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令和7年度7月知事定例記者会見(令和7年7月17日)の要旨について
日程:令和7年7月17日(木曜日)
時間:11時00分~11時08分
11時36分~12時07分
場所:知事会議室
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
それでは、時間になりましたので、記者会見を始めます。本日はまず知事から冒頭に発言があると聞いております。よろしくお願いいたします。
(知事)
まずですね、先日も発表させていただきましたけれども、今年に入って愛媛県内、全国でもワーストワンの交通死亡事故が発生しております。7日に交通死亡事故多発緊急事態宣言を発令いたしまして、そのうちすぐに関係者による会議を開き、県内への啓発、注意喚起運動の強化をスタートしました。昨日で10日が経過しましたけれども、本当に長期にわたって今年度死亡事故が続いているということで発令したものですが、期間中は関係機関の呼び掛け、行動、活動によりまして、一定の抑止効果がでています。ただ、残念ながら昨日、意識不明の重体事故が発生いたしました。
交通事故防止の流れを確かにするために緊急事態宣言を今後10日間延長させていただきたいと思います。関係者の皆さんにはご苦労をかけますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げますとともに県民の皆さん、本当に事故に遭った方、そして事故を起こした方、双方に本当に大変な状態を引き起こすことにつながりますので、くれぐれも注意を願いたいと思います。県民一人ひとりの安全運転と交通ルールの遵守が不可欠でありまして、引き続き県では交通安全啓発等を進めて、全力を尽くしていきたいと思います。どうぞ皆さん、マスコミの皆さんも注意喚起へのご協力をよろしくお願い申し上げます。
続きまして、これも前に一度お話させていただきました、熱中症対策でございます。平年よりも早く今年は梅雨明けをいたしました。そして7月に入りまして、最高気温35度以上の猛暑日が県内でも続いておりまして、熱中症警戒アラートの発令回数も昨年同時期よりも多くなっております。気象庁の発表によりますと、7月から9月にかけましての気温は、平年より高くなるという予想が出ております。改めて注意喚起をさせていただきます。
こちらのパネルは、本県の熱中症による救急搬送の状況を示したものでございまして、左側の棒グラフ、こちらの方ですね。こちらの棒グラフについては、5月1日から7月13日までの間の1週間ごとの県内の熱中症による救急搬送件数を示したものでございます。赤が今年の数字、青が昨年度の数字でございます。6月16日ぐらいから急増いたしておりまして、これはもうご案内のとおり去年よりもはるかに多い件数になっています。7月13日までの速報値の累計は延べ494名、昨年は372名でありましたから、1.3倍のペースで救急搬送が発生をしております。青のグラフを見ていただきたいのですが、今後の傾向、実は去年はこの後にさらに増えるという傾向が去年は示されました。気象庁の予報どおりでありますと、今後この赤のグラフはさらに伸びていく可能性が十分あると考えます。ぜひ気を付けていただきたいと思います。
特に8月中旬までが昨年は増加傾向にありましたので、このあたりですね。これから夏休みも入ってくると思いますので、対策さえしっかりすれば回避できる可能性も高いわけでございますので、くれぐれも気を付けてください。特に日中の屋外だけでなく、屋内でもこれだけ暑くなりますと気を付ける必要があります。室内ではエアコンを適切に使用して室内温度に注意をしていただくほか、こまめな水分補給、そして熱中症警戒アラート発表時には屋外の活動に十分気を付けて、場合によっては控えていただくということが大事だと思いますので、適切に予防行動を行っていただきたいと思います。
