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かんきつ類Q&A(種類・名称編)
A-01 温州みかんの種類について教えて下さい。
農林水産省の統計によれば、温州みかんの種類は収穫時期の早い順に「ハウスみかん」、「極早生みかん(ごくわせみかん)」、「早生温州(わせうんしゅう)」、「普通温州」の4つに大別されています。
また、広義の意味で使用される上記「普通温州」は、温州みかん関係者の間では収穫時期の早い順に「中生温州(なかてうんしゅう)」、狭義の「普通温州」、「晩生温州(おくてうんしゅう)」の3つに細分されますので、温州みかんの種類は最大で6つという見方もできます。各種類の収穫時期は地域によって異なり、統一的な決まりはありません。
温州みかんの品種について
温州みかんには数多くの品種が存在し、ハウスみかんを除く5種類について次のとおり品種が分類されています。
通常のみかんを施設内で加温栽培したものがハウスみかんとなりますが、品種は「極早生みかん」や「早生温州」に分類されるものが用いられます。
温州みかんは同一種類の品種間で食味にほとんど違いがないことから、販売時に品種名で表記されるりんごとは異なり、種類名(極早生みかん、早生みかん)や“○○みかん(○○は県名や産地名など)”と表記されることが多いようです。
種類 |
品種名 |
---|---|
極早生みかん |
日南1号、上野早生、はつひめ |
早生温州 |
宮川早生、興津早生、田口早生 |
中生温州 |
南柑20号、愛媛中生、石地 |
普通温州※狭義 |
南柑4号、大津4号、ひめのか |
晩生温州 |
ほとんどなし(静岡県の青島温州や寿太郎温州など) |
A-02 かんきつ類の名称について教えて下さい。
かんきつ類の中には、品種固有の名称である“品種名”で呼ばれているものと、差別化や認知度向上のためにつけられた“商品名”で呼ばれているものがあります。
具体的な例を挙げると、品種名で呼ばれているものには「八朔」、「はるみ」、「せとか」など、商品名で呼ばれているものには「デコポン」(品種名は不知火)、「紅まどんな」(品種名は愛媛果試第28号)、「日の丸みかん」(愛媛県西宇和農協日の丸共選管内で生産・選果された温州みかんで、品種名は宮川早生、南柑20号など)などがあります。
愛媛県で栽培されている主要なかんきつ類の名称については、かんきつ類の紹介のコーナーにある情報シートの中でも解説していますので参考にして下さい。
A-03 よく似た名称のかんきつ類について教えて下さい。
かんきつ類のよく似た名称のパターンとして、名称に『ひめ』がつくものと、名称が『似た音の読み3文字』のものがあります。
名称に『ひめ』がつくものには「はれひめ」、「まりひめ」、「はつひめ」、「ひめのか」、「ひめのつき」、「ひめあかり」、「媛小春」(以上は品種名)、「媛小つぶ」、「媛美月」、「媛匠」、「濱ノ姫」(以上は愛媛県西宇和農協の温州みかんの商品名)、「しまひめ」(愛媛県上島町産たまみの商品名)などが、名称が『似た音の読み3文字』のものには「あまか」、「せとか」、「はやか(早香)」、「はるか」、「きよみ(清見)」、「せとみ」、「たまみ」、「なつみ(南津海)」、「はるみ」などがあります。
様々なかんきつ類の食べ比べについて
毎年1月下旬の土日に愛媛県松山市内で開催されるえひめみかん祭り(主催は、愛媛県、JA全農えひめほか)は、この時期に愛媛県内で収穫されるかんきつ類が勢揃いする即売イベントです。
また、2月から3月は多くの品種が収穫期を迎え、愛媛県内の産地にある農産物直売所には様々なかんきつ類が所狭しと並びます。
イベントや直売所ならではの希少な品種もありますので、愛媛県にお越しの際は是非お立ち寄りください。
A-04 たくさんの名称を持つかんきつ類について教えて下さい。
かんきつ類はそれぞれ1つの品種名を持っていますが、なかには品種名のほかに複数の商品名を持つものがあります。
例えば、宮崎県が主産地の「日向夏」(品種名)は、愛媛県や静岡県では「ニューサマーオレンジ」、高知県では「小夏」と呼ばれており、また、愛媛県が主産地の「河内晩柑」(品種名)は県内の産地によって「美生柑」、「愛南ゴールド」、「宇和ゴールド」、「ナダオレンジ」などと呼ばれています。