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令和7年度知事賞入賞作品一覧
第1部(小学校1年生及び2年生)
第1部(小学校1年生及び2年生)
『ちょっと待っての時間はどれくらい?』
今治市立富田小学校
2年 井上 陽菜
あいまいな量(ちょっと待つ時間)を、あえて数値化していこうとする発想が大変すばらしいと思います。
2年生それぞれ、先生それぞれにおいて、意識の差はあるけれども、標本調査により、概括的把握により「先生の方がちょっとの時間が長い」と考察している点も大変おもしろいと思います。
「ちょっと」の感覚の個人差から「まだ?」という思いを相手に持たせないために、「〇分くらい待って」と予め相手に待ち時間の大体を数値で言い表せばよいと、数値化の考え方を日常生活に活用していこうとしている点が、大変すばらしいと思います。
2年生で未習の帯グラフや円グラフにもチャレンジしています。2年生も先生も半円を100%として左右に並べているのが、両者を比較しやすいです。レイアウトや配色・文字の大きさが適切で、読み取りやすいです。
この作品は、第73回統計グラフ全国コンクールにおいて、入選しました。
第2部(小学校3年生及び4年生)
第2部(小学校3年生及び4年生)
『どこでとれたの?魚の産地調べ』
松山市立さくら小学校
3年 矢野 稜士
昨年の9月から今年の夏休みの終わりまでの1年をかけて、「ぼくのうちで食べている」魚の産地を調べている努力が、大変すばらしいです。
すっきりと見やすいレイアウトとなっています。上段において、水色の海をバックに、地図上に記された絵グラフにおいて、愛媛県産が極めて多く、同じ海に面している近県産はないというように、量の比較がしやすくなっています。
魚の名前の一つ一つも絵グラフに書き込まれており、天然と養殖の区別も、一目で分かるように色分けされていて、大変興味深い資料となっています。
愛媛県産の養殖のサバやアジのことを取り上げています。天然物のサバやアジも有名で、佐田岬漁港に水揚げされたアジ・サバは、ハナアジ・ハナサバと呼ばれます。同じところを泳いでいたアジ・サバも、大分県で水揚げされたら関サバと関アジと呼ばれ、ブランド魚としてより有名です。同じおいしさでも、安い価格で取引されるハナアジ・ハナサバのブランド戦略について、発展的に調べてみるのもよいと思います。
第3部(小学校5年生及び6年生)
第3部(小学校5年生及び6年生)
『今治の地産地消を大調査 ~ぼくたちの食と地元のつながり~』
今治市立乃万小学校
6年 小澤 航也
今治市の農産物(野菜や果物)を中心に、子どもや大人の意識調査や、給食における取組など、地産地消について、詳しく調べています。
意識調査の集計に、ICTを活用していることが、子どもも自学級だけでなく小学校5年生から中学校3年生まで40名、大人も20代から60代まで70名と、夏休み中の短期間に、幅広い世代の意見を集めることにつながったのではないかと思います。
農林水産省のデータなどもグラフ化することにより、他の農産物との比較がしやすくなっていますね。
一つ一つのグラフの配色や全体における配置、文字の大きさの変化等、読み進めたくなるように、デザイン性にも配慮されています。
今治の地場産業の活性化にもつながる発信となっています。農林水産省は、地産地消の定義の中で、「農林水産物(食用に供されるものに限る。)」を地域の産物の対象としています。今度は、水産物についても調べてみるのもよいですね。
この作品は、第73回統計グラフ全国コンクールにおいて、入選しました。
第4部(中学生)
第4部(中学生)
『令和の米騒動 ~今後の日本米をどう考える~』
新居浜市立角野中学校
2年 渡邉咲來
時事問題を扱っており、見出しの言葉、文字の大きさ・字体・文字色を工夫し、詳細を読み進めたくなるデザイン性に優れた作品です。テキストボックスの薄いピンクの塗りつぶしが、本文やグラフとバランスよい比率で、読み進めたくなります。グラフの色も濃淡が程よくセンスの良さが光ります。グラフの種類も適切に使い分けています。
学級27名の標本調査から、「世間でも同じことが言えるか」調べてみたいと、学習を発展させようとしている点がすばらしいです。
「まとめ」からは、統計調査を行ったことから、日本のこれからのために何が必要かを、しっかり考えていることがうかがえました。これからの未来を担う人材がたくましく育っていることを、大変頼もしく思いました。
この作品は、第73回統計グラフ全国コンクールにおいて、入選しました。
第5部(小・中学生のパソコングラフ)
第5部(小・中学生のパソコングラフ)
『数値で比較する 1970年大阪万博Vsと2025年大阪・関西万博』
今治市立上浦小学校
6年 天野 希 美
大阪・関西万博のメインのコアグラフィックである「Inochi」を構成するプライマリーカラー(赤・青・灰・白)に色味を絞っています。このことにより、大阪万博と、大阪・関西万博の二者の違いに着目しやすくなっています。
見出しや本文の文字の大きさ、レイアウトも、読み進めたくなる工夫がされています。
開幕前の期待感の両者の違いが、円グラフのカラーから、一目瞭然で分かります。また、8月20日時点での想定入場者数(2800万人)を明記することにより、大阪万博の最終来場者数6421万8770人の数のすごさをしっかりと伝えてます。
10月13日に、184日間にわたって開催された大阪・関西万博が幕を閉じました。会場面積が半分以下、パビリオン数も減少する中、最終的な総来場者数は29,017,924人。8月20日時点の想定入場者数を超えました。日本の万博史上、大阪万博に次いで、2番目の規模となりました。
参加国数が2倍以上になったことなど、時代を経てよくなっている点や、入場料は10倍近くになっているけれど、平均年収における割合ではそこまで変わらない設定になっている点などにも、目を向けやすいです。
現地に何度も行き、たくさんの人が集まる現地に何度も行き、わくわく感を味わい、統計グラフの中の数字を連動させて捉えていった点も、今後の人生において、物事を見つめていく大きな力となることでしょう。
第6部(高校生以上の生徒、学生及び一般)
第6部(高校生以上の生徒、学生及び一般)
『宇和島市における若者の選挙の投票率の向上』
愛媛県立宇和島東高等学校
3年 五百木 楓良
3年 佐子 七星
3年 鳥井 悠希
3年 浜名 尚
3年 吉田 果穂
選挙に行く当事者となる高校生3年生の5名の共同研究です。
統計調査活動を取り入れることにより、主権者教育において、受動的な立場に甘んじることなく、若者の具体的な投票行動につながるように選挙管理委員会と連携して具体的行動を起こそうとしたり、今後の主権者教育の展望にまで言及したりと、大変主体的な立場で学んでいる点が、すばらしいです。
幼少期に見た親の選挙行動が、若者の選挙行動につながるという仮説を立て、クロス集計して分析しているところも、すばらしいですね。
また、統計調査から選挙率を向上させるアイディアを考えるところまで深めており、公益性がある統計グラフとなっています。









