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現在の試験研究課題
現在行っている試験研究課題
銘柄豚収益向上技術開発試験(令和5~7年度)
養豚の配合飼料価格は、世界的な穀物の需要増加や原油価格の高騰等により高止まりし、県内養豚農家は厳しい経営を迫られています。中でも、こだわりの肉質に仕上げる銘柄豚生産は、高価な専用飼料を給与して長期間肥育するため、その影響を強く受けています。これらの影響を改善するためには、生産コストの多くを占める飼料費の低減が大きな課題になっています。
そこで、飼料価格高騰対策として、安価な材料とアミノ酸比率法を用いた専用飼料の開発技術を検討し、飼料費の低減から県内の銘柄豚生産における収益向上を目指します。
とうもろこし有機肥料利用技術確立試験(令和5~7年度)
愛媛県でも近年普及しているとうもろこしの二期作栽培体系は、自給飼料の中でも高い栄養収量が確保されることから重要な栽培体系に位置付けられています。しかし、とうもろこし生産費の10%を占めるとされる化成肥料価格の高騰、近年の局地的大雨(ゲリラ豪雨)等の増加により湿害に弱いとうもろこしの収量が安定しないという課題が生じています。
そこで、本県のとうもろこし二期作栽培において、化成肥料の代替として、堆肥ペレット及びアミノ酸液肥を活用した施肥技術の開発に取り組みます。また、豪雨などの短期冠水による湿害の被害実態を解明するため、湿害環境における生産性調査を実施し、湿害の軽減技術を検討します。このことによって、生産費の低減及び安定的に多収可能な二期作とうもろこし栽培技術の確立を目指します。
乳牛行動情報指標化技術確立試験(令和6~8年度)
酪農経営は、年中無休の搾乳作業、牛の飼養管理や自給飼料栽培作業など他畜産と比べても労働時間が長く、労働時間の軽減を図っていくことが重要です。こうした中、酪農作業の省力化技術として、ICT(情報通信技術)を活用した乳牛の行動情報(活動・休息・反すう)の把握が進められ、繁殖成績の改善や病畜の摘発に有効とされています。
当センターでは、これらに加え分娩前の反すう行動量と分娩後の体調に注目し、得られた行動情報から健康維持の簡易化・高度化に取組みます。乳牛の行動情報から健康状況の判断を容易に行うための指標を作成するとともに、行動量を指標内に制御するための飼料給与手法も見出し、飼養管理に係る労働時間の削減を目指します。
和牛肥育発育性向上技術確立試験(令和7~9年度)
枝肉価格低迷や飼料など資材価格の高騰により厳しい状況が続く和牛肥育経営では、肥育期間の短縮による飼料費削減や出荷サイクルを早め生産性を向上する若齢肥育に注目するものの、一方で枝肉重量の低下等が懸念されています。
そこで、当センターのこれまでの試験結果から、哺育・育成期、肥育前期までの発育性を改善し、枝肉重量増加につなげる技術開発によって、若齢肥育における枝肉重量への不安を払拭し県内肥育農家の経営改善に寄与します。