次に紫電改のクラウドファンディングの状況について報告をさせていただきます。7月1日から2週間ちょっと、16日が経過いたしましたクラウドファンディング。第1目標の1千万円、これは機体の補強工事に活用させていただく第1目標。これについては、3日で達成いたしました。1千万円でございます。そして本日17日の午前8時時点、これは移設用架台の設置、製作や機体を移動するための経費としてさらにプラス2800万円。最終ネクストゴールが3800万円に設定しておりますけれども、先ほどの1千万も含んでの話ですが、今日午前8時時点で、954名の方から、2272万円のご寄付をいただいております。全国から大勢の皆さんが、しっかりと残して欲しいという強いメッセージも届いておりますので、心から感謝を申し上げたいと思います。
特に応援いただいた方々からは、「紫電改実機の移設や展示館のリニューアルを応援したい」また紫電改を通じて平和を願う声、さらに心温まる思い出や再訪への思いなど、未来への継承や平和へのメッセージ、多く頂戴をしております。こちら全てクラファンのホームページでご覧いただけるようになっています。
また、紫電改ステッカーを返礼品とする5千円コースやオリジナルピンズ付きの1万円コースには、特に多くの寄付をいただいております。さらに、紫電改オリジナル模型付きの100万円コースにも、ご寄付をいただいた方、複数名おられるなど、幅広くご支援を賜っております。
クラウドファンディング、まだ60パーセントぐらいの達成率でございますけれども、9月5日まで続いていきます。移設作業の成功のため、また、紫電改を未来に伝え、戦争の記憶と恒久平和の大切さを後世へつなぐため、さらに引き続きのご支援をどうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
以上が私からの報告となります。
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
それでは、記者クラブからの代表質問に移ります。貴社クラブからの代表質問は1問です。松山空港の特定利用空港への追加についてお伺いします。
今月8日、国から松山空港を特定利用空港の対象候補として検討しているとの説明を受けたと県から発表がありました。国が空港を管理していますが、指定されれば愛媛では港湾も含め初めての事例となります。県としてメリットや懸念点など、受け止めについて伺います。その上で、今後のスタンスなどについて、知事の所感を伺います。よろしくお願いします。
(知事)
今月7月2日水曜日、国の方から、総合的な防衛体制の強化に向けて松山空港を特定利用空港の候補、今の段階候補でございます。候補として検討しているという説明がございました。
この特定利用空港とは、自衛隊や海上保安庁が平素から空港を円滑に利用できるよう、今までも1回1回連絡があって、訓練に活用していることはあります。それを円滑に利用できるようにする仕組みと聞いています。空港管理者との間で円滑な利用に関する枠組みを設けた空港のことで、松山空港で言えば、国土交通省と海上保安庁、防衛省の間で円滑な利用に関する枠組みが設けられることとなります。
この仕組み上ですね、県としては、枠組みの構築等に制度上、同意を求められる立場にはございません。ただ、懸念すべき点という意見については伝えるということは必要だと考えております。まずは、国の説明をお聞きしたところというのが現時点の受け止めでございます。
先日の説明では、国からは、特定利用空港に追加されることで、三つのお話がございました。一つ目は年に数回程度、輸送機による迅速な国民保護のための訓練等を実施しまして、空港利用の習熟等が図られること、二つ目は自衛隊や海上保安庁のニーズに基づき、空港等の公共インフラ整備や機能強化が図られる可能性があるということ、三つ目は空港に自衛隊の基地や駐屯地を設置するというものではない。そういう意味では攻撃目標とみなされる可能性が高まるものではないとの説明がありました。
これを踏まえ、県からは、特定利用空港への追加に当たり想定される懸念に関して、三つ申し入れをさせていただいています。まずは国において、県民の理解が得られるよう丁寧に説明を行っていただきたいという点、それから二つ目は、民間の利用を優先して県民生活に影響が出ないようにすること、そして三つ目は、県民や利用者の安全に万全を期して、もし、事故があった場合は、国が責任を持って対応すること、これを申し入れさせていただいたところでございます。
