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水問題に対する県からの提案に関する記者発表の要旨について

ページID:0005056 更新日:2015年8月7日 印刷ページ表示

記者発表資料[PDFファイル/64KB]

日時:平成27年8月6日(木曜日)

     11時04分~11時18分

場所:知事会議室

 

(知事)

 長年の課題でもあり、また、公約にも掲げておりました、西条と松山の水問題の調整について、広域調整を図る立場から、西条市、そして松山市にとってもプラスになる、最善となる方策を調整役である県の立場から、それぞれに提案をさせていただきたいというふうに思います。

 経緯といたしましては、県は、加茂川と黒瀬ダムの水資源の有効活用を通じまして地域の発展に資することを目的として、西条市、新居浜市及び松山市、そして県の4者で「水問題に関する協議会」、4者協議を設置し、この下部組織であり、各機関の実務者で構成される幹事会におきまして、これまで西条、松山両市にそれぞれ水問題があることを確認した上で、まずは何といっても西条の水を守ることを最優先として協議を積み上げてまいりました。

 このような中、1月に開催された幹事会において、西条市から、地下水の水位低下や塩水化の問題が顕在化しており、黒瀬ダムの水利用についても幹事会で引き続き協議したいという意向が示されまして、ダムを管理する県が、西条市の課題の解決に必要となるダムの能力を検討することになりました。

 現在、県営黒瀬ダムにより加茂川の長瀬地点で毎秒2立方メートルを確保しておりますが、西条の地下水を守るために必要な毎秒5立方メートルを確保できるか県が検討してまいりました。その結果、黒瀬ダムには、この水を、5立方メートルですね、供給する能力があるということの確認、また、このほかに、それをもっても使用目的が決まっていない利用可能な水が日量5万8千立方メートルあることが分かりました。これがまず客観的な数字でございます。

 その検討結果から、西条市と松山市の抱える水問題を同時に解決することは理論的には可能であり、問題解決に向け、取り組むべき方向性が見えてきたことから、両市の皆様に、本当に冷静に議論を深めていただきたいという思いで、今回、六つの提案を県の方からさせていただきたいと思います。

 まず第一に、この一番上でありますけども、西条、そして松山両市の水問題を一緒になって解決しませんかという呼び掛けでございます。まず最初の提案は、先ほど説明したとおり、何よりも、西条の水を守ることを最優先にしておりますので、加茂川と県営黒瀬ダムには、西条市と松山市、西条市の水を守り、そしてその上で、余力というものを含めて松山市の水問題を解決できる能力があることが分かったということであります。このため、県も広域調整の立場で、広域にまたがる案件になりますと全面的にバックアップできることになりますので、黒瀬ダムの水を活用して、両市がそれぞれの水問題を一緒に解決してはどうでしょうかという提案でございます。

 二つ目は、西条の水文化を将来にわたり守るため、県営黒瀬ダムの具体的な活用方策を検討していきませんかということでございます。この二つ目は、まさに西条の水を守ることを最優先にしたことでありますけども、「うちぬき」に代表される西条の水文化の源である地下水を将来的に守るためには、黒瀬ダムの水を活用する方策についての課題の洗い出しや解決方法などさまざまな検討、これはダムの水の利用方法や実現可能性などの検討でございますが、これが必要になってまいります。そこで、先ほど申し上げたように、広域の調整になりますので、県の全面的なバックアップのもと、黒瀬ダムの具体的な活用方策を検討していくことはどうだろうかという提案でございます。

 三つ目は、渇水時の西条市優先をルール化しませんかという問い掛けでございます。これはですね、松山へ、もし余剰のものを分水したことにもしなった場合にですね、西条市民の中には、西条が渇水となったときの水利用を不安視する声がございます。このため、渇水時には、西条市の水利用を明確に優先するということなど、渇水時の対応を西条市と松山市があらかじめ協定等で明確にルール化してはいかがでしょうかという提案でございます。

 次は、四つ目でありますけども、松山市は通常時にダムからの取水を抑制するというふうなことを考えたらどうかという提案でございます。ダムには常時、両市の水問題を解決できるだけの能力はございますけれども、西条市民には、松山市が1年365日ずっと最大必要水量を取水し、松山の水源を温存するのではないかという不安の声があると聞いております。その不安を少しでも和らげるため、松山市は、例えば、梅雨など雨の多い時期に需要が下がることなど、実態に即したきめ細かい需要予測に基づいて、黒瀬ダムからの取水量を必要ないときには減らすなど、取水を抑制した計画を検討してみてはどうかという提案でございます。

