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企画戦略部・農業研究部試験研究成果一覧

ページID:0005571 更新日:2024年10月31日 印刷ページ表示

企画戦略部・農業研究部

令和5年度農林水産研究所企画戦略部・農業研究部試験研究課題一覧表
事業名 細事項名 研究期間 実施部署 目的 主な成果 パネル等
農業試験研究費 新農薬等試験事業費 S48~ 病理昆虫室
次世代農業戦略室
作物育種栽培室
本県の栽培環境条件や作物等で、新しい農薬や生産資材等の適応性や効果を明らかにする(委託元からの要望により、農薬や資材に関する試験内容や結果は、非公開としているものが多い)。

〇サトイモ疫病・軟腐病、カンショつる割病、カブ軟腐病、ブロッコリー軟腐病・菌核病、イチゴ炭疽病を対象に12剤の防除効果および薬害の有無を検討した結果、いずれの供試薬剤にも実用性が認められた。

〇水稲では、イネクロカメムシ、コブノメイガ、イネツトムシ、スクミリンゴガイを対象に9剤について防除効果と薬害の有無を検討した結果、5剤には実用性が認められたが1剤には実用性が認められなかった。なお、コブノメイガ・イネツトムシは極少発生であったため、3剤については判定不能であった。

〇野菜類では、カンショのヨツモンカメノコハムシ、サトイモのネグサレセンチュウ、エダマメのアザミウマ類、未成熟トウモロコシのハダニ類、メロンのコナジラミ類、ダイコンのアオムシ類、キスジノミハムシ、ハクサイのウワバ類、オオタバコガ、キャベツのハイマダラノメイガ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、ウワバ類、ブロッコリーのアブラムシ類、ハイマダラノメイガ、ヨトウムシ、シロイチモジヨトウ、アブラムシ類、イチゴのハダニ類、レタスのウワバ類、ヨトウムシ、ニンジンのキアゲハ、ヨトウムシ、サクラのケムシ類、イラガ類、カリフラワーのハスモンヨトウを対象に39剤の防除効果と薬害の有無を検討した結果、36剤について実用性が認められ、3剤については実用性が認められなかった。

〇水稲除草剤では、初中期一発処理剤を対象に、除草効果と水稲への薬害の点から2剤を検討した結果、すべての剤で実用性が認められた。

ウンカ類に対する長期残効型箱処理剤の防除効果[PDFファイル/169KB]

 

ドローンによる水稲害虫防除[PDFファイル/149KB]

 

サトイモ疫病を防除するには!~効果的な薬剤散布~[PDFファイル/238KB]

 

イチゴ炭疽病菌の薬剤感受性検定 [PDFファイル/257KB]

農業試験研究費 水稲野菜花き類優良品種・種苗育成試験費 S52~ 作物育種栽培室
野菜育種栽培室
花き研究指導室

水稲、野菜、花きについて、愛媛オリジナル品種を作出する。

○‘ひめの凜’ 及び‘媛育85号’‘媛育86号’‘媛育87号’を奨励品種決定調査に供試した。令和4年度、県内において、'媛育71号'は343ヘクタール'、ひめの凜'は670ヘクタール栽培された。

○育成したイチゴ26系統を栽培、特性を調査し、有望な9系統を選抜した。

○イチゴのF1組合せ10系統を栽培調査し、有望な1系統を選抜した。

○γ線を25Gy照射したサトイモ親芋10株から230個の副芽を採取・定植し112系統の予備選抜用種芋より優良16系統を得た。

○1次選抜に供試したサトイモ18系統のうち11系統(早生系統の候補として6系統、収量性の高い候補として9系統うち4系統重なり)を優良系統として評価した。

○昨年度にデルフィニウムのシネンシス系品種について、花型や花色、栽培特性等の優れた新品種の育成に取り組んでおり、昨年度に引き続き、花色が白色の4つのF1系統について特性調査を実施した。

コマーシャルでもおなじみ!愛媛のブランド米極良食味品種’ひめの凜’ [PDFファイル/179KB]

 

愛媛県水稲育種の歩み(PDF:280KB)[PDFファイル/280KB]

 

形と味で勝負!県オリジナルのサトイモとツクネイモ [PDFファイル/198KB]