国の説明によりますと、円滑な利用に関する枠組みが構築されることにより、平素の自衛隊等による訓練の際、離着陸等の調整が円滑になり、災害時など、国民の生命・財産を守る上で緊急性が高い場合には、自衛隊や海上保安庁が柔軟かつ迅速に空港を利用できるとされています。
このことにより、自衛隊等が松山空港の特性に今まで以上に習熟をして、災害時の初動対応が迅速化すること等が期待できるのではないかと思います。県としては、引き続き今後の動向を注視することとしています。
また、国から連絡等があった場合には、速やかにお知らせすることとしており、県民の皆さんにおかれましても、こうしたトータルの話を全体で受け止めていただけたらというふうに思います。
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
ただ今の答弁に関して、質問のある社はお願いします。
(愛媛新聞社)
愛媛新聞と申します。
県としては同意を求められるような立場にはないということは前提にありながらなんですけれども、今回、国から検討していますということを伝えられたことに関して、知事としてこの件をポジティブに受け止めているのかその点はいかがでしょうか。
(知事)
そうですね。制度上は厳格に考えると、同意を求める必要性、そういう立場にないので、国の管理下でやっていますから、スパーンと出来ることは制度上はできるんだけれども、やっぱり誠意を示すということもあると思います。県に誤解もされたくない。だから事前に丁寧に説明をするというのは誠意ある姿勢ではないかなというふうには思います。
(愛媛新聞社)
ありがとうございます。
そのうえで国からの説明の2点目のところで、自衛隊や海保のニーズに基づいて、インフラの整備が進む可能性があるということなんですけれども、ここに対しての期待感というかどういった事業について進捗して欲しいだとかそのあたり今の時点でお考えというのはございますでしょうか。
(知事)
そうですね。何が具体的に制度上進められる事業にあたるのかというのが全然無いと思います。ただ、松山空港、今、いろいろな検討をしております。特に国際線ターミナルの第2段階の新設に向けた準備。これは管制塔の移設なんかも関係していきますし、いろいろな整備がこれから行われる予定になっています。それからもう一つは滑走路の500メートル部分の地盤の強化の問題もあります。それから周辺道路のアクセスの問題も、今、空港までの整備が進められていますし、こういう時期でありますのでそれに資するようなことがあればうれしいなというふうに思います。
(愛媛新聞社)
ありがとうございます。
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
各社さん、他によろしいでしょうか。
(愛媛新聞社)
愛媛新聞です。
すみません。基本的なことなんですけれども、そもそもなぜ松山空港を候補にあがっているのかというのは国のほうからなんという説明があったのでしょうか。
(知事)
説明の中で今の点について触れられた点は、自衛隊と海上保安庁が厳しい安全保障環境を踏まえた対応を実効的に行うため、これ全国的な問題だと思います。その中で、島しょ部が広い範囲にわたり存在する地域。それから部隊等の所在地の近接するところ。そういった要素が当てはまったのではないかというふうに聞いています。
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
他によろしいでしょうか。それでは代表質問以外で質問のある社はお願いします。
(南海放送)
すみません。南海放送です。
先般発生しました片側1車線の徳島道での死亡事故についてお伺いします。県内でも南予方面の高速道路は片側1車線のところが多く、渋滞、事故の懸念性、危険性も指摘されていると思います。国と自治体でできることも限りがあると思うんですけれども、今回の事故の受け止めと今後の4車線化も含めて、改めて知事の方針だとか、思いを伺いたいと思います。
(知事)
