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更新日:2021年1月12日

試験場だよりNo59

カンキツの新しい植栽方法

従来カンキツの苗の定植方法は、苗の基部を30cm程度に切り返して植え付け、開心自然形に仕立てるのが一般的である。新たに開発中の植栽方法は、1年生苗を切り返さないまま斜め45度に植え付けるもので、樹形にこだわらず並木植え仕立てや交互結実法による早期成園化を図る改植法として実査している。

新植1年目の生育は、慣行法に比べて直立無せん定法が発芽数、新梢の総伸長量、葉数、幹周ともに優れており、斜幹無せん定法はさらに良好な成績となった。

慣行切り返し

直立無せん定

斜幹無せん定

岩城分場 主任研究員 喜多景治

育成カンキツ新系統「ひめのか」の特性

1 目的

近年果物に対する消費者の志向は高糖度な果実を求める傾向が一段と強くなっているが、県下で栽培されている普通温州ミカンは「南柑4号」など、必ずしも高糖度とは言えない在来系が大半を占めており、オリジナルの新しいミカン品種の育成が強く求められている。
今回、果樹試験場において、12月中旬~1月中旬出荷用の高糖系温州ミカン「ひめのか」(品種登録申請中)を育成したので、その特性を報告する。

2 研究の成果

1) 育成経過

昭和63年に「大津4号」に「ハムリン」を交配し、実生を育成した。平成3年に着果促進のため温州ミカン中間台に高接ぎを行った。平成6年に初結実、平成10年に一次選抜し、系統名を「愛媛29号」とした。温州ミカン中間台に2代目の高接ぎを行うとともに、南予分場、岩城分場でも高接ぎを行い、その特性調査を実施した。また、平成12年から県下各産地においても現地適応性試験を開始した。この結果、高糖度で減酸の早い優良な新品種であることを確認したので、平成16年3月に種苗法に基づく品種登録申請を行った。

2) 木の特性

樹勢は強く、樹姿は未結果期間にはやや直立するが、結果期になると直立と開張の中間となる。若木や高接ぎ当初では、春枝や徒長枝でとげの発生が見られる。枝梢は太く長く、節間長も長い。葉面積が大きく厚い。生育初期段階では枝梢の成長が旺盛で、結実始めが他の温州ミカンより1年遅れる傾向があり、隔年結果性は強い。

3) 果実の特性

果実の大きさは120g程度で、果形は扁平で、玉揃いは良い。果皮色は橙色である。剥皮性は良く、浮皮はあまり発生しない。じょうのう膜の硬さは中程度で、果肉の色も橙色である。成熟期は12月中~下旬で、糖度が13度程度と高く、クエン酸含量は0.7%程度となり、「大津4号」よりも減酸が早い。

3 普及上の留意点

樹勢が強く、隔年結果しやすいため、適正な着果管理を行う必要がある。このため、県下各産地での栽培適応性試験や果樹試験場での試験等により、生産安定技術の開発に取り組んでいるところである。

表1 「ひめのか」の果実品質

分析日

品種名

1果重(g)

果形指数

果肉歩合(%)

浮皮程度

着色歩合

糖度

クエン酸(g/100mg)

13年11月28日

ひめのか

125

161

80.2

9.3

13.4

0.84

大津4号

122

150

72.9

7.7

12.5

1.15

14年12月10日

ひめのか

125

144

78.8

8.7

16.3

1.58

大津4号

114

142

71.3

9.7

16.3

1.70

15年12月11日

ひめのか

114

143

75.9

10.0

12.9

0.73

大津4号

133

136

73.6

9.3

13.9

1.65

南柑4号

122

141

74.3

10.0

11.7

0.78

「ひめのか」の結実状況

「ひめのか」の果実

主任研究員 中田治人

モモの高糖度果実生産について

1 目的

モモの糖度は降水量に左右されやすく、販売価格も糖度に大きく影響される。また、近年非破壊選果機が導入されたことで、高糖度果実生産の必要性はさらに高くなっている。この対策として透湿性シートの利用が図られており、一定の成果が認められているが、(1)設置方法により効果が認められないことがある、(2)過剰のストレスを与えてしまい渋み果や小玉果の発生を助長してしまうことがある、(3)資材費がかさむ、(4)廃棄資材の処分問題など課題も多く、これに代わる技術の開発が望まれている。そこで、糖度に影響する要因について、土壌及び樹体生育等の面から比較調査し、あわせて夏型イネ科草種であるバフィアグラス草生の増糖効果について検討した。