農業試験研究費 合理的土地利用技術確立試験費 S58~ 作物育種栽培室
野菜育種栽培室
研究企画室

農地の健全性や連作障害の発生防止等を考慮した科学的な作付体系に対応するため、効率的な輪作方法を組み合わせた合理的な農地利用技術を確立する。
また、これに必要な農業気象データベースを構築する。

○露地野菜では、マルチ・畝連続利用栽培により、周年でリーフレタスを、春夏期にズッキーニを、冬春期にタマネギの栽培展示を実施した。またズッキーニでは基本的な有機野菜の栽培技術開発を実施し、発酵鶏糞と菜種油粕を組合わせた施肥体系を検討した。

〇新規導入小麦の施肥体系を確立した。

○本県育成品種‘ひめの凜’とはだか麦新奨励品種‘ハルヒメボシ’の高品質安定生産を目指した体系化実証試験を実施した。‘ひめの凜’については、田植えを5月下旬から6月末まで拡大し、安定的に高収量、高品質、良食味生産が可能な移植時期を検討した。

〇あきたこまちに代わる品種の候補として‘にじのきらめき’を選定し、その栽培特性を把握した。

○所内の気象観測データをデータベース化し、集計したグラフなどをホームページに公開した。

新規小麦品種‘シロガネコムギ’の施肥体系 [PDFファイル/424KB]

 

多収で良食味の水稲極早生品種 ‘にじのきらめき’ [PDFファイル/410KB]

農業試験研究費 水稲品種育成加速化技術開発試験費 R5~R8 作物育種栽培室 近年、あきたこまちの一等比率が低く、極早生~早生熟期の品種育成が急務となっている。そこで、高温耐性を持つ品種の育成を加速化させるために、DNAマーカー選抜法の確立と、圃場調査の効率・高精度化のためのデジタル野帳プログラムの開発を行う。

〇高温耐性遺伝子保有系統を選抜するためのF1作出とDNAマーカーの探索を行い、‘ひめの凜’は‘越路早生’‘ハナエチゼン’と同じ高温耐性遺伝子を持つ可能性があることが分かった。

〇水稲成熟期用の生育調査プログラムを作成し、デジタルメジャーで読み取った稈長、穂長のデータを手持ちのタブレットに自動入力できるようになった。

 

農業試験研究費 果菜類高品質多収技術確立事業 R1~5 野菜育種栽培室

本県の施設イチゴは、本県育成品種’紅い雫’を中心に推進しているが、年内収量の少なさ、冬期の着色不良、春季の糖度低下等の技術的な課題が残されている。施設トマトは、夏期の作型が安定せず周年栽培は難しいうえ、高糖度果実の生産技術も確立されていない。
一方、近年では、施設の複合環境制御に係る装置やシステムの進歩が著しいが、各品目に対応した環境制御については研究途上である。
そこで、施設のイチゴとトマトについて、複合環境制御と生育に係るデータ蓄積と、高品質多収を目指した技術開発を行い、経営モデルを構築する。

〇複合環境制御によるイチゴの高品質多収技術の開発
イチゴ新品種‘紅い雫’について、早期収量を向上させるため、環境制御による高品質多収を可能とする栽培技術の確立を目指しており、給液の日射比例制御がイチゴの生育及び果実品質に及ぼす影響を検討した。時期別商品果収量について、試験区の中では日射比例制御(積算日射量2.0Mj/平方メートル)が最も高い傾向にあった。試験区と慣行区の年内および早期に明確な差は見られなかったが、3月および全期は慣行区が239g/株および497g/株でそれぞれ高い傾向にあった。果実品質について、慣行区の大果重および秀品収量がそれぞれ252.7g/株および402.6g/株と試験区に比べて高い傾向にあった。1果重や糖度、酸度は明確な差は見られなかった。出蕾日について、慣行区と日射比例制御(積算日射量2.0Mj/平方メートル)の第1腋果房は44日と最も早く、開花日については明確な差は見られなかった。収穫開始日について、頂花房は明確な差は見られなかったが、第1腋花房は日射比例制御(積算日射量2.0Mj/平方メートル)が2月15日で最も早く、日射比例制御(積算日射量3.0Mj/平方メートル)が3月2日で最も遅かった。

 

