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平成14年度再評価(第1回) 議事録

ページID:0008210 更新日:2013年2月1日 印刷ページ表示

平成14年度愛媛県再評価委員会(第1回)議事録〔要旨〕

1開会

2委員紹介

3開会あいさつ

4議事

中山川ダム建設事業

(再評価対象事業の説明)

審議

佐伯委員:
この事業は、平成12年度再評価委員会において継続という結論に至ったが、今回は休止したいとの説明を受けた。利水の必要性が無くなったこと、地元の協力が無くなったことが今回付議された理由か。
今回も前回も、中山川ダムの費用対効果を算出する際、治水が便益のポイントとなっていたが、今回、中山川の治水対策としてはボトルネック解消のための河川改修でよいということか。

水資源対策課:
利水者の撤退に伴い、中山川ダムは多目的から治水単独目的となり、治水ダムとしての費用対効果や代替え案を検討し、再評価委員会に諮ることとした。
中山川ダムは、平成20年頃から水道やかんがいの水が不足するので平成8年に建設着手したが、利水者の撤退にともない中山川の治水対策について再度検討した。その結果、中山川においては、ダムと河川改修で治水対策を行うことが最善であると考えるが、非常に厳しい財政状況において優先課題であるボトルネック解消のための河川改修を進め、ダムは休止することとしたい。つまり、今までの枠組みの中で治水の整備の手順を変えたいということである。

佐伯委員:
ダムの必要性と、公共工事に対する支出とのバランスの中で、事業継続の断念という選択をしたのか。

水資源対策課:
費用対効果を考慮した場合、ダム建設は妥当と考えている。
しかし、現在の中山川の整備率は県内の他の河川と比較して高いこと、また、限られた予算の中で中山川の治水対策をどのように進めるかを検討した結果、ボトルネック区間の河川改修を優先すべきであると考えている。

柏谷委員長:
当初ダム建設を計画した時点では、中山川の長期的治水対策として50年に1回程度発生する洪水に対応するよう計画されているが、今回説明を受けたボトルネック解消のための河川改修は、短期対応の計画である。長期対応としては変更はないのか。

水資源対策課:
中山川においては、50年に1回の洪水に対応する計画に変更はない。
しかし、治水7箇年計画の当面の目標(50mm/hr雨量による洪水に対応)に対処する手段としてボトルネック区間の河川改修が妥当であると考えている。

佐藤委員:
ボトルネックを解消することによりどの程度の洪水に対応できるのか。また、県内の他の河川と比較してどうか。

水資源対策課:
50mm/hr雨量による洪水に対応できると、15年に1回程度発生する洪水に対応できることとなる。
この50mm/hr雨量による洪水に対する河川の整備率は、現時点で県内の平均42%、中山川86%となっており、約2kmのボトルネック区間を整備すると100%になる。

佐藤委員:
利水について、上水は将来的に必要ないのか、また農水の代替水源として何か考えているのか。

環境政策課:
上水については、検討の結果、目標年度の平成30年において必要量が1万トンから4,600トンに減少し、今後各市町が自己水源を開発することで対応する。

農地整備課:
農水については、今後国、市町村、地元とも協議しながら代替水源について検討したい。

関委員:
中山川ダムを休止したいということだが、治水と利水の目的を持った多目的ダムとしては一旦計画を白紙に戻すということか。

水資源対策課:
中山川ダムは、利水者と治水事業者である県の共同事業である。治水としては必要であるが、利水者が費用負担出来ないということなら、多目的での建設自体が困難である。

青野委員:
ダム建設を決めた時点では、治水、上水、農水3つの目的の中で、上水と農水は緊急に必要ということであった。このため、平成12年の再評価においてもコストベネフィットだけではない理由で継続とした。しかし、利水者の事情が変わり、利水の緊急度がそれほど無くなったため、治水についてはダムは休止して、当面ボトルネック解消で対応したいということだと理解している。
中山川ダムは、多目的とするスケールメリットや利水の緊急度を考えて早急に取り組んだということである。治水の必要性はあるが、利水者の撤退により多目的から治水目的となり、早急にダムを建設する必要がないと説明した方がわかりやすい。

柏谷委員長:
将来、中山川が県下の他の河川に比べて、治水上早急に手を打たないと危険な状況となった場合、ダム事業は、休止からもう一度復活すると解釈していいのか。
どういう条件がそろえば事業を再開するのか。

