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伊方原発に関する知事メッセージ(平成27年)

ページID:0014983 更新日:2016年3月25日 印刷ページ表示
伊方原発に関する知事メッセージ(平成27年)
日付 内容
平成27年12月4日 原子力防災担当大臣(環境大臣)による伊方原発に係る原子力防災対策の現地視察について
平成27年10月26日 伊方原発3号機の再起動に係る事前協議に対する了解について
平成27年10月22日 伊方原発3号機に係る伊方町長との面談について
平成27年10月21日 経済産業大臣による伊方原発の現地視察について
平成27年10月15日 伊方原発3号機に係る経済産業大臣との面談について
平成27年10月7日 原子力利用に関して最終的な責任を持つ内閣総理大臣の言葉について
平成27年10月5日 伊方発電所の安全対策実施状況等の現地確認について
平成27年9月18日 伊方3号機の安全確認結果に関するパンフレットの作成について
平成27年9月14日 国への8項目の要請に対する回答について

平成27年9月11日

訪問対話活動の結果報告及び緊急時の作業スペース確保の検討状況報告について

平成27年9月3日

伊方原子力発電所環境安全管理委員会の審議結果の報告について
平成27年8月3日 新愛媛県オフサイトセンターの設置について
平成27年7月24日 伊方3号機のさらなる揺れ対策に係る四国電力からの報告について
平成27年7月21日 伊方原発3号機に係る経済産業大臣との面談について
平成27年7月17日 伊方原発3号機の再起動に係る政府の方針について
平成27年7月15日 伊方原発3号機の原子炉設置変更許可の報告について
平成27年5月20日 伊方3号機の原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案の提示について
平成27年4月14日 原子力規制委員会に対する伊方3号機の原子炉設置変更許可申請の補正書の提出及び安全協定に基づく事前協議の補正書の提出について

平成27年12月4日 原子力防災担当大臣(環境大臣)による伊方原発に係る原子力防災対策の現地視察について

 10月の内閣改造により原子力防災担当大臣に就任され、先月8日・9日に本県と国が合同で実施した原子力総合防災訓練にも、自衛隊などの実動組織や関係省庁との総合調整等にご尽力いただいた丸川大臣が、12月2日に来県され、伊方原発に係る原子力防災対策を直接確認いただきましたのでご報告します。

 今回の来県については、伊方原発3号機の再起動に関する判断をお伝えするため10月26日にお会いした際、伊方地域の現状や、地域の特性を踏まえた本県の原子力防災対策の取り組みを直接確認いただきたいとの思いから、私から要請していたものです。

 丸川大臣は、今年8月に西予市へ新築移転し運用を開始したオフサイトセンター、平成25年3月に耐震岸壁化した大分県への避難港となる三崎港、さらに避難路となる道路状況等を精力的に確認されるとともに、伊方町長との面談後、県庁において、私と面談いただきました。

 面談では、まず私から、今回の訓練において、大分県の御協力によって具体化した受け入れ施設まで実際に住民が避難するという、県域を越えた初めての大きな取り組みに対して、合同開催という形で全面的に支援いただいたことに、あらためてお礼を申し上げました。

 また、心配される方の多い南海トラフ地震による伊方原発への影響は、国の新規制基準適合性審査で、揺れは181ガル、津波は2.45mと評価されており、同地震による原子力災害の発生はほとんど考えられないこと、このため先般の訓練では、現実的に発生確率の高い中予沖地震による複合災害にしっかり対応できるよう、その場合に想定される「三崎港は使用可能」、「道路の一部が通行不可」とのケースについて訓練を実施したこと、大分県への避難訓練では、私自身も住民の方々とともに三崎港から受け入れ施設まで同行し、海上自衛隊艦船の三崎港への初めての接岸や大分県の受け入れ施設までの動線、さらには到着時の適切な受け入れ対応等を確認できたこと、今後は今回確認した大分県への動線につながる地域レベルの避難訓練を一層積み重ね、避難対策の向上を図っていくことなどをお伝えしました。

 これに対して丸川大臣からは、大分県との連携強化につながったこれまでの本県の取り組みを評価いただくとともに、従来から整備促進の要望がある避難道路の重要性をよく認識したので、関係省庁とも連携しながら取り組んでいきたい、また、さまざまな状況に対応して複数の手段を確保しておくことが重要であるため、伊方町のご要望もお聞きしながら屋内退避施設の整備も含めて支援していきたい、さらに、国としても、今回の訓練の評価・検証をしっかり行い、「伊方地域の緊急時対応」の向上に取り組みたい、とのお話がありました。

 私としては、原発については、そもそも事故を起こさせないということが何よりも重要であり、引き続き安全管理の徹底や最新の知見を踏まえた安全対策の向上を、四国電力や国に求め続けていくことに最大限注力するとともに、その上で、万が一の事故に備える防災対策に終わりはないとの認識に立って、訓練での検証を繰り返しながら、不断の充実強化を図っていきたいと考えております。

 

平成27年12月4日

愛媛県知事 中村 時広

平成27年10月26日 伊方原発3号機の再起動に係る事前協議に対する了解について

[記者会見の動画はこちら]<外部リンク>

 

 伊方原発3号機の再起動については、かねてから、「国の考え方」、「四国電力の取り組み姿勢」、「地元の理解」の3条件が整ってから判断する必要があると申し上げてきたところですが、先日の伊方町長の再起動を容認するとの報告により、条件が全て出そろったことを受け、これまでのさまざまないきさつ、伊方原発を取り巻く状況、それから国全体のエネルギー情勢等も考慮し、あらゆる条件を全て咀嚼(そしゃく)して熟考した結果、本日、伊方原発3号機の再起動に係る事前協議について、了解することとしましたので、ご報告します。

 また、私の判断の表明に当たっては、生の言葉でお伝えすることが重要と考え、記者会見の動画を確認できるようにしておりますので、ぜひご覧ください。

 

 第一原発事故が発生してから4年半が経過しましたが、その間、事故の原因や伊方との違いを踏まえ、考えられる対策を打ってきました。

 IAEAの報告書では、福島第一原発事故は津波による全電源喪失が原因であるとされています。このときの地震は、太平洋プレートが沈み込む境界でひずみがたまり、陸のプレートが跳ね上がって起きたプレート型地震で、震源地は三陸沖の海底約1万メートルの深い場所でした。深海であったが故に海水の容量も膨大で、10メートルを超える津波につながったものと推測されています。そしてその大津波により、高さ6メートルの敷地にある設備が損傷し、建屋の地下に設置されていた非常用発電機も浸水し機能しなくなり、全電源喪失の原因となりました。