○複合環境制御によるトマト・ミニトマトの高品質多収技術の開発
ハウス内の高温対策について、遮光と細霧の効果を検討した。夏の晴天時に外日射0.7Kw/平方メートル以上で遮光、気温30℃以上で10分中2分の細霧稼働で制御すると、遮光+細霧において昇温抑制効果が高かった。次いで細霧冷房の効果が高かった。6か月間の可販果収量は品種によって異なるが、10a当たり8~14tであった。トマト・ミニトマトの栽培試験では、給液管理と着果管理の違いが収量・品質に及ぼす影響について検討した。結果、トマトは日射比例による給液管理で夏以降の糖度が高く、ホルモン処理による着果管理で夏期の着果が増え収量が多くなった。ミニトマトでは給液管理による糖度の差は見られなかったが、ホルモン処理による着果管理でトマト同様、夏期の着果が増え収量が多くなった。

遮光シートと細霧冷房で夏期トマトの高温対策[PDFファイル/111KB]
農業試験研究費 農林水産研究シーズ発掘事業

R1~5

病理昆虫室

菌食性として知られているキイロテントウを用いて、イチゴうどんこ病に対する新たな生物的防除法の利用性を検討する。

〇キイロテントウの生息域・寄主となるうどんこ病種を調査
したところ、新居浜市の公園内の樹木類、西条市のカキ、松山市のズッキーニ、ナスで生息を確認した。また、所内圃場でキュウリ、カボチャを栽培し、キュウリうどんこ病発病株での安定的な誘引を確認した。

〇キイロテントウの飼育・繁殖条件を検討したところ、人工気象器を用い、気温25℃、明期16時間、暗期8時間の条件で、キュウリうどんこ病菌を餌として飼育した結果、成虫の交尾や産卵、孵化、幼虫の脱皮、蛹化、羽化が確認され、繁殖させることができた。

〇 イチゴうどんこ病の摂食試験を行ったところ、室内において、うどんこ病が発生したイチゴ葉にキイロテントウを放飼した結果、積極的に摂食したことから、天敵生物としての利用可能性を確認した。

 
農業試験研究費 優良枝物安定生産技術確立試験 R2~6 花き研究指導室

県では、遊休農地や耕作放棄地の活用を図るため、省力的で高齢者や女性でも取り組みやすい優良枝物(ユーカリ、ピットスポラム、ビブルナム・ティナス等)の導入を支援しており、現在、松山市、今治市、四国中央市等でこれらの産地化が進み、品質の良さから市場の評価も高くなっている。
しかし、これらの枝物は、苗の安定供給が難しいなど、新たな課題も顕在化している。
また、枝物市場で生産規模の大きいシキミは、形質がばらつき生産性が不安定であることが問題となっている。
そこで、増殖技術の改善、優良個体の収集・選抜を行い、品質の良い枝物の安定供給を図る。また、更なる新規品目の選定を行うとともに、現地実証を行い、県内枝物産地の発展、農業者の所得向上等を目指す。

○ユーカリ、シキミの優良個体の収集
ユーカリ(グニー)は、実生から選抜した5系統の挿し木繁殖をし形質を検討した。5系統のうち2系統は発根し個体を得られたが、3系統は発根しなかった。2系統の内1系統は増殖率低く十分な個体が得られなかった。挿し木で得た個体は、母樹と葉色、茎色、葉形は同じであり、市場の品質評価は高かった。
シキミは、県内の生産園地から収集した優良個体を9系統化し形質を検討した。従来系統と比較して、生育が良く、葉が短く、葉色の濃い有望な系統が1系統あった。次いで、生育が良好で樹形が安定している有望な系統が4系統あった。

○ビブルナム・ティナスの実生集団の特性調査
優良個体選抜のために、約600個体の実生集団を作出し、特性調査を実施した。まだ幼苗のため、予備調査の段階であるが、樹姿については、開帳性、直立性のものが見られた。その他の特性については、あまり差が見られなかった。

 
スマート農業技術開発・普及促進事業費 R4~6 次世代農業戦略室 農業者の減少・高齢化が進み、労働力不足等の構造的な問題を抱える本県農業においては、従来以上に労働生産性を向上させ、省力化・効率化を図ることが不可欠であり、そのためにはスマート農業をいち早く現場に定着させることが急務である。
このため、本県の生産者が体感することの少ないスマート農機を整備することで、実際の機械に「みて、ふれて、かんじて」もらい、スマート農業へのハードルを大きく下げるとともに、農林水産研究所及び現地ほ場で研究及び実証することによって現場実装を加速化させる。