水資源対策課:
ダム事業の再開については、ボトルネック区間解消のための河川改修を進め、50mm/hr雨量による洪水に対応できた時点で再度検討したいと考えている。

柏谷委員長:
平成12年の再評価の時、長期的に考えた場合、これまでに想定された利水ではなく、もっと広域的な利水を将来再検討することもあるとの意見が出された。
答えなくて結構だが、なぜ、中山川ダムのように費用対効果の高いダムを休止するのかという素朴な疑問がある。

佐藤委員:
河川の持つ多面的機能というのは非常に大きく、特にアメニティ(環境などの快適性、居住性)機能が大きい。
今後、天井川となって水の流れていない河川をどういうふうに川として再生するかが大きなテーマであり、そういうことも踏まえ河川を管理していく必要があると思う。
治水だけでなく、農水も一緒になって、河川の効用や環境を考え、水量を回復できるよう計画してほしい。

佐伯委員:
今、休止すべきと思うが、時代の流れに合わせて機敏な動きをすることで、長期的な本来の目的を見失ってしまうのではないかと危惧している。

天野委員:
休止という提案には賛成したいと思う。
今後、河川の持つ多面的機能について、十分に説明できるよう、情報公開を是非進めてもらいたい。そして、将来、中山川ダムの事業再開についてもう一度検討する機会があるときには、そのことが提示されることを期待する。

関委員:
一連の話を聞いていて、休止すべきだと思う。
ただ、このダムが治水ということで、住民の期待があったことは事実なので、洪水時における決壊の危険性などを十分調査し、河川からあふれた水がどのように下流地域へ流れ出るかシュミレーションして、重要な公共施設や弱者の施設等に被害が及ばないよう、できる限りの対策をお願いしたい。

天野委員:
最近、ダムによらない治水の可能性が議論がされているように思う。
河川の持つ多面的機能と併せて、このダムによらない治水の可能性についても、社会の中で議論がされ、いろんな意見が出ているので、愛媛県でも是非この点について十分検討してほしい。

水資源対策課:
ダムによらない治水という話だが、先程代替案を示したように、費用面や環境面等いろいろなことを検討したうえでダムが必要であると考えている。そういう点はご理解いただきたい。

柏谷委員長:
それでは、中山川ダム建設事業に対する委員会の意見をとりまとめたいと思う。この中山川ダム建設事業については、事業休止と言うことで委員会の意見をまとめてよろしいか。
みなさんのご了解を得たので、事業休止ということにさせていただく。

県営かんがい排水事業 浦山地区

(再評価対象事業の説明)

審議

青野副委員長:
この事業は、地区全体では土地改良法に規定される有資格者の3分の2以上が同意しているものの、大字毎に3分の2以上の同意が得られないことから、施行申請が提出されず、着工の見込みがないとの説明であるが、法律上の規定に加え、なぜ大字毎の同意を必要としているのか。

農地整備課:
県が行う審査の透明性を確保するため審査基準を定め公表しているが、この基準では大字毎に3分の2以上の同意が必要との規定を設けている。この規定は、事業を円滑に推進するために定めており、本地区の場合この基準を満たしていない。

天野委員:
参考までに、反対の理由について紹介いただきたい。

農地整備課:
反対者の意見としては、まず地下水が豊富でダムの建設は必要ないという主張、そして、浦山川に元々あった慣行水利権が侵害されるという主張、また、ダム建設は環境破壊につながるという主張、それから、受益者の過半数が反対していること、主に以上の4点を挙げている。
これらの点について調査を行った結果、
地下水については、地下水位の一斉観測資料や平野内の水収支等を愛媛大学で解析いただいた結果、他地区の事例から見て地下水涵養量の約30%を取水している現状が限度と考えられるとの意見をいただいている。
慣行水利権については、慣行水利権を持つ最下流の堰を越流する余剰水をダムに貯める貯留制限方法を採用しているので、その権利を侵害するものではないと考えている。
環境破壊については、それぞれの必要性の判断になると思われる。
受益者の過半数が反対していることについては、不同意者の署名簿が提出されていないため、事実関係は確認されていない。町からは3分の2以上の同意を得ているとの報告を受けており、両者が事実とすれば同意と不同意どちらにも署名押印しているものと考えられる。

