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試験研究報告18要約

ページID:0001304 更新日:2023年9月12日 印刷ページ表示

黒毛和種繁殖雌牛における血中脂質成分に関する調査

佐伯拡三、手島有平

黒毛和種繁殖雌牛における一般的な脂質成分について検討するため、県内の農家繋養の牛130頭を対象に調査を行った。検査項目は、コレステロ-ル濃度(T-Cho)、HDLコレステロ-ル濃度(HDL-C)、トリグリセライド濃度(TG)、アポリポ蛋白A-1(ApoA-1)、アポリポ蛋白B100(ApoB100)およびボディコンディション・スコア-(BCS)について行った。T-Cho、ApoB100およびBCSの平均値において、未経産牛と経産牛の間に有意(P<0.05)な差が認められた。T-ChoとHDL-C、ApoA-1およびApoB100の間に有意(P<0.01)な相関が認められた。しかし、T-ChoとApoB100との相関係数は0.2638と低く、T-ChoとApoB100は緩やかに連動していると考えられた。TGとT-Choにおける相関係数は0.1752と低かったが有意(P<0.05)な相関関係が認められた。BCSとT-ChoおよびTGには相関が認められなかったが、経産牛においてApoB100との間に相関関係(P<0.01)が認められた。

キ-ワ-ド:黒毛和種、コレステロ-ル濃度、トリグリセライド、アポリポ蛋白A-1、アポリポ蛋白B100

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黒毛和種繁殖雌牛における血清中アポリポ蛋白A-1およびB100濃度

佐伯拡三、手島有平

県内の農家で飼養されている黒毛和種繁殖雌牛のアポリポ蛋白A-1およびB100濃度について調査を行った。アポリポ蛋白A-1濃度は、未経産で2317.1±347.6μg/ml、経産牛で2315.7±498.4μg/mlであった。アポリポ蛋白B100濃度は未経産牛で556.7±152.8μg/ml、経産牛で476.9±146.2μg/mlであり、両者の値に有意な差(P<0.01)が認められた。産歴別のアポリポ蛋白A-1およびB100濃度において、産歴が高くなるのに従い低下する傾向が認められた。

キ-ワ-ド:黒毛和種、アポリポ蛋白A-1、アポリポ蛋白B100

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黒毛和種繁殖雌牛へのバイパス油脂給与が血中総コレステロ-ル、HDLコレステロ-ルおよびアポリポ蛋白A-1濃度に及ぼす影響

佐伯拡三、渡部正哉、木下政健

黒毛和種繁殖雌牛に対してバイパス油脂を90g(5頭)および150g(5頭)給与し、その後のコレステロ-ル(T-Cho)、HDLコレステロ-ル(HDL-C)およびアポリポ蛋白A-1(ApoA-1)濃度への影響について試験を行った。

90g給与区におけるT-Cho濃度は、給与前108.4mg/dlに対して給与2週後130.8mg/dl、6週後161.4mg/dlと有意(P<0.05)に高い値となった。150g給与区におけるT-Cho濃度は、給与前85.6mg/dlに対して給与2週後125.8mg/dl(P<0.05)、6週後153.8mg/dl(P<0.01)となり有意に高い値となった。90g給与におけるHDL-C濃度は、給与前72.8mg/dlに対して給与6週後94.0mg/dlと有意(P<0.05)に高い値となった。150g給与区におけるHDL-C濃度は、給与前60.8mg/dlに対し給与2週後67.2mg/dl(P<0.05)、6週後90.0mg/dl(P<0.01)と有意に高い値となった。ApoA-1濃度は、150g給与において6週後有意(P<0.05)に高い値となった。また、T-ChoとHDL-C、ApoA-1およびHDL-CとApoA-1において有意(P<0.01)な相関を示した。以上のことから、黒毛和種繁殖雌牛に対してバイパス油脂を給与することにより、T-Cho濃度を上昇させることが可能であり、HDL-CおよびApoA-1濃度もT-Choと相関を持って上昇することが認められた。

キ-ワ-ド:黒毛和種、バイパス油脂、コレステロ-ル、HDLコレステロ-ル、アポリポ蛋白A-1

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血清添加培地により短期培養した牛生体由来低ランク培養胚の凍結保存技術に関する検討