 愛媛県の近くで同様のプレート型地震が発生する可能性があるのは、四国南方沖を震源とする南海トラフ巨大地震ですが、その伊方発電所での津波評価は2.45メートルとなっています。また、他の震源としては、敷地前面の中央構造線の活断層群があります。この断層は横ずれ断層ですので、基本的には津波は発生しないものでありますが、縦ずれが起こった場合を仮定して評価し、さらに土砂崩れも同時に発生するという最悪の状況を想定した場合にも、水深が約80メートルと海水量が福島沖に比べて著しく少ないこともあり、伊方発電所での津波は、伊方発電所の敷地の高さ10メートルよりも低い8.12メートルとされています。しかしながら揺れのリスクは福島第一原発と同様に存在すると考えました。

 このような福島第一原発と伊方原発の置かれた状況の違いを踏まえた上で、四国電力に対しては、本県独自の電源対策や揺れ対策などのアディショナルな安全対策等8項目の要請を適宜行うとともに、エネルギー政策をつかさどる国の考え方を明確に引き出し、県民の皆様にお伝えすることに注力することがまず自分の任務であると考え、対応してきたところです。

 まず、「四国電力の取り組み姿勢」についてです。あえて言うまでもなく伊方原発の安全確保は、一義的には事業者たる四国電力にありますが、四国電力から事前了解願いが提出され、さらに、国が再起動の過程で地元の同意を求めてきた状況の中、地元を代表する県知事として、その判断には重大な責任が伴います。だからこそ、伊方原発の敷地特性を踏まえた地域の視点での追加対策が重要と考えたのです。これらについては、私自身現地視察も行い、新規制基準への対応も含め、真摯に対応いただいていることを確認しました。

 [添付資料1(発表時パネル):独自の追加安全対策の要請(福島原発事故以降四国電力へ)]<外部リンク>

 [添付資料2(発表時パネル):県が四国電力に求めた追加安全対策(例)]<外部リンク>

 次に、「国の考え方」については、国の審査と並行し、県としても、伊方原子力発電所環境安全管理委員会及び同原子力安全専門部会において安全性の検討をお願いし、国の審査結果は妥当であるとの結論をいただくとともに、エネルギー政策上の必要性から伊方原発3号機の再起動を進めるとする国に対しては、必要な要請や考え方の確認を行い、特に、万一の事故の際には国が最終的な責任を負うということについて、総理の口からその考え方を直接お聞きすることにこだわりました。

 [添付資料3(発表時パネル):国への8項目の要請(H27年7月21日経済産業大臣へ)]<外部リンク>

 そして、「地元の理解」については、立地町である伊方町や隣接の八幡浜市から伊方3号機の再起動を了承するとの報告があったほか、UPZ内5市町(大洲市、西予市、宇和島市、伊予市、内子町)からは私に判断を委ねるとの表明があり、県民の代表である県議会においても、伊方3号機の再起動の必要性を認める決議がなされたところです。こうした状況は、逐一県民の皆様をはじめ、周辺県に対しても情報提供してまいりました。

 今回の再起動への了解は、非常に重い責任を伴う判断であると認識しており、了解に当たって、原子力安全専門部会や県議会、周辺市町等からいただいた意見・要望を踏まえ、四国電力に対し、事前協議の了解の通知と併せ、今後の国の審査や検査に安全第一で真摯に対応することなどを要請しました。また、国には、工事計画及び保安規定の適切な審査や、厳正な使用前検査、原子力防災対策への支援などを要請したところです。

 [添付資料4:四国電力に対する事前了解文書]<外部リンク>

 [添付資料5:関係省庁に対する事前了解通知文書]<外部リンク>

 県としては、絶対に過酷事故を起こさせないとの決意のもと、今後とも、四国電力に対し、県民の安全・安心の向上に向けて、伊方発電所の安全対策に不断に取り組んでいくよう求めてまいります。

平成27年10月26日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年10月22日 伊方原発3号機に係る伊方町長との面談について

 本日(10月22日)、伊方町の山下町長から、安全協定に基づく四国電力からの伊方原発3号機の再起動に係る事前了解願いについて、伊方町として容認する意向であるという報告がありましたので、お知らせします。

 山下町長におかれては、賛否両論ある中、熟慮され、悩み抜いた上で、重い決断をされたものと拝察しており、立地町である伊方町の判断として受け止めたいと考えています。

 伊方原発3号機の再起動については、安全性の確保を大前提に、「安全性や必要性を含む国の考え方」、「四国電力の取り組み姿勢」、「地元の理解」の3条件を踏まえ、これらを総合的に判断することとしており、伊方町の判断で条件は出そろったことから、我が国が置かれているエネルギー環境なども考慮し、これらを十分に咀嚼(そしゃく)して、知事としての最終判断をしたいと思っています。その際には、結論に至った理由も含めて、皆様に報告いたします。

平成27年10月22日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年10月21日 経済産業大臣による伊方原発の現地視察について

 7月17日に私から国に対して要請していた8項目の中には、経済産業大臣の現地視察も含めておりましたが、本日(10月21日)、林経済産業大臣が、就任直後でご多忙の中来県され、伊方原発において安全対策等を直接確認いただきましたので、ご報告します。

 私としては、原子力発電所は、それぞれ立地条件に違いがあり、取り組んでいる安全対策の状況も異なることから、実際の現場の状況を直接確認いただきたいと思い、大臣の来県を要請していたものです。

 伊方原発の視察後は、伊方町長と面談され、立地町の思いを聴かれた後、県庁において、私とも面談いただきました。

 その中で私から、これまで四国電力に対して、他の原発立地県が行っていない国の基準を上回る電源対策や揺れ対策、さらには緊急時の作業スペースの確保等のアディショナルな安全対策を要求し続け、その誠実な履行を求めてきたことをお話ししたところ、大臣からは、現場で1000ガルの揺れ対策や送電線の追加敷設などを視察し、安全対策が進んでいることを実感したと評価をいただきました。

 また、特に私がこだわった総理の言葉については、10月6日の原子力防災会議で、安倍総理が私に向かって、「政策を推進する責任は政府にあり、万が一事故が起こった場合責任をもって対処していく」と発言をされ、エネルギー政策をつかさどる国が、万一の事故対応も含め、最終的な責任を負うということを明確に示していただいたものと認識しており、最後に残っていた経済産業大臣の現地視察についても、本日、宮沢前大臣から引き継がれた林大臣に対応していただき感謝している旨、申し上げました。

