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中川流域水害対策計画(素案)の概要
○作成目的
近年の気候変動の影響により水災害が激甚化・頻発化する中、浸水被害の防止・軽減を図るため、あらゆる関係者が協働して水災害対策に取組む「流域治水」の実効性を高め、水害に強い地域づくりの実践を図るために作成を行うもの。
○記載内容
目標となる対象降雨に対し、河道整備や下水道整備等の内水対策に加え、水田貯留、雨水貯留浸透施設の設置など、流域内で実施する対策を位置づける。
○第1章 中川特定都市河川流域の現状と課題(流域・河川)
- 中川水系中川は、愛媛県今治市東部を流れる2級河川です。
- 中川の河口部は市街化区域に指定され、桜井小学校等の学校施設やJR伊予桜井駅等の公共施設が立地しており、人口・資産が集積した都市域を流れる河川となっています。
延長
5.89km(中川2.06・猿子川3.83)
流域面積
7.32平方キロメートル
人口
流域内人口:約2800人、想定氾濫区域内人口:約2000人
流域土地利用
- 山地が流域全体の約6割を占める。
気象
- 当流域は、四季を通じて温暖少雨で、気候温和な瀬戸内式気候に属している。
- 気象庁今治観測所では、2020年の年間総降水量は1,489ミリメートル、平均気温は16.0℃である。
- 過去30年間の年降水量の平均は1,326ミリメートル、最多は2004年の1,803ミリメートル、最少は1994年の731ミリメートルである。
地形、地質
- 河口付近は工業地域または住居地域である。
- 下流域は扇状地性低地になっており、宅地、農地利用が多い。
- 中、上流域の沿川は扇状地性低地、山地部は小起伏・大起伏丘陵地、小起伏山地が拡がっている。丘陵地・山地は主に山林として利用されている。
産業
- 今治市の産業は、第1次産業6%、第2次産業32%、第3次産業61%となっており、第3次産業の比率が多い。流域内の農業は、稲作が主体である。
その他特記(流域状況等)
- 流域内では、地域森林計画対象民有林、保安林、鳥獣保護区の指定がなされている。
- 中川流域及び元瀬川流域の一部が瀬戸内海国立公園の自然公園地域に指定されており、また優れた自然景観を保持しているとして国が指定した特別地域に、猿子川流域の最上流付近(医王池と愛媛県天然記念物湿地植物、休暇村瀬戸内東予のレクリエーション施設等を含む)が指定されている。
- なお、支川猿子川の上流域の一部が西条市にかかる。
○第1章 中川特定都市河川流域の現状と課題(流域の市街化)
- 近年の土地利用状況(昭和56年から令和3年への変遷)は、水田及び畑地等の貯留機能をもつ地目が減少する一方、建物用地・道路等の割合が増加しており、流域内の都市化の進展が確認できます。
- 市街化が徐々に進み、保水力が低下し、雨水の流出が増大(浸水被害リスクが増大)
○第1章 中川特定都市河川流域の現状と課題(流域の地形特性)
- 河川の勾配は、概ね1000分の1程度と緩く、潮位の影響を受けやすい河川です。
- 潮位が高い条件で洪水が重なると、中流の低い地盤で水災害が極めて発生しやすい河川です。
- 出水時は、桜井河口排水ポンプ場を稼働させ、内水等を海へ排水しています。
○第1章 中川特定都市河川流域の現状と課題(主な洪水被害)
- 愛媛県が公表した水害リスクマップにおける過去の浸水範囲は、今治湯ノ浦インターチェンジから下流の低平地が広範囲に浸水しています。
- また近年では、平成29年9月17日(台風18号)において、浸水被害が確認されています。
○第1章 中川特定都市河川流域の現状と課題(河川整備の期間)
- 中川の河川整備計画は令和7年3月に策定されました。今後は随時必要な箇所を主軸に、下流から上流に向かって整備を進めていく必要があります。
- この流域水害対策計画の策定以降も、河川整備の完成には一定の期間を要します。(河川整備計画の期間:30年)
○第2章 特定都市河川流域における浸水被害対策の基本方針
- 河川整備計画に基づく河川改修と下水道の整備により、浸水被害の軽減を図ります。
- 流域全体では、田んぼダム・ため池等の有効活用、グラウンド貯留施設等の整備により、浸水被害の軽減を図ります。
- 流域治水の実効性を確保するため、それぞれの取り組みについて目標を設定しています。
○第3章 都市浸水想定
都市浸水想定とは
- 外水氾濫(洪水氾濫)に加え、内水氾濫による浸水区域を重ね合わせたもの。
都市浸水想定の段階的な比較
- 計画対象降雨による洪水の発生で、浸水が想定される区域と浸水深を以下に示します。
現況河道:床上浸水176戸、床下浸水237戸、合計浸水家屋413戸、浸水面積46ha、湛水位T.P2.89m
計画河道:床上浸水30戸、床下浸水184戸、合計浸水家屋214戸、浸水面積32ha、湛水位T.P2.51m
流域治水の計画目標:床上浸水0戸、床下浸水31戸、合計浸水家屋31戸、浸水面積19ha、湛水位T.P1.88m
○第4章 特定都市河川の整備に関する事項(中川水系河川整備計画より)
- 河川改修は、本川の中川のみを工事の対象とします。
整備区間(1):合流河道(河道拡幅・背割堤撤去)河口から約0.47kmまで
整備区間(2):合流点処理(河道拡幅・導流堤設置)河口から約0.47km~0.62kmまで