2 研究の成果

1)試験の概要

  • (ア)現地実態調査:
    JA愛媛中央管内の産地において行った。2000年度の光センサー選果機による園地ごとの選果成績をもとに‘あかつき’の高糖度園(平均13.8)、低糖度園(平均10.8)を9園地づつ選定し、土壌の物理性、化学性、樹体生育、受光条件、果実品質について2001年から3年間調査を行った。
  • (イ)草生栽培試験:
    斜立主幹形の共台‘あかつき’を供試し、1999年から5年間実施した。1999年5月上旬に主幹を中心として樹冠下3mの範囲を耕起し、バフィアグラスの種子を1kg/a播種し、生育期には適宜競合する雑草を刈り払った。2000年以降の草生区はバフィアグラスが樹冠周囲約3mの範囲で繁茂した。裸地区は除草剤により裸地化を図った。果実品質の調査は適熟果を採取し1区当たり100果以上について調査した。
  • (ウ)ポット試験:
    1999年に25リットルの黒色プラスティックポットに培土を充填し表層にバフィアグラスの種子を播種し育成を図った。なお、裸地区として無播種のポットを同様に作成し、両者の土壌含水率を測定した。6月30日に5ポット単位でタイベック、透明ビニールによりマルチを行い、8月上旬まで草生区、裸地区の含水率を比較した。

2)成果の概要

  • (ア)現地実態調査:
    糖度の低い園地は、飽和透水係数(図1)が低い排水不良園や、収穫期である7月上旬の土壌全チッソ含有量及び腐植含有量(データー省略)が多い園地で多く見られた。特に全チッソ含有量が0.1%以上の園地は低糖度園が多い傾向であった(図2)。また、新梢の伸長が旺盛で副梢の発生の多い園地、即ち過剰な枝葉の繁茂により樹冠内の相対照度が低い園地では糖度が低い傾向であった(図3)。

 

  • (イ)草生栽培試験:
    一果重、収量については4カ年(2000~2003年)とも両区間で顕著な差はみられなかったが、糖度の分布を見ると、草生区における高糖果実の割合が明らかに高かった。葉の水ポテンシャルは草生区で高い傾向が見られた。

バフィアグラス草生の様子

  • (ウ)ポット試験:
    無降雨条件下で行われたポット試験では、最も早く乾燥したのは草生区で、ついで透明ビニール+草生区、タイベック+草生区であった。裸地区では全ての組み合わせにおいて土壌水分の大きな変化は見られなかった。

以上のことより、モモの低糖度の要因は、土壌の排水不良、新梢の過繁茂、採光不良、窒素過多などと考えられた。また、草生処理による糖度向上が4年間認められ、草生栽培が高糖度果生産に有効であることが分かった。草生栽培樹には穏やかに水分ストレスがかかりやすく、これが高糖度果生産の一因と考えられた。また、ポット試験においてもこの効果が確認された。引き続き、様々な栽培条件下で効果を検証すると共に、樹勢への影響等についても調査する必要がある。

3 普及上の留意事項

  1. 土壌を改良し透水性を向上させる。強せん定は新梢の過繁茂につながるので避け、樹冠内部への採光を良くする。
  2. 当年生枝の伸長が長引くと炭水化物の物質分配が栄養成長に偏り、糖度向上の妨げとなるため、窒素の多施用を避け、遅効きさせない施肥管理をする。
  3. バフィアグラスの生育には十分な日射が必要で、樹間は広く確保する。また、播種後の競合雑草の処理や、収穫前には若干の刈り込みが必要である。

研究員 松本秀幸

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お問い合わせ

農林水産部農林水産研究所 果樹研究センター

〒791-0112 松山市下伊台町1618 

電話番号:089-977-2100

ファックス番号:089-977-2451

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