〇愛媛県スマート農業推進協議会の開催
5月9日、愛媛県スマート農業推進協議会を開催し、昨年度末に策定した「愛媛県スマート農業推進方針」について検討するとともに、傾斜地におけるスマート農業の可能性について研修会を開催した。

〇愛媛県スマート農業シンポジウムの開催
7月6日および12月7日に県武道館において、県内農業者、指導者等約100名を対象にシンポジウムを行い、スマート農業への理解と関心を深めた。

〇自動給水機を用いた「ひめの凜」高品質化の検討
出穂後の高温を回避するため、自動給水機を用いて出穂後20日の水温を30度以下に設定した。期間中30度を超える日は5日あったが、品質について試験区と慣行区の差はみられなかった。

〇自動給水機を用いた作業の省力化や収量・品質への影響を検討
水管理システムを利用した水管理作業の省力化について実証を行い、水管理における作業時間の短縮効果について確認した。なお、収量・品質への影響はなかった。

〇水稲・麦輪作体系におけるスマート農機の利用効果の検討
収量コンバインから獲得した麦の収量データを基に、水稲の施肥を可変施肥した結果、ほ場内での収量のばらつきが軽減された。

〇スマート農業現地実証
様々な水路における自動給水機の設置と、現地での作業の省力化や収量・品質への影響実証(県内6カ所)
現地への早期普及が期待される水稲自動給水機を県下6カ所に設置し実証試験を行い、水管理にかかわる時間の削減や雑草の抑制などの効果を確認できた。実証結果については研修会等を通じて報告し、現地への普及促進を図った。

可変施肥田植機を利用した収量向上への取組み [PDFファイル/261KB]

 

自動給水機を利用した水稲の省力水管理試験[PDFファイル/214KB]

 

水稲・麦栽培における収量データ 活用方法の検討 [PDFファイル/267KB]    

 

愛媛県スマート農業推進方針

 

未来型農林水産研究プロジェクト推進事業

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブレイクスルーでつかみ取る‼サトイモ・スーパー品種の開発 R4~6 野菜育種栽培室

「愛媛農試V2号」は他品種に比べて、反収が多く生産が安定していることに加え、「美味しい」との市場評価もあり、サトイモ生産拡大の原動力である。しかしながら、令和15年には育成者権が消滅し、他県が本品種の栽培に着手すると見込まれるため、品種の囲い込みによる優位性が低下する恐れがあることから、同品種を超える新たなスーパー品種を開発する。
このため愛媛大学や理化学研究所と共同で、新たな形質導入を図るための技術開発、サトイモの遺伝子マーカー開発、形質導入(DNA損傷)処理後に生まれるキメラ植物体からの変異体育成、および世代短縮技術を開発する。

○交雑育種が困難なサトイモにおいて、有用な突然変異体を獲得するために重イオンビームの照射強度を最適化し、獲得効率(個数)を倍増(年間224個体から450個体へ)した。重イオンビーム照射により再生した予備選抜217個体から、多収等の優良16系統を選抜した。

〇入手・増殖できたタロイモT20系統は愛媛農試V2号より疫病抵抗性が高ことを確認したほか、ガンマ線照射により作出した3系統で、愛媛農試V2号よりも疫病抵抗性が低いこと、また、1系統で愛媛農試V2号よりも乾腐病の発病程度等が低いことを確認した。

サトイモ新品種育成にブレークスルーを起こす新技術について1、2 [PDFファイル/272KB]

 