 五つ目は、松山市はダム上流域で水源涵養をしませんかという呼び掛けでございます。西条市では高齢化や人口減少に伴って、黒瀬ダム上流域の森林の荒廃に対する不安の声が聞こえてきます。松山市は、もし黒瀬ダムの水を利用できることになれば、西条市が水源地域となりますので、黒瀬ダムの上流域での森林整備などを行って、水源涵養に力を合わせていったらどうだろうかという提案でございます。

 そして、六つ目は、西条市と松山市との交流・連携を一層考えていきませんかという呼び掛けでございます。これは、仮に松山市が黒瀬ダムの水を利用するとなりましたら、西条市と松山市は同じ水を分かち合う関係となり、両市が、これを契機として、これまで以上に友好を深め、共に発展できるように、両市の各界各層のレベルで、一層の交流・連携を図る具体的な取り組みを考えていったらどうかなという提案でございます。

 以上、六つの提案を今回両市に投げ掛けさせていただきたいと思います。

 皆さんに対しては、降雨に恵まれない愛媛県では、水不足に悩まされて、これまでも、各地で、これは全県のことですけれども、各地でダムを造って、県内はもとより、先般の広島からの取水もありますけども、県外の皆様にも、ご理解を賜りながら、広域的な水利用を行ってまいりました。そこには先人達の知恵と工夫、そして水源地の方々の友愛の精神で乗り越えてきた歴史がございます。

 西条市民の皆さんにとって、うちぬきの水は生活文化そのものであって、水への強い思いがあることは十分理解しております。そして今回、黒瀬ダムの水を活用することで、先ほど提案させていただきましたけれども、「西条の水問題」これを解決して、将来にわたって地下水を守ることが可能になるというふうな提案をさせていただきます。西条市をはじめ、市民の皆さんには、本日の提案について、ぜひ冷静で活発な議論を、何も決まっているわけではないので、提案でありますから、議論を切にお願いしたいと思います。

 一方、松山市の皆さんには、西条市民の水への思いをしっかりと受け止めていただき、その気持ちに寄り添って、分水に関する西条市民の不安や懸念等を払拭するための提案をさせていただきました。松山市においては、本日の提案をもとに、西条市民の不安解消や両市の発展につながるさらなる検討を期待したいと思います。

 県としては、広域行政の調整役でございますので、両市にまたがる水問題の解決というふうな広域のまさに調整となりますから、今後とも、その立場から全面的にバックアップをしていきたいというふうに思います。

 なお、先ほどお話がありましたように、この後、記者クラブにおいて、担当課の方からも詳細説明させていただきますので、よろしくお願いします。以上です。

 

(愛媛新聞)

 この提案に関して、西条市、松山市への伝達とかは、どのように考えているのか。

 

(知事)

 今日、まずこれで記者発表しますので、その後、これはどのようにするのか。

 

(土木部長)

 この後、事務方のほうにはこの提案書を送らせていただきまして、来週、幹事会も決定しておりますので、その詳細についてはまた幹事会の席でご説明させていただくというふうに思っております。

 

 

(愛媛新聞)

 これに関しては、いわゆる松山への分水を進めたいという考え方ということか。

 

(知事)

 いや、ですから、非常に理論的に、客観的に、広域調整の立場で提案をいたしますので、まず何よりも、先ほど申し上げましたように、両市に水に関する問題があると、悩ましい問題を抱えているという現状があります。

 その中で、まず何よりも西条の水を守るということを優先するということで、議論を積み重ねてきました。

 ただ、その議論を進めるに当たりましても、黒瀬ダムにそれだけの両方を解決できる能力があるかどうかが一番問題になるわけでありますから、そのことについて、まず西条市の水を守るためにはどれだけの水量が必要なのか、先ほど申し上げた毎秒5立方メートルの確保ですね、この能力があって、かつ、それをやったとしても余力があるということが分かりましたので、まずその前提で西条の水を守るということを最優先にやった上で余力があるということで、さあどうしようかというふうな段階、この順番が大事だと思うんですけども、その中での提案ということになっています。

 ですから、ちゃんとした数字に裏打ちさせて、まず何よりも西条の水を守るというふうなことでこれをやりませんか、でもそれをやったとしてもこれだけのものがあるので、さあこれをいかに活用するか、分水というものも検討されてはいかがでしょうか、その代わり松山市さんは、もしそれを受けるとするならば、西条市に対してのさまざまな協力や連携というのをされたらいかがでしょうかという、そういう段取りの中で提案をしていますので、ただ単に分水というような一言で片付けられるような提案ではないというふうに受け止めていただけたら幸いです。

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