そうですね、事故については、県境を超えたところでの発生ということで、私のもとに詳細なまだ情報が入っているわけではないので、本当にお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、事故に巻き込まれた方々にお見舞いを申し上げさせていただくというふうなことが全てだと思っています。今後そういった事故原因の解明が進んでいくと思いますので、なぜ起こったのか、再発防止のためにはどうするのか、いろいろな議論が進んでいくものと思います。その中で、今お話があったように、高速道路の4車線化というのは、まだ全国ブロック単位で比較すると、社会資本整備がまだまだ遅れている四国エリア全体の課題として、4車線化の早期実現というのは、これまでも追い求めてきましたし、国も特にご案内のとおり南予への延伸については、着々と4車線化が進められていますので、さらにこれを決してスピードダウンしないようにですね、要望をするということが大事だなというふうに思っています。
(愛媛新聞社)
すみません、愛媛新聞です。先ほどの事故に関連してなんですけれども、徳島で起きた事故だと思うんですが、例えば愛媛県のバス会社さんだとか、トラックを運転している建設会社さんとかあると思うんですけれども、そういったところに改めて気を付けるように通知を出したりだとかというのは、これ県がやれるものなのか、国交省がやれるものなのか分からないんですけども、何らかの動きはあるのでしょうか。
(知事)
まず何よりもですね、業界団体が深刻に受け止めていると思いますから、ちょっと私、この時点で確認は取れていませんけれども、常識的に考えると、トラック協会であるとか、バス協会であるとか、そこはもう確実に速やかに動いているのではないかなと予想されます。おそらくこれ、事故原因とかの解明が進んでいくと、いろいろな問題、可能性があるのでコメントしようがないんですけれども、その状況によっては、国や県が指導とかそういった形で動くということはあると思います。
(NHK)
NHKです。主権者教育に関して質問します。先日報道しました、県選管がですね、実際の政党名を用いた模擬投票の実施について差し控えるように求めていたという報道をしました。専門家からは非常に抑制的な対応で若者の政治離れに加担しているようなものだという指摘も上がっておりますが、この件について、知事の受け止めをお伺いできますでしょうか。
(知事)
正直言ってですね、ご指摘のような発言がどんな場面でどのような文脈でどのような質問に対してなされたものかというのは、全然当事者ではないので分からないです。だから、迂闊(うかつ)なコメントをするわけにもいかないので、やっぱり模擬投票については、実際の政党名を用いることによる、おそらくメリット、デメリット、両方あると思います。それらを踏まえた上で県の選挙管理委員会が判断しているので、それを尊重したいというふうに思っています。はい。
(NHK)
県選管からはその公選法に触れるリスクがあるということで、差し控えるように求めているということだったんですけれども、他県の例を見ますと、神奈川県ですと全ての県立高校で10年以上前からこうした実際の選挙を使った模擬投票を実施しているというところもあって、愛媛の主権者教育、リスクというところを考えて実施していない、差し控えるようにというのは、対応として遅れていると言わざるを得ないのではというふうにも指摘されていますけれども、いかがでしょうか。
(知事)
そうですね。制度とか法律は解釈の世界になりますから、こちら側から見るのと逆側から見るのとで全然解釈の結論が違ってくるので、一概に進んでいる、遅れてるというものではないのかなと。どちらの解釈もあるのかなと思いますので、その点の判断を、先ほど申し上げましたようにどのような状況でどのような判断で選挙管理委員会がしたかというのは、詳細は分かりませんからその点についてはちょっとコメントのしようがないですね。はい。
(NHK)
さまざまな解釈がある中で、伺った話ですと、例えば学校現場でそういった模擬投票の実施を検討した学校が教育委員会、県選管に問い合わせて、(実際の政党名を用いた)実施を取り止めたというようなケースを伺っています。生徒の学びを深めるためにそういうことを検討した学校がある中で実際にブレーキがかかっている、教育現場を萎縮させていると、主権者教育の団体からもそういう萎縮につながっていて危機感を感じているというような話がありましたけれども、そういった教育現場のブレーキ、萎縮につながっているのではという指摘についてはいかがでしょうか。
(知事)