未来型農林水産研究プロジェクト推進事業 全国初!AIナビで「できるサトイモ栽培」支援システム開発 R5~7 次世代農業戦略室 サトイモは水田農業の高収益品目として県下各地で栽培されるようになったが、大規模生産者の作業遅延と不十分な栽培管理による収量低下の問題、全国ライバル県の水田栽培着手による面積拡大などから、さらなる収量向上・面積拡大が望まれる。このため、環境や生育等の計測情報を収集・分析し、スマホ等へ作業のタイミングを通知するシステムを構築する。 〇サトイモ‘愛媛農試V2号’の更なる収量向上・面積拡大のため、AIを活用した支援システムを開発する。令和5年度については、最も要望が多い灌水作業通知のタイミングを決定するため、コンテナ栽培下で水ストレスを与え、水ストレスの時期及び程度の違いがその後の生育に及ぼす影響、蒸散量の変動について計測した。6月下旬からの断水処理においては、表層から15cmの深さのPf値が約2以上で第3葉が黄変し始めた。水ストレスを受けると、草丈の伸びが鈍化したが、8月区では比較的影響が少なかった。6月に断水した区では、子茎の数及び収量が少なくなった。収量は、対照区が最大となり、8月区、7月、6月(重度)区、6月(軽度)区の順になった。7月26日における9時30分から17時30分までの蒸散量は、対照区で701.7g、6月断水区で470gとなり、そこから10a当たりの1日の必要水量を試算すると、それぞれ1,754kg、1,175kgとなった。 サトイモが水ストレスを受ける時期の違いがその後の生育に及ぼす影響 [PDFファイル/98KB]
戦略的試験研究プロジェクト かんきつせん定技術習得システム開発費 R4~6 次世代農業戦略室 かんきつ栽培は一年単位の作業であるので、新規就農者が一人前のせん定技術を習得するためには、相当程度の時間を必要とする。
また、生産者が減少していく中、地域の中で懇切丁寧に技術の指導をしてくれる指導者も先細りが見込まれる。
一方で、産業におけるデジタル化は飛躍的に進歩しており、農業分野においてもデジタル技術の活用が必要不可欠となっている。
このための取り組みの第一歩として、「樹体情報の可視化とせん定シミュレータの開発」に取り組む。

〇かんきつ樹3Dモデルの作成
ドローン等を使用し、葉がついたままの状態と葉をすべて取り除いた状態の画像を取得した。また葉材比や葉数、葉密度、樹容積を把握し、3Dモデル作成の基礎資料とした。
またシミュレータ開発のための樹木のデジタル化を進めた。

〇かんきつせん定シミュレータの作成
撮影画像の画素数及び撮影画像数の大きい条件で、より密な点群データが得られ、精度の高い3Ⅾモデルが作成できた。現在、Vrゴーグルによるせん定シミュレータの製作に取りかかっており、よりリアルなシミュレータとして精度を向上させる。

 
戦略的試験研究プロジェクト サトイモ大規模省力生産技術開発事業 R3~5 病理昆虫室
野菜育種栽培室
県オリジナル品種「愛媛農試V2号」(商標:伊予美人)は、食味の良さ等から市場関係者から高い評価を得ている。また、全国第4位の生産量と、近年の安定価格の維持に加え、広域選果場の整備等の好条件が重なり、生産者の栽培意欲が刺激され、お金を稼げる作物としての期待感が高まってきている。
一方、土入れ等の重労働や疫病の発生による防除回数の増加等の課題を抱え、栽培面積と生産性をどこまで維持できるのか予断を許さない状況にある。
そこで、県内サトイモ主産地を抱える現場関係者も含めた産官学の強力な連携を基軸に、大規模・広域集団栽培技術、無人選別技術、未利用資源の有効利用技術等の生産から出荷・販売に至る一貫的な「大規模省力生産技術」を開発し、生産現場での実証試験とともに、スピード感を持って新技術の現場実装を図る。

○大規模・広域集団栽培に適用できる安定生産技術の開発
省力的で一層の高収益・高品質な芋生産につながる栽培・防除技術を開発し、産地規模の拡大を目指している。
・ハイクリアランス仕様乗用農機による新たな省力機械化体系の確立を目指し、土入れは従来の歩行型管理機による作業と同等以上の作業精度で、かつ作業時間は2~3分の1に短縮できた。また、乗用管理機による農薬散布作業において、作業機が跨いで走行することにより、茎葉の折れや破れが発生したものの、収量および品質へ与える影響は少なく、省力技術として有効であった。
・生分解性マルチの利用による収穫作業の省力化を目指し、分解期間の違う3銘柄の資材を用いてビニールマルチとの比較検討を行った結果、生分解性マルチとビニールマルチの間にサトイモの地上部生育および収量に差は見られなかった。
・ドローン利用による新たな防除体系の確立を目指し、薬害の発生しやすいサトイモで、高濃度・少量散布を行っても薬害が発生しにくいことを見出し、ドローン散布の登録に向けた試験を実施。R3にダイナモ顆粒水和剤が適用拡大されたことで、県下で4.9ヘクタールのドローン散布実績(R4)があった。また、ハスモンヨトウとハダニ類を対象に薬効・薬害試験を行い、ハスモンヨトウの適用拡大の可能性が高まった。
・腐敗芋の主原因である乾腐病菌(Fusarium solani 種複合体)を土壌接種したほ場において、2種薬剤の種芋消毒処理、1種薬剤の土壌混和処理を実施した結果、土壌病害として有効な芋腐敗軽減効果がみられた。

