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令和7年度6月補正予算案等に関する記者発表の要旨について
日時:令和7年6月6日(金曜日)11時00分~11時分
場所:知事会議室
- 令和7年度6月補正予算(案)の概要 [PDFファイル/1.86MB]
- 令和7年度6月補正予算(案)個別事業説明書【PR版】
- 令和7年度6月補正予算(案)の部局別事業一覧 [PDFファイル/3.44MB]
- 令和7年度会計別予算の規模・6月補正予算款別一覧表 [PDFファイル/106KB]
(読売新聞社(幹事社))
それでは時間になりましたので始めます。本日は県から記者発表事項が2件あると聞いています。まず、令和7年度6月補正予算案等についてです。会見終了後、記者室で担当課によるレクがありますので、詳細な質問はそちらでお願いします。それでは知事お願いします。
(知事)
はい。6月定例県議会がまもなく始まりますが、そこで提案予定の補正予算案等について発表させていただきたいと思います。お手元の横長資料の1ページを最初にご覧いただきたいと思います。
今回の補正予算は、まず1の防災・減災対策等の推進として、今年3月に今治市で発生した林野火災への対応について、荒廃した山地の土砂流出等の二次災害防止を一刻も早く図っていくため、早期に対応が必要な事業を5月に上京しまして直接副大臣に要請をさせていただきました。そして、国も速やかに対応いただいたところでございます。谷止工は対象となる場所が6箇所ございますけれども、まずは森林所有者からの同意を得られた3箇所について、砂防堰堤(えんてい)は要請どおり4箇所の事業採択をいただきましたので、整備に早速着手をしたいと思います。また、土木施設の整備など、大規模災害に備えた防災・減災対策を着実に進めていきたいというふうに思います。その後も順次やっていきたいと思います。
次に、2の地域経済の活性化でございます。3月に上海を訪問し、航空会社と直接交渉をさせていただきました。その結果、7月の再開が決定したところでございます。松山-上海線の利用促進等を通じて海外との交流人口の拡大に取り組むとともに、産業人材の育成・確保を図るほか、農業現場の生産性向上や漁港を核とした漁村地域の活性化に向けた取り組みを支援するなど、地域産業の振興を推進したいと思います。
そして、三つ目でございますが、これも随時、記者会見でお知らせしてきましたが、地元との協議を水面下で行ってきた県立今治病院の移転・新築について、その交渉で地元ともいろいろな話し合いを進めてきましたが、合意事項が得られましたので、整備を進めていくことを決断したほか、新興感染症に対する備えを強化するなど、医療提供体制の整備に加え、子どもの学びの機会の確保等、重要課題にも的確に対応したいと思います。
2ページをご覧いただきたいと思います。
主要事業の説明をさせていただきます。
まず、防災・減災対策等の推進でございますが、今治市林野火災への対応でございます。火災により荒廃した山地について、今後の降雨による土砂流出等の二次災害を未然に防止するため、谷止工や山腹緑化工等を実施するとともに、土砂や灰が堆積をしておりますことから、出水により下流に土砂災害を及ぼすおそれのある渓流について、砂防堰堤(えんてい)等を整備したいと思います。また、被災者のニーズに対応し、応急仮設住宅の借り上げを行うとともに、地元の負担を減らすために、避難指示期間中に災害救助法を適用させていただきました。これに基づいて、今治市および西条市が実施した避難所の設置等の応急救助に要した経費を法に基づいて県の方で負担をしたいと思います。
続いて、3ページをご覧いただきたいと思ます。土木施設等の防災・減災対策でございます。国の内示を受け、道路や河川、そして砂防施設、港湾、海岸および街路等の整備のほか、森林整備や漁港の機能強化を着実に推進したいと思います。
続いて、4ページをご覧いただきたいと思います。地域経済の活性化でございますが、まず、海外との交流人口の拡大として、来月3日から週2便で運行が再開されます松山-上海線について、インバウンド・アウトバウンド双方での利用促進策を展開し、今後の安定運行につなげていきたいと思います。
また、正式に開催が決定いたしました自転車国際会議、日本初開催となりますVelo-cityについては、会議開催を契機に、これまで進めてきた自転車施策を国内外に発信し、国際的な認知度を一層高めるため、開催準備を加速したいと思います。また、来週、正式に開催決定していただきましたことを受けて、今年度ポーランドで開催される今年のVelo-cityに県議会議長とともに出席をさせていただき、欧州サイクリスト連盟、また先催都市の幹部などと意見交換を行うとともに、積極的に本県の開催をお礼と同時にPRする予定としております。
次に、地域産業の振興として、結婚や出産等のライフイベントを機に離職した女性の再就職を後押しし、産業人材の育成・確保を図るとともに、農業現場の労働力不足に対応し、スマート農業機械のレンタルなど農作業をサポートするサービス事業者の育成や、これら事業者による機械等の導入を支援するほか、海や漁村の地域資源を活用して地域のにぎわいと所得や雇用を生み出す海業(うみぎょう)の事業化を側面支援したいと思います。
