ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 南予地方局 > 八幡浜支局地域農業育成室西予農業指導班 > 西予管内の農業の概要

本文

西予管内の農業の概要

ページID:0001824 更新日:2019年10月7日 印刷ページ表示

管内農業の概要

管内は、愛媛県の西南部に位置し、宇和海に面した明浜町と三瓶町、山間盆地の宇和町、四国山地にまで広がる野村町、そして緑豊かな城川町の5町が平成16年4月に合併して西予市となりました。海・野・山と、地域は海抜0mから1400mと広範囲で、伝統的特性から産業的な特性に至るまで多彩な顔を持っています。

農業面では、海岸部の温暖な気候を利用した柑橘経営(温州みかん、伊予柑、ポンカン)、山間盆地での水田農業、中山間地帯の畜産や野菜(きゅうり、ピーマン、なす)と水稲を組み合わせた複合経営など、多様な農業経営が営まれており、四国一ともいえる多品目産地です。

愛媛県の地図の画像

西予農業指導班の管轄(担当)区域は、西予市1市です。
西予市は、平成16年4月1日、東宇和郡の明浜町・宇和町・野村町・城川町、そして西宇和郡三瓶町の5町が合併して誕生しました。

農家数・農業従事者数

【自給・販売農家数】

農家数

3,532戸

自給的農家

1,241戸

販売農家

2,291戸

【主副業分類】

主業農家

514戸

準主業農家

372戸

副業的農家

1,405戸

【基幹的農業従事者】

1,839人

1,230人

(資料:2015年農林業センサス)

経営耕地面積

【経営耕地面積】

経営耕地面積合計

3,186ヘクタール

1,738ヘクタール

普通畑

522ヘクタール

樹園地

926ヘクタール

牧草地

112ヘクタール

(資料:2015年農林業センサス)

農業産出額

【耕種部門】

【耕種計】

809千万円

160千万円

麦類

2千万円

豆類・いも類

8千万円

野菜

202千万円

果実

368千万円

花き

6千万円

工芸農作物

6千万円

その他作物

58千万円

【畜産部門】

【畜産計】

874千万円

肉用牛

161千万円

乳用牛

188千万円

458千万円

65千万円

その他畜産

-

(資料:平成29年市町村別農業産出額)

水稲・麦・大豆

カントリーエレベーターと無人ヘリ
管内(西予市)の水稲は、コシヒカリ等の極早生品種を主体に早期栽培が約6割を占め、県内の市町では西条市、松山市に次いで第3位の米の産出額を誇っています。

西予市は、大豆も市町別では県内有数の産地であり、さらに県内で数少ない小麦の生産地でもあります。

特に、周囲を400~800mの連山山脈に囲まれた山間盆地の宇和地区では、広い水田を生かした大規模水田農業が営まれ、県下有数の穀倉地帯として知られています。

直播栽培

管内では、約10ヘクタールで水稲の直播(湛水直播)栽培が行われています。

コーティングした種子を水田に直接播いて栽培する方法で、苗作りや田植作業を行わないため、大幅な省力化や生産コストの低減が期待できます。

その他、管内には、安全性や環境に配慮した米づくりとして、紙マルチ栽培、布マルチ栽培、合鴨(アイガモ)栽培などを実践しているグループがあります。

水稲の湛水直播作業の画像
水稲の湛水直播作業

大豆

西予市は、作付面積・産出額ともに県内有数の大豆生産地です。

特に、圃場整備の進んだ宇和地区においては集落ぐるみの生産組織や担い手農家に農地が集積され、大型機械を利用した効率的な大豆栽培が行われています。

また、自ら生産した大豆を豆腐に加工し、地元の直売所などで販売して好評を博している特定農業法人(地域の農地の受け手として位置づけられた農業生産法人)もあります。

大豆の中耕・培土作業の画像
大豆の中耕・培土作業

小麦

西予市は、県内で数少ない小麦の生産地でもあり、市町別の作付面積は県内第1位です。

小麦の栽培も、大豆と同様に生産組織を中心とした大型機械化体系が進められ、米・大豆にも利用可能な汎用コンバイン(普通型コンバイン)も導入されています。

汎用コンバインによる小麦の収穫作業の画像
汎用コンバインによる小麦の収穫作業

無人ヘリ防除

水田(水稲、小麦、大豆)の防除についても、無人ヘリによる共同防除を行っています。この無人ヘリなら、1ヘクタール当たり約20分で防除が可能です。

JAひがしうわでは、平成4年から農業用無人ヘリを導入し、利用組合を組織して水田防除作業の省力化を図っています。

無人ヘリによる大豆の防除作業の画像
無人ヘリによる大豆の防除作業

野菜

管内(西予市)では、中山間地域の立地条件を活かしながら、きゅうり、いちご、トマトを中心に、ほうれんそう、ピーマン、なす等、数多くの品目が栽培されています。

このうち、夏秋きゅうり、冬春きゅうり、夏秋ピーマンについては、国から「野菜指定産地」(指定野菜の安定供給を図る集団産地)の指定を受けています。

きゅうり

管内は、野村地区を中心に県下でも最大の夏秋きゅうり産地であり、主に京阪神方面へ出荷されています。

JAひがしうわは、平成19年にトラッキング(目視判定)とカメラ計測の総合判定が可能なきゅうり、なすの併用選果機を導入し、産地の強化を図っています。

露地で栽培される夏秋きゅうりの画像
露地で栽培される夏秋きゅうり

いちご

管内のいちご栽培は30年を超える歴史があり、宇和地区を中心に県下でも有数の産地となっています。

JAひがしうわいちご部会は、愛媛県農業試験場(現在の農林水産研究所)が育成した「あまおとめ」を他地域に先駆けて導入し、当地の主力品種としました。

平成18年にえひめ愛フード推進機構より「愛あるブランド」の認定を受け、愛媛のオリジナル品種として首都圏への売り込みに努力しています。

高設ベッドで栽培されている促成いちごの画像
高設ベッドで栽培されている促成いちご

トマト

城川地区を中心とするトマトは、標高300m以上の高い地域で大玉トマトが、標高の低い地域ではミニトマトが栽培されており、7月から11月にかけて阪神方面や松山へ出荷しています。

