本文
自動体外式除細動器(AED)を活用しましょう
自動体外式除細動器(ADEとは)
日本では、病院外で年間約2~3万人の心臓が原因の突然死が発生しています。その多くは、「心室細動(しんしつさいどう)」(心室の筋肉がけいれんして細かく震え、心臓が正常に鼓動できなくなり、数分で死に至る非常に危険な不整脈)によるものです。
心室細動を正常な鼓動に戻すための唯一の効果的な治療法は、心臓に電気ショックを与えてこの細動を取り除く医療機器の「除細動器(じょさいどうき)」の使用です。ただし、一般に、発病から1分経過するごとに7~10%ずつ生存退院率が下がると言われており、一刻も早く、少なくとも5分以内に電気ショック(除細動)を行えるかが命を救う鍵となっています。(県内消防機関の救急隊の場合、通報後、出動命令から現場到着までの平均時間は約6.7分です。)
除細動器の使用は、数年前まで医師や救急救命士などに限られていました。しかし、救命率の向上を図るため、平成16年7月から小型で持ち運びができ、操作も簡単な「自動体外式除細動器(AED)」が一般県民の方でも使用できるようになりました。県でも本庁・地方局などにAEDを設置しており、多くの人が集まる集客施設や公共機関、心停止のリスクの高いスポーツ施設等へのAEDの普及が広まっています。
このAEDは、専門知識のない一般の方が使用しても、電源を入れて通電パッドを患者さんの胸に貼り付ければ、AEDが自動的に心臓の波形を分析し、必要に応じて音声メッセージで通電ボタンを押す指示をするなど取り扱いが非常に簡単です。もともと電気ショックの必要のない患者さんに対しては、ボタンを押すメッセージや指示は出ませんし、もし誤ってボタンを押しても電気ショックは作動せず安全性は非常に高くなっています。(AEDを使用し、結果的に救命できなかったり、身体に障がいが残ったとしても、その使用者が処罰されたり責任を問われることはありません。)
心臓突然死から大切な命を救うためには、救急隊が到着する前に、一刻も早くAEDを使用するなど救命処置を行うことが重要です。県民の皆さんも、いつ自分が救急現場に居合わせるか分りません。その時に、スムーズに救命処置が行えるよう、最寄の消防署などが開催する救命講習会(AED使用法を含む)を受けてみてはいかがでしょうか。