なお、今回の予算事業には入っておりませんが、囲みで示しているとおり、米国トランプ政権の関税措置への対応として、県では既に金融特別相談窓口を設置しておりますが、それとともに、経済団体や農林水産団体、金融機関、県内大学等と連携して調査検討対策チームを立ち上げて、影響の分析やサプライチェーン全体の動向把握に努めているところでございます。今のところでは、まだ相談件数は少ない状況ですが、県内の影響は限定的ではないかと分析はしているものの、今後を予想することは、トランプ政権の各施策の打ち出し状況を考えますと、予想は困難という状況だと思います。引き続き、注視しながら必要な情報を収集・提供していくことで県内事業者の経営を下支えしていきたいと思います。
また、先日閣議決定されました物価高騰対策を実施するための重点支援地方交付金について内示がありましたので、活用方策を早期に検討してまいりたいと思います。
次に、5ページをご覧いただきたいと思います。
重要課題への対応ですが、まず医療提供体制の整備でございます。県立今治病院の移転新築につきましては、患者数や病床数など最新のデータを踏まえて、地元医師会や関係自治体と新今治病院の役割や規模等に関して協議を重ねてまいりました。圏域の医療関係者等の同意をいただいた上で老朽化対策基本計画を改訂するとともに、今治市医師会や今治市との協議の過程において、整備内容の一部見直しや看護師確保策、地域の医療機関との役割分担の明確化、連携の強化策などについて方針を共有したところでございます。具体的には、当初、病床数240床で計画しておりましたが、25床を削減して215床にすることなどによる整備費の圧縮、それに加えまして、看護師確保や交付税措置の高い起債の活用など、将来にわたる経営の安定化策により、新病院整備が県立病院経営全般に与える影響を一定程度抑えられる目途が立ったと感じております。また、圏域の医療を確保する体制については、地元が一丸となって取り組んで協力していただけるという姿勢を確認させていただきました。これらの状況を踏まえまして、今治圏域の医療を守るため、公約に掲げておりました新今治病院の1日も早い開院に向けまして、今回の補正予算案に初めて計上したものでございます。
整備事業費は、デザインビルド方式を採用しまして、設計、工事を一体で発注することから、債務負担行為限度額、事業費トータルですけれども、218億3572万円を設定するとともに、事業者からの提案募集、事業者選定を円滑に行うため、専門の知識を有するアドバイザーに委託する経費等を計上しております。
このほか、医療需要の変化に対応して病床数の適正化に取り組む医療機関を支援するとともに、物価高騰の影響を緩和するため、国庫補助を受けて新興感染症対策に必要な施設整備を行っている医療機関に対し、建築資材価格高騰分の給付金を支給したいと思います。
続いて、6ページをご覧いただきたいと思います。
地域の周産期医療体制等の維持に向けまして、分娩取扱件数が減少している医療機関等の運営経費を給付するとともに、診療継続に必要な設備の整備を支援するほか、今後の新感染症の発生に備えまして、病床確保など医療措置に関する協定を県と締結した医療機関が行う感染症対応力の強化に資する施設や設備の整備を支援したいと思います。
次に、子どもの学びの機会の確保として高校等の授業料に充てるために支給している就学支援金について、国が収入要件を撤廃することになったことや、低所得者等に対し授業料以外の教育費として支給している奨学給付金については、国が国公立高校に在籍する第1子の単価を引き上げましたので、これに対して所要の経費を増額したいと思います。
最後に、7ページですけれども、これらの事業に要する経費を計上した結果、今回の補正予算の総額は、一般会計で118億5380万円、特別会計で1845万円、企業会計で865万円となっています。
このほか、条例等の議案については、法令の改正に伴う条例改正などを6月議会に提案する予定でございます。以上です。
(読売新聞社(幹事社))
ただ今の発表事項に関しまして質問のある社はお願いします。
(読売新聞社)
幹事社の読売新聞と言います。
防災・減災対策でお伺いしたいんですけれども、今治市林野火災の対応にですね、谷止工だったり、砂防堰堤(えんてい)の整備っていうことなんですけれども、着工や完成までのスケジュール感っていうのが分かってたら教えていただきたいんですけれども。
(知事)
今ちょっと現場の方から話してもらいますけれども、本当は全て一気にやりたいんですけれど、土地の所有者との同意をする時間が必要なので、もうともかくできたところからどんどんやっていくと。次から次へとそれが同意が取れたところは速やかにやっていくというようなことを基本に進んでいきたいと思っています。では、スケジュール。
(農林水産部長)
基本的に、今回予算上げたものに関しては、今年度着工ができるような形ということで進めるようにしております。先ほど知事から説明がありましたとおり、残りの部分に関しましては同意が取れ次第着工するという手続きなので、基本的にはもう年度内、もしくはもう少しかかるかもしれませんけれど、急いでやるという期間で工事の方を進めてまいりたいと思っております。
(読売新聞社)
