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更新日:2021年1月12日

試験場だよりNo55

育成カンキツ新系統「愛媛果試第10号」及び「愛媛果試第16号」

1)目的

交配により、既存の品種に代わる本県の気候風土に適した優良な形質を持つカンキツ新品種を育成する。

2)愛媛果試第10号〔ブンタン〕の育成経過と特性

愛媛果試第10号

愛媛果試第10号の果実品質

(1)育成経過

昭和46年に、ハッサクを種子親に用い、川野夏ダイダイの花粉を交配した組み合わせで交雑実生を育成し、ほ場に定植した。
昭和59年に初めて開花結実した。その後、昭和61年に愛媛10号として一次選抜し、翌 昭和62年から適応性試験を開始した。継続した調査の結果、早熟で品質の良好なブンタンであることが確認されたので、平成11年3月に種苗法に基づく品種登録申請を行った。

(2)木の特性

樹勢が強く、特に幼木や高接ぎ樹で結実し始めるまでの間は、直立性が著しい。枝梢の発生角度が狭く、強い発育枝には着花しないので、支柱などにより枝が開くよう誘引してやる必要がある。樹勢が落ち着いてくると、毎年安定して結実するようになる。トゲの発生はほとんどない。

(3)果実の特性

果実の大きさは、500~600g程度の扁球形で、果面は黄色でやや粗い。果形及び大きさの揃いはやや悪い。果皮は非常に厚く、種子も多く含まれているが、成熟期は12月下旬~1月上旬頃で、ブンタン類の中では最も早い。減酸がよく糖度は比較的高く、肉質も優れているため、既存の品種に比べると食味が極めて良い。

3)愛媛果試第16号〔マンダリン〕の育成経過と特性

愛媛果試第16号

愛媛果試第16号の果実品質

(1)育成経過

昭和63年に、青島温州を種子親に用い、タンカンの花粉を交配した組み合わせで育成した実生の中から交雑実生を選抜し、開花結実促進のため、平成2年に東野ほ場の温州ミカンを中間台木として高接ぎした。発生した枝梢を徒長させて育成棚に誘引した。

平成5年に初めて開花結実した。果実の外観が良く、果皮に芳香があり糖度が高く品質が優れていたことから、愛媛16号として一次選抜した。翌平成6年から適応性試験を開始し、継続した調査の結果、糖度が高く風味の良いマンダリン(ミカン)であることが確認されたので、平成11年3月に種苗法に基づく品種登録申請を行った。

(2)木の特性

樹勢は強く、幼木や高接ぎ当初は生育が旺盛である。枝梢の分岐角度が狭く、徒長枝が発生しやい。しかし、結実し始めると直立していた枝梢も次第に開張してくる。トゲの発生はほとんどない。隔年結果性はやや強い。

(3)果実の特性

果実の大きさは150g程度で青島温州に比べるとやや小果である。果形は扁平で果皮がやや硬く果実のしまりがよい。果皮の紅が濃く果面は滑らかである。果皮は剥きやすく温州ミカンにはない芳香がある。成熟期は12月下旬で、普通温州よりも着色がやや遅い。

果実品質は、糖度が13~14度と高く、クエン酸は1%程度で甘みが強く食味が優れている。じょうのう(袋)の厚みと硬さは青島温州と同程度で、南柑20号に比べるとやや食べにくい。果汁は温州ミカンより少な目である。

周囲に中晩柑類などの受粉樹があると、種子が入りやすい。

4)県内カンキツ産地への適応性

県内の各地域における栽培適応性をみるため、平成9年から青果団体などに試作用の穂木を配布して、現地試験を行っている。

(果樹試験場・主任研究員・喜多景治)

イチジク株枯病の発生と防除対策

1)目的

イチジクは収益性が高く、栽培の手間があまりかからないことから注目されるようになり、現在では約50haで栽培されている。ところが、1995年頃より小松町の一部のハウスイチジクが枯死する病害が発生し、原因を調査したところイチジク株枯病であることが明らかとなった。発生園では改植しても再度発病・枯死するなど防除が難しく生産上大きな問題となっている。そこで、発生状況の調査および防除対策について検討した。

株元の病班

主幹部切断面の病班

2)研究の成果

(1)試験の概要

  • ア)県内の発生状況
    イチジクが栽培されている主な17市町村で、1995から1998年の4年間、発病の状況を調査した。
  • イ)防除対策
    ポット植え苗木または現地の発病ほ場において有効薬剤の探索および施用法を検討した。

(2)成果の概要

  • ア)県内の発生状況および症状
    県内では、調査した17市町村のうち11市町村で本病の発生が確認された。川之江市から宇和島市までの広範囲で発生が見られたが、特に、周桑地区において発生園地の比率が高かった。
    発病樹は6~9月の高温時の日中に葉の萎ちょうを繰り返しながら枯死した。また、主幹の地際部では、上部へ向かって伸びた不規則な円形のうすい茶褐色から黒褐色の病斑にひび割れが認めらた(写真1)。このような樹の主幹を切断すると、表皮の内側から木質部にかけて黒褐色の病斑がみられた(写真2)。
    本病の被害は露地栽培と比較して施設栽培での進行が早く、品種は桝井ドーフィンおよび蓬莱柿ともに発生がみられたが、症状の進展は桝井ドーフィンの方が早かった。
  • イ)有効薬剤の探索および施用法の検討
    病原菌を接種したポット植え桝井ドーフィンを用いて各薬剤をかん注し効力を比較したところ、ルミライト水和剤の防除効果が顕著であった。トップジンM水和剤およびトリフミン水和剤は効果が認められたが、ルミライト水和剤より効果は劣った。
    ルミライト水和剤の250倍を用いて、1~4ヵ月間隔で桝井ドーフィンにかん注したところ、1ヵ月間隔が最も有効であった。また同剤の250、500および1000倍を桝井ドーフィンおよび蓬莱柿に1ヵ月間隔でかん注したところ、両品種とも250および500倍で防除効果が顕著であった。農薬安全使用基準からルミライト水和剤の使用は収穫30日前までに限定されるため、ルミライト水和剤が使用できない期間に使用時期の制限がないトップジンM水和剤を用いたかん注体系を検討したところ、防除効果を維持することが可能であった。
  • ウ)発病ほ場におけるルミライト水和剤の処理効果
    1996年4月から1999年12日まで小松町の発病ほ場において、ハウス栽培の外観健全な8年生の桝井ドーフィンに対する薬剤処理効果を検討したところ、ルミライト水和剤500倍かん注区では無処理区とほぼ同等の発病状況を示し薬剤のかん注効果はみられなかった。これに対して、同ほ場において1996年2月に発病樹を改植した後、1999年12月まで同水和剤の500倍を定期的にかん注したところ全く発病がみられず、無処理区と比較して顕著な防除効果が認められた(表1)。
  • エ)防除対策
    本病に対する防除は、発病樹を早期に改植して、植栽後より1ヵ月間隔で1樹当たり1?のルミライト水和剤の500倍(収穫30日前以降から収穫期間中はトップジンM水和剤の500倍)をイチジクの株元へかん注する。

3)普及上の留意点

ルミライト水和剤は1999年4月にイチジク株枯病かん注薬剤として登録された。

なお、本剤は株枯病に対する治療効果は期待できないため、発病が確認された樹は改植する必要がある。

(果樹試験場・主任研究員・清水伸一)

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お問い合わせ

農林水産部農林水産研究所 果樹研究センター

〒791-0112 松山市下伊台町1618 

電話番号:089-977-2100

ファックス番号:089-977-2451

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