 さらに、エネルギー・原子力政策を担う経済産業省として、関係省庁と連携しつつ、今後とも地域住民はもとより、国民に向けて丁寧な説明を行うこと、また、11月に実施予定の原子力防災訓練、特に大分県への避難訓練に、国全体での全面的なバックアップを要請いたしました。

 伊方3号機の再起動に関しては、いまだ立地町である伊方町としての判断が表明されておらず、現時点では判断できる状況にはありません。

 今後、条件が全て出そろった後、それらを咀嚼(そしゃく)し、熟考して判断したいと考えており、その際には、結論に至った理由も含め、皆さんにお知らせしたいと思います。

平成27年10月21日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年10月15日 伊方原発3号機に係る経済産業大臣との面談について

 先般の内閣改造により、経済産業大臣が宮沢大臣から林大臣に交代したところですが、大臣が交代しても、国の方針は変わらないということを直接お会いして確認しましたので、ご報告します。

 まず私から、福島第一原発事故の後、伊方原発の立地特性等を踏まえ、愛媛県独自で、四国電力の原子力本部の本県への移転をはじめ、さらなる電源対策や揺れ対策、「えひめ方式」による異常通報連絡の徹底など、八つの項目を四国電力に求めたことをご説明した上で、本年7月の原子炉設置変更許可後の国からの再稼働協力要請に対して、私から国に要請した8項目について、その対応等を再確認いたしました。

 これに対して、林大臣からは、私が要請した8項目に対する国の回答や対応に何ら変わりはなく、国として誠実に対応していくとの説明があり、宮沢前大臣からしっかりとした引き継ぎがなされ、国の方針に変わりのないことを確認できました。

 そして、私から林大臣に対し、伊方原発の視察及び伊方町長との面談を求めるとともに、私が行った8項目の要請のうち、特に、11月上旬に国と合同で行われる避難訓練への全面的な協力と、今後の原発依存度の低減に資する観点からも、伊方原発での廃炉技術の研究について、改めて要請しました。

 私としては、引き続き、国の対応をしっかりと注視し、その状況を皆様にお知らせしたいと思います。

平成27年10月15日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年10月7日 原子力利用に関して最終的な責任を持つ内閣総理大臣の言葉について

 私が宮沢経済産業大臣に対して直接行った8項目の要請に関しては、9月11日に日下部資源エネルギー庁長官から回答文書を受領したこと、また、その回答のうち、経済産業大臣の現地視察と内閣総理大臣の言葉を直接いただくという項目については、その時点では日程も決まっておらず、あくまで中間的な報告と受け止めていることをお知らせしていましたが、10月6日に開かれた国の原子力防災会議において、伊方原発に係る防災訓練等について審議がなされた後、私から、伊方原発が万が一のときにも、政府がしっかり対応するということをぜひ確認させていただきたいと申し上げたところ、国政の最高責任者たる安倍内閣総理大臣から、以下の発言がありました。

 「本日、伊方地域の避難計画を含めた緊急時対応について、具体的かつ合理的なものとなっているとの報告を受け、関係自治体、関係省庁が参加した地域原子力防災協議会で確認したことを受けて、これを了承しました。

 また、11月には伊方原発を対象にして原子力総合防災訓練を実施します。伊方地域の緊急時対応の実効性を検証するとともに、訓練結果から教訓事項を抽出し、緊急時対応の改善や充実に取り組んでいただきたいと思います。

 原発については何よりも安全性を最優先させます。原子力規制委員会が科学的・技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発について、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるというのが、政府の一貫した方針であります。このような政策を推進する責任は政府にあります。その上で、万が一、原子力発電所の事故が起きてしまい、災害になってしまうような事態が生じた場合、国民の生命、身体や財産を守ることは政府の重大な責務であり、責任をもって対処してまいります。自治体を最大限支援し、全力を尽くすことはもちろんであります。

 このため、原子力災害対策の強化について、国の責務として、継続的に、総力を挙げて取り組んでまいります。

 本日ご出席の中村愛媛県知事並びに関係自治体におかれては、このような国の方針にご理解をいただき、何とぞご協力をお願いしたいと思います。

 東京電力福島第一原子力発電所事故から4年半が経過した今もなお、原子力の利用に対する国民の懸念は払拭できていません。この現状を謙虚に受け止め、原子力の重要性やその安全対策、原子力災害対策について丁寧に説明していくことはもとより、国民の皆様のさまざまな声に耳を傾けつつ、政府としての取り組みに適切に反映しつつ、原子力についてさらなる国民理解が得られるよう、引き続き、全力で取り組んでいく所存であります。」

 このように国政をあずかる安倍総理が、伊方原子力発電所において万が一の事故が発生した場合に、国が責任を持って対応することを明言されたことは、県民を代表する知事としての私の強い思いにお応えいただいたものであり、ここにしっかりと皆様にお伝えしたいと思います。

 これにより、国に対して実施した8項目の要請のうち、明確な対応をいただけていない項目は、経済産業大臣の現地視察のみとなりましたが、こちらも伊方3号機の再稼働に関する理解活動の進展状況等を踏まえて調整していくとの回答はいただいており、適切な時期にご来県いただけるものと考えています。

 私としては、引き続き、国の対応をしっかりと注視し、その状況を皆様にお知らせいたしたいと思います。

平成27年10月7日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年10月5日 伊方発電所の安全対策実施状況等の現地確認について

 10月2日に、本県独自のアディショナルな対策として、私から要請していました「さらなる揺れ対策」の工事完了状況など、伊方発電所の安全対策の実施状況を確認するため、伊方発電所を視察しました。

 また、7月15日に新たに要請した緊急時の作業スペースの確保について、四国電力から具体的な計画の説明を受け、現場確認も行いましたので併せてご報告します。

 (添付資料:伊方発電所3号機 耐震性向上工事概要[PDFファイル/162KB]伊方発電所第3号機 耐震性向上工事範囲図[PDFファイル/209KB]作業スペースの整備計画について[PDFファイル/1.38MB])

 私の伊方発電所の視察は、福島第一原発事故以降、今回で3回目となります。

 最初の視察は、福島第一原発事故直後の平成23年3月、同事故の状況や伊方発電所の立地条件を踏まえ、同様の事故を未然に防止するための「電源対策」と「さらなる揺れ対策」がとりわけ重要との思いから、国の基準に縛られないさらなる安全対策の検討と実施を四国電力社長に直接要請し、その後、直ちに伊方発電所の現状を確認したものです。
翌24年4月には、要請していた「電源対策」として、亀浦変電所からの新たな配電線の敷設が完了したとの報告を受け、その状況や電源車の配備状況など安全対策の進捗状況を確認しました。

