張感を持って取り組んでほしい」および「今後とも安全第一に事故のないよう頑張ってほしい」などの要望や、「乾式貯蔵施設の設置には絶対反対、再処理工場も完成していないのに『搬出する』と言い切るべきではない」、「原子力は大きなリスクを伴う。一刻も早く自然エネルギーに変えるべき」などの意見が88件寄せられたことから、個別に回答を行うなど、丁寧に対応したとの報告を受けました。
[添付資料:説明資料(リーフレット)[PDFファイル/1.42MB]]
県としては、四国電力に対し、引き続き、新型コロナウイルス感染症対策を講じながら安全確保に最優先で取り組むとともに、情報公開の徹底と訪問対話活動の継続的な実施により、県民の安心感および信頼感の醸成に努めるよう改めて要請いたしましたので、ご報告申し上げます。
令和3年1月20日
愛媛県知事 中村 時広