本文
環境問題の変化
環境問題は、産業公害等を中心とする高度経済成長期までの環境問題から、地球温暖化や廃棄物問題等のように通常の事業活動や国民の日常生活に起因するものへと変化しています。
今日の環境問題の特徴
(1) 環境問題の多くが日常生活や通常の事業活動に起因し、不特定多数の者が原因者であり、被害者にもなっていることが一般化しています。
- 地球温暖化の主要な原因物質である二酸化炭素
- 交通等に起因する大気汚染問題
- 閉鎖性水域の水質汚濁・廃棄物問題
(2) 影響の発現やその影響が長期間にわたる問題、また、発生の仕組みや影響の科学的解明が十分でない問題が増えています。
- 地球環境問題や内分泌攪乱化学物質
(3) 人間活動の規模の拡大が人と環境との関係に大きな変化をもたらし、自然の物質循環や生態系に深刻な攪乱が引き起こされています。
- 森林、湿地、農村、都市等様々な生態系において、生息・生育地の縮小や分断化、また、それらの質の低下による野生生物種の個体群の絶滅の危機の進行
- 本来の分布域でない地域へ生物が導入されたことによる生態系等への影響(移入種問題)の顕在化
- 中山間地域等における野生鳥獣による農林業被害の発生
- 人間活動の都市への集中と都市域の拡大による不透水性域の拡大
- 都市内河川の排水路化、生活用水の利用や排出の増加
- 過疎化や高齢化等に伴う農地や森林の管理水準の低下等を生じ、それにより、水質、水量、水辺環境に係る問題が生じています。
- 地球温暖化問題やオゾン層の破壊問題に見られるような地球規模の広がりを持った環境問題の発生