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旧八木商店本店庭園が国の登録記念物(名勝地関係)に登録されました
令和7年9月18日付けで、今治市の「旧八木商店本店庭園」が国の登録記念物(名勝地関係)に登録されましたので、お知らせいたします。
旧八木商店本店庭園
旧八木商店本店庭園は、高縄半島北部の波止浜に位置する。波止浜は天和年間(1681~83)の塩田開発と塩の輸送等によって発展した地域で、八木商店も海運業等を手掛ける会社であった。
波止浜の商家に生まれた八木亀三郎(1863~1938)は、塩蔵鮭の輸入等で成功し、大正中期までに波止浜本町通りに面した土地に八木商店本店兼住宅を建築した。敷地内の店舗、座敷、住居棟、内蔵、離れの5棟は国の登録有形文化財(建造物)に登録されている。
庭園は舌状に突き出た山の裾部に造られており、山の斜面を取り込んでいる。店舗や住居棟などの縁先からは飛石がのび、自然石や切石を用いた園路へとつながっている。園路は庭園内をめぐりながら山へも通じ、また山上からは波止浜の町並みや海辺の景観を望むことができる。園内には巨石を用いた石食いのほか、井戸枠、蹲踞、石燈籠等が配され、マツ類、イブキ、カエデ類等の高木、ツツジ類等の低木が植えられている。
旧八木商店本店庭園は実業家によって整えられた近代庭園で、現在まで良好に保存されており、造園文化の発展に寄与した意義深い事例と言える。

旧八木商店本店庭園(株式会社藤高興産提供)









