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重要航空遺産認定証授与式知事あいさつ

ページID:0122420 更新日:2025年9月10日 印刷ページ表示

日時:令和7年7月25日(金曜日)15時00分

場所:紫電改展示館

 今日は、わざわざ愛南町まで、植木会長をはじめ日本航空協会の皆様に足を運んでいただき、そして、中四国では初となる重要航空遺産に紫電改が認定される運びとなりました。その価値を受け止めていただき、決定していただきましたことに県を代表して心から御礼を申し上げます。

 昭和53年に地元の方が海中に紫電改が沈んでいるのを発見。当時は、県だけでなく国も含めて、どうしようかという議論をされた記録が残っています。ただ、国の方は、遺体回収につながらないと、何もできないという判断をしたそうです。しかし、私も個人的にご生前にご自宅で直接お話をお聞きし、ご指導いただいた、当時の白石春樹知事が、将来のためにも、これは県単独事業ででも引き揚げるべきだ。残すべきだ。という判断をされ、そして県が単独事業で引き揚げをし、設置に至ったという経緯でございます。この引き揚げという作業の膨大さや予算を考えると、かなり大きな決断ではなかったかなというふうに思います。

 私も知事の仕事をさせていただいて、この建物の老朽化が著しく、建て替えをせざるをえない状況にあるという報告がありましたが、県政の歴史を考えて、必ずやらなければならないという判断をいたしました。そして、今は名前が変わっていますけれども、当時の製造会社の方々がぜひ状況調査をしたいということでお越しになられました。調査していただいたところ、隣で今工事をしていますけれども、移設するためには、かなりの工夫が必要だという結論が持ち上がりました。ただ引き揚げただけでは、場合によってはバラバラになってしまう可能性がある。そういう中で最低限の補強工事と、移設にかかわるいろいろな工夫が必要だということで、当初想定していた以上の予算がかかるということが判明いたしました。

 これは、お金の問題ではなくて、戦後80年を迎えますけれども、今もこの歴史の中で、戦争を直接語る、語り部の世代がだんだん少なくなっていくという現状があります。戦争の悲惨さ、平和の尊さを伝える語り部ほどではないですけれど、紫電改がメッセージを伝える大きな役割を果たすであろうということで、紫電改の改修・移転を多くの方に知ってもらうのは意味があるのではないかいうことで、クラウドファンディングを実施することにしました。目標を3,800万円に設定しましたが、今日現在で2,800万円を超えています。あと40日、より多くの人に関心を持っていただきたいと思っています。

 この紫電改は、当時の日本の航空技術の到達点と言われた機種でもございます。当時の日本最高エンジンである2,000馬力の「誉」エンジンを載せ、しかしその一方で窮乏する時代背景の中で、その性能をフルに発揮することはなかったそうであります。また、日本で開発・設計された自動空戦フラップの技術を取り入れたのが、この紫電改ということであり、航空技術的にみても非常に価値のある機種でございます。会長のお話にありましたとおり、アメリカに3機、そして日本国内に1機のみ現存しているということでありますから、こうした時期に重要航空遺産の認定を受けたというのは、タイミング的にも本当にいいドンピシャのいいタイミングで決定していただいたのではないかなというふうに思います。

 これを機に改修工事に一層注力してまいりますので、ぜひ多くの皆さんにその存在を知っていただきますとともに、また、戦争、平和を考えるメッセージをこの愛南町で感じていただきますことを心から期待をさせていただきます。

 本当にありがとうございました。


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