何かこう規制すると萎縮というのはちょっと飛びすぎてるかなというのは個人的には思いますね。いろいろな判断がありますから先ほど申し上げたように。県選管ちょっと僕もこれ分かりません、どういう判断をしたのかというのは。その中で公職選挙法にひょっとしたら抵触するというところをどこかからアドバイスを受けたのかもしれないし。だとするならば、そこに巻き込まれないようにするという、どこかの事例で、他がやってたとしてもですね、専門家の方ではこれグレーゾーンだねと言われたらどっちをしようかという判断はそれぞれがしていくものだと思いますから。イコール萎縮というものではないような気がしますけどね。
(NHK)
実際の回答とかご覧になられてないっていう中で質問を続けて恐縮なんですけれども、今後その県選管の対応っていうのは今後も引き続き変わらない、引き続き差し控えるようにというものになるんでしょうか。
(知事)
分からないです。私、選挙管理委員会のことに、こうだ、ああだと言うと、これまた大問題になりますので、そこはちょっと差し控えさせていただきます。
(NHK)
同様に教育委員会からも同じような求めが出ていますけれども、そちらについてはいかがでしょうか。
(知事)
教育委員会についても、実はこれすごく難しいテーマで、かつては教育委員会に対して、知事が、あるいは首長、市長、町長が何らかの政策的な発言をするとそれで、それだけでも抵触した、法律に抵触していたんですね。何の権限があったかというと、教育行政に関しては教育委員会が全ての責任を持ち、そこで練られた政策について、予算の審議をする権限だけしか認められてなかったんですよ。今、制度がこれおかしいのではないかという声を上げ続けてようやく制度が変わって、年に1、2回、教育委員会と首長が政策について話し合う機会を設けるというところまでは来ているのですが、その一つ一つに私が茶々を入れるというか、これは良くないあれは良くないというふうなことは制度上もちょっと問題があるので、ここは教育委員会の判断を尊重したいと思っています。
(NHK)
現状、団体とか専門家から愛媛の主権者教育の現状、危機感を感じている、政治離れに加担しているという指摘がされていることについてはいかがでしょうか。
(知事)
何人の方がそういう意見を持たれているのか、おそらくそうではないという方の意見もあると思います。これグレーゾーンの話、解釈の問題ですから。だから、両方の意見を並立してみんなで議論していったらいいのではないでしょうか。
(NHK)
現状若い世代の投票率、愛媛県内全国平均を下回っている現状がありますけれども、そうした若い世代の投票率の向上というところ、今後の向上についてどのように考えられてますでしょうか。
(知事)
そうですね、やっぱり、別に政党名を使ったから投票率が上がるというものではないと思います。そうではなくて、やっぱりわれわれ政治に携わる者がしっかりとした政策の提示を地道に行う。そして公約を軽んじることなく、かつてはですね、日本の公約というのは口約束の公約だと、そもそもこの国自体に、何て言うのかな、選挙時に公約を比較する、チェックする、こうした機能はあるんですよね。
でも、その公約がどうなったかという、後のチェックする機能はほとんどないんですよ。
政治に携わる人間はそれを逆手にとって、公約なんかどうせチェックされないから、選挙のときに耳触りのいいことを言いまくればいいという、これが広範に広がっている状況が続いてます。
だからこそ、あの公約に期待して投票したのに実現しなかったということで、政治不信、政治の信頼が失われる、こうしたことにつながっているので、遠回りのようではあるんだけれども、やっぱり大事なことは、具体的な政策を公約としてわれわれ政治に携わる者がしっかりと唱えて、そしてそれは、もしその機会を与えていただいた場合には、しっかりとそれを実現していくことに徹底的にこだわる。その姿勢を地道に積み重ねていく以外に、政治の信頼を回復する道はないのではないかなと個人的には思っていますので、それは個人の意見ですから、自分が1人やったからといってどうなるものではないかもしれないけれども、そういう政治家が増えてくれば、投票率は自然に上がっていくのではないかなというふうに思っています。
(NHK)
そうした具体的な政治の情報であるとか町の課題っていうところに触れるからこそ、若者の政治への関心が高まるという意見がありますけれども、今現状架空のものであったり、別の投票やってる中で現実に即した政治を用いた投票することに意義があるのではと思うんですけれどもいかがでしょうか。