 

サトイモ大規模省力生産技術開発1・2 [PDFファイル/771KB]

 

サトイモ産地は必須!「土入れ」技術による効果 [PDFファイル/196KB]

 

サトイモ全期マルチ栽培における「生分解性マルチ」の利用 [PDFファイル/224KB]

 

サトイモ ドローン利用による防除について [PDFファイル/200KB]

 

サトイモ疫病を防除するには! ~効果的な薬剤散布~ [PDFファイル/420KB]

 

サトイモ乾腐病ってこんな病気! [PDFファイル/167KB]

 


農業用無人車による防除作業の効率化[PDFファイル/98KB]

施設栽培改善試験研究費 柑橘新系統「愛媛48号」栽培特性調査研究 R3~7 次世代農業戦略室 柑橘新系統「愛媛48号」の栽培特性等を踏まえて、スマート農業による一貫作業体系を現場実装するため、気象ロボットやAI選果機等を活用した多岐にわたる情報を効率的に収集し、マルチ+ドリップ潅水栽培下における栽培管理の最適化と園地管理へフィードバックすることにより、収量や品質の向上を目指している。 ○AI選果の確立に向けた生産管理データの収集と解析
温州みかんの選果では、AI選果による庭先選別の作業時間は従来の家庭用選別機による選果作業に比べ2分の1以下に削減され、等級別正答率は80%以上であった。今後、浮皮と生傷に関する判別精度の向上が課題である。
「愛媛48号」の選果では、内部品質の糖度とクエン酸の検量線を作成し、内部品質に応じた選別が可能となった。果皮に発生する日焼果や微細裂果などの画像データを収集し選別に判定できるよう解析を進めている。
選果労力を軽減するAI選果機! [PDFファイル/169KB]
広域連携型農林水産研究開発事業費 農地土壌炭素貯留等基礎調査事業(農地管理実態調査) H20~ 次世代農業戦略室 国連気候変動枠組条約に基づく温室効果ガスインベントリ報告のために、土壌の炭素蓄積量の精密測定を行う。

〇県内の土壌炭素量調査(定点調査)
農地が地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の吸収源となることを明らかにするため、県内32地点の代表的農地(水田16、樹園地16)を対象に、土壌の全炭素、全窒素等を分析し、農地土壌深度30cmまでの炭素貯留量を算出する。
今年度は水田8地点(四国中央市2、新居浜市1、西条市1、今治市2、東温市1、松山市1)について調査を実施した。深度30cm当り炭素量(t/ヘクタール)は、分布幅が39.5~82.5(平均値54.4)となり、新居浜市の中粒質普通灰色低地土水田で最も高くなった。

○愛媛県の代表的な水田土壌である灰色低地土での水稲栽培では、牛糞堆肥の経年連用により土壌中の炭素、窒素の貯留量は高く維持され、特に4t/10a施用することでその貯留効果は高かった。

土壌炭素事業[PDFファイル/779KB]
広域連携型農林水産研究開発事業費 薬用植物の産地拡大に向けた生産技術の開発研究 R5~9 野菜育種栽培室 薬用植物の国産化推進と収量増加品質向上のため、ミシマサイコの2年生栽培における栽培時期と抽苔、根部品質の関係を解析し、ミシマサイコの栽培体系化を行う。
また、生薬「陳皮」原料に適した温州ミカンの栽培管理方法を明らかにするため、温州みかん等のサンプルを収集し、陳皮原料に適した栽培管理方法を比較検討する。

