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令和2年度7月知事定例記者会見(令和2年7月16日)の要旨について
日時:令和2年7月16日(木曜日)
11時19分~11時48分
場所:知事会議室
(南海放送(幹事社))
県内旅行に対して1人1泊5,000円の宿泊代金を割り引く県独自のキャンペーンを始めたが、旅行代理店での販売に続き、オンライン予約も大変好評だと聞いている。これまでの売り上げの状況や今後、さらに追加する考えがあるのか聞きたい。
(知事)
県内旅行に関しましては、当初段階から全国のコロナの状況を見極めながら進めていくというお話をしていました。もちろんコロナ対策は十分に行う一方で経済を動かしていかなければならないという中で、感染状況を見極めながらのスタートということで、県民の皆さんにはまずは県内旅行をぜひ優先してくださいと、特に今年の夏はお願いしたいということを申し上げ、そして徐々にということで、四国の3県プラス広島など、今後どうするかというのは、またコロナの状況を見ながら考えていきたいというふうに思っております。それを喚起するためにこの1人1泊5,000円のキャンペーンを始めさせていただきましたが、観光関連事業者の活性化、観光交流人口の拡大、それが波及効果となって消費喚起につながっていくんではないかと考えておりますので、地域経済の立て直しのためにも思い切って手を打っていきたいというふうに思っています。
まず県民向けの割引は、6月16日からいち早く県内旅行会社で予約受け付けを開始いたしましたが、2日間で売り切れる店舗が発生するなど好調で、その後2度にわたって追加を行わせていただきました。合計で23,000人泊分を用意したところでございます。7月14日時点で予約いただいたのが19,000人泊分、約8割。8日に2回目の追加が発表されていますから、それから約1週間、6日間で既にもう19,000人泊まで予約が入っている状況でございます。またそれと同時に、オンラインの旅行会社、こちらは7月1日から開始ということでございましたが、こちらの当初発売した分は13,500人泊分、これも全て予約済みでございます。さらに昨日からプラス3,500人泊分の受け付けを開始しましたが、こちらももう既にどんどん予約が入り始めているという状況でございます。
県民向けの割引は、8月末までの宿泊旅行を対象にしております。まだまだ使えます。夏休み期間中も使えます。合計で4万人泊分の県内旅行に伴う宿泊や飲食代、お土産購入などの消費効果を生み出して、裾野の広い観光関連事業者の前向きな取り組みの後押しや、県内観光需要の回復に向けた呼び水になると考えております。
また、首都圏のコロナの状況についても、後で詳細触れるのかもしれませんが、これを見るとですね、より一層、県内旅行というものに目を向けていただくことも考えなければいけないかなということなので、今後の動向次第によってはさらに考えていきたいというふうに思ってます。
そこでマスコミの皆さんには一つお願いがあるんですけれども、この夏、道後温泉はですね、誰しもが知っている県内を代表する場所(観光地)だと思うんですけども、先ほど申し上げましたようにやっぱり灯台下暗しということで、例えば、南予であるとか東予であるとか、知られざる魅力的な旅行先、宿泊先がたくさんあります。知られざるということは知られてないということですから、また何か紙面や番組の中でですね、この夏ここが穴場だよとか、こんなに面白い素晴らしいところがあなたを待ってますよとか、そんな特集なんかを各社さん考えていただけると大変ありがたいなと、これはお願いですけれども、コロナ禍だからこそ、ふるさとの魅力発見探索みたいなですね、そんな動きが地元のマスコミの皆さんで広がっていくことをお願いできたらなというふうに思っています。
県外向けでございますが、感染予防の観点から、当初から全国一律というのはどうかということを申し上げてまいりました。もう初めから段階的にやるべきということでありましたので、愛媛県の場合は7月1日から四国3県、広島県、大分県を対象に、10,500人泊分の受け付けを開始いたしました。県外分ですね。この中で、既に約9割がもう予約済みでございます。昨日からさらに追加で5,500人泊分の受け付けをこの地域を対象に開始したところであり、今後順調に予約が伸びていくことを期待したいと思っています。