 今回の視察は、

  • 「電源対策」と同様に重視していた「さらなる揺れ対策」に伴う耐震性向上工事が完了し、9月29日に原子力安全専門部会による専門的見地からの現地確認が行われたこと
  • 7月15日に原子力規制委員会により、伊方3号機の新規制基準に基づく原子炉設置変更許可がなされ、また、県としても、国任せにすることなく行った本県独自の視点での原子力安全専門部会の安全確認が完了したこと

 を受け、直接私の目でしっかりと、耐震性向上工事(概ね1,000ガルの耐震性を確保)や新規制基準対応設備を確認し、県民の皆さんに報告することを目的としたものです。

 [耐震性向上工事(概ね1,000ガルの耐震性を確保)]

 9月29日に原子力安全専門部会により、耐震性向上工事の完了が現地確認され、「四国電力が実施した伊方3号機のさらなる揺れ対策については、理論的にも実際的にも対応ができていると確認できた」との報告を受けたところでありますが、耐震性向上工事を施した設備のうち、蓄圧タンクや主蒸気配管・サポート等の主要なものについて、私自身の目で耐震性向上工事の完了をしっかりと確認しました。

 [新規制基準対応設備]

 事故を未然に防止するためにとりわけ重要な電源確保対策については、福島第一原発事故の教訓から、複数の空冷式非常用発電装置や電源車を分散配置するなど、多重化・多様化が図られていることを確認しました。

 また、基準地震動の見直しに伴い、より耐震性の高い緊急時対策所を追加設置しており、重大事故対処の拠点として、多重化された電源設備や通信設備を整備するとともに、外部からの支援が得られないことを想定し、7日分の水と食料を備蓄していることを確認しました。

 さらに、原子炉格納容器内の水素除去対策として水素濃度を低減させる装置を設置するほか、竜巻による飛来物からの防護対策として、海水ピットポンプ室に防護壁を設けたり、森林火災からの延焼防止対策として、周辺の樹木を伐採し、モルタル吹付した防火帯を設けるなど、自然現象・火災に対する備えも考慮されており、前回訪問時に比べ、警備体制も含め発電所全体の風景が様変わりするほど、さまざまな安全対策が進められたことを実感しました。

 [緊急時の作業スペースの確保]

 追加安全対策として、私から新たに要請した緊急時作業スペースの確保については、四国電力から、平成30年度までに、発電所構内に約7,000平方メートルの作業スペースを整備することや、発電所近傍の3カ所の構外駐車場も活用できるよう環境整備するとの具体的な計画の提示を受け、整備予定場所を現地確認しました。

 四国電力に対しては、引き続き、伊方発電所の安全性向上に全力で取り組むとともに、緊急時作業スペースの整備計画の早期実現、継続した対応が必要な地元住民に対するフェイス・トゥ・フェイスでの説明、愛媛県と四国電力の信頼関係の源である愛媛方式による異常通報連絡の徹底に一層努めるよう要請いたしました。

 私は、今回の視察において、前回と比べ、安全対策がハード、ソフトの両面で充実・強化されていると実感しました。

 また、特に重要視しております「事業者の取り組み姿勢」についても、緊急時対策所の新設や電源対策の多重化といった新規制基準への対応はもちろん、県が独自に要請した追加安全対策である耐震性向上工事の完了などを、自分の目でつぶさに現地確認しましたことから、四国電力がしっかりと約束を守っていると県民の皆さんに報告させていただきます。

 今後とも、四国電力の取り組み姿勢を注視するとともに、県民の安全・安心の向上に向けて、四国電力には、伊方発電所の安全対策に不断に取り組んでいくよう求めてまいります。

平成27年10月5日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年9月18日 伊方3号機の安全確認結果に関するパンフレットの作成について

 愛媛県が国の原子力規制委員会の審査と並行し、県独自の取り組みとして検討を行ってきました伊方3号機の安全確認結果については、9月1日に伊方原子力発電所環境安全管理委員会から、

  • 原子力規制委員会の新規制基準適合性審査の結果は妥当
  • 安全上重要な機能を有する設備について概ね1000ガルの揺れに対する耐震性の確保を確認

との報告を受け、皆様にお知らせしたところですが、このたび、その内容をまとめたパンフレットを作成しました。(添付資料:パンフレット(伊方発電所3号機の安全性について)<外部リンク>)

 当パンフレットは、伊方原子力発電所環境安全管理委員会原子力安全専門部会の専門家の方々に、約2年間にわたって審議いただいた内容を、県として図表も交えながら、できるだけ分かりやすく取りまとめたものであり、皆様の理解の一助になればと考えております。

 また、私が四国電力に対して求めている8項目の追加安全対策の対応状況についても掲載していますので、併せてご覧いただければ幸いです。

 なお、さらなる揺れ対策として実施している概ね1000ガルの揺れに対する耐震性の確保については、今月末に工事が完了すると聞いていますので、完了後に専門部会の現地確認をお願いするとともに、私自身も現地に足を運び、対応状況をしっかりと確認することとしています。

 私としては、引き続き、県民の安全・安心に向けて、四国電力に対し、伊方発電所の安全性の向上に取り組んでいくよう求めていくとともに、その取り組み姿勢を注視していきたいと考えています。


平成27年9月18日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年9月14日 国への8項目の要請に対する回答について

 7月21日にお知らせしました経済産業大臣との面談時に行った8項目の要望に対し、9月11日、日下部資源エネルギー庁長官が、関係省庁との調整のみならず、首相官邸ともよく相談した上で作成したとする国としての回答文書を持って来県されましたので、ご報告します。

 (添付資料:伊方発電所3号機の安全対策等に係る国への要望について(回答)) [PDFファイル/190KB]

 一つ目に、避難対策としての大洲・八幡浜道路の整備促進については、国土交通省が「重要な路線」と位置付けており、経済産業省としても、引き続き、国土交通省と連絡を取りつつ、事業が円滑に進むよう努めるとのことですので、国においても、この道路の重要性をさらにご理解いただけたものと考えています。

 二つ目に、伊方原発以西の半島部に住む方々の避難対策への支援については、先般、望月原子力防災担当大臣が来県された際にも、支援を表明いただいたところですが、今年11月上旬に伊方地域で国の原子力総合防災訓練を実施することになっており、私が要望した大分県の施設まで避難する訓練についても、避難計画の実効性が一層高まるよう、政府一丸となって取り組んでいくとのことでした。