佐藤委員:
この事業は申請事業のため、申請がないのであれば事業ができないことは理解できる。
受益者が反対しているというのは、水に困ってない人が反対しているのか。

農地整備課:
反対者が多い地区は、浦山川の最上流にある堰掛かりであるが、取水地点が上流に位置するため、優先的に取水しており、他の地区に比べ不足の度合いは低い。
一方では毎年のように番水をしている地区もあり、関係農家は用水の確保に苦労している状況にある。

佐伯委員:
この事業の発端は、平成6年の異常渇水を契機に用水確保の要望が出されたということであるが、平成6年以外に渇水による被害は生じているのか。

農地整備課:
被害額は手元に資料がないため説明できないが、毎年のように行っている番水作業も渇水による被害に含まれる。農家は、被害を軽減するため、番水により少ない水を分け合い、多くの労力を費やしているのが現状で、農作物への直接的な被害がない場合も多い。
この事業の効果算定には、営農労力の節減効果も計上している。
また、この事業は基本的に10年に1度起こりうる干ばつに対応できる水量を確保する計画で進めているため、通常の年に被害がないから計画上必要ないということにはならない。

佐伯委員:
この事業では、全体実施設計費として2億1千万円の調査費を執行しているが、法律上の要件を満たさない場合でも調査は可能か。

農地整備課:
この事業を執行するには、予算上の手続きと土地改良法上の手続きがあり、予算上の手続きは平成8年に土居町から採択申請が提出され国から地区採択を受け調査を行っている。土地改良法では、法手続が完了しなければ用地買収や工事に着手してはならないと規定されており、当地区の場合着工できない状況にある。
平成9・10年度全体実施設計を行った2億1千万円の取り扱いについては、今回の調査データを将来当平野内における水資源開発計画に有効に活用できるものと考えており、今後国と協議したい。

関委員:
この事業を中止をした場合に、水を供給する代替案とか、そういう心配は本当に起こらないのか。起こるとすればこの事業自体、また別の事業でもいいが、この地域の産業を振興する上では、大変危惧されるところである。

農地整備課:
水資源対策には、短期的対策と中長期的対策があり、短期的にはため池の拡張や地下水の利用が考えられ、中長期的には水源林の整備やダム建設等がある。
土居町の場合、農業用水の大部分を降雨の多寡に左右される河川からの取水に頼っていることから、何らかの対策が必要と考えている。
今後、地元がまとまって、要望があれば、改めて検討したいと考えている。

佐藤委員:
毎年のように番水を行っている北野地区が明らかに水に困っていると思われるが、下流域の用水地域は困っていないのか。

農地整備課:
町の調査結果では、平成6年の異常渇水時に海岸部の一部の井戸で塩水進入があったとの報告がある。

佐藤委員:
緊急な対策が必要な地域を分けて考えた方がいいのではないか。本当に困ってる地域には知恵を絞って考えてあげるというふうな対応が必要ではないかという気がするので、考慮願いたい。

農地整備課:
地区割り等、地元住民の合意が整い申請があがってきた場合には、前向きに取り組んでいきたいと考えている。

柏谷委員長:
反対される理由を見た時に、農家の負担が高いから反対するという人が殆どだろうと思っていたが、そういう人が全然いない。利用者は負担金を払わないのか。

農地整備課:
この事業では、地元負担が25%あるが、土居町が議会の承認も得て基幹水利施設の部分、ダムやパイプラインについては、全額助成するので農家負担はない。
なお、将来の管理費については新たな管理組織を作り、その中での管理経費は必要になる。

柏谷委員長:
農業用水とは生産のための水であり、当然コストとリンクさせて考えるのであって、コストが引き合わないのであれば、農業をやめれば、需要も無くなる。従って、そういう面では、やはり需要があるか無いかよりコストが需要とリンクするような仕組みの中で公共事業は考えていかないと、今後問題が出てくると感じている。
特にご意見なければ、このあたりで県営かんがい排水事業浦山地区についての委員会の意見をとりまとめたいと思うがよろしいか。それでは、この県営かんがい排水事業浦山地区については、事業中止と言うことで委員会の意見をまとてよろしいか。それでは、みなさんの了解を得たので、事業中止と言うことにさせていただく。以上を持って、本日の付議案件の審議を終了する。
なお、今年度の再評価対象事業はあと18件予定されているようなので、次回委員会については8月下旬を目処に事務局において調整をお願いしたいと思うが、各委員いかがか。それでは、次回については事務局の方で準備をよろしくお願いする。

~終了~


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