このように本県が独自に観光需要の喚起策を実施する中、国において7月22日、当初は8月と言っていた「Go Toトラベルキャンペーン」を前倒しで実施するということが発表されましたが、当初から申し上げていたとおりそこまで一気に(実施すると)いうのはどうなのかなというのが愛媛県の考え方で、国は国、県は県で戦略を考えると。国がやる場合は首都圏の動向を見ながら、別途、水際対策等が必要であろうということで二面作戦で今日に至っているところであります。それで、7月の上旬に東京の感染者数が50人平均から100人平均に増加した時に、何かこう危険なリスクを感じましたので、首都圏への出張あるいは旅行を注意していただきたいという要請を県民の皆さんにさせていただきました。一番分かりやすいのが、自分が出張を取りやめることではないかなと思ったので、そういうふうなレベルになっていく可能性があります、ということを申し上げたところでありますけども、その後即座にですね、100人が200人になり、その後も200人前後という連日の陽性確認が続くことになってしまいました。この(増加の)状況は関西にも見られるようになってきていますし、また、愛媛県の周辺県でも散発的な陽性確認が始まっています。ですから何ら制限を設けずに全国一律に県をまたいだ旅行を喚起するというのは、感染を全国に広げるリスク、そして各地域、地方が懸命に取り組んで封じ込めてきた感染拡大防止の成果というものが、場合によっては一瞬で奪われる可能性もございます。そういうふうなことを強く危惧をしています。その結果、先般、知事会の担当に、会長含めて知事会としての意向確認の上、取りまとめられるようであるならば、できるだけ速やかに声明を出していただきたいという要請をさせていただいたところでございまして、お配りした要請文につながっているところであります。
以上のことから、愛媛県としては感染状況などを踏まえて全国一律の実施ではなく、近隣地域からの誘客を段階的に広げていく、これが重要であると思います。国に対しても、そういった趣旨の申し入れがなされているところでございます。ただ、これはこの前の会見でも申し上げましたとおり、東京都を中心とするデータ、詳細が分かりません。傾向とかは出てますけども、検査件数等々もよく分からないですし、個々の事例の詳細というのも発表されてませんから把握できてません。でも少なくとも東京都や国は知っているはずですから、それらの詳細な情報を元に大丈夫だと判断するのかどうかってのが見えてないんですね。ですから、やるんであればその根拠というものを示した上でやられないと不安感を残したままの突入になるんではないかということを危惧してます。われわれはそういう意味で表に出てきている数字で判断するしかありませんから、感染者の高止まり、それから「夜の街」と何かしきりに言っていたところの比率が下がって、職場や家庭感染が増えている傾向、それから若者中心と言ってたのがだんだんだんだん、中・高齢者に広がりつつある傾向、こういったことを判断して十分に気を付け、最後の決定権は国ですから、どうするか分かりませんけれども、今の段階では22日から始まるということになってますから、知事会の声を受け止めてどうするかまだ分かりませんけれども、今はやるという方向で物事を考えて水際対策の強化等々を徹底する必要があるというふうに考えています。そして一方で、近隣県についてもですね、今後本当に分析を毎日毎日していかなければならないと感じています。まあ、幸い愛媛県はですね、マスコミの皆さんのご協力もあって、県民の皆さんが呼び掛けをしっかりと受け止めていただいておりますんで、約50日間陽性確認がゼロ、(現時点では)入院患者や治療中の方もゼロという状態で今があります。本当に感謝を申し上げたいと思いますが、今後、じゃあこれが続くかどうかは正直言って分かりません。地方にも散発的な確認が始まっていますし、人の流れというものが呼び込み、持ち込みを誘発しますので、十分に気をつけながら対応をしていきたいというふうに思います。以上です。
(あいテレビ)
先ほどからいろいろ触れておられるが、近隣の状況が気になるところで、周辺の四国と広島、大分を巻き込んだかたちのキャンペーンが始まるということだが、広島がちょっと今(感染者が)増えつつあり、毎日分析をしていかなければならないということではあるが、今の状況をどのように見ているか。
(知事)
人の流れがある以上は前も申し上げましたように、散発的な陽性確認が今後発生することは避けられないというのは常に申し上げてきたところでございます。そこが散発的で囲われているのであれば、そうナーバスになる必要はないと思いますけれども、これがコントロールできない状態になってきて市中感染が拡大する傾向が出てきた場合は、本県でもそうですけれども、注意のレベルが違ってくると思います。まだそこまでの段階ではないかなというふうには思っています。
ただ、ちょっと今、いろいろと分析していたんですけども、実は先ほど高知県の幡多地域、1名の感染者が確認されたという発表がございました。発表された内容がですね、13日にこの方、大阪から四万十市に移動し、昨日感染が確認されたそうなんですが、現在ご本人と連絡が取れなくなっているそうでございます。ですから、特に隣接する愛南町をはじめ宇和島市などの南予地域の市町におかれては、不安に感じる住民、先ほど高知県が会見したばかりですからプレスが出てきますので、不安になられる方も多いと思いますけども、情報収集をしっかり行ってまいりますので、気を付けながら落ち着いて行動していただけたらと思います。