 三つ目に、県が四国電力に要請しているアディショナルな安全対策のうち、万が一の緊急時に作業を行うスペースの確保については、9月10日に四国電力からも検討状況の報告があったところですが、経済産業省としてもその取り組みを指導していくとのことでした。

 次に、四つ目の使用済燃料の中間貯蔵の問題については、中間貯蔵施設や乾式貯蔵施設等の建設・活用を促進するための取り組みなどを進めるため、今後、「使用済燃料対策に関するアクションプラン」を策定すること、そして、五つ目の使用済燃料の最終処分の問題については、その必要性や問題解決が社会全体の利益であるという認識が国民の皆様に広がるよう、努めていくことなど、現在の国の取り組みについて説明がありましたので、着実に行っていただくよう求めました。

 六つ目の廃炉技術研究については、各原発立地地域における廃炉進展状況等を踏まえながら、四国電力との協力の在り方を検討していく、また、国として廃炉を含めた原発を支える技術・人材の確保を着実に進めるとのことでしたが、いずれは伊方発電所と同型の加圧水型発電所の廃炉も現実のものとなってくる中で、伊方発電所における廃炉技術研究を引き続き検討するよう求めました。

 七つ目の経済産業大臣に直接現場を見ていただきたいとの要請については、伊方3号機の再稼働に関する理解活動の進展状況等を踏まえて、適切な時期に来県できるよう調整していくとの回答でした。

 最後の、最終的な責任を持つ内閣総理大臣の言葉を直接いただきたいとの要請に対しては、原発の再稼働は政府のエネルギー・原子力政策に基づいた対応であり、政策を推進する責任は政府にあること、万が一事故が起きた場合には、関係法令に基づき、責任を持って対処することとしており、これまでにも、安倍総理が国会答弁や記者会見等において繰り返しかつ明確に述べていること、加えて、菅官房長官が記者会見等において、伊方3号機についても政府として再稼働を進めることを明確にしていることの説明がありましたが、私からは、原発については、賛成もあれば反対もある、条件付きならば賛成という方もいるなど、非常に複雑な思いがあるからこそ、愛媛県知事として最高責任者の言葉にこだわりたい旨を改めてお伝えしました。

 私としては、国が再稼働要請をしてきたわけですし、至極当然のことを申し上げているのですから、愛媛県民に対して、最終的な責任は国が負うという総理の言葉を直接いただけるものと、現時点では信じています。

 なお、今回ご報告した8項目の要請に対する国からの回答は、全ての項目において、私の気持ちを受け止めた回答をいただいたと思っていますが、経済産業大臣の現地視察と内閣総理大臣の言葉を直接いただくことについては、まだ日程も決まっておらず、あくまで中間的な報告と受け止めておりますので、引き続き、国の対応をしっかりと注視し、その状況を皆様にお知らせいたします。
平成27年9月14日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年9月11日 訪問対話活動の結果報告及び緊急時の作業スペース確保の検討状況報告について

 9月10日、四国電力から、今年7月から8月にかけて実施した訪問対話活動の結果報告と、緊急時における作業スペース確保の検討状況の報告がありましたので、お知らせします。

 訪問対話活動については、福島第一原発事故後、地元説明に真摯に取り組むよう求めた私からの要請を受け、四国電力が伊方原発から20km圏内に拡大して実施しているものであり、6回目となります。[添付資料:訪問対話活動の実施結果][PDFファイル/141KB]

 今回は、伊方3号機の原子炉設置変更許可について、圏内約28,000戸を訪問(在宅率52%)し説明を行ったところ、過去最多の意見が寄せられ、このうち7%の方からは厳しい意見を、また、65%の方からは一定の理解をいただいたとのことでした。

 具体的な意見としては、「福島の事故は人災だ。絶対安全でないものは動かしてはいけない」、「福島の事故が収束していないのに再稼働するのはおかしい」といったものがある一方、「原子力は日本の経済に必要。一層の情報公開をお願いする」、「温暖化を抑える必要もあるため、原子力は必要。安全に注意してお願いしたい」などがあったということです。

 県からは、四国電力に対し、今後とも、安全対策に万全を期すことはもちろん、訪問対話活動を継続的に実施し、安全対策の取り組みなどについて、より一層丁寧な説明を積み重ね、県民の安心醸成に努めるよう要請いたしました。

 また、緊急時における作業スペースの確保については、伊方3号機の原子炉設置変更許可の報告をいただいた際に、伊方発電所の敷地が急峻で狭いという特性から、新たなアディショナルな安全対策として、直接、佐伯社長に検討をお願いしていたものですが、その状況を報告いただきました。

 具体的には、

  • 現在進めている敷地造成工事において発生する土砂を活用した新たな平地の造成
  • 敷地造成工事の中で、極力作業スペースを確保できるよう計画を見直す
  • 発電所近傍の構外に構えている数カ所の駐車場などの緊急時対応を考慮した再整備

などについて検討を進めているということで、私の要請に対し、四国電力として真摯に対応いただいておりますが、さらなる安全・安心のための要請であることから、できるだけ早く具体的な計画を示していただくよう求めました。

 このほか、さらなる揺れ対策としての概ね1,000ガルの耐震性確保対策については、耐震性向上工事が9月末までには完了するという報告がありましたので、県としても、伊方原発環境安全管理委員会原子力安全専門部会に専門的視点で現地確認いただくこととしています。

 また、専門部会の確認後、私も速やかに現地確認させていただく旨、四国電力に伝えました。

 私としては、引き続き、県民の安全・安心に向けて、四国電力に対し、伊方発電所の安全性の向上に取り組んでいくよう求めていくとともに、その取り組み姿勢を注視していきたいと考えています。

平成27年9月11日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年9月3日 伊方原子力発電所環境安全管理委員会の審議結果の報告について

 9月1日、伊方原子力発電所環境安全管理委員会の上甲会長、望月原子力安全専門部会長から、「伊方発電所3号機の新規制基準への適合性審査」及び「伊方3号機のさらなる揺れ対策に係る取り組み」に関し、報告を受けましたので、お知らせします。

