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えひめ版政策エコシステム えひめ食・観光・農林漁業プラットフォーム キックオフミーティング知事あいさつ
日時:令和7年7月4日(金曜日)13時30分
場所:県民文化会館 真珠の間
皆さんこんにちは。
今日はえひめ版政策エコシステムのキックオフミーティングに、大勢の皆さんにその趣旨を受け止めていただき、ご参加を賜りましたことを、大変うれしく思っています。
今日に至るまでに相当に練りに練って準備を進めてきた新たな施策でございます。その背景を少し説明させていただきたいと思うのですが、二つのルートから到達した取り組みとなります。
一つは、愛媛県庁内部の政策立案をどう磨いていくかという視点。役所では、昔は、霞が関の省庁が地方の政策をこまごまと決めて、そしてそれぞれの地方自治体、これは都道府県であれ市町村であれ、送られてきた政策メニューの中から自分たちの地域に見合ったものを選択する、メニュー選択型の行政でありました。
しかしながら、国の方に財政的な余裕がなくなり、地方は地方で、金太郎あめのような政治、地域づくりは、もはや卒業したい。本来地域というのは固有の歴史や文化等に根差したものであって、そこをどう生かすかという観点から言えば金太郎あめではなくて、個性というものが必要になる。国は財政の余裕がない、地方は根本から変えたい、しかし目指すところは一緒で、国から地方へ権限と財源を移譲するという流れが生まれました。
しかし今これはまだ道半ばでありますけれども、それを受けて愛媛県ではメニュー選択型行政から政策立案型行政の自立へと、脱皮するということを十数年間追い求めてきた経緯がございます。
これは、意識改革、制度改革、内部改革から着手しましたが、特に若い職員のアイデアというものを大いに生かして部局の中でまずは政策立案をしよう、これが第一段階でありました。
第二段階に入ってきますと、複眼的に部局横断、あくまでも愛媛県庁内なのですが、部局を越えて複合的に組織を作り、政策を練っていく立案型。これが第二段階で求めてきたところであります。
そして、第三段階が今日から始まる政策エコシステム、官民共創という概念でありました。官民共創、どの自治体でも結構着手はしていると思います。でもおそらく、なんかやっているからとりあえずやっておこうのレベルだと思います。とりあえず産官集まってください。課題解決です。官民一緒になってやりましょう。これは全国のどこの自治体でもおそらく手を挙げてやっているところが出てきていると思うのですが、おそらく1年から2年経つと、ほとんどが尻すぼみになるのではなかろうかと思います。
なぜならば、官民共創というのはなんぞやと、そのために何の準備が必要なのか。こうした戦略というものが欠けてこの分野に臨むと、ほとんど成果は出ないという結果が待っているように思います。
そのようなことから、政策立案のトレーニングを続けてきた十数年間を愛媛県庁では大いに生かして、第三段階に入っていきたいという下準備の上に、この場所でスタートすることになります。
そしてもう一つの道のりは、デジタル化の進展でありました。5Gのテクノロジーが登場したことによって、遅延速度の圧縮や、また、同時接続が可能となり、AIが本格的にあらゆることで活用が可能となったのが4、5年前のことであります。当時から県庁の組織の中で、デジタル戦略プロモーションに関する動きを始めておりまして、さまざまなトライをしてきました。
一つには、起業家とITをかけてチャレンジャーを募集する事業、そして、まさに官民共創の前段階にありましたけれども、トライアングルエヒメという事業を起こして、全国から愛媛県における課題解決に最新のテクノロジーを活用してチャレンジしませんかという事業募集であります。全国からびっくりするぐらいの数の応募がありまして、現在50のプロジェクトが県内で実装定着されているところであります。
そして、そうしたことを議論する場所を提供するために、県庁の一角にトライアングルベースという部屋を作りまして、ここが小規模ながら官民共創の議論をする場所として提供をしてまいりました。
また、今、県庁第二別館を建設中であります。こここそが本番であります。来年3月に完成を予定しておりますが、1階、2階、ツーフロアは完全フリースペースといたします。まさに県庁の中に官民共創、民民共創、こうした会員さんが集って課題解決で出会い、ビジネスが生まれる、人脈が形成される、そんなフリー空間を新しい県庁第二別館の1階、2階に開設する予定にしております。
こうした二つのルートからたどり着いたのが政策エコシステムでございます。そして、県庁の若手職員を民間に派遣したり、そして政策エコシステムとはなんぞやという議論をしたり、トレーニングを現在積んで、今日に至っています。今日はそのメンバーが、コーディネートも全部やっていくと思いますけれども、ただ単に思いついてやる事業ではないということだけは皆さんにお分かりいただきたいと思います。
来年3月、官民共創拠点ができますと、おそらく、その意思、意義に気付いた方々が集結し始めて、まさに愛媛県の未来につながるようなディスカッションが行われる空間が生まれ、官民、そして民民のアイデアというもの、我々からすれば企画段階から民間の皆さんと一緒になって考えるという新しい取り組みがスタートしますけれども、今回最初ですから、あえて最初はどんなものか分からないという方も多いと思いますので、こちらの方から政策課題を提示させていただきました。今日は、食、観光、農林漁業のテーマで、それぞれ専門の組織からも今回参加していただいていますので、多角的な意見交換の中から面白いアイデアが生まれてくることを、心から期待をしているところでございます。
今日は長丁場のワークショップになりますけども、どうぞよろしくお願い申し上げまして開会に当たってのごあいさつとさせていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。