(知事)
ちょっと意味がよく分からないんですけれど。
(NHK)
実際の政治を用いた模擬投票をすることによって、現実の今の課題であるとかというところに若者が触れることで、政治への関心、投票への関心が高まるのではという話もありますけれども。
(知事)
そうですね。これはもう極端な話ですけれども、その模擬投票に関わる関係者が、ある政党の熱心な支援者だった場合のリスクというのは当然出てくるんですよね。模擬投票を通じて投票の誘導が行われる可能性もある。こういったこともリスクとして考えておく必要があるので、そこは一概にどっちがいいというのは僕には判断できないですね。
(NHK)
そうしたリスクっていうのも踏まえた上で、国がまとめた副教材ですと、このようにすれば実施ができるっていうふうに示されていますとか、神奈川県だとそういうリスクを踏まえた上で10年以上前からそういった取り組みを進めておりますが、それについてはいかがでしょうか。
(知事)
分かりません。それぞれの県の考え方は。
(愛媛新聞社)
すいません。関連してなんですけれども、公約の実現等々で政治への期待を取り戻す、これで政治不信を払拭する、これは分かるんですけれども、そもそも主権者教育を拡大しようとすると、知事はどうすればいいというふうに思われますか。今リスクがいろいろあるっていう話があると思うんですけれども、制度上の問題なのか、どうすれば若者が政治に関心を持ってくれるのかってそもそもの主権者教育をどう進めていかれる方がいいのでしょうかというのを教えていただいたら。
(知事)
分からないですね。本当に参加を促しやすい道筋をつけると、そこにはやっぱりリスクも発生してくるのは間違いないと思います。例えば、僕も悩んだことがあるんですけれどこれどう考えたらいいのかなと。高校生の政治活動への参加というのは、主権者教育につながりそうなふうに見えることもある。でも、そこにはやっぱり僕もこの世界で生きていますから悪しき考えの方もいっぱいいらっしゃるんですね。例えば、高校生のクラブ活動に目をつけて、飯を食わして不在者投票で集団投票させようとか、実際にあるんです。そうなった場合、現実にそれが行われてしまったらどうなるかといったら、これに参画した子どもたちは公職選挙法違反で、罪を償うことになるんですね。
われわれ政治をやっている側もなんていうんですかね。性善説では語れないと思っています。だから、その辺の設置点というのが本当にいろいろなことをやっていくときに難しいなと思うんだけれども、主権者教育ということに関して言えば、例えば、そうだな、どうすればいいんだろうね。学校でできることも限られているし。それでもう一つは、政治的な中立性・公平性という問題も出てくるので、さっき言ったように担当者がある熱心な支持者だった場合、間違った方向へ行く可能性も十分あるので、自分にもその回答は見えないし、自分の立場としてはもう真摯に公約にこだわって実現をしていくということをやり続けるしかないというのが正直言って自分の立場です。
(愛媛新聞社)
続けてよいですか。選挙の関連なんですけれども。参院選の争点で外国人への規制であるだとかっていう、この外国人政策が争点として浮上してきてると思うんですけれども、愛媛県としては外国人材の受け入れとか定着の支援窓口を今月開設したりだとかですね、知事もその人口減少対策の一つの柱として外国人材の活用というのを言ってると思うんですけれども、この今の参院選の議論の中でのその外国人との共生であるだとか、そういった点についてどのように知事考えてらっしゃるのか改めて教えてください。
(知事)
そうですねこれ、途中から、ワーッと出てきたような感じがしているんですけれども、まずその前に言うとですね、何となく今回各党の主張、これ切り取りでそうなっているのかもしれないけれど、届いてくる話はこの党に入れたら給付金がいくらだとか、この党の主張は食料品や非課税だとか、なんかバラマキ政策合戦みたいなメッセージがすごく強くなっていて、本当はそうではないのではないかなと。もっと大事な、今の国際情勢に対してどう日本の国として外交政策、安全保障政策を打ち出すのか、あるいは米政策でも明日の米が3千円とかそんな話ではなくて、農政全般にどうあるべきなのか。あるいは前々から言っているように、少子高齢化、人口減少に伴ってピラミッド型社会から逆ピラミッド社会になった日本において、今の社会保障なんか成り立つはずがない。それを国民の痛みも含めてどうビジョンを出すのかと、本来大事なこと山ほどあると思うんだけれど、全然聞こえてこないんですよ。それは多分、公約の中にあるとは思うんですけれど、メッセージとしては全然、今聞こえてこないので、そこは心配しています。だから、こういったこともやっぱり投票率が下がっていく原因になっているのかなというふうにも感じます。