 [添付資料1:管理委員会からの報告書]<外部リンク>

 [添付資料2:伊方発電所3号機の新規制基準への適合性審査に係る原子力安全専門部会報告書]<外部リンク>

 [添付資料3:伊方3号機の更なる揺れ対策に係る取り組みについての専門部会報告書]<外部リンク>

 [添付資料4:原子力安全専門部会における審議結果の報告内容]<外部リンク>

 平成25年7月8日に四国電力株式会社が伊方原子力発電所3号機の原子炉設置変更を原子力規制委員会へ申請し、同日、安全協定に基づき同社から県が事前協議を受けて以降、同管理委員会では、原子力規制委員会の審査と並行し、「伊方3号機の新規制基準への適合状況」について、原子力安全専門部会で安全性に関する技術的・専門的事項を審議してきた結果、今年8月28日に開催した管理委員会において、

 『伊方発電所3号機について、運転に当たり求めてきたレベルの安全性が確保されていることを確認したとする原子力規制委員会の新規制基準適合性審査の結果は妥当なものであると判断する』

との報告を受け、この審議結果を了承したとの報告がありました。

 また、県から四国電力に対して要請した「伊方3号機のさらなる揺れ対策に係る取り組み」については、7月24日に四国電力から県に対して報告のあった評価結果を専門部会で審議し、

 『安全上重要な機能を有する195設備について、概ね1000ガルの揺れに対する耐震性が確保されることを確認した』

との審議結果も了承したということですが、四国電力の耐震性向上工事はまだ完了していないため、完了次第、専門部会として現地確認を行う予定であることも、部会長から報告がありました。

 私としては、再起動に関する最終的な判断は、さまざまな要素を考慮して進めていかなければならないと考えていますが、今回の伊方原子力発電所環境安全管理委員会の報告は、その一つの材料として、専門部会で長い時間をかけて一つひとつ地域の目線で議論し、結論を出していただいたものと認識しています。

 国の原子力規制委員会が策定した新規制基準に基づく審査については、国の専門の方々が行ってきたものですが、県からお願いした学識経験者の方々が、それぞれ専門の立場から、長い間議論を積み重ね、別の目で確認・チェックをすることは極めて重要だと思っています。これまでのご尽力に深く感謝するとともに、今後、提言いただいた内容も含め、報告書の主旨を踏まえて対応してまいりたいと考えています。

 また、県が独自で求めた、他県でも例のない、さらなる揺れ対策については、概ね1,000ガルの揺れに対する耐震性が確保されるということが確認できました。ただ、四国電力の工事がまだ完了しておらず、工事完了後、専門部会として現地調査を行い、学識経験者の目で、確認していただくようお願いしました。

 伊方3号機の再起動に関しては、国へ要請した8項目の回答状況を始めとする「国の考え方」、「四国電力の取り組み姿勢」、それらを受けた「地元の理解」の状況を、引き続き注視し、最終的には、これらを踏まえ総合的に判断したいと考えています。

平成27年9月3日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年8月3日 新愛媛県オフサイトセンターの設置について

 県では、これまで伊方町に愛媛県オフサイトセンターを設置していましたが、福島第一原子力発電所事故を教訓として関係法令が改正され、平成27年9月末までに伊方町からの移転が必要となったことから、伊方原子力発電所からの距離や交通アクセスといった立地条件を勘案の上、西予市への移転を決定し、原子力防災上重要な施設であるため、一日も早い開所を目指して整備を進めてきたところです。

 そして、建築工事が平成27年3月に完了し、資機材の移転等も済みましたことから、本日、開所式を執り行いましたのでご報告します。

 今回整備した新愛媛県オフサイトセンターは、新たに建物全体を免震構造とするとともに、放射線防護設備や非常用発電設備等の充実を図っており、万一の原子力災害時には、国や関係自治体、自衛隊などの防災関係者が一堂に会し、避難等の住民防護対策をはじめ、モニタリング、緊急時医療といった防災対策の調整・指示を行う現地の活動拠点として、極めて重要な役割を担う施設です。

 また、西予土木事務所との合築としており、災害時の最重要情報である道路状況の迅速な把握や、被災箇所のスムーズな復旧が可能となるほか、平時においても土木事務所の職員が常駐するため、地域住民の方々の安全・安心の確保に大きく寄与できると考えています。

 県としては、今後とも、伊方原子力発電所の安全対策と並行して、防災対策に終わりはないとの認識のもと、国や市町、防災関係機関等と緊密に連携を図りながら、ハード・ソフト両面からの避難対策など、原子力防災対策のさらなる充実強化に努めるとともに、例年秋に実施している原子力防災訓練においても、この施設を活用し、しっかりと習熟を図ってまいります。

平成27年8月3日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年7月24日 伊方3号機のさらなる揺れ対策に係る四国電力からの報告について

 「さらなる揺れ対策」は、福島第一原子力発電所事故直後に、私から、伊方原発は瀬戸内海に面しているため津波の影響は小さいものの、敷地前面に中央構造線断層帯が位置していることから、とりわけ、揺れ対策が重要であるとして、国の基準を上回る揺れ対策を講じるよう要請したものであり、本県独自の追加安全対策の中でも特に重視してきたところです。

 私からの要請に対し、平成23年6月に、四国電力から「耐震裕度を徹底検証し、必要な対策を実施して、概ね1000ガルに耐えうる施設とする」との回答があり、平成24年6月に同社から伊方3号機の安全上重要な設備(134設備)について報告を受け、以来、県の伊方原発環境安全管理委員会原子力安全専門部会で確認を行ってきたところですが、平成26年9月に、新規制基準適合性審査の過程で基準地震動を650ガルに変更したことに合わせ、新規制基準対応として、新たに設置した重大事故等対処設備など61設備も対象に加え、再評価を行うとの報告を受けていたところです。

 本日、四国電力柿木原子力本部長から、基準地震動の見直しも踏まえた再評価の結果について報告がありました。[添付資料][PDFファイル/357KB]

 その概要は、

  • 四国電力では、安全上重要な機能を有する設備(合計195設備)について基準地震動に対する耐震裕度の確認を行い、対象設備の全てが設定裕度[1000ガル/650ガル]を満足していることを確認した
  • 必要に応じ、支持構造物の取り替えや追加により耐震性向上工事を実施している(16設備、計681箇所)