木下政健 渡部正哉 綱崎誠

本試験では、2種類の凍結方法(緩慢凍結法と超急速ガラス化法)により、血清添加培地で短期培養した牛生体由来低ランク培養胚を凍結保存し、融解後の生存性および受胎性について比較検討した。

融解直後の生存性検査においては、緩慢凍結区(以下Direct区)、超急速ガラス化保存区(以下OPS 区)ともに全ての供試胚の生存が確認された。しかし、融解後72時間培養の間に、脱出胚盤胞期胚へ発育した胚の割合は、Direct区16.7%、OPS区72.7%であり、OPS区が有意に高い成績であった(p<0.01)。さらに、移植後の受胎率においても、有意な差は認められなかったものの、OPS区がDirect区に比べて高い受胎率であった(Direct区;38.5%、OPS区;66.7%)。

以上のことから、血清添加培地により短期培養した低ランク培養胚は、超急速ガラス化保存法を用い凍結保存することにより、凍結融解後の生存性および移植後の受胎性が向上することが明らかとなった。

キーワード:緩慢凍結、超急速ガラス化保存、血清添加培地、低ランク培養胚、受胎性

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乳牛における蛋白質多給時での給餌回数の違いが乳中尿素態窒素濃度に及ぼす影響

家木一、佐伯拡三、戸田克史

高泌乳牛における乳中尿素態窒素(MUN)の低減を目的として、粗飼料を飽食給与下における分娩後30日前後の乳牛を用い、蛋白質多給時における給餌回数の違い(2回給餌と5回給餌)がMUN濃度に及ぼす影響について検討した。その結果、蛋白質の多給によりMUN濃度は増加したが(P<0.01)、2回給餌と5回給餌ではMUN濃度に差は認められなかった。また、ルーメン内容液のpHについても、2回給餌と5回給餌で差は認められず、pH6.5~7.0の範囲であった。以上のことから、粗飼料摂取量が確保されている状況下では、蛋白質多給時における給餌回数の違いはMUN濃度に影響しないことが判明した。

キーワード:乳牛、乳中尿素態窒素、給餌回数、蛋白質多給

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乳成分による泌乳牛の栄養診断(第1報)-栄養状態に基づく乳成分の基準値設定の試み-

家木一、佐伯拡三、戸田克史

乳中尿素態窒素(MUN)、乳脂率、および乳蛋白質率を指標とする泌乳牛の栄養診断の実用化を図るため、愛媛県内5戸の酪農家で飼養されているホルスタイン種搾乳牛延べ915頭について飼料給与状況と乳成分の調査をおこない、飼料の給与状況に基づいた基準値の設定を試みた。その結果、MUNの基準値は、全乳期;10.20~17.56mg/dl・泌乳前期;9.27~17.05mg/dl・泌乳中期;10.30~17.90mg/dl・泌乳後期;10.69~17.58mg/dlとなった。乳脂率の基準値は、全乳期;3.33~4.68%・前期;3.18~4.62%・中期;3.24~4.44%・後期;3.48~4.81%となった。乳蛋白質率の基準値は、全乳期;2.98~3.69%・前期;2.79~3.39%・中期;2.96~3.46%・後期;3.16~3.84%となった。

キーワード:泌乳牛、乳中尿素態窒素、乳脂肪、乳蛋白質

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乳成分による泌乳牛の栄養診断(第2報)-乳成分バランスと栄養状態との関係の検討-

家木一、佐伯拡三、戸田克史

乳蛋白質率を軸として乳中尿素態窒素(MUN)および乳脂率とのバランスの評価による栄養診断の有効性を検討するため、2農場の牛群データ(A農場延べ290頭、B農場延べ208頭)を用い、診断結果からの飼料給与における問題点の抽出を試みた。A農場では、全体的に低MUN・高乳脂率の傾向にあり、慢性的な低蛋白質供給による乳量の低下および低乳量に起因する濃厚飼料給与量の抑制と診断された。一方、B農場では、乳蛋白質率基準値内の時に高MUN・低乳脂率となる傾向にあり、エネルギー充足時における蛋白質含量の高い濃厚飼料の給与過多と診断された。これらの診断結果は、各農場における飼料の給与状況と合致していた。以上のことから、乳蛋白質率を軸とした乳成分バランスの相互評価は、栄養診断手法として有効であることが認められた。

キーワード:泌乳牛、乳成分バランス、栄養状態

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