そういう中で出てきたこの外国人の問題なんですけれども、県の立場からすれば、人口減少、もう本当に深刻です。前々から申し上げているように出生率をどう上げるか。流出人口をどう食い止めるか、流入人口をどう増加させるか、そして4本目の柱として外国人材の確保と明確に位置づけておりますので、ここ数年の流れからいっても、今現在、愛媛県内に1万8千人ぐらいの方が定住されておりますけれども、全国で見ると、昨年末で377万人、増加傾向にあります。このうち約6割が外国人労働者ということで、もうこの人口減少過程に入った我が国においては、こうした力、外国人の労働力というのはもう欠かせない存在になってきていると思います。ただ、公示後、この点についての報道だけを見ていると、受け入れの是非そのものが大きく議論されて、外国人による犯罪増加、こういったものももちろん対策が必要なんですが、どちらかというと負の側面の議論が先行しているのかなと両方必要だと思うんですけれども、ちょっとそこは懸念をしています。
特に愛媛県の場合は、先ほど全国では、外国人、在留外国人のうち外国人労働者6割と言いましたけれども、愛媛県は8割なんですね。非常に大きな力になっていますし、企業もそのために今回、来月からインドからも来ますけれども、そういったきちんとしたルートで外国人に来ていただくというところに県も力を入れているところです。もっと何て言うのかな、議論すべきは例えば北海道等で大問題になっている外国人による土地の買収のあり方、今これを措置する制度は何もありません。それが投資を呼び込むという側面もあるんだけれども、あそこまで1地域そのものが、購入されてしまって、街が様変わりしていくというのが本当にいいのかどうかという議論も必要だと思いますし、そのためには不動産に関連する法律の改正の議論を国会で行うべきだと思いますし、こうした点もどんどん議論されたらいいのではないかなというふうに思っています。だから負の側面だけではなくて、トータルの議論が大いに進むことを期待しています。
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
その他、ございませんでしょうか。
(時事通信社)
時事通信です。最低賃金について、お尋ねいたします。この夏も国の方で最低賃金を議論する審議会が始まったかと思います。先立って、国の骨太の方針の中では、目安以上の賃上げをした都道府県に対しては、交付金を交付する方針が明記されていたかと思いますけども、この方針について知事いかが思われますか。
(知事)
そうですね、何か国の方では交付金制度を創設するやの話が来ていますけれども、全く詳細分かりません。だからこの段階で、制度そのものの活用の仕方、方向性が見えてないので、何とも言いようがないです。ただ、願わくばその趣旨の目的を達成するために、使い勝手の良い制度になることを願っています。愛媛県の場合、ご案内のとおり昨年は、59円の引き上げが行われましたけれども、これ目安と比較すると9円上乗せになっていますので、去年はもう上乗せの状況でございました。
今後、目安はこれから示されていきますので、その動向、それから地方最低賃金審議会の審議もありますので、それをしっかり注視して、また国の制度がどういうものになるのかというのも大事な視点なので、そこの動きを注視していきたいと思っています。
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
その他ございませんでしょうか。それではこれで会見を終わります。
(知事)
はい、どうもありがとうございました。
※議事録については、読みやすさや分かりやすさを考慮し、発言の趣旨等を損なわない程度に整理しております。