 として、安全上重要な機能を有する設備の全てについて、概ね1000ガルの地震動に対し、耐震裕度を確保できることを確認したというものです。

 報告を受け、私から、耐震性向上工事を実施中の設備の工事完了時期を質したところ、今年の秋頃の完了を目指して鋭意取り組んでいるとの回答がありました。

 また、今後とも、県民の皆様に安心いただけるよう、最新の知見等を取り入れながら、安全性を高める取り組みを継続的に行っていくとの発言がありました。

 先般、伊方3号機については、原子力規制委員会の厳正な審査の結果、基準地震動に基づく耐震安全性が確認され、許可がなされたものと基本的には認識していますが、アディショナルな対策、さらなる安心のための対策も重要と考えており、本日報告のあった内容については、県の原子力安全専門部会で詳細な技術的説明を受け、しっかりと確認したいと考えています。

 さらに、耐震性向上工事が進行中であることから、机上での評価だけでなく、実際に対策が完了し、その状況についても確認することが必要となるため、四国電力には、耐震性向上工事が完了した時点で報告するよう要請しました。

 今後とも、四国電力の取り組み姿勢を注視するとともに、県民の安全・安心に向けて、四国電力には、伊方発電所の安全性の向上に取り組んでいくよう求めてまいります。

平成27年7月24日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年7月21日 伊方原発3号機に係る経済産業大臣との面談について

 7月17日にお知らせしましたとおり、伊方原発3号機について、原子力規制委員会が15日に四国電力に対し、原子炉設置変更を許可したことを受け、17日に上田資源エネルギー庁長官が私宛ての経済産業大臣名の文書を持って来県され、内容の説明を受けたところですが、その際に、文書に示されていない使用済燃料対策や廃炉技術研究への取り組みのほか、県が四国電力に要請している追加安全対策への協力や、大分県への実際の住民避難を含む防災訓練に対する協力など、知事として国に確認したい事項があるため、まずは経済産業大臣と直接お会いしてお話を伺いたいと要請していました。

 調整いただいた結果、元々上京を予定していた日程の中で、本日、宮沢大臣と会談しましたので、ご報告します。

 会談の冒頭、私から、伊方3号機の再起動に関しては、これまで一貫して表明してきたとおり、国の方針、四国電力の姿勢、住民の議論を踏まえ、総合的に判断することとしているが、原子力規制委員会の許可を受けて、国として再起動の意思が示されたものと考えている旨、お伝えした上で、国に対して、8項目にわたって要望しました。

 まず、原子力防災対策です。避難対策の一つとして、東側への避難路となる大洲・八幡浜道路を国土交通省の支援を受けて整備しているところですが、さらにその優先順位を高めることをお願いしました。

 また、二つ目に、伊方原発以西の半島部に住む方々の避難対策への支援を要望しました。東側へ避難できない場合には、大分県へ避難する計画としており、大分県のご協力を得て、具体的な受け入れ施設まで計画に反映したところです。先日、大分県知事、大分市長を訪問して、お礼を述べたところですが、今後、実際に大分県の施設まで避難する訓練を実施したいと考えており、その場合には、海上保安部や自衛隊などの国の機関の協力も不可欠であることから、全面的な国のバックアップを求めました。

 三つ目は、安全対策を国に委ねるだけでなく、県としても四国電力に独自に要求しているアディショナルな安全対策についてです。私から、これまで県が取り組んできた、さらなる揺れ対策や電源対策、戸別訪問による地元住民への真摯な説明、全てのトラブルを通報連絡する「えひめ方式」などの具体的な取り組みについて紹介するとともに、先週、四国電力の佐伯社長が許可の報告に来られた際に、伊方原発については、地下水量が少ないため、福島第一原発のような大量の汚染水の発生は考えられないが、地形が急峻であるため、万が一の緊急時に作業を行うスペースの確保を要請したので、国としても協力をいただくようお願いしました。

 次に、四つ目は、使用済燃料の中間貯蔵の問題、五つ目は、使用済燃料の最終処分の問題です。これらについて、国として今まで以上に責任を持って取り組んでほしいと要請しました。使用済燃料対策は、原子力を利用する場合に避けて通れない、わが国エネルギー政策上の切迫した課題であると認識しており、国として確実に対策を進めていただくことが必須と考えています。

 六つ目は廃炉技術研究についてです。伊方原発1号機は、間もなく運転開始後38年を迎えますが、わが国では伊方と同型の加圧水型の廃炉実績はなく、安全な廃炉にはさまざまな分野の技術の集積が必要であることから、同型炉に広く適用できる廃炉研究を、伊方原発において展開するよう要望しました。これは、国の原子力発電をできる限り低減していくという方針にも沿うものではないかと提案しました。

 七つ目に、大臣に直接現場を見ていただきたい、また、立地町である伊方町長にもお会いいただきたいと要望しました。
最後に八つ目として、今後、いろいろなところで、さまざまな形で議論が進んでいくと思うが、いずれかの段階で、最終的な責任を持つ総理大臣の言葉を直接お聞きする機会を設けていただくよう求めました。

 宮沢大臣からは、伊方原発3号機は、国のエネルギー政策上、将来のエネルギーミックスやCO2削減目標を決定し、原子力発電の位置付けを明確にした後の、最初の新規制基準適合原発であることから、政府としても、再起動に向けてしっかりと対応したいとの発言がありました。 また、今回の要望については、

  • 避難路の整備や大分県への避難訓練について、しっかりバックアップを行う
  • 四国電力への新たな追加の安全対策については、国からも四国電力を指導する
  • 使用済燃料の中間貯蔵と最終処分については、アクションプラン作りや、基本方針変更に伴う具体的な対応など、解決に向けてしっかりと取り組みたい
  • 廃炉研究については、関電や九電に既に廃炉が決定された加圧水型炉もある中で、伊方についても、今後検討したい
  • 総理との面談については、総理にお伝えし対応を相談したい

 との回答がありました。

 今後、これらの対応をしっかりと注視し、その状況を皆さんにご報告いたします。

平成27年7月21日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年7月17日 伊方原発3号機の再起動に係る政府の方針について

 伊方原発3号機については、おととい、原子炉等規制法に基づく原子炉設置変更許可が行われたことをご報告したところですが、昨日、宮沢経済産業大臣から私に対し、伊方3号機についての「政府方針」文書を上田資源エネルギー庁長官に持参させるとの電話連絡をいただきました。本日、上田長官の訪問を受け、私あての経済産業大臣名の文書[添付参照][PDFファイル/202KB]を受領しますとともに、直接内容の説明をいただきましたのでご報告します。