〇ミシマサイコの2年生栽培における播種時期と、収穫時の根部品質を左右する1年目の抽苔の関係を解析し、2年生栽培で問題になっている収量向上と抽苔を2回繰り返すことによる品質低下等の課題の解決を図り、新しい作型によるミシマサイコの栽培体系化を行う。

〇播種時期を検討するため毎週9月1日~10月27日まで播種(低温湿式処理済み種子)したところ2~4週間で発芽し抽苔しなかったが生育が緩慢で株は小さく生育は劣った。

〇陳皮においては、県内ミカン産地より収集した温州みかんサンプル30点のうち9点の有効成分の分析を行い、うち2点が含有量が高く生薬陳皮原料として有望と見込まれた。

 

広域連携型農林水産研究開発事業費 農業分野における持続的安定生産技術確立試験 R5 病理昆虫室
作物育種栽培室
野菜育種栽培室
次世代農業戦略室
農業Dxの実現をはじめ、肥料高騰対策や農業用プラスチック資材の削減、温暖化等に伴う病害虫対応など、様々な技術を確立する。 〇多収米における被覆樹脂使用量削減に向けた施肥技術確立や、石灰窒素施用での大豆増収効果の確認、種芋消毒と施肥管理によるサトイモ乾腐病の防除技術確立、水稲イネカメムシの生態確認と有効薬剤による防除体系の確立、ザルビオフィールドマネージャー(FM)における予測精度向上のための生育データ収集、サトイモの生育に対するオキソパワー5効果確認試験、水稲栽培における樹脂肥料削減を目的とした化学合成緩効性肥料・樹脂崩壊性改善肥料(Jコート)を用いた施肥技術の確立に取り組み、農業資材等の有効性を確認した。 サトイモ乾腐病ってこんな病気! [PDFファイル/167KB]
広域連携型農林水産研究開発事業費 高密度育苗栽培における直進アシスト機能の実証 R4~5 作物育種栽培室 本県では、圃場一枚当たり面積が小さく作業能率が低いので、小面積で使用できる小型農機に取り付けられる直進アシスト機能を導入し、経験の浅いオペレータでも農作業が容易に高精度で行えることを検証する。 ○直進アシストは、未習熟者では耕起および移植時の作業能率を向上させ、熟練者波の作業効率が得られた。初心者では、育苗、代かき、移植に係る生産費が、直進アシストの方が慣行より2%低かった。

密苗栽培における直進アシスト機能の実証 [PDFファイル/173KB]

 

小規模圃場におけるICTを活用した水稲作業による省力・軽労化効果の検証(新稲作検討会成績検討会(令和5年度))<外部リンク>

広域連携型農林水産研究開発事業費 急傾斜農業の超省力化に向けた小型農業ロボットシステムの開発 R4~6 次世代農業戦略室 愛媛大を中心とし急傾斜地での過酷な労働環境の改善に向けて、急傾斜地が主要な産地として栽培されているカンキツ(愛媛県で実施)、シキミ(宮崎県で実施)産地における栽培の超省力化・高品質生産に向けた小型農業ロボットシステムの確立を目指すこととしており、特に労働負担の大きい防除と運搬作業の省力化に向けてドローン防除の高精度化と急傾斜地向け走行ユニットの実用試験機の開発を行う。

〇カンキツ、シキミ産地において超省力化・高品質安定生産に向けた小型農業ロボットシステムの確立を目指し、ロボット適応性モデル園地の整備、ドローン防除と運搬作業の効率化を検討している。ドローンを用いて取得したカンキツとシキミの画像から樹体の3Dモデルの作成を行った。電動走行ユニットによる運搬作業時の労働負荷および省力化については台車架台の重心制御により傾斜地での走行が安定すること、一輪車運搬に比べて作業時間が短く作業負担を軽減する傾向が見られた。また農業者等の各種作業ユニットのニーズを把握するため県内3カ所でアンケート調査を実施し100名からの回答を集計したところ、防除、収穫、除草、運搬作業の順に要望が高いことが分かった。導入を検討する金額としては防除用ドローン、収穫ロボット、自走運搬車およびリモコン草刈機ともに100万円までの要望が最も多かった。

急傾斜農業の超省力化に向けた小型農業ロボットシステムの開発1 [PDFファイル/307KB]

 

急傾斜農業の超省力化に向けた小型農業ロボットシステムの開発2 [PDFファイル/195KB]

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