一方で香川県、こちらはちょっとまだ人数は少ないんですけども、事例がやはり感染経路不明な例があるということで、市中感染が起きつつある可能性が指摘されているそうです。それから広島県では、広島市はちょっと遠いんですけど福山市が愛媛県に近いですから、福山市でもこちらは集団感染。ですから、うまくやればクラスターの封じ込めが可能、そこは見極める必要があると思いますけれども、集団感染が確認されていると。それぞれ愛媛県内の市町においても、高知、香川、広島と特に生活圏が重なっているところは、特に注意をしていただきたいというふうに思います。以上です。
(愛媛新聞)
「Go Toトラベルキャンペーン」が始まるに当たって、水際対策などの徹底を強化する必要があるということだが、愛媛県としても何らかの新たな強化策というのを取られる予定はあるか。
(知事)
これはもう早く(対策を)打つということで、何らかというよりはもう既に発表させていただいているとおり、今の段階で打てる手は打っているつもりなんですけれども、繰り返しになりますが、中断していた空港における検温の再開、それからバス路線が再開されますので、(運行)会社に対する検温、健康確認の実施要請、あるいはその主要な駅、港であるとかJRの各特急停車駅におけるアナウンス等々、チラシやポスターを利用した注意喚起、これはもう県外からの方々に対するメッセージですから、徹底していきたいというふうに思っています。それと同時に、県外から来るということは宿泊が伴うということになりますので、県内の旅館業、それからホテル業に対しては、県外からのお客さんへ同じく、さらなるそこでの健康確認、検温等の実施等についても要請をしたところでございます。また一方で、「えひめ版協力金」を駆使して、飲食店等についてはいち早く3密回避の対策を取っていただきたいという呼び掛けを行ってきましたけれども、愛媛県ではこれを利用していただいた業者が5000件ぐらいいますし、また今の風営法以外のバー・スナックも対象にしましたので、こちらも今申し込みがどんどん来ている状況でありますので、まさに生きた協力金になってきているんではなかろうかというふうにも思っています。そういった中ですね、もう一つ懸念していたのが、先般発表したように(本県への)帰省ということについて、これは旅行ではありませんけれども、特に今、首都圏では無症状軽症の若い人が多いと聞いてますけれども、無症状でもうつる可能性が中にはあると。全員とは言いません。中にはあると。念のためご家族に高齢者や基礎疾患の方がおられる場合は、今年はぜひ(帰省するのを)控えていただけないかという呼び掛けをし、それからもう一つ、お盆の季節に楽しみにされていると思いますけれども、首都圏から帰って来られる方が大勢いる同窓会、ましてはその同窓会でカラオケ行く等々というのはもう本当に今の時点ではまだまだ危ないんだというふうな前提で、関係者の皆さんには中止や延期を考えていただきたい。考えられる事例も含めた呼び掛けを行っていますので、また気付いた点があったらどんどん呼び掛けは行っていきたいというふうに思っています。
(南海放送)
先ほど話にもあったように広島や四国3県で、新たな感染者や新規事例等も発生したが、この観光の交流事業というもの自体は今後も継続していくのか。
(知事)
もちろんですね、取りあえず6月追加補正予算案にはですね、オンライン会社によって64,000人泊分用意はしています。ただ、はっきり言えることは首都圏等の現況を、先ほど申し上げたように踏まえますと、当面の間、全国への適用拡大は見送ります。この段階ではいつということも言えません。全国への拡大は見送って、当初申し上げましたとおり、四国各県など近隣県、この今の四国から増やすのかどうかは別として、近隣県から取り組みを進めていくというのは何ら変わることなくこれを基本に置きたいと思っています。
(南海放送)
見送られるというのは来月1日から予定されていた(対象を全国に広げるものでしょうか)。
(知事)
そうですね、はい。当初の予定では感染が落ち着いていれば全国へということも考えていたんですけども、すると全国の方々が割引対象にするという「Go Toトラベルキャンペーン」とは別にですね。そういうことも考えていましたが、私ども愛媛県としては、ちょっと今発表されてる数字を見ると、拡大する時期ではないというふうに判断します。
(あいテレビ)