 上田長官からは、文書に沿って、

  • 原子力については、エネルギー基本計画において、安全性の確保を大前提に、重要なベースロード電源であると位置付け、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、原子力発電所の再稼働を進める方針である
  • 伊方3号機は、原子炉設置変更許可が行われ、再稼働に求められる安全性が確保されることが確認されたことから、政府として、エネルギー基本計画に基づき、伊方3号機の再稼働を進める
  • 政府として、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう国が前面に立って取り組むこととし、新規制基準への適合審査の結果や、エネルギー政策・原子力政策の内容、原子力災害対策の内容などを丁寧に説明していく
  • 避難計画を含む地域防災計画について、政府として、計画の更なる充実のための支援やその内容の確認を行うとともに、計画の改善強化に継続して取り組んでいく

 ことなどを方針として、万が一事故が起きた場合には、政府は責任を持って対処することを明言した上で、伊方3号機の再起動を進めることについて協力要請がありました。

 また、本県がこれまで四国電力に求めてきた、さらなる揺れ対策や電源対策、戸別訪問による地元住民への真摯な説明、全てのトラブルを通報連絡する「えひめ方式」の徹底といった独自の追加安全対策については、「全国的にも特筆すべき取組」として高く評価をいただき、県民の安全・安心の向上につながるものと再認識したところです。

 本日の国からの要請については、広く県民の皆様にお知らせし、その結果、さまざまな議論が巻き起こってくるものと思います。

 国においては、前面に立って取り組むとした方針のとおり、安全性の審査結果やエネルギー政策などについて、立地地域のみならず、広く県民、国民に丁寧な説明を行っていただくよう長官に対し要請しました。

 私としては、原子力を利用する場合には必ず発生する使用済燃料対策や廃炉技術研究への考え方、四国電力に要請した新たな追加対策への協力、具体的な受入先を明示していただいた大分県への避難訓練等への協力など、国に確認したい事項があることから、まずは経済産業大臣とお会いしたいと要請しました。

 伊方3号機の再起動に関しては、県としても、国の審査結果等を踏まえた安全性の確認を進めるとともに、今回の国の方針を受けて交わされる議論や、四国電力による追加安全対策への取り組みの状況を、引き続き注視し、最終的には、これらを総合的に勘案し、知事として判断していきたいと考えています。

 今後、私と経済産業大臣との会談状況や、四国電力からのさらなる揺れ対策の評価結果の報告等については、その都度、皆様に報告していきたいと思います。
平成27年7月17日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年7月15日 伊方原発3号機の原子炉設置変更許可の報告について

 本日、四国電力佐伯社長の訪問を受け、伊方原発3号機について、原子力規制委員会から原子炉設置変更許可書を受領したこと、そして、現在、同委員会が審査中である工事計画認可申請と保安規定変更認可申請についても、速やかに新規制基準に適合するよう最善を尽くすとの報告がありました。

 併せて、私から強く要請しております追加安全対策について、

  • 伊方原発から20km内の約28,000戸への全戸訪問を7月22日から開始し、国の審査に合格した安全対策等についての理解活動に努める
  • 伊方3号機のさらなる揺れ対策である概ね1000ガルへの対応について、審査の中で変更となった基準地震動による再評価を行っており、近日中に結果を報告したい

 とのお話がありました。

 報告のあった原子力規制委員会の許可により、福島第一原発事故を教訓として策定された新規制基準に適合していることが確認されたものと認識していますが、何よりも重要な安全性に関する国の判断であり、県としても、原子力安全専門部会において原子力規制委員会からの説明も求めながら慎重に確認していくことが必要であると佐伯社長に伝えたところです。

 伊方3号機の再起動については、今回の許可を受け、国から、我が国のエネルギー政策上の必要性も踏まえた責任ある要請・方針が示されるものと思っており、県としては、その内容をしっかりと確認し、県民の皆様にお伝えして、それから全ての議論がスタートするものと考えています。

 私からは、四国電力に対して、地元住民への丁寧な説明を積み重ねていくこと、さらなる揺れ対策について、評価結果がまとまれば速やかに報告することなど、県から要請しているアディショナルな安全対策について引き続き取り組んでいくよう改めて強く求めたところ、佐伯社長から、国の基準をクリアすることはもとより、今後とも自主的・継続的に伊方原発の安全性向上に努めていくとの方針を示されました。

 さらに、アディショナルな対策として、伊方原発の敷地は急峻な地形であるため、万が一の事故の際における作業スペースの拡大の検討を要請し、佐伯社長から承りましたとの回答を得ました。

 私としては、今後とも、四国電力の取り組み姿勢を注視していきたいと考えています。

 引き続き、県民の安全・安心に向けて、四国電力には、伊方発電所の安全性の向上に取り組んでいくよう求めてまいります。
平成27年7月15日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年5月20日 伊方3号機の原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案の提示について

 伊方3号機の新規制基準適合性審査については、おととしの7月に四国電力が国に設置変更許可申請を行って以来、約1年10ヵ月にわたり続けられてきたところですが、5月20日に、その結果を踏まえ「新規制基準に適合しているものと認められる」との審査書案が原子力規制委員会から示されました。このことは、審査が最終段階に進んだものと考えています。

 今後は、30日間の科学的・技術的な意見募集が行われた後、最終的な判断がなされると聞いており、判断に至った場合には、伊方原発環境安全管理委員会原子力安全専門部会において、その根拠等を含めて、国から説明を受け、県として安全性の確認を行っていきます。
また、県民の安全・安心のため、四国電力には、引き続き、伊方発電所の安全性の向上に取り組んでいくよう求めてまいります。


平成27年5月20日
愛媛県知事 中村 時広

平成27年4月14日 原子力規制委員会に対する伊方3号機の原子炉設置変更許可申請の補正書の提出及び安全協定に基づく事前協議の補正書の提出について

 本日、四国電力から、原子力規制委員会に対する原子炉設置変更許可申請の補正書の提出にあわせて、県に対し、安全協定に基づく事前協議の補正書の提出がありましたので、ご報告させていただきます。

 この補正書は、これまでの新規制基準適合性審査の内容を踏まえ、基準地震動や基準津波の引き上げ、新たな緊急時対策所の設置等を反映したものです。

 今後、本書に基づき、基準への適合性の最終的な判断がなされるものと考えており、原子力規制委員会には、引き続き、厳格かつ的確な審査をお願いしたいと思っています。

 県としましても、伊方原発環境安全管理委員会原子力安全専門部会において、四国電力から補正内容について詳しく説明を受け、今後とも、国の審査を踏まえた安全性の確認を行っていきます。

 また、県民の安全・安心のため、四国電力には、引き続き、伊方発電所の安全性の向上に取り組んでいくよう求めてまいります。
平成27年4月14日
愛媛県知事 中村 時広

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