整備区間(3):中川単独河道(河道拡幅・築堤)河口から約0.62km~2.06kmまで
整備区間(1):川幅を拡幅する工事を行います。河道が全て完成したのちに、現況背割り堤を撤去します。
整備区間(2):猿子川の河道が、本川の中川にスムーズにとりつくように、中央に背割り堤を入れ、
川幅を広げつつ工事を行います。
整備区間(3):川幅を拡幅する工事を行います。
高さが足りない区間は盛土を行い、河川の水があふれにくい堤防を工事します。
また、計画規模以上の降雨があった場合でも、即座に壊れず、粘り強く抵抗する堤防を目指します。
○第5章~第8章 流域における対策
水田の有効活用(田んぼダム)
肱川流域の西予市・大洲市・内子町では“田んぼダム”が積極的に行われています。令和6年度までに約140haで実施
ため池の有効活用(低水位管理)
実際の田んぼダムの効果
- 流出量を調整するための器具を用いて、水田に雨水を自動で貯留します。
- 水田からの排水を遅らせることによって、一気に水路へ排水される水量が絞られます。
- 長時間かけてゆっくり排水することで、農業用排水路内の水位上昇が抑制され、農地や器具倉庫などの浸水リスクも低減されます。
- 実際に熊本県球磨川流域で発生した3日連続雨量641ミリメートルの豪雨でも「田んぼダム」の取組を実施していた水田の畦畔から溢水がなかったことが報告されています。(田んぼダムの手引きQ&Aより)
- 農林水産省が公表している基準(土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 計画「排水」)において、30cm の湛水は許容の範囲内とされており、「田んぼダム」の実施により、畦畔の範囲内(30cm 程度)で雨水を貯留しても、水稲の品質や収量には影響を与えないことが記載されています。
- これらを考慮しつつ、全国的な田んぼダムの取り組み事例に鑑みて、本計画上の田んぼダムの湛水深は、その半分の15cmとしています。
- もし、迅速な排水が必要な場合は、流量調整用の堰板を外せば、これまでと同様に速やかに排水されます。
- 愛媛県では、多面的機能支払交付金として、田んぼダムに関する補助制度があります。
○第9章 都市浸水想定の区域における土地の利用に関する事項
多段階の内外水リスクマップと防災まちづくり
- 内外水リスクマップとは、確率規模 (10分の1)を高頻度と設定し、段階的に想定最大規模(概ね1000分の1) まで外力を増加させた場合の都市浸水想定のアウトラインを色分け区分したものです。
- 内外水被害が頻繁に発生する地域においては、内外水リスクマップを用いて当該区域の居住者に災害リスクをわかりやすく提示し、リスクの低いところに誘導するための所要の措置を講じる等、都市計画やまちづくりに関する計画等も踏まえ、土地利用の方針について今後検討していきます。
- 想定する計画規模を超える豪雨が発生した場合には、猿子川上流域の農地にまで広範囲に浸水が及ぶことが想定されます。
- こうした被害を少しでも軽減するためには、河川整備だけではなく、農地をはじめ流域全体で洪水を受け止める「流域治水」の取組みがますます重要となります。
- 皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
第10章 貯留機能保全区域又は浸水被害防止区域の指定の方針
貯留機能保全区域の指定の方針
河川沿いの低地など、その土地が持つ貯留機能を将来にわたって保全していく区域として、土地所有者に同意の上で、指定を検討します。
遊水機能保全の必要性(イメージ)
遊水機能のある低地は、農地等で利用しながら保全し、その周辺に住居を構えて生活してきた。
遊水機能のある低地で盛土が行われると、周辺家屋に浸水被害が及ぶ恐れが高まる。
貯留機能保全区域に指定されることで、盛土等による浸水範囲の拡大が抑制され、その周辺の地域を浸水被害から守る。
貯留機能保全区域に指定された区域では
規制
- 指定された貯留機能保全区域内では、盛土等の貯留機能阻害行為を行おうとする場合は「届出」が必要
- 必要に応じて「助言又は勧告」を行うことができる (都谷川では大洲市長に権限を移譲)
支援策
- 貯留機能保全区域の指定を受けている土地に係る固定資産税等について、課税標準を市町村の条例で定める割合に軽減(令和7~9年度の特例措置)
○第11章 浸水被害が発生した場合の被害防止措置に関する事項
○第12章 その他浸水被害の防止を図るために必要な措置に関する事項
リスクコミュニケーションの充実
各種ハザードマップの作成やWeb防災マップの周知、小中学校への水防災教育の実施等、流域の様々な関係者に対してリスクコミュニケーションの充実を図ります。
洪水時及び発災時の情報収集・伝達
流域住民への情報提供に際しては、放送メディアやインターネット等の様々な媒体を活用し、映像や図等の多様な手法でAIも活用しつつ、分かりやすい防災情報の伝達に努めます。
大規模氾濫に関する減災対策
流域の関係機関が一体となって“減災”に向けた取り組みを実施する「今治土木事務所大規模氾濫に関する減災対策協議会」での取り組みについて、引き続きフォローアップを継続します。
お問い合わせ
愛媛県 土木部 河川港湾局 河川課 計画係
Tel:089-912-2674 Fax:089-948-1475









