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県立今治病院老朽化対策基本計画の改訂等に関する記者発表の要旨について
日時 令和7年5月28日(水曜日) 14時15分~14時31分
場所 知事会議室
場所 知事会議室
(読売新聞(幹事社))
それでは臨時記者会見を始めます。本日は県立今治病院老朽化対策基本計画の改訂等について発表があると聞いております。それでは知事よろしくお願いいたします。
(知事)
はい。臨時会見にお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。このたび、県立今治病院老朽化対策基本計画を改訂いたしまして、今治病院の移転新築に係る整備予算案を来たる6月補正予算で計上することといたしましたので、発表をさせていただきたいと思います。
今治病院の移転新築につきましては、令和5年11月に策定をいたしました老朽化対策基本計画に基づき、今治新都市市有地への移転新築に向けて準備を進めてまいりました。今治病院の現状と、そして、また役割についても十分にその時点での条件で練り上げて、私の公約にも掲げさせていただいた事業でもございます。
ただその後、社会情勢が激変をし、これにはコストアップ、あるいはコロナ後の病院の状況、さまざまな問題がありました。県立病院の厳しい経営状況や建設コストの大幅な上昇などを踏まえまして、改めてこの変動要因を受けた対策が必要と判断し、地元医師会そして関係自治体等と協議を行うこととし、7年度の当初予算の段階では計上を見送らせていただいた経緯がございます。その後、地元医師会、そして関係自治体と圏域の人口減少や高齢化の状況、これ最新のデータを分析するということでございました。
これに加えまして、新型コロナ禍後の患者数、また今治圏域の民間病院の病床数の動向など、最新のデータを踏まえて、新今治病院の役割や規模等について協議を重ねてまいりました。それらの協議の中で、圏域の医療機関関係者、医療関係者等の同意をいただいた上で、お手元の資料のとおり老朽化対策基本計画を改訂させていただくことといたしました。
改訂の主な内容は新今治病院の整備費の圧縮や地域医療の確保等のため、まず新型コロナ禍後の今治病院の入院患者数の減少の現実を踏まえまして、当初は病床規模240床でありましたが、25床減の215床にダウンサイジングするとともに、次に、想定以上に今治圏域の医療供給体制が縮小をしていることから、地域医療の維持確保をするため、圏域の医療機関と役割分担、相互がこういうときにはこうしようという役割分担を明確にすることで、さらに連携を強化し、新今治病院がしっかりとその機能を補完する機能を担うことを明記することとしたものでございます。
さらに地元医師会や関係自治体との協議の過程において、立体駐車場や医師、看護師宿舎などの整備内容の見直しについては、今治市さんから新たな提案をいただいたほか、今治市が今治市医師会と協力して、これは非常に重要ポイントですけれども、看護師確保に向けた支援制度を令和7年度から創設していただくこととなります。
また、今治市医師会市民病院をはじめとする地域の医療機関が、先ほど申しましたが、これまで以上に新今治病院と役割分担、そして連携を強化し、しっかり支援していただくことなど、将来にわたって経営の安定や地域医療の確保に向けた方策についても協議の中で意見を共有したところでございます。
5月8日に、市長、医師会長から直接、当初予算計上見送りに対する市民の方々の不安の声や、新病院への期待の声などに加えまして、逼迫(ひっぱく)する救急医療の状況など地域医療の現状を伺ったところでございます。私もあの公約に掲げた以上、それをしっかりと達成するということは最も大事な視点でありますけども、率直に現状というものをお伝えし、新たな道を互いに話し合いの中で見つけていこうということになっていました。
県立病院事業の経営は厳しい状況にありますが、ダウンサイジング等による整備費の圧縮や看護師確保など、新今治病院の将来にわたる経営安定化策等により、新病院整備が経営に与える影響を一定程度抑える目途が立つとともに、圏域の医療を確保する体制整備などについて、地元が一体となって取り組む姿勢が確認できましたことから、今治圏域の地域医療を守るためにも、公約に掲げる今治病院の早急な移転新築が必要であると判断し、引き続き経営改善に向けた取り組みを全力で行うことが大前提となりますけれども、6月補正予算で整備予算案を計上することといたしました。
なお、整備予算の具体的な予算額等については現在最終的な詰めを行っておりますので、後日予算発表の際に公表をさせていただきたいと思います。
今後とも、今治市、医師会等地域の医療関係者と連携協力し、将来にわたって今治病院が圏域の中核病院としての役割をしっかり果たすことができるよう、1日も早い開院に向けて取り組んでまいりたいと思います。以上です。
(読売新聞社(幹事社))
ありがとうございます。それでは質問のある社はお願いいたします。
(読売新聞社)
幹事社読売新聞です。よろしくお願いします。県立病院の経営状態だったり、建築資材のコスト面のことを考えての計画見直しということですけれども、一方で県立病院ということで地域の中核病院、中核医療を担うような役割もあると思います。215床まで削減して、その役割というのを担えるかっていう、そういう十分かどうかって知事のお考えを改めてお伺いします。
(知事)
実は今ですね。現実に病床が動いてるのが140ぐらいか。
(公営企業管理者)
170。
(知事)
170。今の現状、それからこれからの人口動態等々も勘案し、一番大きいのはやっぱり地元の機関との役割分担を今後さらに強化していくという点でございます。