おととい中谷元防衛大臣が河野防衛大臣に高知県宿毛市に自衛隊の誘致を陳情した。その際にオスプレイも受け入れていいというような発言もしているようなんだが、宿毛市は愛南町が隣接しているが、知事の受け止めはいかがか。
(知事)
何も聞いてません。何も聞いてないから、何も判断することもできません。そんな一人の方が言っても意味がないですし、当然、高知県の中での議論も必要ですし、それから周辺の県の議論も必要ですし、申し訳ないですけど一人の国会議員の方が言ったからといって、それが現実的なのかどうか、すぐに動くのかというのは、別問題だと思っています。直接、愛媛県に何の話も来てませんからコメントのしようがないですね。
(南海放送)
昨日、愛媛大学が独自で行った抗体検査の結果が発表され、約1,800人中1人、抗体が確認されたということで、率でいうと0.057%だったということなんだが、これに関して、知事の所感は。
(知事)
そうですね。抗体検査はその地域で感染し、抗体を持った人がどれくらいいるかということを分かりやすく把握するために行われるものなんで、僕はこういった抗体検査は前から申し上げてますように、国全体でやるべきジャンルだと思っています。そういう中で、愛媛大学がとりあえずモデル的にやってみようということで実施されました。国もですね、3地域でモデル的に実施したと記憶していますけれども、いずれもですね、そんな高い数字ではないと。ということは、まだまだ日本では(新型コロナウイルス感染症に)かかった方が少ないというふうなことも言えます。このことから、今回の愛媛大学の結果は(抗体が確認された方は)お一人だけですから、愛媛県においては、やはりそこが全てではありませんけれども、市中感染は広がっていないというふうなことが導き出されるのかなということが1点。同時に、抗体を持ってない方が大半であるということでありますから、第2波への警戒というのは怠れないというのが1点、この2点がメッセージではないかなというふうに感じました。
(南海放送)
また話が変わるが、先日の大雨で県内も警報が出て避難指示も出されたりした地域もあったが、県内の大雨の被害状況と実際に避難した方、また、農林水産業への現段階で被害額等が分かれば聞きたい。
(知事)
まずは、令和2年7月豪雨では残念ながら本県でも2名の方が犠牲になられています。心からお悔やみを申し上げたいと思います。
まず第一点は、それは心配なのは分かるんですけども今後の事もありますので、豪雨の時に水田や水路を見に行くということは、本当に危険な行動であるということ、犠牲になられた方が残念ながらそういったことで巻き込まれてしまいましたので、その点はもうくれぐれも関係ある方々、よろしくお願い申し上げたいと思います。
その他にもですね、建物の浸水、それから土砂崩れ等の被害が生じておりますが、幸い県内では土砂崩れで、家1件が倒壊という事例がありましたけれども、犠牲、負傷等につながることにはならなかったということは何よりでございます。こうした中で、熊本県の方がかなりの被害が出ていますので、可能な限り応援をするというふうな体制を取っているところでございます。
まず、主な被害ですけれども、まず建物の災害でございます。松山市、松前町中心に住家の全壊は1棟で半壊が3棟、床上浸水2棟、床下浸水56棟が発生しています。それから土砂災害は県内で30件発生しておりますが、人的被害はゼロでございます。先ほど申し上げたように、松山市で住家1件が全壊しました。大洲市では地滑りが発生したことで、現在、7世帯21人が避難しております。応急処置は実施済みでございます。さらに伊予市と東温市で孤立地域が発生しましたが、速やかに市が仮設道路を設置して、現在これは完成するなどして解消しているところでございます。ただ、地盤が緩んでいる状況は変わりませんので、今後とも注意が必要でございます。
続いて、(農林水産関係の)被害額でございますが、現時点で判明している被害額は農林水産業全体で、愛媛県約17億8千万円の被害が報告されていますが、まだこの段階で上がってきてない被害もあると思いますので、増える可能性はまだ十分あると思っています。県では被災直後から農家を訪問しておりまして、必要な技術支援や融資制度の紹介をきめ細かく行っております。今後は被害拡大防止に向けて応急対策、それから災害復旧事業の執行に移っていきたいと思います。また被災のあった市町への支援に取り組んで、早期復旧に努めたいと思います。以上です。
(南海放送)
農林水産業の被害額はおよそ17億8千万円とのことだが、特にどういった作物で被害が多かったのか。
(知事)
そうですね、これ農林水産部から。
(農産園芸課長)
かんきつが主体となっています。
(知事)
かんきつが主体。
(八矢副知事)
作物というよりは、農地だとかに土砂が入って、農業用施設だとか。そういった被害の方が大きいと。
(神野副知事)
今はまだ、おそらく調査がまだ追い付いていない状況なので。