また、ケチャップ等のトマト加工品の製造、販売や、トマトをふんだんに使用した料理を提供する農家レストランを経営する企業組合もあります。

雨よけハウスで栽培されるトマトの画像
雨よけハウスで栽培されるトマト

果樹

管内(西予市)では、リアス式の沿岸地帯から標高千メートルを超える高冷地まで各地域の気象条件を生かした果樹の栽培が行われています。

沿岸部では温州みかん、伊予柑、ポンカン等の柑橘類、宇和盆地では昼夜の温度差を生かしたぶどう、中山間地の傾斜地ではゆず、くりの栽培が盛んです。

みかん

リアス式海岸が美しい沿岸部の明浜地区や三瓶地区では、温暖な気候を活かし、温州みかんをはじめとする多様な柑橘が栽培されています。

中でも、明浜地区ではJAひがしうわ(明浜共選)のポンカン、三瓶地区ではJAにしうわ三瓶柑橘共同選果部会のニューサマーオレンジ(日向夏)が特徴的です。

平成12年より光センサー選果機を導入し、温州みかんのマルチ栽培などによって高品質果実生産に取り組んでいます。

また、一部の園地では減農薬栽培も取り組まれており、環境に調和した農業が実践されています。

温州みかんのマルチ栽培の画像
温州みかんのマルチ栽培

くり

くりは、城川地区を中心とする山間地域の主要品目で、管内は県内有数のくり産地となっています。

JAひがしうわ城川農産センターでは、栽培管理の徹底された園地を毎年現地審査によって厳選し、「奥伊予特選栗」として出荷しています。

平成19年に「愛あるブランド」の認定を受け、多くは地元で加工されて和菓子等の高級食材として県内外へ販売されています。

特選くりの現地審査の画像
特選くりの現地審査

ゆず

四国山地に抱かれた山間地域では、かつての桑畑跡を利用し、鳥獣害の被害が少ない作物として、ゆずが栽培されています。

平成12年には、JAひがしうわが色や大きさを瞬時に見分けられるカラーグレーダー付選果機を導入し、全量出荷・共同選果が可能となって生産者個々の選別作業が無くなり、省力化が図られました。

ゆずの現地講習会の画像
ゆずの現地講習会

ぶどう

平均標高200m、周りを400~800mの山々に囲まれた宇和盆地(宇和地区)は、県下有数の穀倉地帯であると同時に、県下有数のぶどう産地でもあり、観光ぶどう園も盛んです。

管内のぶどう栽培は、昭和20年代前半のキャンベル、デラウエアに始まり、50年代後半からは消費の多様化に対応して巨峰、藤稔、ピオーネ等の大粒種が面積を拡大しています。

大粒の主流品種:ピオーネの画像
大粒の主流品種:ピオーネ

畜産

管内(西予市)の農業産出額は約170億円ですが、そのうち半分以上が畜産によるものです。

酪農

西予市の乳用牛の産出額は、県内市町の中でもダントツの1位で、県全体の約半分を占めています。

中でも、四国カルストの急峻な山々に囲まれた野村地区は、県下屈指の酪農地帯で、「ミルクとシルクの町」として知られています。

四国カルスト牧場大野ヶ原団地

西予市野村町の大野ヶ原牧場は、四国カルスト西部に位置する標高1,000~1,400mの高原で、乳牛が群れて草を食む風景はアルプスを連想させます。

乳牛が放牧されている大野ヶ原の画像
乳牛が放牧されている大野ヶ原

フリーストール牛舎

管内の一部の酪農家は、注目のフリーストール牛舎を導入しています。フリーストールとは、牛をつながずに自由に歩き回れるスペースを持った牛舎の形態で、多頭飼育に適しています。

搾乳は専用の施設(ミルキングパーラー)で行い、搾乳の時間になると牛が自分でミルキングパーラーに入ってきて、終わると自分で出ていくため、人の動きが少なく、搾乳の作業効率がよくなります。

ミルキングパーラー(搾乳施設)の画像
ミルキングパーラー(搾乳施設)

エコセンター(堆肥センター)

平成17年に整備された西予市野村町エコセンターでは、密封式の堆肥化処理装置によって、日量34tの家畜糞尿を処理し、年間5千tの発酵堆肥を製造しています。

稲発酵粗飼料(飼料稲)

管内では、圃場整備の進んだ大区画水田を利用し、水稲を家畜の飼料用として栽培する取り組みも始まっています。

飼料用に栽培された稲は、専用の機械でまるごと刈り取ってロールに成形し、ラッピングして発酵させ、粗飼料として利用します。(飼料稲ホールクロップサイレージ)

ロール成形された飼料稲の画像
ロール成形された飼料稲


AIが質問にお答えします<外部リンク>