だからこれはそっちだ。あれはこっちだというのではなくて、それを共有しますので、こういう状況の時はそれはお互いカバーし合おうとかいう連携がこれまで以上に強化されていきますので、こうした要因が加わったことによって、成り立っていくという目途がついたと思っています。
(読売新聞社)
ありがとうございます。
(あいテレビ)
すいません。あいテレビです。先ほど役割分担とありましたが、もう一度、今治病院の役割というのを具体的に教えてもらえますでしょうか。どういった部分が他の病院と違うのかお願いします。
(知事)
やっぱり公立病院というのは本当に最後の砦になると思います。そういう意味では救急体制であるとか、感染期の役割で、コロナのような感染症が拡大したときの役割であるとか、公立病院が担うべきポジションというのがあると思いますので、そこは明確にする。
一方で、さっき申し上げたように、この場合は全部県でしょ、この場合は民間でしょというような、なんていうんですかね。縦割り的な体制ではなくて、基本的には、そういう明確な役割がありつつも、そこが逼迫(ひっぱく)した場合はお互いですよ、協力しましょうということがスムーズに話し合えるように事前にしておくことによって、チームワークで乗り切れる体制ができるのではないかなというふうに思っています。
(あいテレビ)
ありがとうございます。
(朝日新聞社)
朝日新聞です。今回計画改訂されたということですけれども、当初想定してた着工とか開院の時期について、どういう影響があるということになるでしょうか。
(知事)
はい、そう大きな、そんなに時間をかけているわけではないですから、そう大きな影響はないと考えます。当初より1年遅れぐらいのペースで何とかもっていきたいなと。ということはすなわち、令和、前の計画では11年だったんですけれども、12年というようなところを目指して進んでいきたいなというふうに思っています。
(朝日新聞社)
ありがとうございます。
(読売新聞社(幹事社))
各社さんその他質問いかがでしょうか。
(愛媛新聞社)
愛媛新聞社です。先ほど、地元の方で、立体駐車場、医師看護師の宿舎に関する提案をもらった。これ具体的に、地元の方、今治市などが整備するということになるのでしょうか。
(知事)
全部というわけではないですけれども、そういった協力体制を踏み込んでしていただけるということで、病床の削減であるとか、そういった規模がちっちゃくなりますけれども、そんなに、なんですかね、問題のあるダウンサイジングではないですから、しっかりと現状と役割分担を分析した上での着地点なので、その点は大丈夫です。
その中で、そのことによって縮小される金額もあれば、今お話があったような新たな提案によって縮小される金額もあれば、ざっとみて20億ぐらいは縮減できるのかなというふうに思っています。まだ正式には出せませんけれど、そんな感じ、イメージかなというふうに思います。
(愛媛新聞社)
あと、先ほど令和7年度から、今治市、地元の方で看護師の確保に向けた制度みたいなものを創設される予定とおっしゃいましたが、大体どれぐらいの人数の方の確保を予定されてるということは言えるのでしょうか。
(知事)
年々でも分からないんですけどね。今、例えば公立病院、全国どこでも地方はそうなんですけれども、看護師の確保が非常に難しくてですね、看護師さんが確保できないと、例えば100ある病床があったとしても、看護師さんが確保できないために80床しか空けられないとか、これがもう全国の地方の公立病院の現状でございます。
今治病院も看護師さんはフルに確保できているわけではなくて、全ての病床が空けられている現状でもありません。これ、ダウンサイジングしても、まだ足りないぐらいなんですね。ですから、どれぐらというのはもう分かりませんけれども、数名は入っていただけるとありがたいなというふうに期待をしています。
(愛媛新聞社)
分かりました。ありがとうございます。
(あいテレビ)
あいテレビです。すいません、以前に、県立病院の経営悪化とかも踏まえてこの計画を見直しているということでしたが、この経営悪化を改善するようなそういう施策などはやってるんでしょうか。
(知事)
まず、この公立病院の特殊性というのを知っていただきたいと思うんですけれども、公営企業が行っている、今、病院はですね、中央病院、今治病院、新居浜病院、南宇和と四つの病院がございます。
一つには、県立病院というのは、まず、救急医療をしっかりと最後の砦として請け負うということ。それから民間病院が手を出さない周産期医療等々、こういったことについては、正直なぜ民間病院が手を出せないかというと収益が上がらないからです。でもそれは放置できませんから、収益の上がらないところについては県立病院が担うということなので、民間病院と比較して収益は出しにくい。これが現状にあります。
そしてもう一つは、公立病院も、これ民間もそうですけれど、国が定める単価に基づいて収入が決まっていきます。今のこの単価の設定がこの今の現状の世の中の物価高騰等に追いついてきてないんですね。
ですから、国がこの地域医療の現状を踏まえて、地域の公立病院の維持運営をするために単価は現状どうなのかというのを現実に即したものに改定していただかない限り、この状況から脱出、自助努力はもうやり尽くしている感もありますので変わらないんですよ。
だからこれについては明日からの国の陳情についてもはっきりと国に対して申し上げるつもりでございますし、この点については知事会においても大きな問題として国に対して投げているところでございます。
(あいテレビ)
はい。ありがとうございます。
(読売新聞社(幹事社))
各社さんその他質問いかがでしょうか。それでは以上で臨時会見を終わります。ありがとうございました。
(知事)
どうもありがとうございました。
※議事録については、読みやすさや分かりやすさを考慮し、発言の趣旨等を損なわない程度に整理しております。