ありがとうございます。
(愛媛新聞社)
すみません、愛媛新聞です。
少し細かいところなんですが、今の林野火災に関連して、山腹の緑化工、治山事業の方なんですけれども、これは最終的に焼損したところが、どの程度緑化されるというか、治山の対応されるというふうに考えたらよろしいんでしょうか。
(農林水産部長)
そこのあたり、また改めて詳しく別途説明をさせていただければと思います。
※会見当日(6日)に以下のとおり記者クラブに回答
〇山腹緑化工で、焼損したところが、どの程度緑化されるのかについて
今回の6月補正予算では、森林所有者から同意が得られた谷止工3箇所の上流域において、山腹緑化工を計画している。
なお、山腹緑化工とは、焼損した斜面の植生を回復させるための工法である。
(愛媛新聞社)
はい。
(NHK)
NHKと申します。
同じく今治の林野火災なんですけれども、まもなく出水期、本格的な大雨のシーズンというところで、地元の方々の不安もあるかと思います。今回の事業のもの、ハード整備なので、すぐすぐどうこうってのは難しい面もあると思うんですけども、今回のこの事業も含めて、どういうふうに住民の不安解消に努めていかれるかって、改めてお気持ちを伺えますでしょうか。
(知事)
はい。お話のあったとおり、最速のスピード感で進めてまいりますけれども、ハード整備でございますので、今日明日できるものではございません。そのあたりの状況をスケジュールを示すことによって注意の意識も変わってくると思いますので、今治市、西条市等々にもしっかりとしたこの工事のスケジュール状況というのをお知らせして、そしてそれぞれの市から住民の皆さんに、特に今年の出水期は工事間に合うことはないですから、特に今年は注意喚起をしっかりとやっていただくということで対応していきたいというふうに思います。
(愛媛新聞社)
すみません、愛媛新聞です。
別件なんですけれども、県立今治病院の整備事業費で債務負担行為を218億3572万円、総事業費というふうに設定されてると思うんですけれども、この昨今の物価高騰とかで当然増えてくる可能性あると思うんですけど、このあたりをどう見てるのかというのが1点と、やはり赤字経営も続いてる中で、伸びた時に例えば事業自体を1回見直したりするっていうのは可能性としてあるのでしょうか。
(知事)
この公立病院、これ一般の病院もそうなんですけれども、今回厚労省への陳情の時にも申し上げたのですが、知事会でもおそらく重要事項として要請の声が上がると思いますけれども、そもそも病院というのは公的に決められた診療(報酬)点数で収入が決まっていきます。ですから、本当にそこの設定がどうなるかによって収入が確定するということは、自助努力というのはおのずから限界があります。支出については、さまざまな工夫を通じて、今までもいろいろなことにトライしていますけれども、なんせこの仕組み上ですね、収入に関して、これをやれば増えるということができない仕組みであります。問題は、この見直しが2年に一遍ということになっています。ですから、物価高騰等の対応については後手後手で対応するという仕組みになってしまいますので、このあたりが問題ではないかと。これだけ急激に物価高騰という現実が立ちはだかる以上は、やっぱり臨機応変にそのあたりの制度の改定を進める対応が必要ではないかということが非常に重要になってきていますので、ここが変わらない限りこの状況から脱出できないので、これは本当に全国的な問題として声を上げていきたいというふうに思っています。そういう中で、事業費に関しては、今後もこの物価高騰状況どうなるか分からないので、今の段階ではなんとも言えない状況ですけれども、事業そのものはこれで動いていきますから、途中でストップするということはないということでございます。
(愛媛新聞社)
愛媛新聞と申します。
えひめの女性スキルアップ支援・雇用促進事業の関係でお尋ねします。事業の現状・課題の箱の中でですね、ひし形の上の方、本県の女性の非労働力人口の割合は全国的にも高い状況にあるということで、これを改善していく事業かと思うんですが、そもそも、こういう現状、女性の非労働力人口の割合が全国的に高いということになっている背景について、知事はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
これはですね、地域ごとによる、長年培われてきた慣習という背景もあるので、低いから高いからと言って問題だという話ではないと思います。ただ、愛媛県の場合は比較的恵まれた地域だと思うんですね。比較においては、災害も少ないですし、物価も安い、働きやすい環境というのがあるので、割とそういう傾向が強かったというのはずっとあったと思うんですね。これも随分前から女性の社会進出等についての政策展開はしてるんですけれども、そういう意味では伸びしろがあるというふうに思えばいいのではないかなというふうに考えています。ですから、そこの伸びしろがあるところに、場合によっては働きませんか、そういうふうな環境を整えていくことがベストな選択ではないかなというふうに思っています。
(読売新聞社(幹事社))
各社さん、他によろしいでしょうか。
※議事録については、読みやすさや分かりやすさを考慮し、発言の趣旨等を損なわない程度に整理しております。