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~愛媛の水事情~ 1.地勢と気候

ページID:0005050 更新日:2016年11月29日 印刷ページ表示

石鎚山

(1)地勢

四国山地西部にあたる県域の南側には近畿以西の西日本最高峰である石鎚山(標高1982メートル)をはじめ、標高の高い山々が連なる四国山地が、人口の集中している平野部のすぐ背後に迫っています。このため県内のほとんどの河川は、延長が短く勾配が急であり、降った雨は短時間で海へと流出してしまいます。

愛媛の地形図

以下のグラフをみればいかにわが国の河川が急流であるかがわかります。なかでも、本県の河川は、地域の中心部を流れる重信川であっても全国的には延長が短く勾配が急です。このことは一度に多量の雨が降ると洪水の危険性が高くなる一方、河川での貯留機能が小さいことを示しています。

河川勾配

(2)気候

本県の東予・中予地方の瀬戸内側は、瀬戸内式気候に属し、太平洋側に比べ降水量が少なく、温暖少雨な地域で年間降水量が1,200mmから1,400mmと全国平均の1,690mmを下回る状況にあります。南予地方の宇和海側は、瀬戸内側と比べると降水量は多く、四国山地ではさらに多くなっています。

四国降水分布

愛媛県内の主な観測地点における年平均降水量(気象庁資料より:昭和58年から平成22年平均)
地域 地点名 年平均降水量(mm)
瀬戸内沿岸部 四国中央 1,322.5mm
新居浜 1,305.3mm
西条 1,392.7mm
今治 1,219.9mm
大三島 1,123.2mm
玉川 1,448.6mm
松山 1,314.9mm
松山南吉田(H15~22平均) 1,210.3mm
長浜 1,371.0mm
宇和海沿岸部 瀬戸(H9~H22平均) 1,512.1mm
八幡浜 1,533.9mm
宇和 1,899.0mm
宇和島 1,648.5mm
御荘 1,902.5mm
四国山地 富郷 1,963.4mm
成就社 2,689.1mm
久万 1,896.4mm
全国平均(※) 1,690.0mm

(※)全国平均は昭和56年から平成22年の全国約1,300地点の資料をもとに国土交通省水資源部で算出

以下の地図から四国山地での降水量は多いものの、例えば、降水量2,000mm以上の地域の多くは、分水嶺(雨水が異なる水系に分かれる境界)の外側(愛媛県の外側)にあり、降った雨のほとんどが、県外の吉野川や仁淀川、四万十川などの河川に流れ込んでいるのがわかります。

分水嶺

このように本県では、河川延長が短く勾配が急であるという地形特性や降水量が少ないという気候特性にくわえ、降水量の多い地域も分水嶺の県外側にあることなどから、昔から水資源の確保に苦労してきた歴史があります。


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